手紙を受け取ったときの彼は。@仮面の男
2011年9月14日 タカラヅカ ギャグシーンやつまらないパフォーマンスで時間を費やし、肝心のストーリーが描けていない……てゆーか描くつもりもないのか、『仮面の男』。
ダルタニアンや三銃士の年齢設定や舞台上の時間の流れなど、わからないことはいろいろあるが、わたし的にいちばん気になるのが「ラウルの手紙」時点での、アトス@まっつの立ち位置。
わたしたち観客は、
1.女好きのルイ@キムが、美女ルイーズ@みみを見初めた。
2.ルイーズを手に入れるために、その恋人ラウル@翔を政治犯として投獄した。
3.ラウルを人質に取り、ルイがルイーズを脅迫して侍女にした。
4.ラウルが牢獄で「仮面の男」の秘密を知り、それゆえに処刑された。
ということを知っている。
しかし銃士隊を辞め、市井で無銭飲食なんかして食いつないでいるアトス兄さんが、これらのことをどこまで知り得ただろう。
一般的に告知されるのは「ラウルは政治犯である。そのために投獄された」ということのみ。
もちろんアトスはラウルが国家転覆をたくらんでいたなんて、思ってない。
国王が密偵を使って言論統制・弾圧していることは周知だから、その流れで「なにかの間違い」で疑われたと思うだろう。
まず最初の「1」を知らなければ、これがルイの陰謀だなんて思わない。
ラウル逮捕とルイを結びつけはしないだろう。
当事者であるルイーズならば、直接ルイから口説かれたときに察したかもしれないが、彼女はそのことをアトスに告げただろうか。
「国王に直訴したら、再調査の見返りに侍女になるよう命令された」ぐらいは報告するかな。
ルイは自分がはかりごとの張本人だとは、明言していない。なのに「私を手に入れたくて、ラウルを投獄したのよ!」ってルイーズが自分から言い出したら、なかなかイタい女に見える……いやソレが事実なんだけど、自分で言うのはなかなか(笑)。
賢く慎ましいルイーズは、そう察したとしても他人には言わないだろうなあ。ひとり、自分のせいなのかと思い詰めていそう。
真実は上記の「1~3」だが、アトスから見えていることは、
A.ラウルが政治犯として投獄された。
B.再調査をルイに直訴したルイーズは、彼の侍女として仕えることになった。
……これだけ。
ルイが女好きなのは知っているから、直訴に現れたルイーズの美貌を見て下心を出したと思うのが関の山。
「ルイは君を狙っているかもしれないから、気を付けるんだ」くらいのことは、ルイーズに言っただろう。でも、ルイーズが侍女になることは止めない。まさかそれがルイの狙いだとは知らないから、ルイーズの美貌によろめいて、普段なら気にも留めない木っ端罪人の処遇を考え直してくれるならこれ幸い、てなもんか。
ここまでは流れ的に想像がつく。
気になるのは真実「4」の扱いだ。
アトスが飲んだくれている時点で、ラウルの死は公表されていたのか?
アトスがすさんでいる理由が説明されていないため、わからないんだ。
全体的にこの作品は「時間の流れ」が理解できない。
最初に「早わかり世界史」とかやって、さも時代や時の流れを丁寧に考えている振りをして、実はいちばんぞんざい……というか、ぶっちゃけ、ナニも考えてないんだろう。
論理的な思考の出来ない人が、思いつきだけでエピソードを並べているため、話はなにがなんだかわからなくなっている。
それこそ、「早わかり世界史」がタイトルに反してぐちゃぐちゃで歴史がまったくわからない、ことに象徴されているように。
なにしろ後半の「ルイとフィリップ入れ替え大作戦」からラストシーンまで、一晩の出来事みたいだし?
「時間」をまともに描くことをしないのは、「心」を軽んじているためだ。
時間経過と出来事が正しく作用し、人の心は変化する。こだまっちはそれを理解していない。
てことで、わかりやすい「泣かせどころ」である「ラウルの手紙」の時間的背景がわからない。
アトスが酒瓶片手に坐り込んでいるのは、
a.投獄されたラウルがどうしているかは、外の人間にはわからない。心配。
b.投獄されたラウルが、処刑されると発表された。動揺。
c.投獄されたラウルが処刑されてしまった。絶望。
の、どれだろうか?
そしてここで、手紙が届く。
「a」ならばアトスは手紙ではじめて「政治犯でっちあげの真犯人」「仮面の男の秘密」「ラウルの死」を知る。手紙を読むまでは、ラウルはふつーの罪人として収監されているだけ、いずれ助け出すことも可能と思っていた。
背景のラウルの姿は「過去」。もう彼はこの世にはいない。
「b」ならばアトスが手紙で知るのは「ラウル処刑の真の理由」「仮面の男の秘密」。政治犯として処刑されると思っていたから、なんとか助命できないかと走り回っていた、しかしこんな理由なら無理だ、ルイを倒さない限りラウルは救えない。
背景のラウルは「現在進行形」。今まさに処刑される姿。
「c」ならばアトスが受け取った手紙は「死者からのメッセージ」。政治犯として処刑されたと聞いていたが、そうではなかった。「ラウル処刑の真の理由」「仮面の男の秘密」。
背景のラウルの姿は「過去」。もう彼はこの世にはいない。
これだけ受け取り方の違うパターンがあるんだから、わかるように描くのが当然だろう、こだまっち。
わたしは「a」だと思っているけれど、なにしろ答えがないため違うかもしれない。
わたしが「a」……アトスがナニも知らない、と思うのは以下の理由からだ。
・ルイの目的は、ラウルをルイーズから遠ざけること。
・ラウルを生かして人質にし、ルイーズに言うことを聞かせる。
・今のところは明言していないが、ルイーズがルイを拒めば、わかりやすくラウルの命を楯に関係を迫るだろう。
→ ラウルを殺すことは考えていない。
・ラウル処刑は突発的なことである。
・人質として有効利用するはずが、アクシデント発生により仕方なく殺すことになった。
→ ラウル処刑は、突発的な、大急ぎのやっつけ仕事である。
・フィリップのことは秘密である。万が一にも漏れてはならない。
・言及される恐れのあることは、最初からナニも発表しない。
→ ラウル処刑は告知しない。あくまでも政治犯として収監、面会不可で一定期間沈黙、そののちに「病死した」と発表。
若く健康なラウルが病死してもおかしくないくらいの期間はおいてから、その死だけを結果として発表するだろう。
アトスがいち早く真実を知ったのは手紙があったから。本当なら半年くらいは「投獄されたラウルは無事だろうか」と、アトスもルイーズもラウルがもうこの世にいないことも知らずに心配して暮らしただろう。
それに、アトスならば、
「b」のように処刑宣告があったなら、ただ飲んだくれてはいないと思う。ただ投獄されているのと、何日に殺されますよ、では必死さが違う、うなだれるヒマがあったらもっとナニかしているだろう。
「c」のように「すでに処刑されました」だったら、やはり坐り込んでないと思う。速攻処刑されなければならないほどの罪を犯したというなら、裏になにかあるはずと疑っただろう。
だから答えは「a」。
ラウルは単に政治犯として投獄されているだけ、いつ出られるかわからないし、中で酷い目に遭っているんじゃないかと心配している状態。
おにーちゃんは自分の出来るすべてのことをやってみて、今壁にぶち当たって飲んだくれているところ。
そこへラウルの手紙が届き、まず、「血で書かれた」ことにただならぬモノを感じ、読み進めると「国家を揺るがす秘密」が書いてあり、それを知ってしまったゆえに殺される……いや、この手紙からして、「弟がすでにこの世にない」ことを知る。
手紙を読むまでは、ナニも知らなかったんだよね?
ドラマとかでよくある「はっ、この手紙は3日前に殺された被害者からのものだ!」とかじゃないよね。
ナニも知らなかったのに、手紙を読むことですべてを知り、読み終わるなり大作戦発動!だったのよね。あれだけのことができちゃうんだから、事件の断片なり知っていたら、手紙が着く前にもなにかしらしてるもんね。
いや、いちいちこんなことを読み解くまでもなく、「ナニも知らないアトスは、ラウルからの手紙を読んで、はじめて、すべてを知った」と思って見ていたんだけど。
なにしろこだまっちなので、よくわからない(笑)。
ダルタニアンや三銃士の年齢設定や舞台上の時間の流れなど、わからないことはいろいろあるが、わたし的にいちばん気になるのが「ラウルの手紙」時点での、アトス@まっつの立ち位置。
わたしたち観客は、
1.女好きのルイ@キムが、美女ルイーズ@みみを見初めた。
2.ルイーズを手に入れるために、その恋人ラウル@翔を政治犯として投獄した。
3.ラウルを人質に取り、ルイがルイーズを脅迫して侍女にした。
4.ラウルが牢獄で「仮面の男」の秘密を知り、それゆえに処刑された。
ということを知っている。
しかし銃士隊を辞め、市井で無銭飲食なんかして食いつないでいるアトス兄さんが、これらのことをどこまで知り得ただろう。
一般的に告知されるのは「ラウルは政治犯である。そのために投獄された」ということのみ。
もちろんアトスはラウルが国家転覆をたくらんでいたなんて、思ってない。
国王が密偵を使って言論統制・弾圧していることは周知だから、その流れで「なにかの間違い」で疑われたと思うだろう。
まず最初の「1」を知らなければ、これがルイの陰謀だなんて思わない。
ラウル逮捕とルイを結びつけはしないだろう。
当事者であるルイーズならば、直接ルイから口説かれたときに察したかもしれないが、彼女はそのことをアトスに告げただろうか。
「国王に直訴したら、再調査の見返りに侍女になるよう命令された」ぐらいは報告するかな。
ルイは自分がはかりごとの張本人だとは、明言していない。なのに「私を手に入れたくて、ラウルを投獄したのよ!」ってルイーズが自分から言い出したら、なかなかイタい女に見える……いやソレが事実なんだけど、自分で言うのはなかなか(笑)。
賢く慎ましいルイーズは、そう察したとしても他人には言わないだろうなあ。ひとり、自分のせいなのかと思い詰めていそう。
真実は上記の「1~3」だが、アトスから見えていることは、
A.ラウルが政治犯として投獄された。
B.再調査をルイに直訴したルイーズは、彼の侍女として仕えることになった。
……これだけ。
ルイが女好きなのは知っているから、直訴に現れたルイーズの美貌を見て下心を出したと思うのが関の山。
「ルイは君を狙っているかもしれないから、気を付けるんだ」くらいのことは、ルイーズに言っただろう。でも、ルイーズが侍女になることは止めない。まさかそれがルイの狙いだとは知らないから、ルイーズの美貌によろめいて、普段なら気にも留めない木っ端罪人の処遇を考え直してくれるならこれ幸い、てなもんか。
ここまでは流れ的に想像がつく。
気になるのは真実「4」の扱いだ。
アトスが飲んだくれている時点で、ラウルの死は公表されていたのか?
アトスがすさんでいる理由が説明されていないため、わからないんだ。
全体的にこの作品は「時間の流れ」が理解できない。
最初に「早わかり世界史」とかやって、さも時代や時の流れを丁寧に考えている振りをして、実はいちばんぞんざい……というか、ぶっちゃけ、ナニも考えてないんだろう。
論理的な思考の出来ない人が、思いつきだけでエピソードを並べているため、話はなにがなんだかわからなくなっている。
それこそ、「早わかり世界史」がタイトルに反してぐちゃぐちゃで歴史がまったくわからない、ことに象徴されているように。
なにしろ後半の「ルイとフィリップ入れ替え大作戦」からラストシーンまで、一晩の出来事みたいだし?
「時間」をまともに描くことをしないのは、「心」を軽んじているためだ。
時間経過と出来事が正しく作用し、人の心は変化する。こだまっちはそれを理解していない。
てことで、わかりやすい「泣かせどころ」である「ラウルの手紙」の時間的背景がわからない。
アトスが酒瓶片手に坐り込んでいるのは、
a.投獄されたラウルがどうしているかは、外の人間にはわからない。心配。
b.投獄されたラウルが、処刑されると発表された。動揺。
c.投獄されたラウルが処刑されてしまった。絶望。
の、どれだろうか?
そしてここで、手紙が届く。
「a」ならばアトスは手紙ではじめて「政治犯でっちあげの真犯人」「仮面の男の秘密」「ラウルの死」を知る。手紙を読むまでは、ラウルはふつーの罪人として収監されているだけ、いずれ助け出すことも可能と思っていた。
背景のラウルの姿は「過去」。もう彼はこの世にはいない。
「b」ならばアトスが手紙で知るのは「ラウル処刑の真の理由」「仮面の男の秘密」。政治犯として処刑されると思っていたから、なんとか助命できないかと走り回っていた、しかしこんな理由なら無理だ、ルイを倒さない限りラウルは救えない。
背景のラウルは「現在進行形」。今まさに処刑される姿。
「c」ならばアトスが受け取った手紙は「死者からのメッセージ」。政治犯として処刑されたと聞いていたが、そうではなかった。「ラウル処刑の真の理由」「仮面の男の秘密」。
背景のラウルの姿は「過去」。もう彼はこの世にはいない。
これだけ受け取り方の違うパターンがあるんだから、わかるように描くのが当然だろう、こだまっち。
わたしは「a」だと思っているけれど、なにしろ答えがないため違うかもしれない。
わたしが「a」……アトスがナニも知らない、と思うのは以下の理由からだ。
・ルイの目的は、ラウルをルイーズから遠ざけること。
・ラウルを生かして人質にし、ルイーズに言うことを聞かせる。
・今のところは明言していないが、ルイーズがルイを拒めば、わかりやすくラウルの命を楯に関係を迫るだろう。
→ ラウルを殺すことは考えていない。
・ラウル処刑は突発的なことである。
・人質として有効利用するはずが、アクシデント発生により仕方なく殺すことになった。
→ ラウル処刑は、突発的な、大急ぎのやっつけ仕事である。
・フィリップのことは秘密である。万が一にも漏れてはならない。
・言及される恐れのあることは、最初からナニも発表しない。
→ ラウル処刑は告知しない。あくまでも政治犯として収監、面会不可で一定期間沈黙、そののちに「病死した」と発表。
若く健康なラウルが病死してもおかしくないくらいの期間はおいてから、その死だけを結果として発表するだろう。
アトスがいち早く真実を知ったのは手紙があったから。本当なら半年くらいは「投獄されたラウルは無事だろうか」と、アトスもルイーズもラウルがもうこの世にいないことも知らずに心配して暮らしただろう。
それに、アトスならば、
「b」のように処刑宣告があったなら、ただ飲んだくれてはいないと思う。ただ投獄されているのと、何日に殺されますよ、では必死さが違う、うなだれるヒマがあったらもっとナニかしているだろう。
「c」のように「すでに処刑されました」だったら、やはり坐り込んでないと思う。速攻処刑されなければならないほどの罪を犯したというなら、裏になにかあるはずと疑っただろう。
だから答えは「a」。
ラウルは単に政治犯として投獄されているだけ、いつ出られるかわからないし、中で酷い目に遭っているんじゃないかと心配している状態。
おにーちゃんは自分の出来るすべてのことをやってみて、今壁にぶち当たって飲んだくれているところ。
そこへラウルの手紙が届き、まず、「血で書かれた」ことにただならぬモノを感じ、読み進めると「国家を揺るがす秘密」が書いてあり、それを知ってしまったゆえに殺される……いや、この手紙からして、「弟がすでにこの世にない」ことを知る。
手紙を読むまでは、ナニも知らなかったんだよね?
ドラマとかでよくある「はっ、この手紙は3日前に殺された被害者からのものだ!」とかじゃないよね。
ナニも知らなかったのに、手紙を読むことですべてを知り、読み終わるなり大作戦発動!だったのよね。あれだけのことができちゃうんだから、事件の断片なり知っていたら、手紙が着く前にもなにかしらしてるもんね。
いや、いちいちこんなことを読み解くまでもなく、「ナニも知らないアトスは、ラウルからの手紙を読んで、はじめて、すべてを知った」と思って見ていたんだけど。
なにしろこだまっちなので、よくわからない(笑)。
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