バカ女のファンタジー。@Samourai
2012年3月4日 タカラヅカ わたしにとっての「ルーシーちゃん」こと、杏奈様。
様付きで呼びたくなる、美しいおねーさま。
致命的に芝居が出来ない杏奈ちゃんだけど、石の上にも三年、さすがに13年も同じ仕事をしていれば多少の進歩は見られる。
ほんとに、うまくなったよ、杏奈ちゃん。
スタートがルーシーだったことを思えば、格段の上達。
とはいえ、今も十分大根なんだけどね。
えー、芝居のうまいヘタは所詮好みによる部分が大きいので、あくまでもわたしにとっての話です。杏奈ちゃんとか姫花とか、昔花組にいたりおんちゃんとかは、大根役者だと思っています。彼女たちの次元には到底届かないが、男役だとチャー様とか伊織氏とか……って、花組率高いなヲイ。
わたしにとってそうだってだけで、別の人には「神演技! こんな繊細かつ緻密な芝居を見たことがない!」かもしんないっす。
彼らは芝居ではなく、別に魅力があったからそれでいいんだと思ってます。
芝居ができなくてもいいのよ。杏奈ちゃんには長年培った娘役としての見せ方と髪型やアクセサリー技術、立ち居振る舞いがある。
黙って立っていれば、また、ただ踊っているだけなら、杏奈ちゃんは文句ない美女だ。
美貌や雰囲気、「美女としての説得力」は、杏奈ちゃんならではの魅力だ。芝居音痴だからって、タカラジェンヌとしての杏奈様の価値は揺るがない!
学年が上がるってのはすごいことだな。
杏奈ちゃんクラスになると、演出家も彼女の特性を理解して、彼女にできることだけをさせるようになる。つまり、できないことはさせない(笑)。
せっかくのゴージャスな美女なんだ、タカラヅカという美が必要な舞台で、彼女を使わないでどうする!
演出家によって彼女の使い方はかなり差があると思うけど、谷せんせはナニ気にお気に入りだよなあ。
なにしろ『ZORRO 仮面のメサイア』で総督夫人(かなめくんの妻)に抜擢してたくらいだからなー。
とまあ、前日欄から含めて前振り長過ぎ!ですが。
『Samourai』で意外にツボったのは、レティシア@杏奈ちゃんだ。
や、これほど、彼女の芝居について期待していない人間ですよ、わたしは。
たぶん一生、彼女のことを「ルーシーちゃん」と思っているわたしがですよ。
杏奈ちゃんの芝居で、泣かされた。
ねえ? あり得ないよねー、こんだけ杏奈ちゃんdisっておきながらさー。いや、何度も言うが、タカラジェンヌ・花帆杏奈ちゃん自身は好きなんですよ。あーゆーゴージャス美女は大好きだ。わたしは自分がおっさんだからか、女子度の高い女性が大好きだ、憧れる。
レティシアは素敵に杏奈ちゃんアテ書き。
生活の苦しいパリの人々の中に、TPOガン無視したド派手ドレス姿で現れる。
別に彼女は貴族でも金持ちでもない、コメディフランセーズの看板女優なんだ。
あるのはド下町根性、庶民丸出し。
天下の往来で男の名を連呼、後を追いかけて大騒ぎ。
彼女にはジャン・ルイというヒモがいて、せっかく舞台で稼いだお金を、全部そのヒモに貢いでいるらしい。
だめんずに引っかかってる、典型的バカ女。
いやあ、すばらしいです、このキャラクタが。
大女優様だから、派手なドレス着ていていいし、杏奈ちゃんの得意分野を活かせる。で、大女優のバカ女だから空気読めなくても棒読みでもいい。別次元の人だもんね。
そして。
この大女優様は、人生を謳歌している。
ダメ男にハマっているという、バカさ加減もわかっている。
その上で、楽しんでいる。男に貢ぎ、振り回される関係を。
恋を、楽しんでいる。
好きで貢いでいるのだと、あの美貌で高らかに言われ、ひれ伏したくなった。
いくらでも貢がれる立場だろう彼女が、自分から望んで貢いでいるんだ。愛する男をつなぎ止めるために、なりふり構わずまっしぐらに生きているんだ。
なんて、すがすがしいんだろう。
なんて……うらやましい。
出来事だけ見れば、ホストにハマって自滅する年増女、みたいな感じなのに。
胸を張って、自分で選んでそうしている、レティシアは輝いていた。
ヒモに貢ぐ彼女と、女房に逃げられるのではとびくびくのマティアス@りんきらはいいコンビ。
どちらも純粋にパートナーを愛していて、見ていて泣ける。
このふたりの会話が、登場場面しかないのが残念だ。谷ェ……。
ちなみに、レティシアのダーリン、ジャン・ルイは舞台には登場しない。
このまま出ないでくれたらいいな、と思っていたら、ありがたいことにその通りだった。
生身の姿がない方が、よりファンタジーが完成する。
そう、レティシアは、ファンタジーだ。
とにかく彼女はいつもKYで、いつもひとり大騒ぎ。
市民兵を募り、義勇軍を組織するってときにも、「ジャン・ルイ~~、ジャン・ルイ~~」とあの声で連呼しながら、ひとり大騒ぎしていた。
ジャン・ルイはどうやら、市民兵として入隊したらしいよ。
レティシアの役割は、「このときのパリの、平均的存在」だよな。
女のヒモやって生きてるよーな男でも、志願するような空気だったわけだ。
男にお守りを渡したくて、追いかけて大騒ぎしている彼女は、うるさいけれどかわいかった。
志願するなんてやめてくれとは言わないんだ。彼女もパリ市民なんだ。戦いに行くという愛する男を、それでも見送るんだ。
とにかく、登場するたび「ジャン・ルイ~~」とうるさいレティシア。
初戦のあと、パリに戻ってきた正名@キムたち市民兵のもとへ現れ、「ジャン・ルイ~~、ジャン・ルイどこ~~?」と騒ぐ。
されど、ジャン・ルイは帰らぬ人となっていた。
彼女が渡したお守りを、遺品だと渡され、これまた大騒ぎ。
女に貢がせて、しかもその女を足蹴にして、そして勝手に戦争行って死んじゃう男。
一見ひどいんだけどね。
レティシアのかわいさで、全部「アリだろ」って気になる。
レティシアに冷たい自分勝手な男のイメージだったけど、だけどジャン・ルイ、彼女のお守り、ちゃんと持ってたんだ……。
形見として戦友に託すくらい、レティのこと愛してたんじゃん……。
ジャン・ルイ本人は出てこないし、棒読みで「ジャン・ルイ~~」って騒いでいるレティしか見ていないっていうのに、このふたりの愛の形が見える気がするんだ。
たしかにひどい男なんだろうけど、それでも、彼なりにレティを愛し、彼らは彼らなりに、いいカップルだったんだろう。
そう思える。
あれ、長くなっちゃった、一旦切る。
って、まずい、次に欄が空いてるのは3月末だ(笑)。ま、いっか。
様付きで呼びたくなる、美しいおねーさま。
致命的に芝居が出来ない杏奈ちゃんだけど、石の上にも三年、さすがに13年も同じ仕事をしていれば多少の進歩は見られる。
ほんとに、うまくなったよ、杏奈ちゃん。
スタートがルーシーだったことを思えば、格段の上達。
とはいえ、今も十分大根なんだけどね。
えー、芝居のうまいヘタは所詮好みによる部分が大きいので、あくまでもわたしにとっての話です。杏奈ちゃんとか姫花とか、昔花組にいたりおんちゃんとかは、大根役者だと思っています。彼女たちの次元には到底届かないが、男役だとチャー様とか伊織氏とか……って、花組率高いなヲイ。
わたしにとってそうだってだけで、別の人には「神演技! こんな繊細かつ緻密な芝居を見たことがない!」かもしんないっす。
彼らは芝居ではなく、別に魅力があったからそれでいいんだと思ってます。
芝居ができなくてもいいのよ。杏奈ちゃんには長年培った娘役としての見せ方と髪型やアクセサリー技術、立ち居振る舞いがある。
黙って立っていれば、また、ただ踊っているだけなら、杏奈ちゃんは文句ない美女だ。
美貌や雰囲気、「美女としての説得力」は、杏奈ちゃんならではの魅力だ。芝居音痴だからって、タカラジェンヌとしての杏奈様の価値は揺るがない!
学年が上がるってのはすごいことだな。
杏奈ちゃんクラスになると、演出家も彼女の特性を理解して、彼女にできることだけをさせるようになる。つまり、できないことはさせない(笑)。
せっかくのゴージャスな美女なんだ、タカラヅカという美が必要な舞台で、彼女を使わないでどうする!
演出家によって彼女の使い方はかなり差があると思うけど、谷せんせはナニ気にお気に入りだよなあ。
なにしろ『ZORRO 仮面のメサイア』で総督夫人(かなめくんの妻)に抜擢してたくらいだからなー。
とまあ、前日欄から含めて前振り長過ぎ!ですが。
『Samourai』で意外にツボったのは、レティシア@杏奈ちゃんだ。
や、これほど、彼女の芝居について期待していない人間ですよ、わたしは。
たぶん一生、彼女のことを「ルーシーちゃん」と思っているわたしがですよ。
杏奈ちゃんの芝居で、泣かされた。
ねえ? あり得ないよねー、こんだけ杏奈ちゃんdisっておきながらさー。いや、何度も言うが、タカラジェンヌ・花帆杏奈ちゃん自身は好きなんですよ。あーゆーゴージャス美女は大好きだ。わたしは自分がおっさんだからか、女子度の高い女性が大好きだ、憧れる。
レティシアは素敵に杏奈ちゃんアテ書き。
生活の苦しいパリの人々の中に、TPOガン無視したド派手ドレス姿で現れる。
別に彼女は貴族でも金持ちでもない、コメディフランセーズの看板女優なんだ。
あるのはド下町根性、庶民丸出し。
天下の往来で男の名を連呼、後を追いかけて大騒ぎ。
彼女にはジャン・ルイというヒモがいて、せっかく舞台で稼いだお金を、全部そのヒモに貢いでいるらしい。
だめんずに引っかかってる、典型的バカ女。
いやあ、すばらしいです、このキャラクタが。
大女優様だから、派手なドレス着ていていいし、杏奈ちゃんの得意分野を活かせる。で、大女優のバカ女だから空気読めなくても棒読みでもいい。別次元の人だもんね。
そして。
この大女優様は、人生を謳歌している。
ダメ男にハマっているという、バカさ加減もわかっている。
その上で、楽しんでいる。男に貢ぎ、振り回される関係を。
恋を、楽しんでいる。
好きで貢いでいるのだと、あの美貌で高らかに言われ、ひれ伏したくなった。
いくらでも貢がれる立場だろう彼女が、自分から望んで貢いでいるんだ。愛する男をつなぎ止めるために、なりふり構わずまっしぐらに生きているんだ。
なんて、すがすがしいんだろう。
なんて……うらやましい。
出来事だけ見れば、ホストにハマって自滅する年増女、みたいな感じなのに。
胸を張って、自分で選んでそうしている、レティシアは輝いていた。
ヒモに貢ぐ彼女と、女房に逃げられるのではとびくびくのマティアス@りんきらはいいコンビ。
どちらも純粋にパートナーを愛していて、見ていて泣ける。
このふたりの会話が、登場場面しかないのが残念だ。谷ェ……。
ちなみに、レティシアのダーリン、ジャン・ルイは舞台には登場しない。
このまま出ないでくれたらいいな、と思っていたら、ありがたいことにその通りだった。
生身の姿がない方が、よりファンタジーが完成する。
そう、レティシアは、ファンタジーだ。
とにかく彼女はいつもKYで、いつもひとり大騒ぎ。
市民兵を募り、義勇軍を組織するってときにも、「ジャン・ルイ~~、ジャン・ルイ~~」とあの声で連呼しながら、ひとり大騒ぎしていた。
ジャン・ルイはどうやら、市民兵として入隊したらしいよ。
レティシアの役割は、「このときのパリの、平均的存在」だよな。
女のヒモやって生きてるよーな男でも、志願するような空気だったわけだ。
男にお守りを渡したくて、追いかけて大騒ぎしている彼女は、うるさいけれどかわいかった。
志願するなんてやめてくれとは言わないんだ。彼女もパリ市民なんだ。戦いに行くという愛する男を、それでも見送るんだ。
とにかく、登場するたび「ジャン・ルイ~~」とうるさいレティシア。
初戦のあと、パリに戻ってきた正名@キムたち市民兵のもとへ現れ、「ジャン・ルイ~~、ジャン・ルイどこ~~?」と騒ぐ。
されど、ジャン・ルイは帰らぬ人となっていた。
彼女が渡したお守りを、遺品だと渡され、これまた大騒ぎ。
女に貢がせて、しかもその女を足蹴にして、そして勝手に戦争行って死んじゃう男。
一見ひどいんだけどね。
レティシアのかわいさで、全部「アリだろ」って気になる。
レティシアに冷たい自分勝手な男のイメージだったけど、だけどジャン・ルイ、彼女のお守り、ちゃんと持ってたんだ……。
形見として戦友に託すくらい、レティのこと愛してたんじゃん……。
ジャン・ルイ本人は出てこないし、棒読みで「ジャン・ルイ~~」って騒いでいるレティしか見ていないっていうのに、このふたりの愛の形が見える気がするんだ。
たしかにひどい男なんだろうけど、それでも、彼なりにレティを愛し、彼らは彼らなりに、いいカップルだったんだろう。
そう思える。
あれ、長くなっちゃった、一旦切る。
って、まずい、次に欄が空いてるのは3月末だ(笑)。ま、いっか。
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