主役とヒーローが同時に存在する舞台。@ロミオとジュリエット
2012年6月22日 タカラヅカ まさお、ちゃぴ、トップスターお披露目公演初日おめでとう!
いろいろへこんだりオフが大変だったりしておりますが、それでも、無事に『ロミオとジュリエット』初日観劇。
劇場を満たすあの緊張感と熱い大きな拍手。
まさちゃぴの一心不乱ぶりから、パレードでの笑顔に行き着くまで、いやほんと、こちらも夢中で見つめておりました。
力のある作品で、若いトップコンビと新生月組が、どう変わっていくのか、心から楽しみです。
てことで、これはとにかく「初日」の感想。
これからまたきっと、舞台もわたしの感じ方も変わっていくと思う。
『ロミジュリ』再演に贔屓が出演しており、ヅカヲタ人生最高のハマり方とリピートをした身ゆえ、偏った見方にはなると思う。
生まれてはじめてヅカ版『ロミジュリ』を観た人と同じ目は持てないから。
今回の公演では、主役のロミオと敵役のティボルトが、トップスターと準トップの役替わりとなっている。
それも踏まえた上で、なんというか。
まさおとみりおの、特性の差を、思い知った。
まさおのロミオに違和感はなかった。
あ、こういうロミオなんだろう、と。
違和感でどーしよーもなかったのが、みりおくんのティボルトだ。
わたしは今までに、3人のティボルトを観た。
初演星組のかなめくん。再演雪組のヲヅキ。再演雪組新公のりんきら。
みんな、別人だった。
だから4人目のティボルト、みりおくんが過去のティボルトと別人、新しいティボルトであることになんの疑問もない。
だが、なんというか……わたしが感じる「ティボルト」というキャラクタから、もっとも遠いティボルトだった。
痛感したのは、みりおくんがどーしよーもなく、宿命的に運命的に、「ヒーロー」役者だということだ。
ティボルトは、敵役である。
是非はともかく、アンチヒーロー、ゆがみ、間違った男である。
それが……。
みりおくんのティボルトから発せられる、「ヒーロー」性。
正しいのはティボルト、ヒーローはティボルト、苦悩も凶行も、彼がヒーローであるがゆえ。
いや、その。
ティボルトが心正しいヒーローでもいいのかもしれないけど……わたしが知っているヅカ版『ロミジュリ』のティボルトってそーゆーキャラじゃなかったからさー。
すごい違和感。
それなら、正しい主人公はティボルトで、ロミオは間違った人なのか、『エル・アルコン』のように、ゆがんだ男が真ん中で、準主役が正義の人なのか。
というと、そうでもない。
まさおロミオもまた、「主役」としての芝居をしている。
まさおは「ヒーロー」じゃない。彼は「ロミオ」。あまったるいところを多分に持った男の子。
主役が「ヒーロー」ではないけど「主役」である芝居をしていて、敵役が「誰よりも強く正しいヒーロー」として同時に存在する……。
なんだこれ。
すげー、落ち着き悪い……。
や、新作なら「そーゆー、新しい試みの作品」だと思うけど。
3回目の上演になる作品だと、「何故今回だけこんなことに??」となる。
イケコが新しい演出に目覚めたとも思えないので、単にみりおくんの芸風なんだと思った。
なにをやっても、どんな役だとしても、正しくなる。
ヒーローになる。
それは、タカラヅカスターとして、正しい資質だ。
このまま突っ走ってください。
しかし、ティボルトはきついわー……。
早くロミオが見たい。
みりおくんのこの「ヒーロー」性が、「正しさ」が、ロミオというすばらしい役に出会ったときの開花っぷりを見たい。
ところで乳母@圭子ねーさまは、あれが演出なんですか……? イケコが新しい乳母像を創ろうとして、あーゆーキャラクタに指定されてしまったの?
圭子ねーさまスキーとして、乳母という役のファンとして、すっげー期待値が高くて、それゆえ心のハードルが高く設定されすぎてたのかもしれない。ねーさまの歌声大好きなんだもん。
母性や人間味より、コミカルさに走ったキャラ設定に盛大に肩を落としました……。
おてもやんメイクのコマの方が、ずっと母性のあるキャラだったよ……。ああこの人はジュリエットの母親なんだ、と思えた。
しかし圭子ねーさまの乳母は、ただ無神経なだけに見えた……。
れみちゃんで大泣きし、コマで泣いた乳母のソロで、ぽかーんとしたまま終わるとは思わなかったよ……。
何故あんなキャラクタなの……ジュリエットを孤独にさせるため? 父にも母にも、そして育ての母にも恵まれなかった子、ということにしたかったのかしら。
乳母が無神経だと、こんなに虚しい物語になるのか。
いやその、歌はうまいんですが。うーむ。
『ロミジュリ』の主要人物って、数少ないじゃないですか。
その数少ない主要役のうちのふたり、ティボルトと乳母の、作品に対する方向性がえらく違うもんで、バランス悪く感じた。
ロミオとジュリエットの、「ふたりだけ感」が、半端なく強かった。
ロミオ@まさおは、マーキューシオ@みやるり、ベンヴォーリオ@マギーと、あんまし仲良くなさそうっていうか、言うほど「親友」とは思えなかった。
ぶっちゃけ、友だち、いない?てなタイプにも見えた。
表面的なつきあいの「親友」しかいない、孤独な御曹司。
だからこそ彼は、恋にのめり込む。
「親友」にはひとことの相談もなく、ジュリエット@ちゃぴと結婚する。
ロミオはジュリエットしか見えていない。
「ロミオとジュリエット」だから、それでいいのかな。
ヅカ版『ロミジュリ』はふたりの恋愛だけでなく、青春群像っていうか、ロミオの友情面もクローズアップされた作りだと思ってたんだが。
ロミオとジュリエットがニコイチで、ティボルトも乳母も好きな方向へ走ってるし、ベンマーもそれほど仲良しそうじゃないし……なんかとっても個人芸な感じ。
きっとここから変わっていくんだろう。
あとから読み返して「初日ってそんな風に思ったの? 今とぜんぜん違うわ」と思うために、違和感だけメモ。
や、リピート予定なので、早々に上書きされちゃうと思うから。
フィナーレはポカーンでした。
『ロミジュリ』と世界観違いすぎて……パレードもあれでいいのか……? わ、わかいひとには、いいのかな……。おばちゃん、びっくりしたわー。
個人的に、愛と死が歌いながら降りてくるのは、どうかと。彼らは最後まで「声」を出したらいかんと思うの……「ファンタジー」が崩れるっちゅーか。や、パレードは別モノだとわかっちゃいるが。「作品」ファンとして。
ラストのまさみりちゃぴのはじけた笑顔に、この子たちがどんだけのモノを背負って、今日の舞台をやり遂げたのかと、勝手に想像して切なくなり、愛しさが増すのことよ。
いろいろへこんだりオフが大変だったりしておりますが、それでも、無事に『ロミオとジュリエット』初日観劇。
劇場を満たすあの緊張感と熱い大きな拍手。
まさちゃぴの一心不乱ぶりから、パレードでの笑顔に行き着くまで、いやほんと、こちらも夢中で見つめておりました。
力のある作品で、若いトップコンビと新生月組が、どう変わっていくのか、心から楽しみです。
てことで、これはとにかく「初日」の感想。
これからまたきっと、舞台もわたしの感じ方も変わっていくと思う。
『ロミジュリ』再演に贔屓が出演しており、ヅカヲタ人生最高のハマり方とリピートをした身ゆえ、偏った見方にはなると思う。
生まれてはじめてヅカ版『ロミジュリ』を観た人と同じ目は持てないから。
今回の公演では、主役のロミオと敵役のティボルトが、トップスターと準トップの役替わりとなっている。
それも踏まえた上で、なんというか。
まさおとみりおの、特性の差を、思い知った。
まさおのロミオに違和感はなかった。
あ、こういうロミオなんだろう、と。
違和感でどーしよーもなかったのが、みりおくんのティボルトだ。
わたしは今までに、3人のティボルトを観た。
初演星組のかなめくん。再演雪組のヲヅキ。再演雪組新公のりんきら。
みんな、別人だった。
だから4人目のティボルト、みりおくんが過去のティボルトと別人、新しいティボルトであることになんの疑問もない。
だが、なんというか……わたしが感じる「ティボルト」というキャラクタから、もっとも遠いティボルトだった。
痛感したのは、みりおくんがどーしよーもなく、宿命的に運命的に、「ヒーロー」役者だということだ。
ティボルトは、敵役である。
是非はともかく、アンチヒーロー、ゆがみ、間違った男である。
それが……。
みりおくんのティボルトから発せられる、「ヒーロー」性。
正しいのはティボルト、ヒーローはティボルト、苦悩も凶行も、彼がヒーローであるがゆえ。
いや、その。
ティボルトが心正しいヒーローでもいいのかもしれないけど……わたしが知っているヅカ版『ロミジュリ』のティボルトってそーゆーキャラじゃなかったからさー。
すごい違和感。
それなら、正しい主人公はティボルトで、ロミオは間違った人なのか、『エル・アルコン』のように、ゆがんだ男が真ん中で、準主役が正義の人なのか。
というと、そうでもない。
まさおロミオもまた、「主役」としての芝居をしている。
まさおは「ヒーロー」じゃない。彼は「ロミオ」。あまったるいところを多分に持った男の子。
主役が「ヒーロー」ではないけど「主役」である芝居をしていて、敵役が「誰よりも強く正しいヒーロー」として同時に存在する……。
なんだこれ。
すげー、落ち着き悪い……。
や、新作なら「そーゆー、新しい試みの作品」だと思うけど。
3回目の上演になる作品だと、「何故今回だけこんなことに??」となる。
イケコが新しい演出に目覚めたとも思えないので、単にみりおくんの芸風なんだと思った。
なにをやっても、どんな役だとしても、正しくなる。
ヒーローになる。
それは、タカラヅカスターとして、正しい資質だ。
このまま突っ走ってください。
しかし、ティボルトはきついわー……。
早くロミオが見たい。
みりおくんのこの「ヒーロー」性が、「正しさ」が、ロミオというすばらしい役に出会ったときの開花っぷりを見たい。
ところで乳母@圭子ねーさまは、あれが演出なんですか……? イケコが新しい乳母像を創ろうとして、あーゆーキャラクタに指定されてしまったの?
圭子ねーさまスキーとして、乳母という役のファンとして、すっげー期待値が高くて、それゆえ心のハードルが高く設定されすぎてたのかもしれない。ねーさまの歌声大好きなんだもん。
母性や人間味より、コミカルさに走ったキャラ設定に盛大に肩を落としました……。
おてもやんメイクのコマの方が、ずっと母性のあるキャラだったよ……。ああこの人はジュリエットの母親なんだ、と思えた。
しかし圭子ねーさまの乳母は、ただ無神経なだけに見えた……。
れみちゃんで大泣きし、コマで泣いた乳母のソロで、ぽかーんとしたまま終わるとは思わなかったよ……。
何故あんなキャラクタなの……ジュリエットを孤独にさせるため? 父にも母にも、そして育ての母にも恵まれなかった子、ということにしたかったのかしら。
乳母が無神経だと、こんなに虚しい物語になるのか。
いやその、歌はうまいんですが。うーむ。
『ロミジュリ』の主要人物って、数少ないじゃないですか。
その数少ない主要役のうちのふたり、ティボルトと乳母の、作品に対する方向性がえらく違うもんで、バランス悪く感じた。
ロミオとジュリエットの、「ふたりだけ感」が、半端なく強かった。
ロミオ@まさおは、マーキューシオ@みやるり、ベンヴォーリオ@マギーと、あんまし仲良くなさそうっていうか、言うほど「親友」とは思えなかった。
ぶっちゃけ、友だち、いない?てなタイプにも見えた。
表面的なつきあいの「親友」しかいない、孤独な御曹司。
だからこそ彼は、恋にのめり込む。
「親友」にはひとことの相談もなく、ジュリエット@ちゃぴと結婚する。
ロミオはジュリエットしか見えていない。
「ロミオとジュリエット」だから、それでいいのかな。
ヅカ版『ロミジュリ』はふたりの恋愛だけでなく、青春群像っていうか、ロミオの友情面もクローズアップされた作りだと思ってたんだが。
ロミオとジュリエットがニコイチで、ティボルトも乳母も好きな方向へ走ってるし、ベンマーもそれほど仲良しそうじゃないし……なんかとっても個人芸な感じ。
きっとここから変わっていくんだろう。
あとから読み返して「初日ってそんな風に思ったの? 今とぜんぜん違うわ」と思うために、違和感だけメモ。
や、リピート予定なので、早々に上書きされちゃうと思うから。
フィナーレはポカーンでした。
『ロミジュリ』と世界観違いすぎて……パレードもあれでいいのか……? わ、わかいひとには、いいのかな……。おばちゃん、びっくりしたわー。
個人的に、愛と死が歌いながら降りてくるのは、どうかと。彼らは最後まで「声」を出したらいかんと思うの……「ファンタジー」が崩れるっちゅーか。や、パレードは別モノだとわかっちゃいるが。「作品」ファンとして。
ラストのまさみりちゃぴのはじけた笑顔に、この子たちがどんだけのモノを背負って、今日の舞台をやり遂げたのかと、勝手に想像して切なくなり、愛しさが増すのことよ。
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