準トップお披露目初日おめでとう、みりおくん。

 ……準トップ、というモノの是非はおくとして。
 とんでもない重圧だろうに、よくぞやり抜いて。


 てことで、『ロミオとジュリエット』みりおロミオ初日行ってきました。
 公演の幕が開いてまだ4日目だっつーに、そのうち3日観劇している、って、ナニやってんだ、今もまだめちゃくちゃ時間なくて、ひーひー言いながら生きているくせに!
 ……『ロミジュリ』ファンなので、悔いはないです(笑)。

 ちえねねはじめ、星組さんご一行観劇で、なんか豪華な客席でした。

 ヅカヲタやって20年強。
 トップスター以外の組子が、大劇場でトップを差し置いて主役を張る公演を観るのは、はじめてです。
 わたしがヅカヲタになる前はあったらしいし、トップスター休演に伴う代役公演というカタチでなら、わたしがヲタになってからもあったと思う。ただ、わたしは観ていないので、知らない。
 「準トップ」というものが、マスコミ発表によると「史上初」の肩書きらしいので、過去の例がどうあれ、宝塚歌劇団98年の歴史ではじめての出来事の、初日だったわけです。
 大変だなあ。


 ともかく。

 なんかしみじみと、これって奇跡的なことだよな、 と思っていました。

 みりおくんみたいな美しい人が、生まれたこと。
 で、その美しい人が、よりによってタカラヅカに入団したこと。
 で、その美しいタカラジェンヌが、外見だけでなく、実力もあるということ。
 で、その美しく実力のあるスターが、よりによってロミオ役をやっていること。

 ものすごい確率が重なって出来た、奇跡のようなもん。

 すばらしく、ロミオ。

 「ロミオとジュリエット」の「ロミオ」という、イメージまんま。
 こんだけ美形でいいの?ってくらい、美形。
 しかもその美形が、笑ったり悩んだりするし。愛を語ったり、するし。

 なんのご褒美?
 この美しい人のいろーんな顔を眺められる、それだけで「いいもん見た」「得した」と思えるわ。

 みりおくんの素晴らしいとこは、ロミオが、子どもではないってことに、尽きると思う。

 若い青年なんだけど、子どもじゃない。少年、というのともチガウな。ちゃんと「青年」「若者」だ。
 その上で、なんとも初々しく、若い恋をしている。

 彼の場合、中2病じゃないんだもんよー。
 「まだ恋に恋してるのか」とベンヴォーリオ@マギーにからかわれても、「そうだよ」とするっと流す。むきにったなり心外だとは言わない。なんか、そんな次元を超えてる。
 「大人」だから、「まだ子どもだな」とからかわれても、笑ってスルーしちゃうんだ。んなくだらないことは、気にも留めない。

 恋に落ちる様はかわいいけど、幼くはない。
 そのブレなさが、かっこいい。

 原作がどうあれ元のミュージカルがどうあれ、タカラヅカでは「子ども」は歓迎されない。
 大人の観客がときめくことのできる、「青年」でなくては。

 まさおロミオが精神的にかなり幼く感じたのに、みりおロミオはちゃんと年相応の若者だったよ。

 なんつっても、あのビジュアル!
 髪型だって、いちばん似合う鉄板ヘアで来ましたよ! ロミオだからって奇をてらわない! れおんもキムもアシンメトリーがイケコ指定だったっぽいのに、みりおはいつものみりおくん! 本気で勝ちに来た感じ。や、その心意気やよし!
 ティボルトやってるときは小柄さが目立って違和感だったけれど、ロミオなら理想的なサイズ感。長身ではないあたりも「ロミオ」っぽい。
 顔眺めてるだけで楽しかった。いやあ、やっぱ舞台人は鼻ですよ鼻! 高い鼻はいいですな。


 一方、ティボルト@まさおは。

 本領発揮(笑)。……ごめん、語尾に(笑)が付く。

 気持ち悪いよな、ティボルト。変な人だよな、ティボルト。いや、これ褒め言葉ですってば。
 ロミオ役より、絶対こっちの方がまさおに合ってる。安心して見ていられるわ、ああ、いつものまさおだ、と。

 なんで役替わりなんだろう。
 このまま、みりおくんがロミオで、まさおくんがティボルトで、ずっと公演を続けてくれたら、もっともっと深化して、すばらしい公演になるだろうに。
 数回ずつでリセットされるんじゃ、進化速度はかなり落ちるよな……で、そのうち公演が終わっちゃうんだよな。
 もったいない。

 まさおくんがトップスターであることは、なんの異議も疑問もないが、『ロミオとジュリエット』に関してだけは、まさおはティボルト役者だし、みりおはロミオ役者だ。
 まさおはまだロミオも演じられるけど、ティボルトの方が魅力的かつ得意分野だし、みりおに至ってはティボルトは無理、ロミオこそが彼の天分。
 や、わたしの勝手な感想ですが。

 準トップ制度なんていらん、やめとけ、と今でも思っているけれど、それゆえにみりおロミオが見られたことはありがたいことで……ああジレンマ。

 複雑だなあ。

 ただわたしは、まさおの中2病全開のロミオも大好物だ。みりおこそが正統派ロミオだろうけど、まさおのどーしよーもなさが好き。
 だから、言えることは。

 役替わりは、どっちを見に行ってもオイシイ。

 雪『ロミジュリ』は、役替わりの片方を観る気になれなかった。彼女の芝居が心に響かなかったためだ。
 でも、月『ロミジュリ』は、役替わり両方観たい。どっちも楽しめる。


 フィナーレは役替わり関係なく同一。
 みやるり銀橋ソロ、「愛の為に」を歌うから、それを受けてハートのロケット「結婚の申し込み」になる。
 雪が「天使の歌が聞こえる」の銀橋ソロで、天使のロケットだったように。月はハートなんだね。
 で、愛つながりで「愛なんて気まぐれさ♪」と「綺麗は汚い」とみりおくんのスーツでラップ、大階段にまさおと4組のカップル登場で「エメ」……一昔前のディスコみたいな世界が展開される。
 んでたしか総踊りで「愛の誓い」……ホストスーツの男たちとホステスドレスの女たち……イケコェ……。
 それからまさおとちゃぴのデュエットダンス。「結婚だけは」。

 パレードは「世界の王」。
 ちゃんと最後にナイアガラ付けて降りてくるのはトップスターまさおくん。

 ……主役じゃないのに、やっぱり不思議な感じ。
 修学旅行生がかなりいたんだが、誰がトップスターか、理解できたんだろうか。


 ともあれ、『ロミジュリ』は、やっぱり楽しいっす。

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