すべての動機は、愛ゆえに・その2。@Victorian Jazz
2012年11月30日 タカラヅカ 『Victorian Jazz』の疑問点を、全部一気に、まるっと解決する方法、その続き。
タカラヅカは、愛が命。恋愛至上主義ですから。
降霊術オタクのかわいこちゃん、コナン・ドイルくん@おーとりくんに一目惚れし、彼の期待に応えるためだけにインチキ降霊術をくり返してきたナイジェルさん@だいもんくん。
ついに、ドイルくんに真実を打ち明けるときが来た。
降霊術師なんかじゃないんだ、最初から騙していたんだ。
「ドイルは、俺が降霊術師だから、そばにいたんだ。ただの詐欺師じゃ、なんの価値もない……」
ナイジェルのことを好きだと言った、あれはナイジェル自身に対しての言葉じゃない、天才降霊術師への言葉だ。
愛されてなんかないんだ。しょぼん。
ドイルくんへの恋に無自覚だったとしても、ここで強烈に自覚する。恋に気づいた、認めた、それが胸の痛みゆえだなんて。
女王から依頼された事件解決なんか、もうどうでもいいよ。ナイジェルさんはドイルとの破局でへこみまくり。
そんなナイジェルさんをサラ@べーちゃんが一喝、軌道修正する。……んだけど、女王の事件を解決することが、どーしてドイルのためになるのか、サラの説明はちっとも理解できなかったよわたし。
サラとしては、「恋敵のドイル退場、上等じゃん。ここでナイジェルがドイルを追って行ったら、あたしはどうなるのよ。ドイルから気を逸らさせなきゃ!」ってもんですよなあ。
目の前の事件が大事、ドイルのことは放っておけばいいのよ、そのうち許してくれるわよ。……こんなテキトー言うヒロイン、他で見たことナイ……(笑)。主人公が親友と仲違いしてへこんでいたら、もっと親身に助力するするよねえ? なのに、「そのうち許してくれるわよ(棒読み)」……こわっ。恋敵を排除する、女の本能こわっ。
本気の恋も、失恋もはじめてのナイジェルさん。すっかり血迷って、サラに説得されてしまう。「女王陛下を助ければ、ドイルも許してくれる!」……よくわかんないけど、目標が出来たから、それに向かって爆走。
えー、ドイルくんヒロインなら、ここでちゃんと、ドイルがナイジェルのもとに戻ってくる場面、エピソードを描くべきですな。
騙されていた、とわかったドイルくんの失意のソロ、降霊術へのこだわり、降霊術師ではなかったけれど、ナイジェルがどれだけ頼りになる男か、彼の存在を心強く思っていたか……。
「カリスマ降霊術師だから、好きだったんじゃない。彼が彼だから、好きだったんだ!」
つーことで、ナイジェルさんのところに戻って来たドイルくん。
ふたりの和解は事件捜査のどさくさ、今のままなし崩しでもいい。男同士だから、派手にじゅてーむだのあむーるだの、やらなくていい(笑)。
見つめ合って、ふたりの世界を確かめ合うだけで。……同じ画面で、サラが「ちっ」と足を踏みならしてくれれば十分だ(笑)。
で、無事に女王陛下とバカ息子の騒動を見守って。
……ちなみに、クライマックスでパパ幽霊が降臨するのは、ナイジェルであるべきだと思うんだが。
ドイルくんが神がかりになるのは、「笑いを取るため」なのが見え見えで残念だ。
そして、物語の鍵、いちばん重要な「変化」をもたらすのは、主人公であるべきだ。
ナイジェルさん、事件解決の肝心の場で、傍観者でしかないんだもん……。
ナイジェルさんが主人公なのに、舞台の中心はロイヤルファミリーの親子ゲンカでしかなく、ナイジェルさん自身の物語がナイんだもん……。
彼がロイヤルファミリーの親子ゲンカに巻き込まれるハメになったのが、ドイルくんへの恋、ナイジェルを降霊術師だと信じるドイルくんのためだった、となると、物語の中心がナイジェルさんになる。
で、ハナからバカにして、信じてなかった降霊術。
そんなナイジェルさんに、パパの霊が降りてきた。ここのナイジェルさんはそりゃーもー、ひたすらかっこよく。
「やっぱりナイジェルさんは、降霊術の才能があったんだ! まったくの嘘じゃなかったんだ!」感動するドイルくん。真の降霊術を目撃したわけだから、それを小説に書く、という言葉も説得力が増す。ドイルくんが依り代になってたら、記憶がなくて書けないもん。
自分が体験したわけだから、「バカにして、詐欺のネタにして悪かった」と反省するナイジェルさん。奇術だけじゃなく、降霊術も真面目に勉強するかな、と考えを改める。
奇術の延長に、降霊術もありかなと。
つーことで、ナイジェルさんはアメリカへと旅立つ。
「しめっぽいのは苦手だ」と、ドイルくんには手紙を残して。
だけどドイルくんは涙ながらに追ってくる。
で、あの街角での抱擁、になるわけだ。
前の晩、ふたりはどうしてたのかなあ、ドイルくんへの手紙は、ベッドの枕元に残されてたりしたのかなあ、とか。
まあそこは一切言及されず。
ナイジェルはアメリカで技術を極める、ドイルくんはロンドンに残り、探偵小説を書く。
ふたりはそれぞれの夢に生きる。
またいつか会おう。
ナイジェルは有名な奇術師として、ドイルくんは作家として。
ナイジェルはアメリカでドイルくんの書いた小説を読む日が来るし、ドイルくんはロンドンでナイジェルの活躍を載せた新聞記事を読む日が来る。
離れていても、互いの消息はわかるはず。
そうだよね、と。
ほーら、完璧な物語ですよー。
なんせナイジェルさん、ドイルには別れの手紙を残したのに、サラにはなんもナシだからねー。サラが追ってこなかったらそれでENDだったわけだし。
「追ってくることがわかっていた」って、彼女とはぜんぜんナニもなかったっぽいし、すげー無理のある展開。
本命のドイルくんと美しく別れたあと、ぎゃーぎゃーうるさいサラをとりあえず黙らせるために、その場限りの睦言で誤魔化しましたね?
手錠でふたりをつないで「俺様」な口説き文句。でも、その次の角で彼女だけ街灯に手錠でつなぎ、自分ひとりで旅立つんでしょ? 冒頭で警官を街灯につないでいたのはその伏線だよね?
ナイジェルさん周辺の、物語のおかしなところ、不満なところは、全部ドイルをヒロインにすれば、辻褄を合わすことが出来る。
ホモにするのがまずいなら、ドイルを女性キャラにして、べーちゃんに演じさせれば良かったんだ。
サラは、立ち位置がヒロインじゃないよ。ヒロインじゃない子と無理に恋愛させようとするから、話が壊れるんだよ。
有名な「コナン・ドイル」を使いたい、それゆえに全部壊れたんだな。谷せんせみたいな失敗の仕方。
それならいっそ、コナン・ドイルをそのまま女性キャラにするとかな。「あの『シャーロック・ホームズ』の作者は、実は女性だった!」でいいじゃん。「女が探偵小説なんて、と言われるから、男性だということにしているの」でいいじゃん。
「女なのに新聞記者」というサラの設定そのまま、ビジュアルもあのままの眼鏡っ娘で。
世のシャーロキアンにぶっ叩かれるかもしれんが、別にこんな辺境の地(宝塚バウホール)でナニしてたって、かまやしないって。
「何故ナイジェルは降霊術師だと嘘をつき続けた? 動機は?!」
「Un Grande Amore、偉大なる愛だ!!」
すべて解決。
タカラヅカは、愛が命。恋愛至上主義ですから。
降霊術オタクのかわいこちゃん、コナン・ドイルくん@おーとりくんに一目惚れし、彼の期待に応えるためだけにインチキ降霊術をくり返してきたナイジェルさん@だいもんくん。
ついに、ドイルくんに真実を打ち明けるときが来た。
降霊術師なんかじゃないんだ、最初から騙していたんだ。
「ドイルは、俺が降霊術師だから、そばにいたんだ。ただの詐欺師じゃ、なんの価値もない……」
ナイジェルのことを好きだと言った、あれはナイジェル自身に対しての言葉じゃない、天才降霊術師への言葉だ。
愛されてなんかないんだ。しょぼん。
ドイルくんへの恋に無自覚だったとしても、ここで強烈に自覚する。恋に気づいた、認めた、それが胸の痛みゆえだなんて。
女王から依頼された事件解決なんか、もうどうでもいいよ。ナイジェルさんはドイルとの破局でへこみまくり。
そんなナイジェルさんをサラ@べーちゃんが一喝、軌道修正する。……んだけど、女王の事件を解決することが、どーしてドイルのためになるのか、サラの説明はちっとも理解できなかったよわたし。
サラとしては、「恋敵のドイル退場、上等じゃん。ここでナイジェルがドイルを追って行ったら、あたしはどうなるのよ。ドイルから気を逸らさせなきゃ!」ってもんですよなあ。
目の前の事件が大事、ドイルのことは放っておけばいいのよ、そのうち許してくれるわよ。……こんなテキトー言うヒロイン、他で見たことナイ……(笑)。主人公が親友と仲違いしてへこんでいたら、もっと親身に助力するするよねえ? なのに、「そのうち許してくれるわよ(棒読み)」……こわっ。恋敵を排除する、女の本能こわっ。
本気の恋も、失恋もはじめてのナイジェルさん。すっかり血迷って、サラに説得されてしまう。「女王陛下を助ければ、ドイルも許してくれる!」……よくわかんないけど、目標が出来たから、それに向かって爆走。
えー、ドイルくんヒロインなら、ここでちゃんと、ドイルがナイジェルのもとに戻ってくる場面、エピソードを描くべきですな。
騙されていた、とわかったドイルくんの失意のソロ、降霊術へのこだわり、降霊術師ではなかったけれど、ナイジェルがどれだけ頼りになる男か、彼の存在を心強く思っていたか……。
「カリスマ降霊術師だから、好きだったんじゃない。彼が彼だから、好きだったんだ!」
つーことで、ナイジェルさんのところに戻って来たドイルくん。
ふたりの和解は事件捜査のどさくさ、今のままなし崩しでもいい。男同士だから、派手にじゅてーむだのあむーるだの、やらなくていい(笑)。
見つめ合って、ふたりの世界を確かめ合うだけで。……同じ画面で、サラが「ちっ」と足を踏みならしてくれれば十分だ(笑)。
で、無事に女王陛下とバカ息子の騒動を見守って。
……ちなみに、クライマックスでパパ幽霊が降臨するのは、ナイジェルであるべきだと思うんだが。
ドイルくんが神がかりになるのは、「笑いを取るため」なのが見え見えで残念だ。
そして、物語の鍵、いちばん重要な「変化」をもたらすのは、主人公であるべきだ。
ナイジェルさん、事件解決の肝心の場で、傍観者でしかないんだもん……。
ナイジェルさんが主人公なのに、舞台の中心はロイヤルファミリーの親子ゲンカでしかなく、ナイジェルさん自身の物語がナイんだもん……。
彼がロイヤルファミリーの親子ゲンカに巻き込まれるハメになったのが、ドイルくんへの恋、ナイジェルを降霊術師だと信じるドイルくんのためだった、となると、物語の中心がナイジェルさんになる。
で、ハナからバカにして、信じてなかった降霊術。
そんなナイジェルさんに、パパの霊が降りてきた。ここのナイジェルさんはそりゃーもー、ひたすらかっこよく。
「やっぱりナイジェルさんは、降霊術の才能があったんだ! まったくの嘘じゃなかったんだ!」感動するドイルくん。真の降霊術を目撃したわけだから、それを小説に書く、という言葉も説得力が増す。ドイルくんが依り代になってたら、記憶がなくて書けないもん。
自分が体験したわけだから、「バカにして、詐欺のネタにして悪かった」と反省するナイジェルさん。奇術だけじゃなく、降霊術も真面目に勉強するかな、と考えを改める。
奇術の延長に、降霊術もありかなと。
つーことで、ナイジェルさんはアメリカへと旅立つ。
「しめっぽいのは苦手だ」と、ドイルくんには手紙を残して。
だけどドイルくんは涙ながらに追ってくる。
で、あの街角での抱擁、になるわけだ。
前の晩、ふたりはどうしてたのかなあ、ドイルくんへの手紙は、ベッドの枕元に残されてたりしたのかなあ、とか。
まあそこは一切言及されず。
ナイジェルはアメリカで技術を極める、ドイルくんはロンドンに残り、探偵小説を書く。
ふたりはそれぞれの夢に生きる。
またいつか会おう。
ナイジェルは有名な奇術師として、ドイルくんは作家として。
ナイジェルはアメリカでドイルくんの書いた小説を読む日が来るし、ドイルくんはロンドンでナイジェルの活躍を載せた新聞記事を読む日が来る。
離れていても、互いの消息はわかるはず。
そうだよね、と。
ほーら、完璧な物語ですよー。
なんせナイジェルさん、ドイルには別れの手紙を残したのに、サラにはなんもナシだからねー。サラが追ってこなかったらそれでENDだったわけだし。
「追ってくることがわかっていた」って、彼女とはぜんぜんナニもなかったっぽいし、すげー無理のある展開。
本命のドイルくんと美しく別れたあと、ぎゃーぎゃーうるさいサラをとりあえず黙らせるために、その場限りの睦言で誤魔化しましたね?
手錠でふたりをつないで「俺様」な口説き文句。でも、その次の角で彼女だけ街灯に手錠でつなぎ、自分ひとりで旅立つんでしょ? 冒頭で警官を街灯につないでいたのはその伏線だよね?
ナイジェルさん周辺の、物語のおかしなところ、不満なところは、全部ドイルをヒロインにすれば、辻褄を合わすことが出来る。
ホモにするのがまずいなら、ドイルを女性キャラにして、べーちゃんに演じさせれば良かったんだ。
サラは、立ち位置がヒロインじゃないよ。ヒロインじゃない子と無理に恋愛させようとするから、話が壊れるんだよ。
有名な「コナン・ドイル」を使いたい、それゆえに全部壊れたんだな。谷せんせみたいな失敗の仕方。
それならいっそ、コナン・ドイルをそのまま女性キャラにするとかな。「あの『シャーロック・ホームズ』の作者は、実は女性だった!」でいいじゃん。「女が探偵小説なんて、と言われるから、男性だということにしているの」でいいじゃん。
「女なのに新聞記者」というサラの設定そのまま、ビジュアルもあのままの眼鏡っ娘で。
世のシャーロキアンにぶっ叩かれるかもしれんが、別にこんな辺境の地(宝塚バウホール)でナニしてたって、かまやしないって。
「何故ナイジェルは降霊術師だと嘘をつき続けた? 動機は?!」
「Un Grande Amore、偉大なる愛だ!!」
すべて解決。
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