彼らの、日常がはじまっている。@ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌
2013年3月20日 タカラヅカ 未だもってだらだらと、『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。
『BJ』の話を出し切ってしまわないと、他の文章が書けそうにない。
どんだけ溜め込んでたんだ自分。
2幕のはじまり方の、地味さは半端ナイ。
えーとえーと、ふつーバウやDCなど、2幕モノの芝居のとき、2幕の最初って「ショー」になってるよね?
歌や踊りになってるよね?
なのに……。
舞台奥中央に、ピノコ@ももちゃんが登場。
転ぶことを想定しての、プロテクター姿。
うまく歩けないので、よたよたころん、幼児歩きしてテーブルのクッキーを見つけ、ぱくつく。
これが、2幕のスタート……。
1幕のラストとリンクしているの。
ピノコの登場が、1幕ラストと同じ。……衣装チガウけど。1幕の白衣装の上に、黒い無骨なプロテクター。
1幕ラストは妖精っぽかったのに、プロテクターがあるだけで、すっごく「現実」味を帯びる……。
たしかDCで1回だけ、セットがちゃんと定位置に来ず、ももちゃんが無茶な位置で転んでたときがあったなあ……あれって1幕ラストだっけ? 2幕最初だっけ? 同じ登場の仕方だから、記憶が混ざってわかんなくなっちゃってるわ……。
一心不乱にクッキーを食べるピノコ、奥の部屋からBJ@まっつ、下手からバイロン侯爵@ともみんが登場。
ピノコを見つめるBJの瞳は慈愛にあふれ……ることは、ない。
すっごく無感動に、ニュートラルにピノコを見つめている。
そっか。これはすでに「日常」なんだ。
どれくらい時間が経っているのか、さっぱりわからない。
バイロンさんは、とっても元気そう。
ニクだの皮膚だの移植したんだよね? 切り刻んで女の子1個分、提供したんだよね?
カテリーナ@せしこの例があるから、1日で回復するのかもしんないけど、いちおー、何日か経過してるんだよね?
マンガ『BJ』は子どもの頃読んでいたけど、ピノコはいつの間にかピノコで、どうしてピノコなのかわからなかった。その生まれは知っていても、名前の由来は知らなかった。
ピノキオだから、ピノコなのか!!
BJ先生、センスわ……ゲフンゲフン。
バイロン侯爵もその奇妙な音の名前に疑問を持ったようで、「キャサリン、シモーヌ、サクラ……」と「美しい」女性の名前を挙げる。
このときのバイロンさんが無駄に流暢な「ガイジン発音」で、毎回笑いを誘っていた。
だけどBJ先生は、自慢顔。「ピノキオみたいな生まれだから、ピノコです」って。
センス悪いけど、かわいいなあ、BJ先生……。
そこで「ああ(笑)」と納得するバイロンさんもかわいい。
かわいいと言えば、ピノコが「バイバイロン」と言ったときの、BJのリアクション。
がくっとなる、とてもマンガ的な表現……。
BJはときどきコレをやる。
クールで渋い姿で、大真面目に。
か、かわいい……。
ここでDC版と青年館版で、ちょっと変更があったんだよね。
「お迎えでゴンス!!」
とやってきたゴンチャフ@ザッキー、随行してきたトラヴィス@ホタテ。
礼を尽くし、別れるバイロンとBJ。
台詞や流れなどは、なにも変わらない。
変わったのは、ピノコの寝転がるタイミング。
DC版では、BJとバイロンが下手側に移動すると同時くらいに、ピノコがソファーの上に寝転がっていたんだ。
ピノコの魅力は絶大で、観客の多くはピノコに注目している。
主人公のBJが下手に移動しているのに、観客は上手のピノコを見ているんだ。
で、ピノコがソファーの上に寝転がると、その愛らしい姿に笑いが起こる。
下手で、BJとトラヴィスが芝居をしているのに、本筋を展開しているのに、フレーム外にいるはずのピノコを、観客が見ている。
バイロンに対し、やたらかしこまっているトラヴィス、それを「どうしたんだ」と問うBJ。
このやり取りに、何故か客席からどっと笑いが起こる。
BJとトラヴィスが笑われたわけじゃない。
観客は、寝転がるピノコを見て笑っているんだ。
笑い声で、BJたちの会話が聞こえにくい。
ピノコがかわいいのはわかるけど、ふつーにBJを目で追っているわたしには、この笑い声は不快だった。
ふつーに、キャストにも演出家にも、不快だったんだろう。
青年館では変更されていた。
BJとトラヴィスが会話をはじめる。
そのあとで、ピノコは寝転がる。
主人公たちが「会話」をはじめれば、そこが舞台の中心になる。
BJが移動したあとも、ピノコに動きはなく、BJが会話をしているんだから、観客の目は自然とBJを追う。
BJがトラヴィスとふたりして、玄関から居間へ戻ってきた……そのタイミングで、ピノコはソファーに寝転がる。
これならもう、ピノコは「芝居」の邪魔にならない。
おー、うまいな!
青年館で、不要な笑いが芝居を壊さなくなったことに、心の中で拍手した。
本筋を損なう小芝居は邪道だもの。
寝転がりながらクッキーを食べるピノコに「行儀悪いぞ」と注意して、坐り直させるBJ。
「アッチョンブリケ」しか言わないピノコ。
まっつの動きって独特のリズムがあるというか、コミカルな動きをさせると際立つよな。
前述の「がくっ」にしてもそうだけど、マンガ的な表現が妙にハマる。
背中に不穏な空気を感じ取ったBJが「待て、それは使うな」とピノコを振り返って言う……その動作のコミカルさ。
「それ」というのは、超能力。
ピノコは言葉を喋れなくても、テレパシーで直接他人のアタマに働きかけられる。
その傍迷惑な力を使うんじゃないと言うBJ、BJのただならぬ様子に、反射的にジャケットの下のピストルに手をやるトラヴィス。
「それは使うな」と言われ、わけがわからないまま「それ=ピストル」かと、ジャケットから手を戻しかけるトラヴィス。
うろたえているトラヴィスがかわいいし、トラヴィスの存在が目に入ってないBJが、ひどくて、かわいい(笑)。
「なんのことですか?」と、トラヴィスひとり蚊帳の外。
バイロンさんもカイト@咲ちゃんも、ピノコの超能力のことは知っている。
なのに、一緒に暮らしている……あ、暮らしてないのか……過ごしている、トラヴィスだけはナニも知らされていない。
BJ先生、ひどい(笑)。
『BJ』の話を出し切ってしまわないと、他の文章が書けそうにない。
どんだけ溜め込んでたんだ自分。
2幕のはじまり方の、地味さは半端ナイ。
えーとえーと、ふつーバウやDCなど、2幕モノの芝居のとき、2幕の最初って「ショー」になってるよね?
歌や踊りになってるよね?
なのに……。
舞台奥中央に、ピノコ@ももちゃんが登場。
転ぶことを想定しての、プロテクター姿。
うまく歩けないので、よたよたころん、幼児歩きしてテーブルのクッキーを見つけ、ぱくつく。
これが、2幕のスタート……。
1幕のラストとリンクしているの。
ピノコの登場が、1幕ラストと同じ。……衣装チガウけど。1幕の白衣装の上に、黒い無骨なプロテクター。
1幕ラストは妖精っぽかったのに、プロテクターがあるだけで、すっごく「現実」味を帯びる……。
たしかDCで1回だけ、セットがちゃんと定位置に来ず、ももちゃんが無茶な位置で転んでたときがあったなあ……あれって1幕ラストだっけ? 2幕最初だっけ? 同じ登場の仕方だから、記憶が混ざってわかんなくなっちゃってるわ……。
一心不乱にクッキーを食べるピノコ、奥の部屋からBJ@まっつ、下手からバイロン侯爵@ともみんが登場。
ピノコを見つめるBJの瞳は慈愛にあふれ……ることは、ない。
すっごく無感動に、ニュートラルにピノコを見つめている。
そっか。これはすでに「日常」なんだ。
どれくらい時間が経っているのか、さっぱりわからない。
バイロンさんは、とっても元気そう。
ニクだの皮膚だの移植したんだよね? 切り刻んで女の子1個分、提供したんだよね?
カテリーナ@せしこの例があるから、1日で回復するのかもしんないけど、いちおー、何日か経過してるんだよね?
マンガ『BJ』は子どもの頃読んでいたけど、ピノコはいつの間にかピノコで、どうしてピノコなのかわからなかった。その生まれは知っていても、名前の由来は知らなかった。
ピノキオだから、ピノコなのか!!
BJ先生、センスわ……ゲフンゲフン。
バイロン侯爵もその奇妙な音の名前に疑問を持ったようで、「キャサリン、シモーヌ、サクラ……」と「美しい」女性の名前を挙げる。
このときのバイロンさんが無駄に流暢な「ガイジン発音」で、毎回笑いを誘っていた。
だけどBJ先生は、自慢顔。「ピノキオみたいな生まれだから、ピノコです」って。
センス悪いけど、かわいいなあ、BJ先生……。
そこで「ああ(笑)」と納得するバイロンさんもかわいい。
かわいいと言えば、ピノコが「バイバイロン」と言ったときの、BJのリアクション。
がくっとなる、とてもマンガ的な表現……。
BJはときどきコレをやる。
クールで渋い姿で、大真面目に。
か、かわいい……。
ここでDC版と青年館版で、ちょっと変更があったんだよね。
「お迎えでゴンス!!」
とやってきたゴンチャフ@ザッキー、随行してきたトラヴィス@ホタテ。
礼を尽くし、別れるバイロンとBJ。
台詞や流れなどは、なにも変わらない。
変わったのは、ピノコの寝転がるタイミング。
DC版では、BJとバイロンが下手側に移動すると同時くらいに、ピノコがソファーの上に寝転がっていたんだ。
ピノコの魅力は絶大で、観客の多くはピノコに注目している。
主人公のBJが下手に移動しているのに、観客は上手のピノコを見ているんだ。
で、ピノコがソファーの上に寝転がると、その愛らしい姿に笑いが起こる。
下手で、BJとトラヴィスが芝居をしているのに、本筋を展開しているのに、フレーム外にいるはずのピノコを、観客が見ている。
バイロンに対し、やたらかしこまっているトラヴィス、それを「どうしたんだ」と問うBJ。
このやり取りに、何故か客席からどっと笑いが起こる。
BJとトラヴィスが笑われたわけじゃない。
観客は、寝転がるピノコを見て笑っているんだ。
笑い声で、BJたちの会話が聞こえにくい。
ピノコがかわいいのはわかるけど、ふつーにBJを目で追っているわたしには、この笑い声は不快だった。
ふつーに、キャストにも演出家にも、不快だったんだろう。
青年館では変更されていた。
BJとトラヴィスが会話をはじめる。
そのあとで、ピノコは寝転がる。
主人公たちが「会話」をはじめれば、そこが舞台の中心になる。
BJが移動したあとも、ピノコに動きはなく、BJが会話をしているんだから、観客の目は自然とBJを追う。
BJがトラヴィスとふたりして、玄関から居間へ戻ってきた……そのタイミングで、ピノコはソファーに寝転がる。
これならもう、ピノコは「芝居」の邪魔にならない。
おー、うまいな!
青年館で、不要な笑いが芝居を壊さなくなったことに、心の中で拍手した。
本筋を損なう小芝居は邪道だもの。
寝転がりながらクッキーを食べるピノコに「行儀悪いぞ」と注意して、坐り直させるBJ。
「アッチョンブリケ」しか言わないピノコ。
まっつの動きって独特のリズムがあるというか、コミカルな動きをさせると際立つよな。
前述の「がくっ」にしてもそうだけど、マンガ的な表現が妙にハマる。
背中に不穏な空気を感じ取ったBJが「待て、それは使うな」とピノコを振り返って言う……その動作のコミカルさ。
「それ」というのは、超能力。
ピノコは言葉を喋れなくても、テレパシーで直接他人のアタマに働きかけられる。
その傍迷惑な力を使うんじゃないと言うBJ、BJのただならぬ様子に、反射的にジャケットの下のピストルに手をやるトラヴィス。
「それは使うな」と言われ、わけがわからないまま「それ=ピストル」かと、ジャケットから手を戻しかけるトラヴィス。
うろたえているトラヴィスがかわいいし、トラヴィスの存在が目に入ってないBJが、ひどくて、かわいい(笑)。
「なんのことですか?」と、トラヴィスひとり蚊帳の外。
バイロンさんもカイト@咲ちゃんも、ピノコの超能力のことは知っている。
なのに、一緒に暮らしている……あ、暮らしてないのか……過ごしている、トラヴィスだけはナニも知らされていない。
BJ先生、ひどい(笑)。
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