「帰ろう」……ぼくらの家に。@ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌
2013年3月24日 タカラヅカ まだ『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。
トラヴィス@ホタテは、BJ@まっつに対し、立場をわきまえている。
なれなれしい口調では話さない。近づきすぎない。
1年間一緒に子育てしてきたのに、最低限のラインだけは頑固に守っている。
そんな彼が唯一、BJになれなれしさ全開になるところ。
若者の顔で、「警護官」ではなく、「トラヴィス」としてBJに話しかけるところ。
それが、医師連盟本部の廊下場面だ。
「アッチョンブリケ・トラヴィス。アッチョンブリケ・ピノコ」と大真面目に話しかけたら、ピノコに「バカ」と一刀両断された。
「ピノコが喋った!!」ということで、舞い上がるトラヴィス。
医師連盟のみなさんたちから吊し上げをくらって疲労して出てきたBJに、トラヴィスは興奮して報告する。
「今、喋ったんですよ!」
ここまでは、ただの報告。
その次。
「惜しかったなー。もう少し早かったら」
上から目線、BJに対して!!
医師連盟の面々に「告発告発!」とやられてうんざりぼーぜんのBJ、出てくるなりトラヴィスにドヤ顔で上から言われて、ノーリアクション。
めーっちゃ無表情に、無感動に、「なんて言ったんだ?」。
BJの反応見て、トラヴィスもテンションが落ち着いてきて。
「…………『バカ』って。喜んでいいのかわからないけど」
舞い上がってBJ相手にタメ口きいちゃったし。ドヤ顔しちゃったし。ピノコが喋った内容も内容だし。
今さらどう落としどころを着けたらいいのかわからなくて、ビミョーな顔になるトラヴィス。
そんなトラヴィスに、BJ、さらにノーリアクション。
「帰ろう」
この一連のくだりが、めちゃくちゃ好きだ。
トラヴィスがかわいい。アホかわい過ぎて、もだえる(笑)。
BJに思わずタメ口で上から目線キメちゃったあの顔が、トラヴィスの素顔なのかも。
若い。
学生の男の子みたいだ。
素があれなのに、普段は冷静な大人の男を気取っているところが、たまらん。
BJとの相性も最高ですよ。
このふたりでがんがん笑い取っていく。
BJはツッコミ担当なのに、こーゆーときにノーリアクションで流しちゃうのが、ドS。
ツッコミ入れる方がやさしいよね(笑)。
トラヴィスはもとから子ども好きだったんではなく、ピノコと接することで「目覚めた」んだと思う。
ソファーに寝転がってクッキーを食べるピノコを、BJがしたようにきちんと坐らせようとして……ピノコ本体を落っことしてしまう。それは彼が、子どもの扱いを知らないから。
普段子どもと接する機会なんかないんだろう。こうやって1年間平気で出張し続けたりするくらい仕事バカ、妻も恋人もいないんだろう。
機会がなかったから、知らなかった。興味もないから、考えたこともなかった。
医師連盟本部からの帰り道、勝手に駆け出しちゃうピノコ、それを気にせず自分の世界のBJ、どうしよう、と考えて、おそるおそるピノコを追うトラヴィス。
あのおっかなびっくりピノコに接している様子からして、子どもの扱いは不得手。でも、夕暮れの中ピノコと過ごし、どんどん互いに慣れて行く。
最後はふたり手をつないで帰るんだよね。ピノコとトラヴィス。
そしてBJはそんなふたりをあたたかい目で見守る。
この時点で、トラヴィスはBJの「家族」ポジだよなああ。
BJの護衛なのに、それが仕事なのに、BJをひとりにしてピノコを追うトラヴィス。
「ひとりにできない」とあんなに気を配っていたピノコのことを、トラヴィスに任せるBJ。
幼い娘を持つバツイチ男のところに、新しい奥さんが来ました、奥さんはおっかなびっくり家事をやり、幼い娘と接しています……でも、だんだん「家族」になっていきました……そんな感じです。
あ、BJが受ですけどね。(聞いてない)
トラヴィスは分をわきまえて、「護衛」としての線を踏み越えることなくBJのそばにいる。
1年後の別れの場面だって、朝からびしっとスーツ着て、ですます調で話しているし。
公私は区別してるんだろう、頑固にくそ真面目に。
だけど。
たぶん、医師連盟の場面みたいに、いろんなところで「素」の顔をのぞかせちゃうんだろう。
1回あるってことは、他にもいっぱい、何度でもあったんだろうさ。
BJの前で、「私」の顔を見せてしまうんだろう。
そしてBJは、それをよしとしていたんだろう。
なにしろ1年ですよ?
1年間旅館住まいとも思えないので、途中からBJ邸で同居していると思うし。最初本人はそのつもりだったんだし。
どんだけ隠しても、素顔は見えるし、どんな人なのかわかっちゃうだろう。
それも含めて、互いを許し、認め、「家族」やってたんだろう。
夕暮れの空に星が輝き、ゆっくりと暮れていく。
空を見上げるトラヴィスとピノコ。
その背中を見守りながら、BJが歌う。
曲名知らないから、とりあえず「夕暮れの歌」とわたしは区別している。2幕後半も同じ流れで同じテーマの歌を歌うけど、そっちは朝になって終わるので「夜明けの歌」。
この「夕暮れの歌」が好き。
「美しくあれ この世のすべて」と素直に祈れるBJが好き。
家へ帰ろう。
愛しい人と、手をつないで。
家へ帰ろう。
トラヴィスとピノコが手をつないで去って行く、そのあとをBJもゆっくり歩く。家に帰る。
……ここで拍手がないのが、嫌だった。
や、拍手はあったんだ。もともとは。
だけどあの日、まっつが歌えなくなって。
この曲は「歌詞の朗読」になっていた。
だからもちろん、拍手ナシ。なんか、固唾を呑んで見守る場面になっちゃった。
青年館では歌が復活していたんだけど、DCラストの「固唾を呑んで見守る」のがデフォになっちゃったみたいで。
みんなしーんと聴き入っていて、拍手ナシ。
ええー、なんで拍手しないのー?
静かな曲だから、盛り上がる曲みたいに発散して入れられないし、おまけにすぐ次の場面になるから入れにくいのわかるけど、あってしかるべきだし、もともとあったんだし、ともみんの歌のあともう次の場面入っててコーラススタートしてるのにそれでも拍手ねじ込んだりしてるんだし、入れていいと思うんだけどなあ。
でもオレ、チキンだからしーんとしたなか、ひとりで拍手できない……しょぼん。
だから千秋楽、拍手入ったのがうれしかったなあああ。
拍手復活した!! DCと同じだ!! って。
青年館楽、まっつの歌は復活するし、客席のボルテージもめちゃ高だし、興奮のまま自然に拍手わいたよ……すげえよ、あの空気。
トラヴィス@ホタテは、BJ@まっつに対し、立場をわきまえている。
なれなれしい口調では話さない。近づきすぎない。
1年間一緒に子育てしてきたのに、最低限のラインだけは頑固に守っている。
そんな彼が唯一、BJになれなれしさ全開になるところ。
若者の顔で、「警護官」ではなく、「トラヴィス」としてBJに話しかけるところ。
それが、医師連盟本部の廊下場面だ。
「アッチョンブリケ・トラヴィス。アッチョンブリケ・ピノコ」と大真面目に話しかけたら、ピノコに「バカ」と一刀両断された。
「ピノコが喋った!!」ということで、舞い上がるトラヴィス。
医師連盟のみなさんたちから吊し上げをくらって疲労して出てきたBJに、トラヴィスは興奮して報告する。
「今、喋ったんですよ!」
ここまでは、ただの報告。
その次。
「惜しかったなー。もう少し早かったら」
上から目線、BJに対して!!
医師連盟の面々に「告発告発!」とやられてうんざりぼーぜんのBJ、出てくるなりトラヴィスにドヤ顔で上から言われて、ノーリアクション。
めーっちゃ無表情に、無感動に、「なんて言ったんだ?」。
BJの反応見て、トラヴィスもテンションが落ち着いてきて。
「…………『バカ』って。喜んでいいのかわからないけど」
舞い上がってBJ相手にタメ口きいちゃったし。ドヤ顔しちゃったし。ピノコが喋った内容も内容だし。
今さらどう落としどころを着けたらいいのかわからなくて、ビミョーな顔になるトラヴィス。
そんなトラヴィスに、BJ、さらにノーリアクション。
「帰ろう」
この一連のくだりが、めちゃくちゃ好きだ。
トラヴィスがかわいい。アホかわい過ぎて、もだえる(笑)。
BJに思わずタメ口で上から目線キメちゃったあの顔が、トラヴィスの素顔なのかも。
若い。
学生の男の子みたいだ。
素があれなのに、普段は冷静な大人の男を気取っているところが、たまらん。
BJとの相性も最高ですよ。
このふたりでがんがん笑い取っていく。
BJはツッコミ担当なのに、こーゆーときにノーリアクションで流しちゃうのが、ドS。
ツッコミ入れる方がやさしいよね(笑)。
トラヴィスはもとから子ども好きだったんではなく、ピノコと接することで「目覚めた」んだと思う。
ソファーに寝転がってクッキーを食べるピノコを、BJがしたようにきちんと坐らせようとして……ピノコ本体を落っことしてしまう。それは彼が、子どもの扱いを知らないから。
普段子どもと接する機会なんかないんだろう。こうやって1年間平気で出張し続けたりするくらい仕事バカ、妻も恋人もいないんだろう。
機会がなかったから、知らなかった。興味もないから、考えたこともなかった。
医師連盟本部からの帰り道、勝手に駆け出しちゃうピノコ、それを気にせず自分の世界のBJ、どうしよう、と考えて、おそるおそるピノコを追うトラヴィス。
あのおっかなびっくりピノコに接している様子からして、子どもの扱いは不得手。でも、夕暮れの中ピノコと過ごし、どんどん互いに慣れて行く。
最後はふたり手をつないで帰るんだよね。ピノコとトラヴィス。
そしてBJはそんなふたりをあたたかい目で見守る。
この時点で、トラヴィスはBJの「家族」ポジだよなああ。
BJの護衛なのに、それが仕事なのに、BJをひとりにしてピノコを追うトラヴィス。
「ひとりにできない」とあんなに気を配っていたピノコのことを、トラヴィスに任せるBJ。
幼い娘を持つバツイチ男のところに、新しい奥さんが来ました、奥さんはおっかなびっくり家事をやり、幼い娘と接しています……でも、だんだん「家族」になっていきました……そんな感じです。
あ、BJが受ですけどね。(聞いてない)
トラヴィスは分をわきまえて、「護衛」としての線を踏み越えることなくBJのそばにいる。
1年後の別れの場面だって、朝からびしっとスーツ着て、ですます調で話しているし。
公私は区別してるんだろう、頑固にくそ真面目に。
だけど。
たぶん、医師連盟の場面みたいに、いろんなところで「素」の顔をのぞかせちゃうんだろう。
1回あるってことは、他にもいっぱい、何度でもあったんだろうさ。
BJの前で、「私」の顔を見せてしまうんだろう。
そしてBJは、それをよしとしていたんだろう。
なにしろ1年ですよ?
1年間旅館住まいとも思えないので、途中からBJ邸で同居していると思うし。最初本人はそのつもりだったんだし。
どんだけ隠しても、素顔は見えるし、どんな人なのかわかっちゃうだろう。
それも含めて、互いを許し、認め、「家族」やってたんだろう。
夕暮れの空に星が輝き、ゆっくりと暮れていく。
空を見上げるトラヴィスとピノコ。
その背中を見守りながら、BJが歌う。
曲名知らないから、とりあえず「夕暮れの歌」とわたしは区別している。2幕後半も同じ流れで同じテーマの歌を歌うけど、そっちは朝になって終わるので「夜明けの歌」。
この「夕暮れの歌」が好き。
「美しくあれ この世のすべて」と素直に祈れるBJが好き。
家へ帰ろう。
愛しい人と、手をつないで。
家へ帰ろう。
トラヴィスとピノコが手をつないで去って行く、そのあとをBJもゆっくり歩く。家に帰る。
……ここで拍手がないのが、嫌だった。
や、拍手はあったんだ。もともとは。
だけどあの日、まっつが歌えなくなって。
この曲は「歌詞の朗読」になっていた。
だからもちろん、拍手ナシ。なんか、固唾を呑んで見守る場面になっちゃった。
青年館では歌が復活していたんだけど、DCラストの「固唾を呑んで見守る」のがデフォになっちゃったみたいで。
みんなしーんと聴き入っていて、拍手ナシ。
ええー、なんで拍手しないのー?
静かな曲だから、盛り上がる曲みたいに発散して入れられないし、おまけにすぐ次の場面になるから入れにくいのわかるけど、あってしかるべきだし、もともとあったんだし、ともみんの歌のあともう次の場面入っててコーラススタートしてるのにそれでも拍手ねじ込んだりしてるんだし、入れていいと思うんだけどなあ。
でもオレ、チキンだからしーんとしたなか、ひとりで拍手できない……しょぼん。
だから千秋楽、拍手入ったのがうれしかったなあああ。
拍手復活した!! DCと同じだ!! って。
青年館楽、まっつの歌は復活するし、客席のボルテージもめちゃ高だし、興奮のまま自然に拍手わいたよ……すげえよ、あの空気。
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