かなとくんが、すごかった。

 新人公演『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』において、いちばんに語るべきは、彼でしょう。

 ベルナール@かなとくんが登場すると、「スターが登場した!」と思える。

 うまいわ美しいわ力強いわ。

 カーテン前で説明台詞を喋るだけなのに、「スター」としての貫禄があって、対するオスカル@レオくんがへなちょこ(笑)なこともあってか、堂々たるものでした。

 特に、後半の民衆場面が……!!

 2幕を1幕にまとめての上演なので、本公演からあちこちカットしてある新人公演。本公演は通常版と特出版と2種類あり、基本「どちらかにしかナイ場面は、最初からなくてもかまわないモノ扱い」でした。
 とーぜんだわな、通常版でなくてもかまわない場面は、そもそもいらない場面だし、特出版になくても問題ない場面は、そもそもいらないってことだし。
 なのにその「基本」を曲げて、唯一「特出版演出」があったのが、民衆場面です。

 つまり、ベルナールに、ソロがあった!!

 通常版ではコーラスでしかない場面、カーテンが開いて民衆のセンターにいるかなとくんを認めるなり、わたしは内心祈りました。
 歌を! 歌を聴かせてくれ!!

 かなとくんは歌ウマさんです。歌える美形なんです。
 本公演がソロ歌カットだからって、ソレに倣わないで。歌ウマさんに、歌を披露する機会を……!!

 短いソロだけど、それでも彼がひとりで歌い出したとき、心の中でガッツポーズしました(笑)。
 これが見たかったのだと。

 センターで民衆を率い、ひとり歌うかなとくんは、「スター様キターーッ!!」感に満ちあふれていました。

 なんか、いろいろ感慨深かったっす。

 ついこの間、同じ演出で月組『オスカルとアンドレ編』の新人公演も観たわけです、この民衆場面。
 センターでソロを歌うのはベルナール@ゆうまくんでした。

 あー……かなとくんとゆうまくん。文化祭で、同じ役やってたよねええ?
 そのふたりが、またこうして同じ役を別の舞台で演じている……じーーん。

 文化祭の演劇は2グループ制なので、1回だけだとどちらか片方のキャストしか観られない。わたしが観たのは、かなとくんの方。
 イケメンだったし、芝居もふつーにうまかったので、記憶に残った。

 次にかなとくんを意識したのが、新人公演『ソルフェリーノの夜明け』。
 おじさん役がめちゃくちゃうまくて、度肝を抜かれた。
 研1でこのうまさって……!!、と。

 でも、ゆうまくんほど役はつかず、次にばーんと目立ったのが新人公演『ドン・カルロス』、異端審問官。
 美形で歌ウマを遺憾なく発揮(笑)。異端審問官がトート様みたいな美形でいいのかって、そっちの疑問を残しつつ。

 本公演でも別箱公演でも目立つ役はつかないけれど、ぐるっと回ってまた、ゆうまくんと同じ役かぁ。

 これから彼がもっと活躍してくれるといいなあ。
 とにかく本公演でもどこでも、美形さで目を引くんだもの。そして、顔だけでなく、ふつーにうまいんだもの。どうかもっと出番を……って、あ、ダンスは苦手でしたっけね、彼? どんくさい場面を何度か目撃していますが……?(笑)。


 とまあ、かなとくんから語りましたが。

 今回の新公の、わたしのお楽しみはなんつっても、ホタテくんとレオくんです。

 アンドレ@ホタテ!! オスカル@レオくん!!
 このふたりで「今宵一夜」!!(笑)
 ……すみません、語尾に(笑)が付きます(笑)。

 タカラヅカは愛を歌う劇団ですが、限られたスターさん以外、舞台で愛を歌う機会には恵まれません。
 路線ど真ん中を歩かないと、ラブシーンも相手役もないわけです。

 我らがホタテマンはその学年離れした実力と愛らしいキャラクタによって、舞台でもスカステでも注目されてきた人ではありますが、なにしろ、「路線スター様」ではない。
 おっさん役、じーさん役はそつなくこなしても、マジな二枚目役だとか、本気でラブシーンだとかは、なかなか縁がないのです。

 ホタテくんのラブシーンって、過去にナニがありましたかね……?
 わたしが彼を認識したがあの『忘れ雪』っすよ。たぶん彼が最大の太り方をしていた頃。あまりに太いので、友人が葵吹雪タンと間違えて観ていたのは、しょっぱい思い出。
 次が新人公演『ZORRO 仮面のメサイア』で……妻@みみちゃんはいたけど、なにしろ喋らない役だったしなー……。
 そっから先は「雪組ぷくぷくトリオ」認識でナニをやっていてもわりと見失いがちというか、トリオの見分けがあまりついてなくて、でかくてまんまるの男たちはトリオの誰か、程度で意識終了。
 個性が見えてきたのが、新人公演『ソルフェリーノの夜明け』。まるぷくトリオの中で、いちばん好みの顔と芸風だと判別。……エクトール先生役も、ヒロイン@あゆっちに惚れていて告白もしていたはずなんだが……言うだけ言ってダメならすぐ引いちゃう物わかりヨシな人で、そもそも作品自体あんまりラブもないもので。

 新公や別箱で二枚目系っつーか路線系の役をもらっていたのはこのあたりまで。
 こっから先は別格一直線……だよな?
 おっさん役、じーさん役、個性的な役……。
 そして、この別格的な役割になってから、彼の評価はうなぎ上りだったよな?
 あれ? 路線役の頃は見分けがついてなくて興味もなくて、路線役を演じているときに好みかも?と思った途端、別格へシフト……って、……わたしの好みセンサーが正しく動いたのか……。

 まあともかく、タカラヅカのガチ美形役、本気でラブシーン、を演じるホタテさんは、今までの彼の歩みから想像が付かず、いちばんの興味はそこにありました。

 しかも相手、あのレオくんだし(笑)。
 まあその、レオくんのことは置くとして、ホタテアンドレ。

 もちろん、うまかった。

 安定力ハンパねぇ。
 もともと実力もあるし、舞台の重鎮役をこなしてきたキャリアもある。準主役だってまかせろ!ですよ。

 その延長線上にある、アンドレでした。

 オスカルのことを見守っている、包容力の面では、実に力強い。
 ただ……。
 「恋愛」としての色は、どうかなあ??
 愛しているのはわかるけど、恋、はしてないんじゃ……?

 ぶっちゃけ、ラブシーンの必要性が薄いアンドレでした。

 オスカルへの思いは「愛」であって、肉欲を伴った「恋」ではなさそう。
 「今宵一夜」も「恋愛」ゆえに、って感じが少ない。
 
 原始的な衝動だけで行為に移るわけじゃないんだから、包容力や保護使命感からでもいいとは思う。
 ホタドレに感じたトキメキは、「素敵な異性」への「恋」ではなく、「こんなに大きな人にすっぽり守ってもらえる」という、「父性」へのトキメキでした。
 女子高生がうっかり一回り年上の教師に恋するような、そんな感じ?

 レオカルさんがまた、きゃぴりんした女子だったので、余計に女子高生と大人……。

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