そしてついに千秋楽。『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』

 時間がなくてろくに感想書けないままでいたけれど。
 ほんとにほんとに、よかったの。すごかったの。雪組のみんな。
 あんな脚本で、あんな演出で、それでも盛り上げて、やり遂げてくれたの。

 とくに、えりたん。

 ああ、えりたん。
 あれは幕が開いて1週間くらいしたころかな。
 感動に、打ち震えたよ。

 『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』を、思い出した。

 植爺駄作列伝、ワースト3以内に堂々ランキングすること間違いなしの、近親相姦+悪霊もの。
 アラン@まとぶん、アンドレ@えりたん、オスカル@みわっちというキャスティング。

 アランがオスカルに無理矢理チューをする、そのアランをアンドレが殴りつけ、アランが走り去ったあとアンドレが「アラン……お前もか」とつぷやく。

 原作でもあるエピソードだが、なにしろ植爺なので、めちゃくちゃな描き方になっており、初日はここで大爆笑だった。

 原作ではときめき場面であるはずなのに、捨て身のコント場面に成り下がっていた。ええ、すべて植爺が悪い。
 えりたんたちも、演じていてショックだったろう。ドシリアス場面なのに、大爆笑くらうなんて。マンガみたいに「どっ」と場内が同じタイミングで爆笑したんだもん。

 そのどーしよーもない植爺の最低演出を、えりたんは自力で立て直した。
 翌日には芝居を変え、笑われないようにしたんだ。

 すごいよえりたん!

 舞台は、役者のもの。
 どんだけ酷い脚本でも、どんだけ最低の演出でも、板の上に乗ったら役者自身が戦い、克服していくんだ。
 舞台の上は、役者だけの戦場なんだ。


 それを、思い出した。
 植爺のアホアホ脚本と、真っ向から舞台の上で戦う男、それが我らがソウカズホだ!!

 オスカル@ちぎを、逆ギレして罵るところの芝居が、変わっていた。

 オスカルを責めるというより、自分の中、哀しみにふけっているような感じになっていた。独白のようになっていた。
 言葉の上ではオスカルを責めながら、オスカルを見ていないようだった。
 ただひたすら、悲しそうだった。

 きゅんとしました。

 あんなフェルゼンなのに! 植爺脚本のキチガイフェルゼンなのに!!

 言葉に意味なんかない、そこにあるのは哀しみだけ。
 そんな芝居になっていた。

 うわああ、えりたんだ。あの「アラン、お前もか」を立て直したえりたんだよ!! 大爆笑されたアホアホ台詞を、シリアス芝居に立て直したえりたんだよ!!


 ほんとに素晴らしかったです、ソウカズホ。


 また、『フェルゼン編』お約束のキチガイ場面、「メルシー伯爵のお説教」場面では、メルシー伯爵@汝鳥伶様が芝居を変えていた。
 初日付近はいつものメルシー伯爵、居丈高に説教かますだけだったのに、後半は哀願する様子になっていた。
 フェルゼンとメルシー伯爵、どっちも傲慢に「あなたは身勝手だ」「あなたこそ身勝手だ」と自分を正当化して互いを責めるだけという、醜い争いをえんえん見せられて辟易する場面(真に身勝手なのはフェルゼンだけどね)で、片方が下から出るようになったので、かなり見やすくなった。

 あの汝鳥さんですら、植爺脚本と演出のままだとまずいと思ってるんだね……。


 そうやって、みなが一丸となって、植爺と戦っていた。
 舞台は生き物。
 それをしみじみ、思い知らされた。


 まさおアンドレ特出時、女々しくなっていて危惧したオスカル@ちぎくんも、アンドレ@まっつだと凜々しさを幾分取り戻していた。といっても、やはり彼も、初日付近に比べると女の子度が上がっているのだけど。
 オスカルは凜々しい方が好きなので、ちぎカルに関しては、初日付近の方が好みかな。……まっつの「俺がダーリン」度が上がっていて、ちぎくんの女らしさはそのせいかもしれない、となるとまっつのせいか?と思ってもみたり。

 女の子度が増しているためか、アンドレを失ったあとの痛々しさも増していて。
 あとになるほどバスティーユのちぎカルには泣けてしょーがなかった。


 長かったような短かったような、祭り『ベルばら』が終わったわけだ。
 当分『ベルばら』はいいっす、おなかいっぱいっす。
 いやその、東宝も観に行きますけども(笑)。

 99期生のはじまったばかりのジェンヌ人生にエールを送り、卒業するソルーナさんの「ラプユー」に笑い泣きし、えりたんのえりたんらしい挨拶にほっこりする。
 タカラヅカ・フォーエバー。

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