Aバージョンのみなさん雑感。@ロミオとジュリエット
2013年6月2日 タカラヅカ わくわくの星組再演『ロミオとジュリエット』。
初演が素晴らしかっただけに、ソレを超えるのは難しい。
初演と同じ死@マカゼが登場、同じようにトートメイクで無言で踊る。
初演時にその格好良さにハクハクした、マカゼの代表作。喋らないマカゼ最強! そうさ彼のビジュアルは最強、しかし喋るとへなちょこ、だからこそ台詞なし、視覚情報だけの死はマカゼを何割増しでカッコ良く見せる!
マカゼくんのビジュアルが大好きな、オサ様水くんファンのわたしです。彼が多少へなちょこでもヘタレでも、その外見を眺めているだけで幸せになれます。
だから死を演じるマカゼは好き。
そう思ってはいたんだけど。
なんか、首をかしげた1幕。
死、って、こんなだっけ?
時が経ち、脳内で勝手に膨らませ過ぎちゃったとか? あるいは、どーんとクローズアップされた『REON!!』のときのイメージとかが大きくなっていたとか?
なんか、物足りない。
わたしは再演雪組本公演の死は納得出来ておらず、「死はマカゼでなきゃなー」と思って見ていた。新公はまあ、モロにやり過ぎてたけど(笑)ありだと思った。
しかしさらに再々演月組の死は「向いてないよ!」としか言えなくて、新公の死が素晴らしかっただけに、本公演では首をかしげるばかり、雪もまだマシだったのかと思ったもんだった。
それら、わたし的にしっくりこない死ばかり見せられて、よーやく見たかった死を見られるんだ!! と、期待しすぎていたのかもしれない。
なんだ……こんなもん? 死ってこんなに、目に入らない役だっけ? 愛@どいちゃんが力強すぎるのか?
と、肩を落としていた1幕。
それが、2幕から。
ちょ……っ、すごいんですけど、死!
ふと彼を視界に入れると、持って行かれる。
や、だからビジュアルが好みなんだって。水トートをどれだけ好きだったと(笑)。その好みの男が、なんか好みの表情してくねくねしてるんですよ。
マカゼ氏にはいつも「枠」を感じる。「柵」というか、自分のテリトリーを丁寧に囲って、そこから一歩も出ないイメージ。
画用紙を与えられたら、間違ってはみ出したりしないように、意識して小さく真ん中にだけ絵を描く感じ。
調子に乗ったベニーとか、最初から画用紙の枠を気にせず床にまでクレヨンべったりつけて好き放題描く、あの芸風とは正反対に。
死という役もまた、いつものマカゼ氏の「枠」を感じた。
「ここまで」と決まっている境界線の中でだけ、演技している。
ただ、死は爆発する役ではないので、その枠の中で沈殿していく表現が、なんかみょーに素敵だった。
1幕より2幕、2幕も最初より後半、あとになればなるほど「沈殿」するものは大きく重くなっていく。
より沈殿していく。
それが、素敵だった。
「死」として、光を放っていた。
てかーっとした光り方ではなく、暗い不穏な光。重なることでようやく輪郭が浮かぶ、そんな光。
いやあ、楽しかったー、マカゼさん!
2幕は彼に夢中でした。
好きなビジュアルの男が、好きな芝居をしてくれる、なんて俺得なの。
いつもいつも「頼む、うまくなってくれ!」と願うマカゼ。
ビジュアル最強、トップスターになるしかない天性の「男役」美貌。
ならばほんとにもう、あとは実力。
こんだけ抜擢されて重責を与えられて実践で鍛えられ続け、何故こうまでうまくならないのか。
そうじれじれしているマカゼさんですが、やっぱちゃんと成長してるんだなあ。
なにかと不器用そうで足りないところだらけで、……ああでも、そういうところがまたいいのかもなあ。
とにかく、死@マカゼは良いです、好みです。
また観に行くのが楽しみだー!
で、もうひとり、わたしの好みのビジュアルの人。
ティボルト@ベニー。
オサ様ファンのハートをくすぐるんだ、彼の顔立ち、その造形。
ビジュアル完璧、ほんとに「男役」として美しい人。このビジュアルだけで出てきただけのことはある。
そして、役がティボルト。狂気の役、厨二病全開にわめいていればいい役。
初日だからかな、「予想の範囲内」だった。
ベニーがティボルトやったらこんなだなー、と思った、それだけの姿。
初演時、彼の演じたマーキューシオを思い出すにつれ、やっぱ3年分いろいろとうまくなっているんだと思う。
ティボルトがマーキューシオと変わらなかったらどうしよう、と危惧するところもあったわけだから。
マーさんとは違って見えた。だけどうーん、なんか「小さい」ティボルトだったような。身体のサイズのことではなくて。
方向性が定まってないのかなあ。
見ながら、彼のもうひとつの役、ベンヴォーリオを思った。
ティボルトがベニー的に「予想の範囲内」なら、ベンヴォーリオはどうなるんだろう? マーキューシオやティボルトは、ベニーの持ち芸……ぢゃねえ、持ち味に合う役、引き出しの中だけでなんとかなるタイプの役だ。
反対にベンヴォーリオはベニーらしくない役。
「似合うよね」と思える役が「想定内」でしかないなら、「らしくない役」にこそ期待が高まる。
マーキューシオ@しーらんは、配役が発表されたときに「そうきたか!」と膝を打ったクチ。
似合うよね、わくわくするよね。
路線スター以外にも主要役を回す、星組プロデューサーはほんと商売がうまい。「絶対観なきゃ!」ってキモチになるじゃないか。
そして初日。
改めて、マーキューシオって難しい、と思った。
歌が難しいのは周知のことだと思うけど。
それ以外にも、なんつーんだ、「華」がより必要な役なんだ。
マーキューシオがどこにいるのか、わかんない……。
集団の中で、ほんとによく見失った。
しーらんは美形だし、男役としてうまい人だし、欲と野生と芝居心のある人で、脇にいても目に入る人。「あそこに色男がいる!」と思うとしーらんだ、てな。
脇にいると目立つ人だから、真ん中に置いても十分目立ってくれるだろうと思い込んでいたんだけど……真ん中だと、目立たない……。
髪の色のせいかもしんないけどさー。小柄なせいかもしんないけどさー。
あれ? こんな感じなんだ? と、びっくりした。
そしてマーキューシオって、やっぱどうあがいても2番手の役ぢゃないよね……。
こんだけ地味というか、脇寄りの役なんだなあ。
彼ひとりを舞台に据えたソロもないし、2幕序盤で消えるし。
この役で2番手として成り立っていたちぎくんのスター力を、改めて思った。
脇属性の人がやると、こんだけ脇っぽい役になるんだ。
良くも悪くもベニーは大暴れしてたんだなあ、ちゃんとスターの役に見えたなあ、と初演を遠く思う。
そしてこちらでも、しーらんのベンヴォーリオを見てみたかったなあ、と思った。
しーらんもまた、キャラとしてはマーさんの方が持ち味。だからこそ配役にテンション上がったんだけど……持ち味で出来る役より、作り込んだ抑えた役、ベン様の方が、しーらんの「格好良さ」「色男さ」が出たんじゃないかと思ったんだ。
まだ初日だからってのも、あるだろう。
しーらんならきっと、これから変化していくはず。あの野心家がこれで納得するはずナイ、もっともっと貪欲に「役を生きる」はず。
それを期待して、初日の違和感を記しておく。
初演が素晴らしかっただけに、ソレを超えるのは難しい。
初演と同じ死@マカゼが登場、同じようにトートメイクで無言で踊る。
初演時にその格好良さにハクハクした、マカゼの代表作。喋らないマカゼ最強! そうさ彼のビジュアルは最強、しかし喋るとへなちょこ、だからこそ台詞なし、視覚情報だけの死はマカゼを何割増しでカッコ良く見せる!
マカゼくんのビジュアルが大好きな、オサ様水くんファンのわたしです。彼が多少へなちょこでもヘタレでも、その外見を眺めているだけで幸せになれます。
だから死を演じるマカゼは好き。
そう思ってはいたんだけど。
なんか、首をかしげた1幕。
死、って、こんなだっけ?
時が経ち、脳内で勝手に膨らませ過ぎちゃったとか? あるいは、どーんとクローズアップされた『REON!!』のときのイメージとかが大きくなっていたとか?
なんか、物足りない。
わたしは再演雪組本公演の死は納得出来ておらず、「死はマカゼでなきゃなー」と思って見ていた。新公はまあ、モロにやり過ぎてたけど(笑)ありだと思った。
しかしさらに再々演月組の死は「向いてないよ!」としか言えなくて、新公の死が素晴らしかっただけに、本公演では首をかしげるばかり、雪もまだマシだったのかと思ったもんだった。
それら、わたし的にしっくりこない死ばかり見せられて、よーやく見たかった死を見られるんだ!! と、期待しすぎていたのかもしれない。
なんだ……こんなもん? 死ってこんなに、目に入らない役だっけ? 愛@どいちゃんが力強すぎるのか?
と、肩を落としていた1幕。
それが、2幕から。
ちょ……っ、すごいんですけど、死!
ふと彼を視界に入れると、持って行かれる。
や、だからビジュアルが好みなんだって。水トートをどれだけ好きだったと(笑)。その好みの男が、なんか好みの表情してくねくねしてるんですよ。
マカゼ氏にはいつも「枠」を感じる。「柵」というか、自分のテリトリーを丁寧に囲って、そこから一歩も出ないイメージ。
画用紙を与えられたら、間違ってはみ出したりしないように、意識して小さく真ん中にだけ絵を描く感じ。
調子に乗ったベニーとか、最初から画用紙の枠を気にせず床にまでクレヨンべったりつけて好き放題描く、あの芸風とは正反対に。
死という役もまた、いつものマカゼ氏の「枠」を感じた。
「ここまで」と決まっている境界線の中でだけ、演技している。
ただ、死は爆発する役ではないので、その枠の中で沈殿していく表現が、なんかみょーに素敵だった。
1幕より2幕、2幕も最初より後半、あとになればなるほど「沈殿」するものは大きく重くなっていく。
より沈殿していく。
それが、素敵だった。
「死」として、光を放っていた。
てかーっとした光り方ではなく、暗い不穏な光。重なることでようやく輪郭が浮かぶ、そんな光。
いやあ、楽しかったー、マカゼさん!
2幕は彼に夢中でした。
好きなビジュアルの男が、好きな芝居をしてくれる、なんて俺得なの。
いつもいつも「頼む、うまくなってくれ!」と願うマカゼ。
ビジュアル最強、トップスターになるしかない天性の「男役」美貌。
ならばほんとにもう、あとは実力。
こんだけ抜擢されて重責を与えられて実践で鍛えられ続け、何故こうまでうまくならないのか。
そうじれじれしているマカゼさんですが、やっぱちゃんと成長してるんだなあ。
なにかと不器用そうで足りないところだらけで、……ああでも、そういうところがまたいいのかもなあ。
とにかく、死@マカゼは良いです、好みです。
また観に行くのが楽しみだー!
で、もうひとり、わたしの好みのビジュアルの人。
ティボルト@ベニー。
オサ様ファンのハートをくすぐるんだ、彼の顔立ち、その造形。
ビジュアル完璧、ほんとに「男役」として美しい人。このビジュアルだけで出てきただけのことはある。
そして、役がティボルト。狂気の役、厨二病全開にわめいていればいい役。
初日だからかな、「予想の範囲内」だった。
ベニーがティボルトやったらこんなだなー、と思った、それだけの姿。
初演時、彼の演じたマーキューシオを思い出すにつれ、やっぱ3年分いろいろとうまくなっているんだと思う。
ティボルトがマーキューシオと変わらなかったらどうしよう、と危惧するところもあったわけだから。
マーさんとは違って見えた。だけどうーん、なんか「小さい」ティボルトだったような。身体のサイズのことではなくて。
方向性が定まってないのかなあ。
見ながら、彼のもうひとつの役、ベンヴォーリオを思った。
ティボルトがベニー的に「予想の範囲内」なら、ベンヴォーリオはどうなるんだろう? マーキューシオやティボルトは、ベニーの持ち芸……ぢゃねえ、持ち味に合う役、引き出しの中だけでなんとかなるタイプの役だ。
反対にベンヴォーリオはベニーらしくない役。
「似合うよね」と思える役が「想定内」でしかないなら、「らしくない役」にこそ期待が高まる。
マーキューシオ@しーらんは、配役が発表されたときに「そうきたか!」と膝を打ったクチ。
似合うよね、わくわくするよね。
路線スター以外にも主要役を回す、星組プロデューサーはほんと商売がうまい。「絶対観なきゃ!」ってキモチになるじゃないか。
そして初日。
改めて、マーキューシオって難しい、と思った。
歌が難しいのは周知のことだと思うけど。
それ以外にも、なんつーんだ、「華」がより必要な役なんだ。
マーキューシオがどこにいるのか、わかんない……。
集団の中で、ほんとによく見失った。
しーらんは美形だし、男役としてうまい人だし、欲と野生と芝居心のある人で、脇にいても目に入る人。「あそこに色男がいる!」と思うとしーらんだ、てな。
脇にいると目立つ人だから、真ん中に置いても十分目立ってくれるだろうと思い込んでいたんだけど……真ん中だと、目立たない……。
髪の色のせいかもしんないけどさー。小柄なせいかもしんないけどさー。
あれ? こんな感じなんだ? と、びっくりした。
そしてマーキューシオって、やっぱどうあがいても2番手の役ぢゃないよね……。
こんだけ地味というか、脇寄りの役なんだなあ。
彼ひとりを舞台に据えたソロもないし、2幕序盤で消えるし。
この役で2番手として成り立っていたちぎくんのスター力を、改めて思った。
脇属性の人がやると、こんだけ脇っぽい役になるんだ。
良くも悪くもベニーは大暴れしてたんだなあ、ちゃんとスターの役に見えたなあ、と初演を遠く思う。
そしてこちらでも、しーらんのベンヴォーリオを見てみたかったなあ、と思った。
しーらんもまた、キャラとしてはマーさんの方が持ち味。だからこそ配役にテンション上がったんだけど……持ち味で出来る役より、作り込んだ抑えた役、ベン様の方が、しーらんの「格好良さ」「色男さ」が出たんじゃないかと思ったんだ。
まだ初日だからってのも、あるだろう。
しーらんならきっと、これから変化していくはず。あの野心家がこれで納得するはずナイ、もっともっと貪欲に「役を生きる」はず。
それを期待して、初日の違和感を記しておく。
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