ショー『Fantastic Energy!』は、あまりに「中村B」で、ウケた(笑)。

 いつもの中村B。どこを取っても中村B。ここまで中村Bだといっそ潔い、清々しい。
 目に痛い衣装のオープニング、銀橋にひとり残ったトップスターが客席釣りながらのソロ、セットのほとんどない平らな舞台に人・人・人、ラッシュ状態でちょー大勢が踊りまくり、順番に銀橋使って中詰め、銀橋ラインナップで中詰めがじゃんっと終わって暗転したあと、ひとり残ってムード歌謡キターーッ!! あー流れからいって次はスパニッシュでメイン来るなー、そのまんまキターーッ!! 次は若手銀橋からロケット、そろそろ黒燕尾かなー。
 なんかもお、「俺、エスパー?」ってくらい、次の盤面、演出が見る前から脳裏に浮かび、浮かんだ通りのモノが展開されて、途中から笑いを殺すのに必死でした。
 暗闇にムード歌謡が流れ出したときはどうしようかと……そして、「ムード歌謡担当」がマギーだとわかった瞬間の衝撃たるや……わ。わらいしぬかとおもった……。

 わたしは2階席だったんだが、なんかもーしみじみと感心してしまった。

 宝塚大劇場の舞台って、広いなあ。
 同時に、こんなものすごい人数が踊れるんだ。

 って、そんなことに感心するくらい、フラットな舞台に、ものすごい人数がひしめいて踊っていた。
 一場面じゃないよ? ほとんどの場面でだよ?!

 これ、1階席で観たらどうなるんだろう。贔屓を探せるんだろうか? 立体セットはほぼナシ、ほとんどがフラットだよ? 2列目以降の子は見えるのか? しかも、5列目とかまでふつーにあるんだけど、なにしろ人数すごいから。
 あの人数であの密度で、ぶつからずに踊れるってすごいなー。
 そんな、あさっての方向の感心をしちゃうくらい、不思議な画面でした。

 そして、画面の不思議さというと、ここってナニ組だっけ、ということもそう。

 まさお、みっちゃん、かちゃ、みやるり、マギー、コマ……並ぶ男役スターの姿に、軽く混乱する。
 月、宙、宙、星、月、雪?
 えーとえーと、みりおくんどこ? まさおくんの隣って、みりおくんの定位置でしょ?
 としくんたち、月組生え抜きさんたちもどこー?!

 わかってるんだけど、とっさに混乱するなあ。
 下級生時代からずーっと抜擢されて「スター」として月組のメイン画面に当たり前にいたみりおくんがおらず、別の組の人たちが何人も代わりに入っていると、違和感大きいわー。

 みっちゃんは元月組だけど、……彼は不思議にどの組でも「チガウ」気がする。それは彼が「スター」であるからか、あるいはそれこそが「専科」になった理由なのか。
 ともあれ、みっちゃんは期待通りの素晴らしい歌声披露。ラストに大きな羽根も背負っていたし、ひとつずつ階段を上っている模様、おめでとー。

 上記の男役スターの並びに、たまきちも入っていた。
 上級生ごぼう抜き、出世スピード速ぇー。
 どこの組も、次世代スターを一気に上げて来てますな。(宙組除く)

 そしてコマつんの位置にちょいへこむ。や、『ME AND MY GIRL』からしてもわかってたけどさー。この扱いなら、組替えしなくてよかったじゃんよー、と思っちゃいますよ……。


 結局、「準トップ」という謎の体制時代は、ショー作品がなかった。
 あのままみりおくんがいたとして、いつかあっただろうショー作品では、やはり役替わりがあったのだろうか? それとも、芝居は役替わりしてもショーは固定?
 その場合、準トップ様の出番はダブルトップ並?
 実現しなかったので、謎のまま。

 そして、準トップのみりおくんがいなくなり、はっりした2番手が誰かもわからないまま専科のみっちゃん特出。
 なんとなく、ショーはみっちゃんが2番手以上の扱いを受けるのかなーと思っていた。ただの2番手ではなく、準トップ様の抜けたあとに入るわけだし。
 準トップじゃないけど、近年では花組の『カノン』なんかは、トップスターと2番手スターがほぼ同格っちゅーか、交互に出てきてセンター務めて、デュエットダンスまで2組で踊っている、落ち着きの悪いショーだった。
 あそこまで変な作りにはしないだろうけど、もう少し「準トップ」がいたときのショー寄りになるのかな? と、なんとなーく、漠然と思った。まさおくんの単独トップ姿をまだ知らないわけだから。なんでもみりおくんと「半分こ」しているイメージが強くてなー。

 でも、みっちゃんは「ふつーの2番手さん」の扱いだった。みっちゃんメインの場面って結局ひとつだけだしね。
 作品の中核となる場面では、他の組子と同じように群舞の中にいたし。
 つか、さすがは「上から順番、1、2、3」の中村Bってことか。特出スターがいても、いつも通りの中村Bって(笑)。
 だからこそ、準トップ様体制の中村Bショーを観てみたかった気がする。


 初日を観劇するかどうかは最初、迷っていた。や、スケジュール的に、行ける日じゃなかったのよ。翌日の土曜なら行けるけど。
 でも友人から「越リュウの挨拶が聞ける最後の日」と言われ、「初日行く」になった。

 組長は、公演初日に挨拶をする。
 通常、千秋楽もするけれど、自分が卒業するときは、その役はナイ。
 てことは、リュウ様の挨拶を聞ける最後の日。
 厳密には貸切公演挨拶もあるだろうし、東宝初日の挨拶もある。
 でもわたしが観ることの出来る最後の挨拶は、ムラ初日だ。

 万難を排して駆けつけましょうぞ。

 ……てことで、ごくふつーに挨拶をするリュウ様を、感慨深く見つめていました。
 もうリュウ様の初日挨拶を聞くことはないんだ……。
 次に挨拶するときは、袴を穿いての退団挨拶なんだ……。や、楽のチケット持ってないけど。

 さみしいなあ。さみしいなあ。


 ショーはとっても楽しかったさ。やっぱ定番はイイ。ふつうがいちばん(笑)。
 キムくんやオサ様という、「歌手」トップスターが演じる中村Bショーに慣れ親しんだ者としては、まさおくんの中村Bショーは馴染みやすいというか、入りやすい。落ち着くわー。

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