『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』という作品・脚本の嫌いなところだけを記すシリーズです、はい。演じているジェンヌには無関係、植爺だけの話。
植爺脚本のフェルゼンは嫌い。
まず、何十年経っても留学生のまま。原作のフェルゼンはとっくに留学を終え、軍隊に所属している。なのに何故か植爺脚本では、フランス革命直前まで、フェルゼンはお気楽な留学生とされている。……途中、軍服も着ているのに。軍に所属していないのにアントワネットのためだけに軍服を着る、って、それただのコスプレ……。
そして、なんといっても、性格破綻。
自分だけが正義、自分の快楽だけが重要。他人はすべて悪、自分に気持ちいいことをしてくれない人は悪、思い通りに行かないのは周りのせい、自分は悪くない。
道理をねじ曲げ、他者を攻撃することでしか、社会と関われない。優れた人物になるのは難しいけれど、実は簡単に優越にひたれることが可能、つまり他人を貶めることで、相対的に自分を持ち上げればいい。てことで、彼はいつも周囲を貶め、その結果自分を持ち上げている。
その性格、言動は、「邪悪」のひとこと。
第1幕
第6場 ベルサイユ宮殿
オスカル「愚かな! 君もスウェーデンの貴族ではないか。少しは身分をわきまえ給え!」→前述の通り、何故ここで「貴族」?
フェルゼン「オスカル! 王妃さまはお気の毒な方なのだ。(中略~アントワネットの立場解説だらだら~)誰かがお力になり、お慰めしなければ!」
オスカル「思い上がるな! 地位もないスウェーデンの貴族にそんな大それたことが許されると思っているのか!」
このやりとりだけですでに、わたしには精神的ダメージが大きい。
フェルゼンは罪を咎められ、言い訳と自己正当化をしている。それに対してオスカルは論旨のズレたことを返している。
「フェルゼンくん、信号無視をするなんて、身分をわきまえ給え!」
「アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければ」
「思い上がるな! 地位もないくせに」
信号無視と身分は関係ない。警視総監でも総理大臣でも、してはいけません。
なのにオスカルくんは、フェルゼンくんの信号無視を注意するのに「身分」を理由にする。
フェルゼンくんは、注意されているのは信号無視についてなのに、関係ない話をはじめる。信号無視をしたのはアントワネットちゃんのため、と言いたいらしいのだけど、アントワネットちゃんが可哀想なことと、フェルゼンの信号無視は無関係。
だからオスカルくんはあくまでも「信号無視はいけない」という話に戻さなくてはならない。
なのに、「アントワネットちゃんのそばにいること」について怒り出す。しかも怒る理由が「地位もないくせに」。オスカルくんは心よりも身分大事の価値観。つまり、地位や身分さえあれば心なんかどーでもいー人。さすが、他人を注意するときに「身分」を理由にするだけのことはある。
何重にも狂っていて、感性が悲鳴をあげる。
「フェルゼンくん、信号無視をしてはいけない」
「アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければ」
「アントワネットちゃんが可哀想なのはわかるけど、信号無視はいけないことだ」
というやりをしてはじめて、オスカルが正されたことになる。
さらには、
「フェルゼンくん、信号無視をしてはいけない」
「悪かった、とても急いでいたんだ。アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければいけないと思って」
「アントワネットちゃんが可哀想なのはわかるけど、信号無視はいけないことだ」
「いけないとわかっていても、これからもボクはアントワネットちゃんのためならルールを無視する。ボクは間違っている、それによって誰かを傷つけるかもしれない、だけどボクにはアントワネットちゃんのもとへ一刻も早く駆けつけることが、ルールよりも大切なことなんだ」
としてはじめて、オスカルとフェルゼンの会話が正しく機能する。
なのに、植爺がやっていることってさあ。
「ルール違反について、ルールと無関係の理由で注意する」→「可哀想なんだもん!と、情を訴え正当化」→「情に対して無関係の価値観で否定」だもん。
聞いててひたすらキモチ悪い。
で。
オスカル「やっぱり君だったか! フエルゼン! こんな時刻。警護の者に見とがめられたらなんとするんだ!」
フェルゼン「オスカル、笑ってくれ。恋に盲目になった哀れな男を…私は王妃さまのお側にいたいんだ!」
(略)
オスカル「君も知っているだろう。この騒然としたフランスの国情を。その原因の一つに君があるのだ!」
フェルゼン「待ってくれ。いかに恋に目が眩んでいても、私には私の思慮もあり分別もある。だからどれだけ耐えてきたか…」
フェルゼンのこの「私には私の思慮もあり分別もある」が嫌い。
罪を犯し、それを注意されたときに「恋に盲目になったため」と答えておきながら、「思慮もあり分別もある」って、「ねーよ!」というツッコミ待ちなのか?
フェルゼンをバカだと表現したいだけなの?
そのあと、国王が「思慮深くおだやかなお方」と持ち上げられているが、前の場面で「無能な卑怯者」とわざわざ説明されたばかり。
オスカルはフェルゼンを説得するためにわざと心にもないことを言っているのか? あのぼんくら王に対して、本気でそう思っているなら、オスカルは救えないアホのひとりだぞ?
そして、フェルゼン最悪言動のひとつ。
オスカル「帰国してくれ! 即刻スウェーデンに! それがあのお方のお幸せのためなのだ!」
フェルゼン「帰国してくれ…? オスカル! 見損なったぞ! 初めて会ったときからもう少し心の苦しみが分かる人だと思い込んでいたのに!」
オスカル「フェルゼン!」
フェルゼン「女でありながら女を捨てた君にはこの苦しみはいくら説明してもとうてい理解してもらえないのだな!」
オスカル「フェルゼン!」
何故そこで女??
間違っていることを間違っていると、このままだと君も周りも破滅する、と言っている相手に対し、人格攻撃。
相手のいちばんのウィークポイントを罵る。
オスカルは女でありながら、男として社会生活をしている。そのために軋轢がいろいろとある。そこを突くというのは、もっとも最低な行為だ。
たとえ本人が自分で選んでそうしているのだとしても、それを貶めるのはおかしい。
「フェルゼンくん、どんな理由があっても、信号無視をしていいことにはならないんだよ。君が信号無視をしたために、事故が起こって怪我人が出たんだ。これからはルールを守るんだ」
と正論を説くオスカルくんは、実はびんぼーな家の子で、奨学金を得て学校に来ているとする。自分で選んで、修学している子だ。
「見損なったよ! 初めて会ったときからもう少し心の苦しみが分かる人だと思い込んでいたのに!」
対するフェルゼンはお金持ちのおぼっちゃま。
「やっぱりびんぼー人には、この苦しみはいくら説明してもとうてい理解してもらえないんだな!」
女だから、女でありながら男と同じように社会に出ているから、びんぼー人だから。
それらのことと、「ルールを破って他人を傷つけること」を正当化することとは、まったく無関係だ。
「ボクがびんぼーなことと、信号無視は関係ない。信号無視はいけない、それだけだ」
オスカルくんはそう返さなくてはならない。なのに、意味不明の言いがかりに「がーん」となる。ダメだこりゃ。
フェルゼンがアホ過ぎて、邪悪すぎて、クラクラする。
対するオスカルもアホ過ぎて、キモチ悪い。
植爺脚本のフェルゼンは嫌い。
まず、何十年経っても留学生のまま。原作のフェルゼンはとっくに留学を終え、軍隊に所属している。なのに何故か植爺脚本では、フランス革命直前まで、フェルゼンはお気楽な留学生とされている。……途中、軍服も着ているのに。軍に所属していないのにアントワネットのためだけに軍服を着る、って、それただのコスプレ……。
そして、なんといっても、性格破綻。
自分だけが正義、自分の快楽だけが重要。他人はすべて悪、自分に気持ちいいことをしてくれない人は悪、思い通りに行かないのは周りのせい、自分は悪くない。
道理をねじ曲げ、他者を攻撃することでしか、社会と関われない。優れた人物になるのは難しいけれど、実は簡単に優越にひたれることが可能、つまり他人を貶めることで、相対的に自分を持ち上げればいい。てことで、彼はいつも周囲を貶め、その結果自分を持ち上げている。
その性格、言動は、「邪悪」のひとこと。
第1幕
第6場 ベルサイユ宮殿
オスカル「愚かな! 君もスウェーデンの貴族ではないか。少しは身分をわきまえ給え!」→前述の通り、何故ここで「貴族」?
フェルゼン「オスカル! 王妃さまはお気の毒な方なのだ。(中略~アントワネットの立場解説だらだら~)誰かがお力になり、お慰めしなければ!」
オスカル「思い上がるな! 地位もないスウェーデンの貴族にそんな大それたことが許されると思っているのか!」
このやりとりだけですでに、わたしには精神的ダメージが大きい。
フェルゼンは罪を咎められ、言い訳と自己正当化をしている。それに対してオスカルは論旨のズレたことを返している。
「フェルゼンくん、信号無視をするなんて、身分をわきまえ給え!」
「アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければ」
「思い上がるな! 地位もないくせに」
信号無視と身分は関係ない。警視総監でも総理大臣でも、してはいけません。
なのにオスカルくんは、フェルゼンくんの信号無視を注意するのに「身分」を理由にする。
フェルゼンくんは、注意されているのは信号無視についてなのに、関係ない話をはじめる。信号無視をしたのはアントワネットちゃんのため、と言いたいらしいのだけど、アントワネットちゃんが可哀想なことと、フェルゼンの信号無視は無関係。
だからオスカルくんはあくまでも「信号無視はいけない」という話に戻さなくてはならない。
なのに、「アントワネットちゃんのそばにいること」について怒り出す。しかも怒る理由が「地位もないくせに」。オスカルくんは心よりも身分大事の価値観。つまり、地位や身分さえあれば心なんかどーでもいー人。さすが、他人を注意するときに「身分」を理由にするだけのことはある。
何重にも狂っていて、感性が悲鳴をあげる。
「フェルゼンくん、信号無視をしてはいけない」
「アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければ」
「アントワネットちゃんが可哀想なのはわかるけど、信号無視はいけないことだ」
というやりをしてはじめて、オスカルが正されたことになる。
さらには、
「フェルゼンくん、信号無視をしてはいけない」
「悪かった、とても急いでいたんだ。アントワネットちゃんはいつもひとりぼっちで可哀想、だから誰かがそばにいて、なぐさめてあげなければいけないと思って」
「アントワネットちゃんが可哀想なのはわかるけど、信号無視はいけないことだ」
「いけないとわかっていても、これからもボクはアントワネットちゃんのためならルールを無視する。ボクは間違っている、それによって誰かを傷つけるかもしれない、だけどボクにはアントワネットちゃんのもとへ一刻も早く駆けつけることが、ルールよりも大切なことなんだ」
としてはじめて、オスカルとフェルゼンの会話が正しく機能する。
なのに、植爺がやっていることってさあ。
「ルール違反について、ルールと無関係の理由で注意する」→「可哀想なんだもん!と、情を訴え正当化」→「情に対して無関係の価値観で否定」だもん。
聞いててひたすらキモチ悪い。
で。
オスカル「やっぱり君だったか! フエルゼン! こんな時刻。警護の者に見とがめられたらなんとするんだ!」
フェルゼン「オスカル、笑ってくれ。恋に盲目になった哀れな男を…私は王妃さまのお側にいたいんだ!」
(略)
オスカル「君も知っているだろう。この騒然としたフランスの国情を。その原因の一つに君があるのだ!」
フェルゼン「待ってくれ。いかに恋に目が眩んでいても、私には私の思慮もあり分別もある。だからどれだけ耐えてきたか…」
フェルゼンのこの「私には私の思慮もあり分別もある」が嫌い。
罪を犯し、それを注意されたときに「恋に盲目になったため」と答えておきながら、「思慮もあり分別もある」って、「ねーよ!」というツッコミ待ちなのか?
フェルゼンをバカだと表現したいだけなの?
そのあと、国王が「思慮深くおだやかなお方」と持ち上げられているが、前の場面で「無能な卑怯者」とわざわざ説明されたばかり。
オスカルはフェルゼンを説得するためにわざと心にもないことを言っているのか? あのぼんくら王に対して、本気でそう思っているなら、オスカルは救えないアホのひとりだぞ?
そして、フェルゼン最悪言動のひとつ。
オスカル「帰国してくれ! 即刻スウェーデンに! それがあのお方のお幸せのためなのだ!」
フェルゼン「帰国してくれ…? オスカル! 見損なったぞ! 初めて会ったときからもう少し心の苦しみが分かる人だと思い込んでいたのに!」
オスカル「フェルゼン!」
フェルゼン「女でありながら女を捨てた君にはこの苦しみはいくら説明してもとうてい理解してもらえないのだな!」
オスカル「フェルゼン!」
何故そこで女??
間違っていることを間違っていると、このままだと君も周りも破滅する、と言っている相手に対し、人格攻撃。
相手のいちばんのウィークポイントを罵る。
オスカルは女でありながら、男として社会生活をしている。そのために軋轢がいろいろとある。そこを突くというのは、もっとも最低な行為だ。
たとえ本人が自分で選んでそうしているのだとしても、それを貶めるのはおかしい。
「フェルゼンくん、どんな理由があっても、信号無視をしていいことにはならないんだよ。君が信号無視をしたために、事故が起こって怪我人が出たんだ。これからはルールを守るんだ」
と正論を説くオスカルくんは、実はびんぼーな家の子で、奨学金を得て学校に来ているとする。自分で選んで、修学している子だ。
「見損なったよ! 初めて会ったときからもう少し心の苦しみが分かる人だと思い込んでいたのに!」
対するフェルゼンはお金持ちのおぼっちゃま。
「やっぱりびんぼー人には、この苦しみはいくら説明してもとうてい理解してもらえないんだな!」
女だから、女でありながら男と同じように社会に出ているから、びんぼー人だから。
それらのことと、「ルールを破って他人を傷つけること」を正当化することとは、まったく無関係だ。
「ボクがびんぼーなことと、信号無視は関係ない。信号無視はいけない、それだけだ」
オスカルくんはそう返さなくてはならない。なのに、意味不明の言いがかりに「がーん」となる。ダメだこりゃ。
フェルゼンがアホ過ぎて、邪悪すぎて、クラクラする。
対するオスカルもアホ過ぎて、キモチ悪い。
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