『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』という作品・脚本の嫌いなところだけを記すシリーズです、はい。演じているジェンヌには無関係、植爺だけの話。
1幕ラストの宮廷場面。
プロバンス伯爵は「実際に口に出して言ったこと」と「脳内で思っていたこと」の区別がつかなくなり、わけのわかんないことを怒鳴り出していた。
現実と脳内の境目がなくなってるんですよ。危ないですねーー。
それでもなんとか、「プロバンス伯爵は悪役。アホで嫌悪されるキャラである必要があるんだ、だからこんな辻褄の合わないことを正道面して言うんだ」と無理矢理自分を納得させる。
なのに。
ああ、なのに。
追い打ちを、かけられるんだ。
第1幕
第15場 ベルサイユ宮殿・王座の間
プロバンス伯爵「申し上げられないほどに後ろめたいことでもあるのか?」
フェルゼン「(耐えている)」
ルイ十六世「フェルゼン…聞かせてくれ。本当の帰国の真実を…本当に婚約なのか…」
フェルゼン「…」
ルイ十六世「王妃よ、そなたとて真実だけは聞いておきたくはないか?」
をい。
国王様、あーたが質問していたのは、「王妃のために帰国を延期出来ないか」でしょう?
どっから婚約の話が??
帰国の理由についてなんか、一切触れてなかったのに。そこの真偽に触れることは、「公然の秘密」に抵触するから、アンタッチャブルでしょう?
しかもアントワネットにまで同意を求めている。
ルイ16世もまた、「フェルゼンとアントワネットの不倫」を前提として話を進めている。
バカ?
なんのために、「王妃はそなた一人を頼りにしていた」なんて言い方をしたの? 不倫のことは知っていても、「知らない振り」をしなくてはならない立場だからでしょう?
会話の論旨がズレると、わたしは生理的な気持ち悪さを感じるんだってば。
何故こうなったのかが、わかるの。
プロバンス伯爵の台詞、「兄上! 兄上はこの男と姉上が…」よ。
ここで、ねじ曲がったの。
それまではちゃんと「正しい法則」で会話がされていたのに、プロバンス伯爵が軽率な声を上げた、それによって、時空が歪んだの。
プロバンス伯爵はそれまでの話の内容を忘れ、今は「不倫の追求」をしている気分になった。現実と脳内を混同した。
それはプロバンス伯爵がアホな悪役だから、だと、わたしは懸命に自分を納得させようとした。
しかし、ここで、作品的には「人格者」「聡明」とされているルイ16世までが、現実と脳内を混同して喋り出した!!
やだこいつら、さすが兄弟! 同じ穴の狢!
ルイ16世も、「言葉にしている部分」と「あえてしていない部分」がわけわかんなくなって、善人面して、言ってはいけないことを、言い出した。
ここが、めーっちゃ嫌い。
大嫌い。
悪人を愚かに書くまではいい。嫌いだけど、不快だけど、なんとか「仕方ない」と思える。
でも、「人格者」「聡明」キャラがアホ丸出し、無神経丸出しなのが許せない。
こんな阿呆なことを言うルイ16世は、えらくもないしやさしくもない。ただの無神経な愚か者だ。
そして、見ていてキモチ悪いくらい人として間違っている愚か者を「人格者」「聡明」とする世界観が嫌だ。
さもやさしい人がすばらしいことを言っている、感動しなさいありがたがりなさい、と押しつける空気が嫌だ。
きもちわるい。
もちろんそれは、植爺のせいだ。
植爺は、ルイ16世が「本当に婚約なのか」と言ってはいけないこと、言うと現実と脳内を混同していることなのだってことに、気づいていない。
どこまでバカなのか。
そっから先の会話はなあ。
最高にキモチ悪いところは過ぎたので、ただ、不愉快。
フェルゼン「婚約などしておりません。決して…それは私の心を裏切ることになるからでございます」
プロバンス伯爵「婚約はせぬ? それはどういう意味だ!」
フェルゼン「このままフランスに滞在することは、愛する人に迷惑がかかるからでございます」
プロバンス伯爵「愛する者のために身を引くと申すのか?」
フェルゼン「はい。真実の愛を知ったからでございます。国王さま、私はこのフランスで生まれて初めて様々な真実の愛を知りました…」
プロバンス伯爵「真実の愛?それはなんだ?」
フェルゼン「国王さま。私はこのフランスで、愛してはならないお方を愛しました。叶わぬ愛と脅えながらそれを抑えることは出来ませんでした…」
ブイエ将軍「それは誰だ? その人の名は…」
フエルゼン「…申せません! それは私の心に秘めたお方です!」
ねえ、誰か助けて。この説明台詞の山。
フェルゼンがなにかひとこと言うたびに、アホ2匹が説明台詞を言うの、アホ丸出しに。
しかも、説明台詞なのに、意味通じてないし。
「婚約しないってどういう意味?」「ここにいると愛する人に迷惑が掛かるからです」……通じてない、答えになってない、キャッチボールできてない!!
婚約してない理由を言えよ!!
答えてないのに、「愛する者のために身を引くのか」って、どっからそんなロマンチックなまとめが出てきたのよ?!
「婚約しない」のは、「愛している人がいる」からでしょ? 決して結ばれない人を愛している、だからその愛に殉じて一生誰とも結婚しない。そういう意味よね?
それは作者も観客も知っているけれど、「この場では、言葉にしていないので、誰も知らない」はず。
なのに「知っている」ものとして会話が成り立っている。いや、成り立ってないけど、植爺の脳内でのみ成り立っているらしい。
一生結婚しないという理由のあとで、では何故帰国するのか、婚約するわけでもナイのに? という疑問への答えだ、「ここにいると愛する人に迷惑が掛かるから」は。
ここまでの段階を踏んではじめて、「愛する者のために身を引く」というまとめが出来る。
説明台詞のくせに、まったく説明になってない。
説明台詞は嫌いなのに、それがえんえんくり返され、しかもなんの役にも立っていない。
作者は脳内と現実を混同して、金を取っていいレベルの仕事をしていない。
あーやだやだ。
そういうロジックの面だけでも鳥肌ものなのに。
話している内容も、笑止だし。
「真実の愛を知ったからです!(ドヤッ)」「真実の愛? それはなんだ!(すかさずアタック!)」だもんなー。
プロバンス伯爵とブイエ将軍はアタマ悪すぎてキモチ悪いけど、それにしても不快だわ、この場面。
とまあ、さんざん周囲の人のことを語ったけれど。
問題の、フェルゼンは。
てことで、次項へ続く。
1幕ラストの宮廷場面。
プロバンス伯爵は「実際に口に出して言ったこと」と「脳内で思っていたこと」の区別がつかなくなり、わけのわかんないことを怒鳴り出していた。
現実と脳内の境目がなくなってるんですよ。危ないですねーー。
それでもなんとか、「プロバンス伯爵は悪役。アホで嫌悪されるキャラである必要があるんだ、だからこんな辻褄の合わないことを正道面して言うんだ」と無理矢理自分を納得させる。
なのに。
ああ、なのに。
追い打ちを、かけられるんだ。
第1幕
第15場 ベルサイユ宮殿・王座の間
プロバンス伯爵「申し上げられないほどに後ろめたいことでもあるのか?」
フェルゼン「(耐えている)」
ルイ十六世「フェルゼン…聞かせてくれ。本当の帰国の真実を…本当に婚約なのか…」
フェルゼン「…」
ルイ十六世「王妃よ、そなたとて真実だけは聞いておきたくはないか?」
をい。
国王様、あーたが質問していたのは、「王妃のために帰国を延期出来ないか」でしょう?
どっから婚約の話が??
帰国の理由についてなんか、一切触れてなかったのに。そこの真偽に触れることは、「公然の秘密」に抵触するから、アンタッチャブルでしょう?
しかもアントワネットにまで同意を求めている。
ルイ16世もまた、「フェルゼンとアントワネットの不倫」を前提として話を進めている。
バカ?
なんのために、「王妃はそなた一人を頼りにしていた」なんて言い方をしたの? 不倫のことは知っていても、「知らない振り」をしなくてはならない立場だからでしょう?
会話の論旨がズレると、わたしは生理的な気持ち悪さを感じるんだってば。
何故こうなったのかが、わかるの。
プロバンス伯爵の台詞、「兄上! 兄上はこの男と姉上が…」よ。
ここで、ねじ曲がったの。
それまではちゃんと「正しい法則」で会話がされていたのに、プロバンス伯爵が軽率な声を上げた、それによって、時空が歪んだの。
プロバンス伯爵はそれまでの話の内容を忘れ、今は「不倫の追求」をしている気分になった。現実と脳内を混同した。
それはプロバンス伯爵がアホな悪役だから、だと、わたしは懸命に自分を納得させようとした。
しかし、ここで、作品的には「人格者」「聡明」とされているルイ16世までが、現実と脳内を混同して喋り出した!!
やだこいつら、さすが兄弟! 同じ穴の狢!
ルイ16世も、「言葉にしている部分」と「あえてしていない部分」がわけわかんなくなって、善人面して、言ってはいけないことを、言い出した。
ここが、めーっちゃ嫌い。
大嫌い。
悪人を愚かに書くまではいい。嫌いだけど、不快だけど、なんとか「仕方ない」と思える。
でも、「人格者」「聡明」キャラがアホ丸出し、無神経丸出しなのが許せない。
こんな阿呆なことを言うルイ16世は、えらくもないしやさしくもない。ただの無神経な愚か者だ。
そして、見ていてキモチ悪いくらい人として間違っている愚か者を「人格者」「聡明」とする世界観が嫌だ。
さもやさしい人がすばらしいことを言っている、感動しなさいありがたがりなさい、と押しつける空気が嫌だ。
きもちわるい。
もちろんそれは、植爺のせいだ。
植爺は、ルイ16世が「本当に婚約なのか」と言ってはいけないこと、言うと現実と脳内を混同していることなのだってことに、気づいていない。
どこまでバカなのか。
そっから先の会話はなあ。
最高にキモチ悪いところは過ぎたので、ただ、不愉快。
フェルゼン「婚約などしておりません。決して…それは私の心を裏切ることになるからでございます」
プロバンス伯爵「婚約はせぬ? それはどういう意味だ!」
フェルゼン「このままフランスに滞在することは、愛する人に迷惑がかかるからでございます」
プロバンス伯爵「愛する者のために身を引くと申すのか?」
フェルゼン「はい。真実の愛を知ったからでございます。国王さま、私はこのフランスで生まれて初めて様々な真実の愛を知りました…」
プロバンス伯爵「真実の愛?それはなんだ?」
フェルゼン「国王さま。私はこのフランスで、愛してはならないお方を愛しました。叶わぬ愛と脅えながらそれを抑えることは出来ませんでした…」
ブイエ将軍「それは誰だ? その人の名は…」
フエルゼン「…申せません! それは私の心に秘めたお方です!」
ねえ、誰か助けて。この説明台詞の山。
フェルゼンがなにかひとこと言うたびに、アホ2匹が説明台詞を言うの、アホ丸出しに。
しかも、説明台詞なのに、意味通じてないし。
「婚約しないってどういう意味?」「ここにいると愛する人に迷惑が掛かるからです」……通じてない、答えになってない、キャッチボールできてない!!
婚約してない理由を言えよ!!
答えてないのに、「愛する者のために身を引くのか」って、どっからそんなロマンチックなまとめが出てきたのよ?!
「婚約しない」のは、「愛している人がいる」からでしょ? 決して結ばれない人を愛している、だからその愛に殉じて一生誰とも結婚しない。そういう意味よね?
それは作者も観客も知っているけれど、「この場では、言葉にしていないので、誰も知らない」はず。
なのに「知っている」ものとして会話が成り立っている。いや、成り立ってないけど、植爺の脳内でのみ成り立っているらしい。
一生結婚しないという理由のあとで、では何故帰国するのか、婚約するわけでもナイのに? という疑問への答えだ、「ここにいると愛する人に迷惑が掛かるから」は。
ここまでの段階を踏んではじめて、「愛する者のために身を引く」というまとめが出来る。
説明台詞のくせに、まったく説明になってない。
説明台詞は嫌いなのに、それがえんえんくり返され、しかもなんの役にも立っていない。
作者は脳内と現実を混同して、金を取っていいレベルの仕事をしていない。
あーやだやだ。
そういうロジックの面だけでも鳥肌ものなのに。
話している内容も、笑止だし。
「真実の愛を知ったからです!(ドヤッ)」「真実の愛? それはなんだ!(すかさずアタック!)」だもんなー。
プロバンス伯爵とブイエ将軍はアタマ悪すぎてキモチ悪いけど、それにしても不快だわ、この場面。
とまあ、さんざん周囲の人のことを語ったけれど。
問題の、フェルゼンは。
てことで、次項へ続く。
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