アテ書きすれば、こんなことには。@愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-
2013年8月20日 タカラヅカ 観た人みんなが口を揃えて「らんとむの髪型は、あれでいいの?」と言う、『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』。
ちりちりロン毛なあ……難易度高いよなあ。
景子せんせはアテ書きしない人認識。
たまにアテ書きすることはあるけど、概ねは生徒の持ち味よりも自分の作品優先。なによりも自分の作品が愛しいんだろう、誇りなんだろう、というのが伝わってくる。演じる役者に合わせて自分の作品を歪めるなんてとんでもない、と思っている系の作家さんだなという印象。
わたしの勝手な思い込みなので、事実かどうかは知りません。
それでもOKなのは、景子せんせの描くところのキャラクタや作品がイイ感じに薄く、「真ん中スキルのある人なら、誰が演じてもそれなりに格好が付く」ため。
きれいで薄い、が景子作品の持ち味なので、トップになるほどのスターさんなら、誰でも素敵に演じきることが出来る。
アテ書きしない、のはわかっている。そこは期待していない。
それにしても、今回ほんとに役者のキャラクタは無視してる感じ?
自分ではなにもしない主人公のシェニエさんは、らんとむのキャラじゃない。
美しい理想だけに生きて、抵抗せずに殺される「霞を食う」系のキャラぢゃないっしょ、らんとむさん。むしろ対極っしょ。
らんとむさんなら、地に足を付けて生き、悩み苦しむ、泥臭いキャラが合う。熱量共に。
それこそ、景子タン作品のニコラ@『落陽のパレルモ』が当たり役であったように。
悩みもつまずきもしないし、自分で正面切って戦いもしないシェニエさんよりも、ジェラールさんの方がらんとむのキャラに合ってると思う。
平民でありながら貴族のマッダレーナ姫に恋をしていて、革命の闘士として生き、堕落した革命に悩み、革命ゆえマッダレーナを手の内に捉えることが出来た。しかし彼女は別の男を愛していて……。
盛大に悩み苦しみ、白い天使と黒い天使が踊り、迫力と起承転結のあるドラマになったろうなあ。
また、みりおくんも半端にしか描かれていない今のジェラール役よりも、シェニエ役の方が面白いモノになったろうなと思う。
シェニエに必要なのものは「白い美貌」。なにしろ最初から最後まで「高潔」で汚れも迷いもしない絶対的な「善」だ。そんなもん、現実にいるわけないフェアリーだ。
美貌のフェアリーであるみりおくんに、ひたすら高潔に美しく演じてもらった方がいい。みりおくんなら、泥臭さに足を取られず、その分狂信的な「高潔キャラ」になると期待する。
みりおくんは「正しい」というスキルを持つからさー。彼が「高潔キャラ」を演じると、なまじ「正しい」分容赦なくて、やましいところのあるキャラが彼を疎んじるのがわかる、説得力につながる。
今の『愛と革命の詩』を失敗作だと思うのは、クライマックスがないこと。
物語がいちばん盛り上がるところはシェニエの裁判で、ジェラールが告発書を撤回し、モランさん@みーちゃんと対立するところ。
主人公、なにもしてねえ。
ジェラールさんとモランさんが激しく対立し、裁判官のふみかが苦悩している、いちばんの盛り上がり場面で、主人公であるはずのシェニエさんはなにもせずに突っ立ってる。運命は他人任せ。
クライマックスが裁判ならば、主人公がもっともなにかアクションを起こさなければならない。
2番手役がジェラールならば、ジェラールと対立するのはモランでも裁判官でもなく、主人公のシェニエでなくてはならない。
なのになんで、主人公放置プレイで、ジェラールとモランが争ってるの?
主人公ジェラールで、2番手モランですか?
モランははっきりいって不要で、彼の役割はジェラールが担うべきだった。
その上で、もっとアクティブに物語を動かすシェニエとジェラールが正面対決する場面を、クライマックスにする。
これが正しい作劇だろう。
何故にこうなった。
「らんとむを主人公にフランス革命を描く」というところをスタートにしたら、アンドレア・シェニエはにはならんだろうになー。
シェニエさんにするとしても、もっと泥臭く人間臭く、悩み苦しむキャラになるだろうになー。
アテ書きしなかったんだなー。
唯一アテ書きというか、「これをやらせたかったんだな」と思えるのが、ジュール・モラン@みーちゃん。
みーちゃんにショーヴランやらせたかったんだなあ、景子タン……。
いや、めっちゃカッコイイです、みーちゃんスキーとしてがっつりいただいてますよ、ショーヴランみーちゃん。
それはともかく。
人間臭いジェラール@らんとむの栄光と挫折、高潔美貌フェアリーシェニエ@みりおの理想と正義。
それを観たかったなあと思うよ。
や、今のシェニエ@らんとむ、ジェラール@みりおも良いのだけど。脚本の薄さを、物語の粗を、彼らだからこそ埋めてくれている。さすがのスターっぷり。
今を否定するわけではなくて。
ただ、思うんだ。
ジェラール役なら、らんとむさんはちりちりロン毛じゃなくて、らんとむに似合うカッコイイ髪型でいられたろうし、シェニエ役でとんでもない耽美ヘア限定でも、みりおくんならその美貌を存分に発揮しただろうに。
景子タンがアテ書きしてくれればなあ。
ちりちりロン毛なあ……難易度高いよなあ。
景子せんせはアテ書きしない人認識。
たまにアテ書きすることはあるけど、概ねは生徒の持ち味よりも自分の作品優先。なによりも自分の作品が愛しいんだろう、誇りなんだろう、というのが伝わってくる。演じる役者に合わせて自分の作品を歪めるなんてとんでもない、と思っている系の作家さんだなという印象。
わたしの勝手な思い込みなので、事実かどうかは知りません。
それでもOKなのは、景子せんせの描くところのキャラクタや作品がイイ感じに薄く、「真ん中スキルのある人なら、誰が演じてもそれなりに格好が付く」ため。
きれいで薄い、が景子作品の持ち味なので、トップになるほどのスターさんなら、誰でも素敵に演じきることが出来る。
アテ書きしない、のはわかっている。そこは期待していない。
それにしても、今回ほんとに役者のキャラクタは無視してる感じ?
自分ではなにもしない主人公のシェニエさんは、らんとむのキャラじゃない。
美しい理想だけに生きて、抵抗せずに殺される「霞を食う」系のキャラぢゃないっしょ、らんとむさん。むしろ対極っしょ。
らんとむさんなら、地に足を付けて生き、悩み苦しむ、泥臭いキャラが合う。熱量共に。
それこそ、景子タン作品のニコラ@『落陽のパレルモ』が当たり役であったように。
悩みもつまずきもしないし、自分で正面切って戦いもしないシェニエさんよりも、ジェラールさんの方がらんとむのキャラに合ってると思う。
平民でありながら貴族のマッダレーナ姫に恋をしていて、革命の闘士として生き、堕落した革命に悩み、革命ゆえマッダレーナを手の内に捉えることが出来た。しかし彼女は別の男を愛していて……。
盛大に悩み苦しみ、白い天使と黒い天使が踊り、迫力と起承転結のあるドラマになったろうなあ。
また、みりおくんも半端にしか描かれていない今のジェラール役よりも、シェニエ役の方が面白いモノになったろうなと思う。
シェニエに必要なのものは「白い美貌」。なにしろ最初から最後まで「高潔」で汚れも迷いもしない絶対的な「善」だ。そんなもん、現実にいるわけないフェアリーだ。
美貌のフェアリーであるみりおくんに、ひたすら高潔に美しく演じてもらった方がいい。みりおくんなら、泥臭さに足を取られず、その分狂信的な「高潔キャラ」になると期待する。
みりおくんは「正しい」というスキルを持つからさー。彼が「高潔キャラ」を演じると、なまじ「正しい」分容赦なくて、やましいところのあるキャラが彼を疎んじるのがわかる、説得力につながる。
今の『愛と革命の詩』を失敗作だと思うのは、クライマックスがないこと。
物語がいちばん盛り上がるところはシェニエの裁判で、ジェラールが告発書を撤回し、モランさん@みーちゃんと対立するところ。
主人公、なにもしてねえ。
ジェラールさんとモランさんが激しく対立し、裁判官のふみかが苦悩している、いちばんの盛り上がり場面で、主人公であるはずのシェニエさんはなにもせずに突っ立ってる。運命は他人任せ。
クライマックスが裁判ならば、主人公がもっともなにかアクションを起こさなければならない。
2番手役がジェラールならば、ジェラールと対立するのはモランでも裁判官でもなく、主人公のシェニエでなくてはならない。
なのになんで、主人公放置プレイで、ジェラールとモランが争ってるの?
主人公ジェラールで、2番手モランですか?
モランははっきりいって不要で、彼の役割はジェラールが担うべきだった。
その上で、もっとアクティブに物語を動かすシェニエとジェラールが正面対決する場面を、クライマックスにする。
これが正しい作劇だろう。
何故にこうなった。
「らんとむを主人公にフランス革命を描く」というところをスタートにしたら、アンドレア・シェニエはにはならんだろうになー。
シェニエさんにするとしても、もっと泥臭く人間臭く、悩み苦しむキャラになるだろうになー。
アテ書きしなかったんだなー。
唯一アテ書きというか、「これをやらせたかったんだな」と思えるのが、ジュール・モラン@みーちゃん。
みーちゃんにショーヴランやらせたかったんだなあ、景子タン……。
いや、めっちゃカッコイイです、みーちゃんスキーとしてがっつりいただいてますよ、ショーヴランみーちゃん。
それはともかく。
人間臭いジェラール@らんとむの栄光と挫折、高潔美貌フェアリーシェニエ@みりおの理想と正義。
それを観たかったなあと思うよ。
や、今のシェニエ@らんとむ、ジェラール@みりおも良いのだけど。脚本の薄さを、物語の粗を、彼らだからこそ埋めてくれている。さすがのスターっぷり。
今を否定するわけではなくて。
ただ、思うんだ。
ジェラール役なら、らんとむさんはちりちりロン毛じゃなくて、らんとむに似合うカッコイイ髪型でいられたろうし、シェニエ役でとんでもない耽美ヘア限定でも、みりおくんならその美貌を存分に発揮しただろうに。
景子タンがアテ書きしてくれればなあ。
コメント