かわいい男。@Ernest in Love
2015年1月8日 タカラヅカ 『Ernest in Love』は、なんつってもアルジャノンがオイシイ役。
かわいくて毒があって、いい加減でズルくて、でもでも憎めない色男。
そして、主人公アーネストと親友アルジャノンは、対等な関係でなければならない。
どちらかが弱ければ、この物語は成り立たない。
だから。
正直、演目発表時には首をひねった。疑問を持った。
みりお×だいもんで見たかった。
同期であり、共に歌ウマ芝居出来ますなスター。経験は圧倒的にみりおくんだけど、ポテンシャルはだいもんだって負けてない。
白いみりおくんに黒いだいもん、みんなが求めるイメージまんまに、同期ならではのテンポの良さで丁々発止の芝居を展開してくれるだろう。
なのに、だいもんは組替え。
かれこれ10年近くスターとして特別な道をひた走ってきたみりお様に匹敵するスターは、今の花組にいない。
同等の力を持つふたりが必要な芝居なのに、どうすんだ?
消去法で、キキくんだろうなとわかる。わかっても、「ほんとにキキでやんの?」と、いつまでも疑問符付き。
だってあまりに心許ない。
劇団がトップにすると決めてドーピング育成真っ只中のキキくん。
トップ向きの素質はあるものの、なにしろ、取り柄がない。なにが出来るというより、どれも微妙。
ダンス苦手で群舞ではよく謎の動きをしているし、歌も苦手、声質が問題なのか、滑舌も良くない。
背は高いけれど小顔というわけでもなく、なにより太って見えやすい丸顔は男役としては諸刃。似合うモノが限られる。
新人公演でなら及第点でも、本公演だと芝居のヘタさも目立つ。
ルドルフ@『エリザベート』で真ん中向きの資質を見せつけたところとはいえ、現時点での技術の低さは如何ともしがたい。
将来的によいトップさんになるかもしんないが、今、この子が2番手として組を背負うのは……み、みりおくんがんばれー。と、しか。
みりおくんとキキくんじゃあ、親友同士に見えないよ……。
それでもやるしかないんだろうけど。
と、実はけっこう期待値低かった。
作品好きだから観るけど、キャスティングは残念だなあと。ヒロインたちも組替えしてきて馴染みが薄い子たちだし、「花組」のトップコンビと2番手が出演する公演のはずなのに、「どこの組の公演?」って感じだし、みっちゃん『風の次郎吉』の方が「花組公演っ!!」て感じで楽しみだし。
ところがどっこい。
アルジャノン@キキくん、いける。
そりゃ、きりやんやらんとむのイメージあるから、それにはまったく足りてないと個人的には思うけど。
それとは別に。
不思議と、みりおくんと肩を並べてた。
キキくんって、不思議だなあ。
ぜんぜんうまくないのに、足りないことだらけなのに、それでもなんか、アリな感じがする。
これはこれでアリ、こういうのも許容範囲ぢゃね? と、思わせてしまう。
もともとアルジャノンはオイシイ役だけど。
それでも、かわいい。
なんつーかもう、じたばたそのへん叩きたいような、かわいさがある(笑)。
ああそうか、アルジーってさ、かわいげ必須なんだわ。
悪い男で、こいつがそもそもの元凶なんだけど、それを全部まるっと忘れさせてしまう、憎めなさが必要。
そして、コレを書きながらわたしのアタマの中にあるのは『Ernest in Love』ではなく、太田せんせの『アリスの招待状』で、マイケル@たかこだったりするんだけど、たかこがもうアホでアホで、天然で、転げ回りたいほどかわいかったのよ!!
そか、きりやんもらんとむも可愛かったけど、天然じゃなかったわ。天然つーとたかこになるんだわ。あたしの脳内回路は正しくつながっているわ!
あ、太田せんせの『アリスの招待状』と『それでも船は行く』は『Ernest in Love』です。太田せんせは原作明記せずに自分のオリジナルとして同じ話を書いてるので。高尚な作風の方なので、「こんな有名作品は、いちいち原作としてクレジットする必要なし。オマージュだとすべての人間がわかるはずだから、オリジナル扱いでいい」と思っているんじゃないかな? だからパクりじゃないしセルフコピーでもない、何度でも同じネタで書いてヨシ! なんだと思うよ。高尚な人ってお手軽でうらやましい。
天然のかわいさ、って、むしろ足りないところがあるほど花開くと思う。
完璧と天然って相性悪いものね。
キキくんはあいかわらずのキキくんぶりで、なにがうまいわけでも出来るわけでもないんだけど、とにかくすっごくかわいかった。
スコーン食べてるとことか、たまらんわー。
キキくんはこの「おおらかさ」がなによりの武器かな。
細かいことはいいんだよ、と言いたくなる、大きな明るさ。
真ん中向きの人だなあと思う。
……ただ、今の技術で真ん中だと、大劇場本公演は観客がつらいので、できるだけすみやかに、少しでも向上して欲しいと、心から願っているけれど。
気になるのは、みりおくんとの相性。
不思議と学年差もキャリア差も感じなかった。みりおくんが永遠の少年キャラなこともあるだろうけど。
自然体なキキくんは舞台で臆する様子が見えないので、キャリア差は吹っ飛ばせるのかも。
だから、わりとふたりの並びはアリなのかも?
ただ、みりおくんにとっては、あまり相性よくないかも。
キキくんは動じずのほほーんと存在しているようにわたしには見えて、反対にみりおくんはキリキリキリキリ、テンパって見える。キキくんがナニもしない分、みりおくんが使命感にがんじがらめになっている、気がする。
みりおくんの特性かもしんない。
もっと頼れる人がそばにいればいいのに……あー、だいもん不在は痛いなあ。
相手役もまだ下級生だしねえ。みりおくんひとりでがんばらなきゃいけない状況。
このままキキくんが育てば、いい立役になるだろうから、そのときこそみりおくんと相性がよくなるだろう……って、それまでは、がんばれみりおくん。
かわいくて毒があって、いい加減でズルくて、でもでも憎めない色男。
そして、主人公アーネストと親友アルジャノンは、対等な関係でなければならない。
どちらかが弱ければ、この物語は成り立たない。
だから。
正直、演目発表時には首をひねった。疑問を持った。
みりお×だいもんで見たかった。
同期であり、共に歌ウマ芝居出来ますなスター。経験は圧倒的にみりおくんだけど、ポテンシャルはだいもんだって負けてない。
白いみりおくんに黒いだいもん、みんなが求めるイメージまんまに、同期ならではのテンポの良さで丁々発止の芝居を展開してくれるだろう。
なのに、だいもんは組替え。
かれこれ10年近くスターとして特別な道をひた走ってきたみりお様に匹敵するスターは、今の花組にいない。
同等の力を持つふたりが必要な芝居なのに、どうすんだ?
消去法で、キキくんだろうなとわかる。わかっても、「ほんとにキキでやんの?」と、いつまでも疑問符付き。
だってあまりに心許ない。
劇団がトップにすると決めてドーピング育成真っ只中のキキくん。
トップ向きの素質はあるものの、なにしろ、取り柄がない。なにが出来るというより、どれも微妙。
ダンス苦手で群舞ではよく謎の動きをしているし、歌も苦手、声質が問題なのか、滑舌も良くない。
背は高いけれど小顔というわけでもなく、なにより太って見えやすい丸顔は男役としては諸刃。似合うモノが限られる。
新人公演でなら及第点でも、本公演だと芝居のヘタさも目立つ。
ルドルフ@『エリザベート』で真ん中向きの資質を見せつけたところとはいえ、現時点での技術の低さは如何ともしがたい。
将来的によいトップさんになるかもしんないが、今、この子が2番手として組を背負うのは……み、みりおくんがんばれー。と、しか。
みりおくんとキキくんじゃあ、親友同士に見えないよ……。
それでもやるしかないんだろうけど。
と、実はけっこう期待値低かった。
作品好きだから観るけど、キャスティングは残念だなあと。ヒロインたちも組替えしてきて馴染みが薄い子たちだし、「花組」のトップコンビと2番手が出演する公演のはずなのに、「どこの組の公演?」って感じだし、みっちゃん『風の次郎吉』の方が「花組公演っ!!」て感じで楽しみだし。
ところがどっこい。
アルジャノン@キキくん、いける。
そりゃ、きりやんやらんとむのイメージあるから、それにはまったく足りてないと個人的には思うけど。
それとは別に。
不思議と、みりおくんと肩を並べてた。
キキくんって、不思議だなあ。
ぜんぜんうまくないのに、足りないことだらけなのに、それでもなんか、アリな感じがする。
これはこれでアリ、こういうのも許容範囲ぢゃね? と、思わせてしまう。
もともとアルジャノンはオイシイ役だけど。
それでも、かわいい。
なんつーかもう、じたばたそのへん叩きたいような、かわいさがある(笑)。
ああそうか、アルジーってさ、かわいげ必須なんだわ。
悪い男で、こいつがそもそもの元凶なんだけど、それを全部まるっと忘れさせてしまう、憎めなさが必要。
そして、コレを書きながらわたしのアタマの中にあるのは『Ernest in Love』ではなく、太田せんせの『アリスの招待状』で、マイケル@たかこだったりするんだけど、たかこがもうアホでアホで、天然で、転げ回りたいほどかわいかったのよ!!
そか、きりやんもらんとむも可愛かったけど、天然じゃなかったわ。天然つーとたかこになるんだわ。あたしの脳内回路は正しくつながっているわ!
あ、太田せんせの『アリスの招待状』と『それでも船は行く』は『Ernest in Love』です。太田せんせは原作明記せずに自分のオリジナルとして同じ話を書いてるので。高尚な作風の方なので、「こんな有名作品は、いちいち原作としてクレジットする必要なし。オマージュだとすべての人間がわかるはずだから、オリジナル扱いでいい」と思っているんじゃないかな? だからパクりじゃないしセルフコピーでもない、何度でも同じネタで書いてヨシ! なんだと思うよ。高尚な人ってお手軽でうらやましい。
天然のかわいさ、って、むしろ足りないところがあるほど花開くと思う。
完璧と天然って相性悪いものね。
キキくんはあいかわらずのキキくんぶりで、なにがうまいわけでも出来るわけでもないんだけど、とにかくすっごくかわいかった。
スコーン食べてるとことか、たまらんわー。
キキくんはこの「おおらかさ」がなによりの武器かな。
細かいことはいいんだよ、と言いたくなる、大きな明るさ。
真ん中向きの人だなあと思う。
……ただ、今の技術で真ん中だと、大劇場本公演は観客がつらいので、できるだけすみやかに、少しでも向上して欲しいと、心から願っているけれど。
気になるのは、みりおくんとの相性。
不思議と学年差もキャリア差も感じなかった。みりおくんが永遠の少年キャラなこともあるだろうけど。
自然体なキキくんは舞台で臆する様子が見えないので、キャリア差は吹っ飛ばせるのかも。
だから、わりとふたりの並びはアリなのかも?
ただ、みりおくんにとっては、あまり相性よくないかも。
キキくんは動じずのほほーんと存在しているようにわたしには見えて、反対にみりおくんはキリキリキリキリ、テンパって見える。キキくんがナニもしない分、みりおくんが使命感にがんじがらめになっている、気がする。
みりおくんの特性かもしんない。
もっと頼れる人がそばにいればいいのに……あー、だいもん不在は痛いなあ。
相手役もまだ下級生だしねえ。みりおくんひとりでがんばらなきゃいけない状況。
このままキキくんが育てば、いい立役になるだろうから、そのときこそみりおくんと相性がよくなるだろう……って、それまでは、がんばれみりおくん。
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