雪組公演『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―』の千秋楽を観に行こう。
 そう思って、ムラへ行った。

 サバキでチケットGETして、千秋楽観て。
 ふつうに楽しくて、笑って、わくわくして。

 そして。

 るりるり、ほたっちゃんの袴姿見て。挨拶聞いて。

 んで。

 ともみんの挨拶で、号泣した。

 なんだろ。
 なんだろこれ。

 終わる。
 終わるんだ。
 これでほんとうに、終わるんだ。

 ちぎくんがトップになって、だいもんが来て、新生雪組がスタートした。
 それはわかってた。祝福した。わくわくした。
 だから、「変わる」こと、「変わった」ことは、わかってた。

 だけど。

 「終わる」とは、思ってなかった。

 まっつがいなくなって、えりたんがいなくなって、ひとつの時代が終わるとは思った。思ってたけど、それでもほんとのとこ、わかってなかったんだと思う。
 だってタカラヅカは続き、雪組は続く。わたしはタカラヅカが好きで雪組が好き。まっつがいなくても、好きな人・見ていたい人はいっぱいいる。だからこのままヅカファンやって、劇場に通い続ける。
 なにも変わらない。
 ただちょっと、位置取りを変えるというか、贔屓がいたときみたいにバカみたいに通わないだけ、適度に観劇して適度にファンする。
 それだけ。

 それだけだと。

 新生雪組初日、だいもんがいて良かった、思ったほどつらくないと思った。まっつがいない雪組本公演、まっついなくても、だいもんいるから別物ハート、「ひとりだけいない」じゃなくて「別の人がいる」だと、ダメージがチガウ……そう思って胸をなで下ろした。『Shall we ダンス?』はほんとつらかったんだ、「いるはずのひとがいない」、トラウマかっつーくらい、つらかった。それをまた味わうのかとびびって構えていた分、なんぼかマシだった。
 って、そうか。
 わたし、きちんと、終わらせてなかったんだ。

 まっつがいない、まっつのいた世界は終わってしまった、と、現実を見ることを、していなかった。
 だいもんがいる、そこに、逃げ込んでた。
 新生雪組、新しい、ということに、救いを見いだしてた。
 新しいんだもん、違ってて当然じゃん、て。新しくて、違っているんだから、***が、いないの。
 ***。
 考えないようにしてた。
 何故いないのか。
 新しいから。チガウから。だから、***はいない。

 ほんとうなら、初日に思い知るべきなんだよね。
 いないんだって。
 もう、いないんだって。

 まっつはもう、いないんだって。

 二度とこの舞台で、この世界で、会えないんだって。


 ともみんという、えりたん時代の象徴のようなスターが退団することで、ほんとうにえりたん時代……まっつのいた時代が「終わる」んだと思った。
 思い知った。

 そして。
 ともみんの袴姿で見ようとしてこなかった現実を突きつけられ、ダメージ喰らっているところに、だ。
 ともみんの、あの挨拶ですよ。

「ファンのみなさまが、私の太陽でした」

 太陽な人が、わたしたちのことを太陽だと言っている。

 その明るさで、わたしたちを照らし、癒してくれていた人が。
 きっときっと、いろんなひとから言われていたんだろう、「ともみんは太陽のような人」「あなたは私の太陽です」って。
 そう言われ続けてきたからこそ、最後の最後に、その言葉を返してくれたんだね。私の太陽。最上級の言葉だから、最上級の感謝の言葉として、ファンの人たちへ。

 その最上級の感謝の言葉は、わたしを包む。
 ふわっと、あたたかく。
 それこそ、太陽みたいに。

 えぐられて息の詰まっているところを、抱きしめられた、ような感じっす。
 さーっと光が射して、顔を上げることができた、ような。
 そんな感じ。

 あああ、ともみん。
 ほんとにほんとに、あなたは太陽だ。
 だーだー泣きながら、そう思った。

 ついでにやっぱり、まっつのバカ、と思ったし(笑)。これからもずっと、しつこくそう思うと思う。
 それでも、まっつは好きだし、タカラヅカが好きだよ。


 千秋楽を観るとか、思ってなかった。選択肢がなかった。
 でも、行って良かった。
 思い立って、行って良かった。
 観られて良かった。

 これからも、わくわくする。
 タカラヅカを観て。
 雪組を観て。

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