「人呼んで黒い風!」てな話・その1。@宝塚音楽学校第101期生文化祭
2015年3月4日 タカラヅカ 宝塚音楽学校第101期生文化祭にて、いちばん驚いたことは、『追憶のバルセロナ』が名作?! ってことかもしれない(笑)。
文化祭の演劇は、ミュージカルではなくストレートプレイ。谷せんせはコレを無視して平気で歌の力で脚本のアレさを誤魔化したりするけど、正塚せんせは正味芝居。まあもともと正塚作品、歌いらん、ダンスいらん、という作りだもんね。
てことで、今年も正塚作。タイトルは「黒い風の物語」。
なんの注意書きもなかったから、書き下ろしだと思って観てたら、『追憶のバルセロナ』(2002年)の焼き直し作品だった。
『追憶のバルセロナ』は駄作だったのに、プロットだけ使った焼き直し作は面白かった。つまり、プロットは面白いけど、演出・構成が悪かったってことよね。
これはもう、目からウロコの大発見でした(笑)。
さて、その興味深い物語。
わたしが観たのは土曜日16時公演。文化祭の演劇は、2組に分かれて演じるため、半分のメンバーしか出演しない。
わたしが観たのは、B組の方。
『追憶のバルセロナ』だと気づいたのは途中からなので、最初はなにも知らずにいた……ので、旅の一座の劇中劇、という設定にウケる。
や、たんにまたか!!という意味で。
芸人さんの定番ギャグにウケるのと同じ。ギャグ自体は面白くもなんともないんだけど、その芸人さんイコールそのギャグ、という認識だから、出オチじゃないけど、芸人さんキター! 定番キター! とウケるアレ。
というくらい、正塚せんせというと、劇中劇、バックステージもの。
劇団が舞台で、劇団員が芝居の稽古をしていたり、オーディションの稽古をしたりしているのよねー。んで、劇団員たちがその都度「役」を演じて真ん中に出て来るのよねー、「役」を演じていない劇団員たちは、舞台の隅っこに控えているのよねー。
これ以外のネタを見た記憶を思い出せないほど、絶対いつも必ずもれなくバックステージものなので、今回もまた同じ、ってコトで、最初からウケちゃったの。定番ギャグと同じ心理で。正塚キター! 劇中劇キター! 爆笑、てな。
でも、いつもとちょっと毛色が違っていたのは、時代モノだからかな? いつもは現代の若者たち設定だから、会話のやり取りがサムいの。……技術と経験値のない学生さんたちには、「若者のふつうの会話」の方が難しく、「もってまわった時代劇喋り」の方がまだ粗が目立たないから。
時代劇いいなあ、ファンタジーフィルターかかるから、現代はソレがないからヅカには向かないんだよなあ、的なことを考えながら観る。
歌やダンスは、まだ誤魔化しが利くというか、カタチになりやすいと思う。
譜面通りに歌う、振付通りに踊る。表現力があるに越したことはないが、まずは技術を鍛え上げることで最低限カタチは作れる。今の若い子たちって、みんな器用だもの。
だが芝居ってやつは、その基本的な技術自体、身に付けるのが難しいんだと思う。
第3部のダンスショーなんかは迫力で、「文化祭ってこんなにレベル高いんだ!」と感心するのが常だけど、第2部の芝居はいつも、「お芝居って難しいよねえ、仕方ないよねえ」と思うのが常。
てことで、文化祭でいちばん大変なのが演劇だと思う。
そこはそれ、こちらも「文化祭」だとわかって観ているので、立ち姿や動き姿勢着こなしからはじまり、発声台詞回し表情表現など、そこはもう、いいんだ、うん(笑)。みんながんばってる。
演劇では巧さ云々ではなく、好みかどうかを確認する感じ。技術は、入団したあとに磨けばいいんだものね。
だからとにかく、主役のハンサムくん(縣)が、素敵だった。
クラシカルな美形くん。
きっちり真面目に向き合ってます的な、固そうな印象。役の影響もあるのかもしんないけど、その古い地に足着いた感じがいい。
1周回って初心に戻ったキモチがしていたせいかもしれない。
なんだか、はじめて観た文化祭のことを思い出していた。
だいもんが、こんな感じだったっけ。と。
劇中劇(もちろんそのときも正塚作品)のクラシカル部門担当のだいもん氏が、こんな端正さと固さで演じていたなあ、と。
『追憶のバルセロナ』の主役なので、ぶんちゃんの役。……なんだけど、何故だ、わたしの中でまとぶんが演じているような錯覚が。そしてまとぶといえばだいもん……芸風が似ているから。
なんかいろいろと勝手に脳内変換して、いろんな方面からなつかしく思い出しながら観ていた模様。
ヒロインだとわたしが勝手に思い込んでいた、となみちゃん役の美女(星蘭)。
誰がヒロイン役か、先入観なしで観ていたもんで、わたしにとってはこの子がヒロイン。
とにかく、美人。マジ美人。
ヅカのヒロインって、なにがなくてもとにかく、舞台に出た瞬間「ヒロインです!!」とわからなきゃダメだと思うの。
その点このお嬢さんは、すっげー納得。登場した途端、「ヒロインだ!!」と思えた。
まあその、芝居はけっこう棒読み風味というか、94期のこれまた正塚芝居のわかばちゃんを思い出した……すげー美少女、でも棒読みびっくり、てな。わかばちゃんの王女様よりはマシかな……。
主役のクラシカルハンサムくんと、この華やかなヒロイン美女。
ふたりが恋人同士ってことでラブラブしているのを観ると、ああ、タカラヅカだなあ、というキモチになった。
2番手、ナルセ役のしゅっとした男役さん(鷹翔)。首席の人ですな。
お父さん役の人(天翔)とかと絡むときは、残念な感じがした。わりとその画面に馴染んでしまうというのか、うまくない人に引きずられる感じ?
が、主役くんとの場面は、すげー男ぶりが上がる!
組む相手によって色が変わるの? 場面やそのときの役割によってかな? 緊張感というか、持つモノの濃度が変わる? それは面白いな。
たまたまとか出足が弱いとか、1回観ただけではわかんないから、またいつか、彼の芝居をじっくり味わえるといいな。
まひるちゃん役の子(結愛)は、うまかった。
ああ、お芝居出来るからこの役なんだねえ、と思える、ちゃんとかわいい女の子。
ただ、ごめん、ヒロインには見えなかった。
うまいしかわいいし、先にこの子が登場して「ヒロインです!」と自己紹介してくれてたらそう思い込んだけど、最初に前述の美女が主役とラブラブしてるのを観たあとだから……娘2役割の子かと思った。
主人公になつく妹分的な女の子。まだまだ子どもで、主人公はあくまでも「妹」としか見ていない的な。
続く~~。
2019/02/28(名前)追記
文化祭の演劇は、ミュージカルではなくストレートプレイ。谷せんせはコレを無視して平気で歌の力で脚本のアレさを誤魔化したりするけど、正塚せんせは正味芝居。まあもともと正塚作品、歌いらん、ダンスいらん、という作りだもんね。
てことで、今年も正塚作。タイトルは「黒い風の物語」。
なんの注意書きもなかったから、書き下ろしだと思って観てたら、『追憶のバルセロナ』(2002年)の焼き直し作品だった。
『追憶のバルセロナ』は駄作だったのに、プロットだけ使った焼き直し作は面白かった。つまり、プロットは面白いけど、演出・構成が悪かったってことよね。
これはもう、目からウロコの大発見でした(笑)。
さて、その興味深い物語。
わたしが観たのは土曜日16時公演。文化祭の演劇は、2組に分かれて演じるため、半分のメンバーしか出演しない。
わたしが観たのは、B組の方。
『追憶のバルセロナ』だと気づいたのは途中からなので、最初はなにも知らずにいた……ので、旅の一座の劇中劇、という設定にウケる。
や、たんにまたか!!という意味で。
芸人さんの定番ギャグにウケるのと同じ。ギャグ自体は面白くもなんともないんだけど、その芸人さんイコールそのギャグ、という認識だから、出オチじゃないけど、芸人さんキター! 定番キター! とウケるアレ。
というくらい、正塚せんせというと、劇中劇、バックステージもの。
劇団が舞台で、劇団員が芝居の稽古をしていたり、オーディションの稽古をしたりしているのよねー。んで、劇団員たちがその都度「役」を演じて真ん中に出て来るのよねー、「役」を演じていない劇団員たちは、舞台の隅っこに控えているのよねー。
これ以外のネタを見た記憶を思い出せないほど、絶対いつも必ずもれなくバックステージものなので、今回もまた同じ、ってコトで、最初からウケちゃったの。定番ギャグと同じ心理で。正塚キター! 劇中劇キター! 爆笑、てな。
でも、いつもとちょっと毛色が違っていたのは、時代モノだからかな? いつもは現代の若者たち設定だから、会話のやり取りがサムいの。……技術と経験値のない学生さんたちには、「若者のふつうの会話」の方が難しく、「もってまわった時代劇喋り」の方がまだ粗が目立たないから。
時代劇いいなあ、ファンタジーフィルターかかるから、現代はソレがないからヅカには向かないんだよなあ、的なことを考えながら観る。
歌やダンスは、まだ誤魔化しが利くというか、カタチになりやすいと思う。
譜面通りに歌う、振付通りに踊る。表現力があるに越したことはないが、まずは技術を鍛え上げることで最低限カタチは作れる。今の若い子たちって、みんな器用だもの。
だが芝居ってやつは、その基本的な技術自体、身に付けるのが難しいんだと思う。
第3部のダンスショーなんかは迫力で、「文化祭ってこんなにレベル高いんだ!」と感心するのが常だけど、第2部の芝居はいつも、「お芝居って難しいよねえ、仕方ないよねえ」と思うのが常。
てことで、文化祭でいちばん大変なのが演劇だと思う。
そこはそれ、こちらも「文化祭」だとわかって観ているので、立ち姿や動き姿勢着こなしからはじまり、発声台詞回し表情表現など、そこはもう、いいんだ、うん(笑)。みんながんばってる。
演劇では巧さ云々ではなく、好みかどうかを確認する感じ。技術は、入団したあとに磨けばいいんだものね。
だからとにかく、主役のハンサムくん(縣)が、素敵だった。
クラシカルな美形くん。
きっちり真面目に向き合ってます的な、固そうな印象。役の影響もあるのかもしんないけど、その古い地に足着いた感じがいい。
1周回って初心に戻ったキモチがしていたせいかもしれない。
なんだか、はじめて観た文化祭のことを思い出していた。
だいもんが、こんな感じだったっけ。と。
劇中劇(もちろんそのときも正塚作品)のクラシカル部門担当のだいもん氏が、こんな端正さと固さで演じていたなあ、と。
『追憶のバルセロナ』の主役なので、ぶんちゃんの役。……なんだけど、何故だ、わたしの中でまとぶんが演じているような錯覚が。そしてまとぶといえばだいもん……芸風が似ているから。
なんかいろいろと勝手に脳内変換して、いろんな方面からなつかしく思い出しながら観ていた模様。
ヒロインだとわたしが勝手に思い込んでいた、となみちゃん役の美女(星蘭)。
誰がヒロイン役か、先入観なしで観ていたもんで、わたしにとってはこの子がヒロイン。
とにかく、美人。マジ美人。
ヅカのヒロインって、なにがなくてもとにかく、舞台に出た瞬間「ヒロインです!!」とわからなきゃダメだと思うの。
その点このお嬢さんは、すっげー納得。登場した途端、「ヒロインだ!!」と思えた。
まあその、芝居はけっこう棒読み風味というか、94期のこれまた正塚芝居のわかばちゃんを思い出した……すげー美少女、でも棒読みびっくり、てな。わかばちゃんの王女様よりはマシかな……。
主役のクラシカルハンサムくんと、この華やかなヒロイン美女。
ふたりが恋人同士ってことでラブラブしているのを観ると、ああ、タカラヅカだなあ、というキモチになった。
2番手、ナルセ役のしゅっとした男役さん(鷹翔)。首席の人ですな。
お父さん役の人(天翔)とかと絡むときは、残念な感じがした。わりとその画面に馴染んでしまうというのか、うまくない人に引きずられる感じ?
が、主役くんとの場面は、すげー男ぶりが上がる!
組む相手によって色が変わるの? 場面やそのときの役割によってかな? 緊張感というか、持つモノの濃度が変わる? それは面白いな。
たまたまとか出足が弱いとか、1回観ただけではわかんないから、またいつか、彼の芝居をじっくり味わえるといいな。
まひるちゃん役の子(結愛)は、うまかった。
ああ、お芝居出来るからこの役なんだねえ、と思える、ちゃんとかわいい女の子。
ただ、ごめん、ヒロインには見えなかった。
うまいしかわいいし、先にこの子が登場して「ヒロインです!」と自己紹介してくれてたらそう思い込んだけど、最初に前述の美女が主役とラブラブしてるのを観たあとだから……娘2役割の子かと思った。
主人公になつく妹分的な女の子。まだまだ子どもで、主人公はあくまでも「妹」としか見ていない的な。
続く~~。
2019/02/28(名前)追記
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