どの公演にも、アニータをどうぞ。@新人公演『カリスタの海に抱かれて』
2015年4月1日 タカラヅカ 娘役は、出来上がりが早い。
男役はモノになるまで10年掛かるけれど、娘役は3~4年で旬を迎える。新公卒業前後あたりは円熟期・充実期になるか。
トップ娘役就任が研4~5、研7~8くらいで卒業がひとつのパターン、新公卒業後に就任は特別な例として人の口に上る、というイメージだし。
だから、研7までで行う新人公演では、「舞台での出来上がり方」という面で、娘役が圧倒的に有利。
男役は声の出し方、衣装の着こなし、立ち方ひとつにも苦戦しているのに、娘役はそれこそ本公演でやっていても問題ないレベル、ということが、ままある。
それはタカラヅカの性質上の問題なので、仕方ない。
というタカラヅカにおいて、主人公たる男キャラよりも、その相手役でしかないはずのヒロインと、まったくの脇役でなくてはならない専科キャラに見せ場と人格とストーリー上の鍵を託した、脚本が悪い。
テレビドラマ作家に脚本書かせると、女性目線の女性主人公モノになっちゃうのね。テレビドラマの想定視聴者は女性で、女性が共感出来る女性主人公を作ることを命題にしているジャンルだから。や、男主人公でも、明らかに女性お断りテーマでない限り、女性視聴者の目線は考慮しているもの。
てことで『カリスタの海に抱かれて』という作品、いちばん心情が「ドラマ」として書き込まれているのはヒロインのアリシアなのよね。
彼女だけが、キモチが一本の筋の元に起承転結している。
主人公のカルロもがんばってはいるけれど、「ドラマ」としてはアリシア以下。
2番手のはずのロベルトなんて、人格木っ端微塵、ストーリーの都合で場面ごとに言動が変わるどーでもいいキャラですよ。
そして、他愛ないストーリーを煽りまくって盛り上げる、ご都合キャラ・アニータがいる。
アニータの仕事は、煽って炎上させること。
べつにふつーのことなのに、いちいち些細なことをあげつらって悪い方へ解釈し、大きな声でくり返し、自分の言葉こそが正しいように錯覚させ、悲劇や破滅に誘導しようとする。
フランス人に恋人を殺された憎しみゆえ、フランスへの復讐心ゆえだ、という建前だが、彼女の言動はそういう意味ではブレまくっている。
アニータはただ、煽りたいだけだ。自分の言葉で他人が不安になったり迷ったりするのを見たいだけ。だから、いつもその場で最悪の方向へ誘導する、主義主張はその都度変わる。あるのは悪意と狂気だけ。
なんでこんな、おかしなキャラクタがいるのか? 「こんな風に狂った姿を描くことによって、フランスとカリスタの状況を表現しているのです」?
いやいやいや、単に、作劇の都合でしょ?
アニータの出番も台詞も歌も、全部削った『カリスタの海に抱かれて』を想像してください。
すっごくメリハリの少ない、シンプルな話になるでしょ?
歩いていたら、うっかり転んじゃいました。いたた、私ったらドジね、さ、早く待ち合わせに行かなきゃ!
で、すむ出来事に、アニータ登場させてごらんなさい。
「これは予兆だわ! 悲劇が……とてつもない悲劇が起こる……」赤いライトぐるぐる、壮大な音楽、「恨む恨む恨む~~♪」ドラマチックヴォイス炸裂の呪詛ソング!
そうか、転んでしまったのはきっとナニか理由があるんだ。なにかの病気? はっ、不治の病?! そうよ、なんか知らないけど不治の病が進行しているからなんだわ! 親も恋人も、わたしのためになにも言わないでいるんだ! 笑顔の下に別の気持ちを隠してる……! もう誰も信じられないっっ!! 地球なんか滅んでしまえ!!
……てな展開へ、煽りまくりです。
作者が、物語を煽るためにだけに配置したのが、アニータ。
こーゆーキャラを作っておくと、楽なんだもん。なんでもかんでもドラマチックに出来て。
『黒豹の如く』にでも『白夜の誓い』にでも、アニータ@美穂圭子様を投入してご覧なさい。
お手軽に、ドラマチック化完成。
どんだけ些細なことも、どーでもいいレベルのことも、これでもかと煽りまくって炎上させてくれますよ。
で、話は戻る。
ヒロインのアリシアが、いちばんドラマチック。
そして、主人公とヒロインの次に重要なキャラクタが、この煽り屋のアニータ。
で、タカラヅカでは男役よりも、娘役の出来上がりが早い。
研7まで、と線引きされた状態で、「まだ出来上がり学年に達していない」男役たちと、「早々に出来上がっている」娘役たちが、構成上わりとどーでもいい役割しか持たない役と、構成上大きな意味を持つパワーのある役、を演じる「新人公演」では、どうなるか。
娘役たちが、男役を吹っ飛ばすことになる。
新人公演『カリスタの海に抱かれて』の、いちばんのクライマックスというか、温度が高く盛り上がっていたのって、アリシア@みれいちゃんと、アニータ@乙羽ちゃんのたたみ掛けソングだよね?
作品がそうなっているから、仕方ないんだけど。
タカラヅカのシステム上、そうなってしまうのは仕方ないけど。
主演は女の子ふたりだったかと、瞠目してしまうような勢いだった。
こんな状況で、マイティはよく踏ん張ってた。
ゆーなみくんは吹っ飛ばされてて影も見えなかったから、やっぱマイティよくやってたよ。
そして、いかなるときもマイペースに存在しているカレーくんの輝きっぷりにも、感心したナリ。
男役はモノになるまで10年掛かるけれど、娘役は3~4年で旬を迎える。新公卒業前後あたりは円熟期・充実期になるか。
トップ娘役就任が研4~5、研7~8くらいで卒業がひとつのパターン、新公卒業後に就任は特別な例として人の口に上る、というイメージだし。
だから、研7までで行う新人公演では、「舞台での出来上がり方」という面で、娘役が圧倒的に有利。
男役は声の出し方、衣装の着こなし、立ち方ひとつにも苦戦しているのに、娘役はそれこそ本公演でやっていても問題ないレベル、ということが、ままある。
それはタカラヅカの性質上の問題なので、仕方ない。
というタカラヅカにおいて、主人公たる男キャラよりも、その相手役でしかないはずのヒロインと、まったくの脇役でなくてはならない専科キャラに見せ場と人格とストーリー上の鍵を託した、脚本が悪い。
テレビドラマ作家に脚本書かせると、女性目線の女性主人公モノになっちゃうのね。テレビドラマの想定視聴者は女性で、女性が共感出来る女性主人公を作ることを命題にしているジャンルだから。や、男主人公でも、明らかに女性お断りテーマでない限り、女性視聴者の目線は考慮しているもの。
てことで『カリスタの海に抱かれて』という作品、いちばん心情が「ドラマ」として書き込まれているのはヒロインのアリシアなのよね。
彼女だけが、キモチが一本の筋の元に起承転結している。
主人公のカルロもがんばってはいるけれど、「ドラマ」としてはアリシア以下。
2番手のはずのロベルトなんて、人格木っ端微塵、ストーリーの都合で場面ごとに言動が変わるどーでもいいキャラですよ。
そして、他愛ないストーリーを煽りまくって盛り上げる、ご都合キャラ・アニータがいる。
アニータの仕事は、煽って炎上させること。
べつにふつーのことなのに、いちいち些細なことをあげつらって悪い方へ解釈し、大きな声でくり返し、自分の言葉こそが正しいように錯覚させ、悲劇や破滅に誘導しようとする。
フランス人に恋人を殺された憎しみゆえ、フランスへの復讐心ゆえだ、という建前だが、彼女の言動はそういう意味ではブレまくっている。
アニータはただ、煽りたいだけだ。自分の言葉で他人が不安になったり迷ったりするのを見たいだけ。だから、いつもその場で最悪の方向へ誘導する、主義主張はその都度変わる。あるのは悪意と狂気だけ。
なんでこんな、おかしなキャラクタがいるのか? 「こんな風に狂った姿を描くことによって、フランスとカリスタの状況を表現しているのです」?
いやいやいや、単に、作劇の都合でしょ?
アニータの出番も台詞も歌も、全部削った『カリスタの海に抱かれて』を想像してください。
すっごくメリハリの少ない、シンプルな話になるでしょ?
歩いていたら、うっかり転んじゃいました。いたた、私ったらドジね、さ、早く待ち合わせに行かなきゃ!
で、すむ出来事に、アニータ登場させてごらんなさい。
「これは予兆だわ! 悲劇が……とてつもない悲劇が起こる……」赤いライトぐるぐる、壮大な音楽、「恨む恨む恨む~~♪」ドラマチックヴォイス炸裂の呪詛ソング!
そうか、転んでしまったのはきっとナニか理由があるんだ。なにかの病気? はっ、不治の病?! そうよ、なんか知らないけど不治の病が進行しているからなんだわ! 親も恋人も、わたしのためになにも言わないでいるんだ! 笑顔の下に別の気持ちを隠してる……! もう誰も信じられないっっ!! 地球なんか滅んでしまえ!!
……てな展開へ、煽りまくりです。
作者が、物語を煽るためにだけに配置したのが、アニータ。
こーゆーキャラを作っておくと、楽なんだもん。なんでもかんでもドラマチックに出来て。
『黒豹の如く』にでも『白夜の誓い』にでも、アニータ@美穂圭子様を投入してご覧なさい。
お手軽に、ドラマチック化完成。
どんだけ些細なことも、どーでもいいレベルのことも、これでもかと煽りまくって炎上させてくれますよ。
で、話は戻る。
ヒロインのアリシアが、いちばんドラマチック。
そして、主人公とヒロインの次に重要なキャラクタが、この煽り屋のアニータ。
で、タカラヅカでは男役よりも、娘役の出来上がりが早い。
研7まで、と線引きされた状態で、「まだ出来上がり学年に達していない」男役たちと、「早々に出来上がっている」娘役たちが、構成上わりとどーでもいい役割しか持たない役と、構成上大きな意味を持つパワーのある役、を演じる「新人公演」では、どうなるか。
娘役たちが、男役を吹っ飛ばすことになる。
新人公演『カリスタの海に抱かれて』の、いちばんのクライマックスというか、温度が高く盛り上がっていたのって、アリシア@みれいちゃんと、アニータ@乙羽ちゃんのたたみ掛けソングだよね?
作品がそうなっているから、仕方ないんだけど。
タカラヅカのシステム上、そうなってしまうのは仕方ないけど。
主演は女の子ふたりだったかと、瞠目してしまうような勢いだった。
こんな状況で、マイティはよく踏ん張ってた。
ゆーなみくんは吹っ飛ばされてて影も見えなかったから、やっぱマイティよくやってたよ。
そして、いかなるときもマイペースに存在しているカレーくんの輝きっぷりにも、感心したナリ。
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