あくまでも、「役」の話、演じている生徒さんの話ではない……として、『1789-バスティーユの恋人たち-』の疑問なり意見なり語ってきた。

 構成に問題があるから、仕方ない。と。

 が。
 それでもやっぱりさ。

 革命家たちの弱さは、演じている人の問題も大いにある。

 なんでああまで埋没し、かつ、おいしくなくなるかな?

 得に、デムーラン@カチャ。

 革命家トリオと言っても、コマは扱いが低いので、デムーラン@カチャとロベスピエール@たまきちの問題なんだよね、ほんとのとこ。
 このふたりが、弱いのだわー。
 群衆芝居で突出した光を放てない。
 たまきちはそれでも、後半の群衆場面でセンターとして説得力を見せる場面があるんだけど……カチャさんは……。
 ヘタではないし、ふつうに歌って喋っているんだけど……個別化されない。

 不思議だわ。
 カチャとたまきちって、体格がチガウのでふたり並ぶと差別化しやすいと思うのよ。
 華奢とガチムチで。
 なのに何故だ、この役では印象が薄く、革命家という役割の人がいた、ということしか印象に残らない。

 どっちもインテリおぼっちゃまキャラ、どっちも優しくいい人、という設定が難しいのかな。
 かろうじてダントン@コマはお笑い系キャラとして差別化しているけれど……ダントンは比重低いし、そんなお笑い別にいらんし。
 肝心なのは、カチャとたまきち。
 このふたりが足りない分、主人公チームの格が下がり、引いては作品全体のパワーダウンにつながっている。

 カチャの役はロナンの親友らしいけど、そんなんぜんぜん伝わらないし。
 そもそも友情も見えないから、ただの知り合いレベルに思えるから、ロナンがグレて疑心暗鬼になってデムーランたちと衝突するのが唐突というか、ぜんぜん大したことに思えない。
 なんか今さらつまらないことでもめてるなあ、てな。

 ケンカ別れ → 和解、がドラマになり得るのは、そこに友情が存在してこそ。
 ただの知り合い、レベルだと、なんのカタルシスにもならない。


 まさおさんはただでさえ「友だちも理解者も誰もいません、そもそもいりません。私は私単体でまさおというイキモノです」となりがちなんだから、愛でも友情でも、真正面からきちんと描かなくては伝わりにくいのよ。
 まさおがそーゆーキャラなのはもう仕方ないから、周りが受け止め、合わせなきゃ。

 むー。
 わたしは一度、カチャさんとまさおさんが、ガチで友情だの愛憎だのにもつれる芝居を観てみたいなああ。
 男同士がいいです、どっちかが性転換しなくていい。同世代の男ふたりが、ガチに憎み合ったり、友情したりする話が観てみたいです。
 『明日への指針』程度の絡みじゃ足りないのよー。でも、あのときのふたりの感じはよかったから、もっともっと、ちゃんとマジに芝居する話が見たいのー。

 そうすれば、カチャはなにか、変わるかも?
 とか、勝手に思う。
 まさお氏とガチでやりあうのは大変だと思うので、そっからなんか花開いてくんないかなあと。

 今のままだとどうにも収まりが悪い。
 『PUCK』のときのような、「脇のちょっとオイシイキャラ」をやる分にはいいんだけど、真ん中で場を牽引する役は、カチャさんには荷が重いようだ。
 荷が重くても、今のカチャさんがいる立場は、あたりまえにソレを要求されるので、そんならもうあとはなんとか、立場に相応しいスキルを得てくれと。
 観客のために、どうかそこんとこお願いします。
 って、カチャもう研13かあ……。


 革命家がどうにも残念で、一方アルトワ@みやちゃんはオイシイ役だなあ、とは思うけど。
 こちらも、まだなんか足りない気がしている。
 イロモノキャラで中身がないので、これ以上やりようがない、てのはあるだろうけど……ナニが足りないのか。

 ってそれはやっぱり、基本的実力だろうなあ。

 みやちゃんがあのビジュアルで、もっと歌ウマだったらなああ。
 トンデモソングを歌って場を支配するには、それに相応しい歌唱力が必要なわけで……。
 みやちゃんの声は好きだ。あの美麗な顔から意外なほど、低く太い声。
 だけど滑舌がいいわけでもないし、歌も上達しているとはいえ、微妙だし。
 エコーびんびんにコーラスがんがんでナマ声がわからなくなるレベルにしないと、あのアヤしさを形作れない感じなのが残念。
 あそこでみっちゃんレベルの歌声が響いたら、どんだけ場を圧倒するだろう……。あ、みっちゃんの歌声は、ああいうイベントソング(ゲーム中に突然スタートするムービー場面)に合うよなー(笑)。


 反対に、ペイロール@マギーは、役の比重以上に、マギー自身が役をおいしくさせていると思う。

 もともとマギーの得意分野とはいえ。
 見事に求められる役割を果たし、華々しく輝いている。

 こちらももう少し歌ウマだといいなとは思うけど。
 必要な分はクリアしているし、唯一無二な感じがいいわ。この分野でオレの右に出る者はいねえ的な。

 凸凹を削って埋めて、平坦にしたこの作品で、ペイロールも目立ちすぎないよう配慮されているのに。
 それでも、最後の階段降りで脇として降りてくるのに違和感を持つくらいには、主要キャラとして自力で確立しているわ。

 この仕事ぶりを最後に専科へ羽ばたくとか、なんて力強いんでしょう。

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