新人公演から、見えることがある。
 新人公演『1789-バスティーユの恋人たち-』観劇、それゆえに、本公演の革命家トリオに思いを馳せる。

 デムーラン、ロベスピエール、ダントンの3人の革命家たち。
 一緒に出て来て順番に喋って、ダントンだけちょっと扱い落としてあるけど、いつも一緒の上、役割がひとつであるため、3個イチの印象。
 個別化されず、いつもトリオ。個性が感じられない、おいしくない役。

 と、思っていたわけなんだが。

 あれって、3人の実力が均衡しているから、3人同じに見えちゃうのね。
 扱いの落ちるダントンで、「均衡」させてるんだから、コマはうまいんだろうな、と思う。
 そして、ほぼ同じ扱いで、94期と並ばれてしまう89期を、ふがいなく思う。
 いや、たまきちが成長著しいだけで、カチャさんに罪はないのかもしんないが。

 というのもだ。
 新人公演の革命家トリオは、ちゃんと差別化されていたんだ。

 役割はひとつしかないし、個性を出しようのない脚本のままだ。
 3人がそれぞれ個別に個性を打ち出し、差別化に成功したんじゃない。
 ロベスピエール@れんこんのひとり勝ちだっただけで。

 シンプルに、実力で。

 デムーラン@夢奈瑠音くん、ダントン@春海ゆうくん。
 共に96期、研6か。
 彼らも別に悪くない、学年やキャリア相当によくやっていたのだろうと思う。
 それでも、力の差がわかりやすかった。

 れんこん、うまいわ……。

 役割がひとつしかないのだから、3人もいらない、ひとりでいい……初日を観てそう言っていた通りになっていた。
 革命家はロベスピエールひとり、デムーランとダントンはその仲間ポジションで、モブのみなさん寄りにする。そうすれば、革命家はちゃんと観客の印象に残る役になる。

 れんこんくんが、ロベスピエールとしてものすごく斬新な役作りをして、とか、印象的な演技をして、とかではないの。
 本公演のトリオから想像するまんまの、「革命家」というだけのキャラクタに見えた。目新しさも挑戦的な切り口も、特にない。
 だが、その「革命家」という役割を、きちんと演じ、周囲から一歩前へ出れば、こう見える……ということを、実践して見せてくれた。
 ひとりだけ、モブじゃない。役割を持ち、「名前」を持った存在だと、わかった。

 本公演とかで見ると、地味な子なのにな、れんこん。ひっかかりどころのないビジュアルと芝居。
 でも、新公のたびになにかしら、記憶を刻んでくる。
 わたしの鈍い記憶の壁に、がりっと爪を立ててくる感じ。

 役割がないと前へ出てこない子なのかな?
 モブのときはモブの仕事しかしようがないから?


 ソレーヌ@楓ゆきちゃんは、意外に歌で苦戦していた印象。もっと歌える人というイメージだったんだが……よほど難しいんだなー、あの歌。

 んで、すっごく勝手なことを言うと、この役をいちど、美少女で見たかった……。
 本役さんたちも併せてみんな、いわゆる「美少女」ジェンヌじゃないもんよ……。
 や、ジェンヌさんはみんなきれいでかわいいです。それはわかってるんだけど、その「容姿端麗」が基本スペックである美女集団において、中でもキャラ分けがあるじゃん。女役さんだとか子役だとか、個性派タイプだとかお色気系だとか。
 そのキャラ属性「美少女」の人。
 可憐で透明感があって、気品があって。瑞々しい若さがあって。
 そんな正統派美少女がこの役をやったら、どんな印象になるだろう……。
 より痛々しくて、ソレーヌとロナンの哀しみややるせない怒りが伝わるかなあと。
 この際歌唱力より、持ち味重視で。

 そんな娘役さんがいるのかどうか、わかってないのだけど……。
 そういう人で、見てみたかったなと。


 ラマール@朝霧真くんたち3バカトリオは、解説もしなくちゃならなくて、いろいろ大変そうだったなと。
 すげー体当たりぶり。
 振り返っている暇はない、行くぞ!! って感じにただただ走り続けてた。
 えーと。
 正直、ぜんぜん足りてないんだけど、その熱意で全部帳消しになったかなと。
 ま、いいや。がんばれー、てな(笑)。
 個人的に、朝霧くんの顔は好き。わたしの本命じゃない方の好みの系統の顔をしている……。(ややこしいな)


 あ、ちゃぴが出ていることは知りませんでした。
 相変わらずろくにプログラムチェックしてない(笑)。
 トップ娘役キャリア3年のベテランが、新人公演に出ているとか、一切気にすることがなかった。
 男役をしているのをそうと知らずに見たわけなんだけど、男役だった昔と違い、一目で「ああ、娘役さんのバイトだなあ」と思える姿だった。……が、声だけはけっこう男前だったのは何故(笑)。

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