ドラマ語り。

2003年3月23日 テレビ
 書くことがないので、ドラマの話でもしてみる。

 わたしはいったい、いつからおもしろいドラマを見ていないのだろう。
 なんか、ここんとこずーっと不作ですが。
 オレンジとドラマの同人誌作ってたころがなつかしい。あのころはまだ、おもしろいものもあったんだよなあ。

 今期見ていたドラマを列記してみる。

・月曜日 『いつもふたりで』『メッセージ』『風子のラーメン』
・火曜日 『お義母さんといっしょ』『僕の生きる道』
・水曜日 『熱烈中華飯店』『最後の弁護人』『刑事☆イチロー』
・木曜日 『恋は戦い!』『年下の男』『美女か野獣』
・金曜日 『高校教師』
・土曜日 『赤ちゃんをさがせ!』
・日曜日 『GOOD LUCK!!』

 『HR』はおもしろかったけれど、数回しか見ていない。たんに見るの忘れるんだ。わたし、11時スタートのドラマは見られない体質らしい。そして、見逃してもそれほど惜しいという気もしない……。
 今回、1話を見て「これは見るだけ時間と感性の無駄だ」と思って切り捨てたのは、土曜日のジャニドラマのみ。これは正直、1話を最後まで見るのもつらかった。
 そして、レコーダーが勝手に録画しつづけていなかったら、ほとんどのドラマは最後まで見ていなかったと思う。つまらなかったよ、ほんと。

 いちばんつまらないっていうか、なんかまちがってるんじゃないの? と思ったのが、『いつもふたりで』と『刑事☆イチロー』。
 ……なにがしたかったんだ?
 やりたかったことと、現実がズレてないか?
 無理矢理盛り上げようとして、本筋をねじ曲げているいびつさが全編に感じられた。

 『いつもふたりで』は、「おしゃれな恋愛モノ」にしようとして失敗。おしゃれ、だから、ギョーカイ物で明るくて元気でコメディなの。ドロドロしなくて、友だち恋愛なの。ヒロインはエネルギッシュで前向きで、目を離せないかわいい爆弾娘なの。ダーリンはハンサムでやさしくて不器用なの。
 いや、無理だって。(顔の前で手を振っている)
 やりたいことはわかるけど、ちゃんと企画練った? ものすごーく見切り発車っていうか、表面だけでOK出してない、この企画? 全部上っ滑りしてるよ??
 出版業界があんなワケないじゃん! とかはべつに思わない。フィクションなんだから、自由に表現してヨシ。それとは別に、お手軽感が気になる。すべてテキトーっていうか。
 その結果が空回りの薄ら寒いドラマに。
 ……あのヒロインに共感できるエイリアンは、どれくらいいるんでしょうか。

 『刑事☆イチロー』は……なにがやりたかったのか、誰かわたしに教えてください。
 タイトルの☆はなんなんですか? 明るくおしゃれな若者向けの刑事物かと思ったんですが。
 薄っぺらい、というだけで、べつにおしゃれでもなんでもありませんでした。
 どちらかというと、ド根性物? 陰湿ないじめに耐えて、がんばる田舎青年の話?
 しかもこの「いじめ」が、とても不可解だった。昔の大映ドラマ系っていうのか、トウシューズに画鋲ランクのいじめなんだわ。コレ、マジでやってるんですか? 21世紀に??
 主人公のがんばりを表現するために、いろんなことがゆがめられている不快感。そして主人公も、その現実感のないいじめと同じくらい、妙な行動ばかり取る。
 登場人物すべてがエイリアン。わたしには何故そこでそう言うのか、そう行動するのか、そして物語がそう流れるのかが、まったく理解できませんでした。ちゃんと毎回見ていたのに、毎回「あれ? 1週とばしちゃった?」と首を傾げてしまうくらい、彼らの行動の辻褄が合わなかった。
 ちゃんとプロットたてた? すごくテキトーな感じがするんですけど? ドラマなんか使い捨てだ、ってナメて作ってる??

 目指す路線はわかるけれど、実力不足で沈没したのが、『メッセージ』『熱烈中華飯店』『美女か野獣』。
 この3本はすべて、どんでん返し物。
 問題が提示され、どーしよーもない危機一髪、のところでどんでん返し、大団円へ。ミステリ系っていうか、見ているモノがスカッとするタイプの話。
 ところがどれも、スカッとしないんだわ。
 問題が起こる。問題が展開する。登場人物たちは追いつめられる。どうしよう! もうダメだ! しかしそこでなんらかの出来事が起こる。それによって事態は好転、やったぁ、とニヤリとして終わる。起承転結のはっきりしたドラマ……のはずが、どーしたことだ、「転」の部分が甘い。
 タカオくんはママの言いつけでお買い物に出た。ところが、通り道にいじめっ子が! どうしよう。いじめっ子から逃げたら、お金を落としてしまった! どうしよう! 途方に暮れるタカオくん。ママに叱られる。もう陽が暮れる。絶体絶命だあ。……あれ? あんなところにお金が落ちてる。ラッキー☆ タカオくんは拾ったお金で無事にお買い物を済ませ、ママに誉められました。めでたしめでたし。
 てなレベルの話ばかりなんですけど?
 どんでん返しが全部「偶然」なんですけど?
 こまっていたいら、偶然、都合のいい出来事が起こってハッピーエンド!!
 おいおい。
 窮地をひっくり返すのは、「登場人物の力」でないと、意味ないんだってば。神様でも偶然でもなく、創意工夫、知恵と勇気で乗り越えるからこそ、おもしろいんだってば。
 全部「偶然」で「ラッキー☆」でハッピーエンド……ひでえ。

 たんにおもしろくなかったのが、『恋は戦い!』と『GOOD LUCK!!』。とっても浅い物語。1話を見たらすべてがわかってしまう。予定調和。
 まあ、『恋は戦い!』のダサさや失笑を誘う作りに比べれば、『GOOD LUCK!!』の方が断然マシですが。つっても、予算もチガウだろーしなぁ。

 『風子のラーメン』は、なんでわたし見てたんだろ。対象年齢チガウだろーに。悪くはないけど、おもしろくもなかった。つーか、まったく盛り上がらないまま終始した、ローテンションドラマ……。ものすごーくNHK。
 『赤ちゃんをさがせ!』は……も、どーしよーもないよな。さすがNHKとしか言いようがない脱力ドラマ。この現代に、このセンスでドラマを作ることに感動した。植田理事長がこの現代に『おーい春風さん』等を上演してしまうのと、同じものすごさ。

 死にゆく高校教師モノが何故2本も? 『僕の生きる道』と『高校教師』。
 意欲は買うが、どちらもつまらなかった。
 死に向かう話は、痛くて好みのテーマなんだがなあ。
 感動モノを意識するあまり、絵に描いた餅になっていたというか。
 どちらも、かゆいところに手が届いてない。もう少し、なんとかできたような気がするよ。がんばってるのになあ。
 見れば見るほど、冷めてしまった……。

 『お義母さんといっしょ』は、予定通りに話が進んだの? 途中で二転三転してない? ふらふらしまくってる印象。
 1話はおもしろかった。2話もまだよかった。しかし、3話以降はダメダメ。路線がどんどん変わっていった気がした。なんで?
 1話のままの嫁姑モノで突っ走ってほしかった。からりと晴れ上がったバカップル……とゆーか、バカ嫁姑で。言いたいことが言えないのが嫁姑、という常識を打ち破り、言いたい放題ケンカし放題、あげくの果てに「裁判」。そして裁判所に行ってやってることと言えば、犬も喰わないよーな痴話喧嘩。
 このあたりまでは、おもしろかったのになー。
 そのあとは、ただの嫁姑ものに成り下がった。夫を殺す必要あったのか? 次男はなんであんなに簡単プーに改心するんだ? 当初の伏線をすべてぶちこわしてないか? 横やりでも入ったのか?
 ヘンなの。
 3話以降はただのキチガイドラマ。みんなキーキー叫んでます。

 そして、結果としていちばんマシだったのが『最後の弁護人』てのはいいとして、『年下の男』がくるってのは……どうよ、って感じだわ(笑)。
 この2本の話はまたいずれ。

          ☆

 昨日書いたミステリの作者が故人だということに、プチショック。
 若すぎるよ、早すぎるよ……。


 『GOOD LUCK!!』って最終回じゃなかったんですか?
 てっきりそうだと信じ切って見ていたんで、「つづく」だったから驚いた。

 それから、誰か『GOOD LUCK!!』というドラマのどこがおもしろいのかを教えてください。
 べつにおもしろくないわけじゃないけど、そんなものすごい視聴率を取る理由がわかりません。

 ……キムタクですか?
 それだけですか?
 それだけなんですか?

 それでいいんですか?

 とまあ、今期はわたし、ものすごーくドラマをたくさん見ています。
 今までなら、1話か、せいぜい3話まで見たらオシマイ、そこで切り捨てているよーなレベルのものまで、みんな見てます。

 それはすべて、DVDレコーダの功績です。

 今期のはじめに、全部設定しちゃったんだわ。
 めぼしいドラマを録画するように。時間とタイトルを入力してあったので、あとはわたしが忘れていても、勝手に録りつづけている。電源切ってても、コンセントを抜いていない限り、勝手に録りつづける。
 おかげで、いろんなものを見ちゃったよー。
 『GOOD LUCK!!』を1回も抜けることなく見つづけることができたのは、すべてレコーダのおかげ。
 日曜の夜とかに、他のデータを見ようとリストを開いたら、『GOOD LUCK!!』と新たにタイトルが出てる。……そっか、今日『GOOD LUCK!!』の放送あったんだー、すっかり忘れてたー。……の、繰り返し。
 もしレコーダがなければ、たぶん1話で見るのやめてた……がんばったとしても、2話でロンググッバイだな。

 おもしろくないわけじゃない。
 ただ、つまらない。

 なんつーんですか、熱帯魚とか観葉植物とか環境ビデオみたいな感じ。目にやさしーきれーなものを、ただ流している、というか。おもしろくはないけど、不愉快でもない。感動しないかわりにムカつきもしない。
 キャラもストーリーもみんな「薄い」。生きた人間はどうやらひとりもいない。書き割りの世界、予定調和とご都合主義だけの世界。美しくて毒のない人たち。スパイスに人情。痛みのない、お手軽プーな恋愛。おかわり自由なファミレスのコーヒーみたいな世界観。

 このドラマのいちばんの功績は、「キムタク」だなぁ。

 わたしは役者としてのキムタクは好きじゃない。
 つーかジャニタレのほとんどは苦手。
 だって彼らは「アイドル」であって「役者」ではないから。
 役者というのは、役になりきる。
 アイドルは逆。役になりきってしまっては、それは正しい「アイドル」ではない。
 演技しているつもりでも、結局は「アイドル」でしかない。それが役者とアイドルのちがい。
 つーか、「アイドル」はそうでなくてはならない。どんな色で覆われても、それをはねのけて自分の色で輝く。そういった天分の才を持った人を「アイドル」という。

 キムタクは、アイドルだ。

 なにをやっても、キムタクはキムタク。
 明るい役でも暗い役でも、コメディでも悲劇でも、なにやっても彼のキャラクタは同じ。
 そうでなければ、「アイドル」ではない。そうでなければ、「キムタク」ではない。

 それがわかっているから、ドラマ好きのわたしからすれば、キムタクのドラマは「つまらない」。
 なにやっても同じだから。
 わたしが見たいのはドラマであって、キムタク様のプロモーションビデオではないんだ。

 だから、おもしろそうな作品には、彼やジャニタレたちが出ないことを心から望んでいる。
 日本のテレビ界でジャニタレのいない世界はあってはならないそうなので、そのへんはもうあきらめているけど、せめて、主要人物では出ないでくれ。作品をぶちこわさないでくれ。

 だが、キムタク様はキムタク様だ。主演以外はなさらない。つーか、天下の視聴率ゲッターだ、主演が当然だろう。
 キムタク役しかできないキムタクを、どうするのが正しいか?

 答え。
 キムタクには、キムタク役を。

 キムタクのキャラに合わせたドラマを作る。キムタクまんまの主人公が、キムタクの言動に合わせたストーリーで動く。
 これが最強。

 新境地とか、これまでにないとか、そんなことはせんでよろしい。できないんだから。
 悪役とかクールとか神秘的とか、一生懸命やってたけど、なにやっても所詮キムタクだったじゃない。そして、所詮キムタクでしかない悪役とかクールとかだと、ドラマ自体をぶちこわしてきたじゃない。
 キムタクには、キムタク役を。

 そして、ドラマ『GOOD LUCK!!』。
 大正解。
 キムタク役を演じるキムタク。

 それ以外は見事にどーでもいいレベル。
 だが、キムタクが正しく作用しているので高視聴率。

 ……クリエイターは悲しくならないのかなぁ?
 どんな良作よりも、ただキムタクがキムタク役で出ているだけのヘボドラマの方が評価されるなんてさぁ。スマスマが高視聴率なのと同じ理屈でしかないなんて……シビアな現実ナリ。

 
 そーいやWOWOWで『め組の大吾』のアニメを見た。

 なつかしーなー。当時、イベントでしか上映されないこのアニメを、見たくて仕方なかったんだわ。
 今ごろになってよーやく見ることができたわけだ。

 そしてわたしは、首を傾げる。

 『め大』って、こんなんだっけ……?

 アニメがひどくつまらないので、コミックスを引っ張り出して読み返しちゃったよ。

 連載途中の作品をアニメ化したわけだから、無理があるのはわかるけど……。
 それにしても、ひどいなー。
 完全ファン向けの作り。このアニメから見た人には、なにがなんだかわかんないんじゃないの? キャラの説明もなしかよ。ファンイベント用のグッズでしかないアニメ、って、そーゆースタンス?

 落胆しました。
 つーか、見ている最中から、「なんでそこをそう描くかなあ」「演出に問題アリだろ」と苛々しまくりました。
 わたしゃべつに『め大』の大ファンではないので(昔はともかく、今はな)、ファンゆえにどーこー思ったのではないと思う。
 純粋に、演出の稚拙さが気になってしまった。
 だってコレほんと、ただマンガを動かしてみました、でも時間もお金もありませんでした、っての見え見えですがな……。
 時間と金のなさは、演出でカバーしろよ……。

 マンガとアニメは、「表現」がちがう。
 マンガでならこう演出する方が盛り上がるけど、それをそのままアニメにしても盛り下がる。……てことが、あって当然でしょう。
 媒体がちがうんだから。
 それでこそのメディアミックス。
 ただの劣悪コピー作るなら、ちがう媒体でやる意味ないじゃん……。

 同時上映だった『からくりの君』も見ました。

 こちらは、うまいことまとまってるなー。
 短編作品のアニメ化だから、『め大』と比べたらイカンのだろーが、こちらが佳作なだけに、『め大』のとほほ感が際立つなあ。
 お金のなさはこちらにも感じますが(笑)、素直に「へええ、あれをアニメにしたらこーなんのかー」と感心して見た。
 キャラのデフォルメがいい感じ。
 「アニメでなきゃできない表現」をしてくれてるのが好感。

 ところでわたし、この日記書いてるの21日の夜だったりするから、宙組の『傭兵ピエール』と『からくりの君』が微妙にカブるんですが(笑)。

 『ゴルゴ13』も見ました。
 見る気なかったんだけど、脚本が長坂おじさんだったんで、つい……(笑)。
 監督苦手だし、原作も苦手だし、内容もまったく思った通りというか、水戸黄門を見て「印籠出して終わりなのよ! つまらないわ!」「あの商人、出てきた瞬間悪人だってわかるわ」てなことで怒る人がいないよーに、わたしもなにもコメントはありません、てなアニメでした。
 おどろいたのは、20年も前の作品だってことぐらい。もう20年もたつのか……作られたころは、最新CGアニメーションつって話題だったなあ……遠い目。
 わたし、『ゴルゴ13』は子どものころ一気に20冊ぐらい読んだことあるんだよね(長編マンガならなんでもよかったの。『あぶさん』まで一気読みしてた。嫌な小学生だ)。……どこがおもしろいのか、さっぱりわからなかった……。小学生が読むものじゃなかったってことか? でも、今読んでもたぶん、わからないと思うぞ。
 このアニメ映画を見て、乾いた笑いしかこみあげてこないわけだからな。

 それにしてもわたしの『め大』のコミックス、数冊足りないんだけど、どこでなくなったのかなあ。友人ズの間を回覧してたから、誰か返してない奴がいる模様。
 本はこーやって紛失していく。
 まー、いいけど。

 
 年配の知人の訃報が続く。
 ……時は流れているんだなあ。

 アニメの『最終兵器彼女』が昨夜で最終回だったので、加工して一気に1枚のDVDに焼く。
 全13話。8本くらい、一気に見たかな。

 ふつーのDVDって、1枚に4話くらいしか入ってないんだよねえ。単純に考えても、圧縮率は3倍、画質の悪さも3倍。……でもま、アニメだからいっか。

 今のところ、標準以上の画質で保存しているのは、わずかなタイトルのヅカ舞台映像だけだ(笑)。

 

さめざめ。

2003年2月11日 テレビ
 週末に迫った殿さんの結婚式のために、着ていく予定のお衣装をタンスから引っ張り出してみた。

 ……ショック。

 いったいどこでなにがどーなったのか。
 お衣装は、ネズミに食い荒らされていた。

 そーいや少し前に、ネズミ被害に遭っていたんだ。そして、我が家の召喚獣(今、弟とふたりして『FF』をプレイ中のため、猫のことをこう呼んでいる)がネズミを駆逐、死体をわざわざわたしに見せに来て、その流血ぶりに飼い主阿鼻叫喚、とか、いろいろあったんだった。

 まさか、タンスの中までやられていたとは……!!

 被害が確認されたのは、冬用のいちばんお気に入りのスーツ。
 ……着ていくつもりだったのに! 結婚式に!!

 そして、わたしの持っている唯一(唯一なんかい)のドレス。
 スーツがしっくりこなかった場合、殿さんの結婚式は派手そーだから、ドレスでもいいか、と着ていく予定第2候補にあげていたのに!

 よろり……。

 どーしよー……。
 今からあわてて新しい服を買う気にはならん……。だってあわてて買ったら、きっとその場しのぎのどーでもいい服を、金額だけはかけて買うはめになるもん。買い物は余裕を持って、たのしんでするものだー。

 いやがらせか? とゆーくらい、ネズミ野郎は高い服から囓ってやがった……。
 どうやら、高価な生地の方がうまかったらしい。
 とりあえず確認された被害は、前記の2着。

 仕方なく、第3候補のスーツを出してみる。
 デザインは悪くない。
 しかしこれ、11号なんよ……でかい……。
 まだわたしが無知で「背の高い女は11号を着るものだ」と思いこんでいたころに買った服なんだわ。
 肩幅が余ってるよ……ウエストが回るよ……。
 鏡に映った姿にかなしくなる。デブに見えるんだもん。なんなのよこの立派な肩幅は。分厚い胸板は。太いウエストは。しくしく。
 決して痩せていないだけに、太って見える服は着たくない。11号を着ると実際以上にデブに見えるんだよー。

 被害を調べるために、タンスの中を全整理してみたんだが、昔買った服はみんな11号だったよ。着てみてびっくり。……こんなにデブに見える服を着ていたんか、わたし……人生で一番きれいな時期に。無知ってこわい。
 でも、ついこの間も某ショップで「お客様は背が高いのでLサイズです」って言われたしな。それだから若いころのわたしは、鵜呑みにしてたんだよな。……Lも11号も、大きくなるのは横幅だけで、丈は同じだっつーの。で、横幅が余って落ちる分、丈が長く見えるってだけで。横幅が余って落ちる、てのはつまり、デブに見えるってことだっつーの。

 物持ちがいいので、なんかいろいろ大事にしまってあったが、これを着ることはもうないだろうなあ、てな服がいろいろ。
 つーか、今から11号サイズになったらまずい! それって中年太りってことだもんな。ぶるぶる。おばさん、ちょっと自己反省。体型維持に努力しなきゃ。(最近怠り気味だったのよ……)

 ああそして、殿さんの結婚式。なにを着よう。
 トシもトシだし、分相応に地味にしていよう。それしかないな。
 とりあえず、イタリアで浮かれて買ったブラウスを引っ張り出す。
 ムラに行くときに着たらまちがいなく「なんちゃって男役」のイタイおばさんと思われること請け合い!の、男役テイストなブラウス。第九の演奏会以外ではまだ着たことナシ。これにパンツを合わせて、マニッシュ路線を目指すわ。

 
 それにしても、くやしいなあ。
 お気に入りのスーツが、こんなことでダメになるなんて。ほんとに好きだったのに。
 もう二度と同じ服にはめぐりあえないだろうし。
 ドレスの方は……この地味な生活の中では、そうそう「ドレス」なんてものを買うことはないだろうから、失ってしまうといざってときに不便だろーなー。でも、あてもなく買って置いておくのもナンだしな。
 ああ、かなしや。

          ☆

 ところで今日、再放送のミステリドラマを見ました。
 いや、松村雄基が出てたんで。

 ラヴい話でした。

 地方の所轄刑事が、解決したはずの事件の真相を追って孤独な捜査をするの。そのさえない中年刑事に協力するのが、警視庁のエリート警部。男同士の友情ものっつーかね。

 最初、さえない所轄刑事はエリート警部に反感アリ。なにかっちゃー「あのエリート警部さん」とか言ってな。
 でも所轄刑事が孤立し、誰にも理解されないまま捜査を続けているときに、手をさしのべてくれるのはそのエリート警部なのよ。エリート警部もまた、事件に疑問を持ち、独自に調べていたの。所轄刑事は偏見があったから、エリート警部がそんなふうに裏でがんばっている人だとは思ってなかったのね。

 不思議なのはこのエリート警部が、とことん「いい男」として描かれていること。エリートなのに気取らず傲慢にならず、礼儀正しく、仕事も有能。所轄の若手刑事が「かっこいー」とうっとりするくだりが数回ある。
 わざわざセリフで「かっこいー」と言わせるんだから、制作者は本気で彼を「いい男」だと思って描いているのだ。セリフでの解説はベタベタだが有効な手段だからな。
 所轄刑事が「どーせ警視庁のエリートだもんな」と最初から偏見の目で見ているというのに、エリート警部の方は彼らのことを「所詮所轄」と見下したりしていない。なんの偏見もなく接している。
 そして、うだつのあがらない主人公所轄刑事が事件の真相を調べていることを嘲笑いもせず、その能力と努力を認めて、協力を申し出る。
 しかも、主人公所轄刑事のことを尊敬しているよーな態度だ。きらきらとした愛情あふれる瞳で、所轄刑事を見つめたりする。

 ひょっとしてこれって、「男の夢」?

 うだつの上がらない中年兵士が、若き将軍にその才能を見いだされ、「そこに気づくなんてさすがですね」とヨイショされ、無事に戦果を上げて、褒賞をいただく。
 うだつの上がらない中年兵士=現在のアナタ。本当は才能も能力もあるのに、不当な地位に甘んじているアナタのことよ。チャンスと、才能を正しく評価してくれる人さえいれば、アナタはもっと上にいていいはずの人なのよ。
 ……てことですか。
 若き将軍は、アナタの才能を見抜き、正しい評価を与えてくれる人。彼はハンサムで有能で礼儀正しくやさしく、非の打ち所のないすばらしい人。誰もが彼にあこがれ、賞賛を送る。……そんな人が、アナタのことを「なんてすばらしい人だ! こんなすばらしい男が市井に埋もれていたなんて!」と尊敬してくれる。世界一の男が褒め称えるアナタって、なんてすばらしい人なんでしょう!!

 いや、あまりにも「エリート警部」ができすぎた設定だからさ。
 男の夢爆発かな、と。

 女の子の王子様願望と同じですな。
「わたしはなんの努力もしなくていいの。ある日王子様が白馬に乗って現れて、『そのままの君が好きだよ』って言ってくれるの」
「オレは本当はすごい男なんだ。たんにチャンスと上司に恵まれていないだけだ。もっと見る目のある奴が上司なら、こんなところでくすぶってなんかいないのに」

 本当に能力があるのなら、そのトシまでくすぶってやしないだろう、無能な上司を押しのけて出世しているだろう、それができないってゆーのはつまり……ゲフンゲフン。

 主人公の所轄刑事が、「本当はすごい男」だというなら、なんで今まで昼行灯的な立場にいたのよ。今まで何故、「本当のすごさ」を発揮しなかったの?
 今回の事件でたまたま、本来の能力が発揮されたというなら、何故今回の事件だったのか。潜在能力を引き出すほどのなにがあったというんだ、今回の事件に。
 都合良すぎ。
 やっぱりただの「男の夢」でしょうな。
 ま、エンタメですから。お客をよろこばせてナンボ。「自分マンセー」な物語で、客がよろこぶならそれで成功。

 裏にある「男の夢」はばかばかしくて気持ち悪いが、とりあえず、エリート警部と所轄刑事はラヴラヴでした。
 松村雄基が、このエリート警部だったんだわ。
 いやー、愛のこもった瞳をきらきらさせて、所轄刑事を見つめるんだわ。まいった。

 問題は、主人公の所轄刑事が、中村梅雀だったことです……。
 も、萌えられない……。
 いくらしょぼくれた中年男っつったってさー。もう少し人選があるだろーに。中村梅雀じゃ萌えられないよー。
 もし別のおっさん俳優だったらわたし、とてもたのしかったと思う。ああたとえば、森本レオ様とかっ! レオ様ならわたし、萌えまくってくるくる回ってたわー。

 せっかく録ったビデオは速攻削除。
 さよなら、きらきら瞳の松村雄基(38歳)。

 
 いいかげん、たまりにたまったので、『ガンダムSEED』をDVDに焼く。
 アニメなんで、画像は悪くてかまわない。13話でDVD1枚。全何話あるのか知らねーが、13区切りならバランスはいいだろうから。

 じつはまだ見てないんだ。
 絵が気持ち悪いのと、あからさまな据え膳ホモな雰囲気にめげて。
 今、7話かなー。とりあえず、7話現在ではまだおもしろさがわからない。『ターンAガンダム』は1話からすでにおもしろかったのになー。

 わたしはガンダム世代なので、「新しいガンダムが放映される」と聞くとわくわくする人間だ。
 同じくガンダム世代の弟とふたり、たのしみに新番組を待ったさ。
 弟はわたしと血がつながっているにもかかわらず、非オタクで、アニメもマンガも見ない。唯一、ガンダムだけは見る、とゆー、「ああ、あの時代の少年が大人になったんだな」という男だ。(そんな男たちはいっぱいいる)

 そして、第1話を見て……いや、正確には1話のオープニングを見て、絶望した。

 こんなの、ガンダムじゃないっっっ!!(滝涙)

 絵が気持ち悪いのは、予告で見て知っていた。ショックだったが、それでも「絵だけで判断しちゃだめだ。内容を見なきゃ」と自分をなだめた。

 しかし、オープニングを見て。
 絶望した。

 なんなの? ……なんなの、あの「乳揺れ」はっ!!

 巨/乳(検索避けになるかな? 毎日この単語でものすげー数の検索がかかるのよ。勘弁してくれ)の裸の女のシルエットが出て、その笑えるくらい大きなちちが、ぷるるんっ、と揺れるのだ。

 なんだそりゃあ。
 これは男向けの萌え萌えアニメなのか?
 そりゃ勝手に萌えるのは視聴者の自由だが、制作者が世の男向けアニメと同じ手法でオープニングを創るというのか?
 そ、そんな……っ、そんなの、ガンダムじゃないわっっっ!!

 萌えアニメはいくら創ってくれてもかまわない。SFで戦闘でメカでロボットで巨乳美少女で、まったくかまわないよ。
 ただ、ガンダムでやるのはやめてくれ。線引きをしてくれ。
 巨乳美女が出ていいから、わざわざちちをぷるるんっ、とやるためだけにオープニングに出さないでくれ。
 そんなもんがなくても、男たちがよろこんで見るよーな、質のいいものを創ってくれ。仮にも「ガンダム」を名乗るのならば。

 あまりに衝撃だったので、弟に「男はアレがうれしいのか?」と聞いたよ。
 弟は「ガンダムでやっちゃいかん」と答えた。
 ……まあ、聞く相手も悪いか。弟はギャルゲーとか男向け萌え美少女キャラとかが嫌いな男だ。のーみそのない、顔とおっぱいだけの美少女キャラは、物語の邪魔になる、と考えている歴史シミュレーション好き男と、世のニーズは別かもしれない。

 絵は2話以降はそれほど気持ち悪くなくなった。1話はなんであんなにものすごい絵なんだ? 尖った顎で人が殺せそうだ。それともたんに、わたしの目が慣れたのか。
 ここまで仕事が切羽詰まってなければ、一気見するんだがな。
 せっかく「ガンダム」で、全話録画してるんだ。おもしろくなってくれることを祈る。

 
 すでに恒例になっている、オレンジとの長電話。

 ほぼ90%、かかってくるのを受けるだけなので、かけてくるオレンジは万全の態勢でのぞんでいるだろうが、わたしの方はそうではない。
 午前2時、ヤマダさんとのデートで食べた夕食が中途半端な時間だったから、そろそろ夜食でも食べようかな、お茶を蒸らす間にトイレにも行って……とアタマの中で考えながらも『サイレントヒル』の2回目(すでに1回はクリアした)をプレイ中だった。

 つまり、おなかがすいていたの。トイレにも行きたかったの。
 だけどかかってきた電話を親機で受けて、そのまま5時間半。
 ……電話を切ったときには、まっすぐトイレに駆け込んだ。

 オレンジはいつも子機でかけてくるから、平気で電話中に洗い物して料理して、ごはんも食べてるんだよねー。音が全部聞こえる。
 わたしは親機で受けてるから、電話のそばから離れられない。同じ態勢で5時間半。……こ、腰が……。

 じゃ、切ればいいじゃん、電話。
 相手に待ってもらって、その間にしたいことをすればいいじゃん。

 ごもっとも。
 でも、それができない。

 オレンジと喋りたいんだもん〜〜。

 かねすきさんにまた「のろけ」だと言われるかもしれんが(笑)。
 オレンジとの電話タイムはわたしにとって貴重なので、彼女からの電話を切るなんてとんでもないのよ。

 今期のドラマでは、オレンジは『真夜中の雨』『アルジャーノンに花束を』『天才柳沢教授の生活』だけを1本のビデオテープに録り溜めており、まだ1話も見ていないそうな。
 で、他のドラマはリアルタイムに見て、「つづけて見る価値ナシ」と判断。
 期待しているドラマのみ、ビデオに撮り溜めているために、かえって1話も見れていないという。

「どうかな、この3本だけにヤマを張ってたアタシは?」
「いいんじゃない? アタリだよ、それ」
「アタリか! えらいぞオレ!」
「いや、その3本にしたのはたしかにアタリだけど、その3本がアタリな作品であるというわけでもないしなー……もしビデオ録りしてなくてもハズレにはならないくらいだ」
「そ、そうなのか……『アルジャーノン』は岡田さんだから期待してるんだけど、だめ?」
「まー、いーんじゃないー? 程度」
「その程度か……原作アリでその程度じゃ、『イグアナの娘』は超えられないね」
「いや、世間の評価は知らないよ。あれだけの超有名原作つかうわけだから、絶対文句は出るだろうし……つーか、主演がユースケである段階で、ブーイングだろ」
「ユースケはいいものを持った役者なんだけどねえ。でもこれだけのタイトルをやるなら、ユースケでは役者不足だ。かといって誰がいいってのも浮かばないけど……」
「ほんとうにうまい人に、させるべきだったよ。どんな人でもマニアからはブーイングされるだろうけど、せめて演技力に定評のある役者をつかえば、『おれはあんなのキライだけど、演技がうまいことだけは認める』と言わせることができるのに」
「テレビも世間も、ユースケの使い方まちがってるよなあ。ユースケはただのいい人より、悪役の方が映える役者なのに。ほらあの、キムタク主演のぶっこわれバカサスペンスドラマ。あれのユースケはすごかった」
「『眠れる森』ね。壊れたひどいドラマだったけど」
「ユースケだけはよかった。彼のためだけに見ていたよ。ただのいい人、ただの友だち、のふりしながら、実は……という黒い部分を計算して見せていたよね」
「途中で死ぬ役だからよかったんだよ。あのドラマ、結末は役者も知らなかったわけでしょ? ユースケは途中退場だから、ちゃんと自分の役を最後まで知って、計算した演技ができたんだろーな」
「他の役者は悲惨……。計算もなんもできねーもんな。人格はいくらでも歪められちゃうし。毎週ごとに人格変わる人ばっかの、ぶっこわれドラマ。……それとそれと、あれもよかったでしょ、高島なんとか主演の1話完結の刑事ものかなんかで……」
「高島礼子主演の『ボディガード』ね。ユースケは彼女に守ってもらうバカ男役」
「ほんとーにバカな役で、なんで自分が命を狙われるのか、まったくわらない。殺したいと思うくらい恨まれて当然、のひどいことをしていながら、まったく自覚ナシ。そして最後に自覚して改心することもなく、最初っから最後まで一貫して『おれ、なんも悪くねーのにぃ』とへらへら笑っていて、高島にぶん殴られる。……あれ、見ててこわかったよ。ほんとーにバカだから」
「毒がある演技、実はうまいんだよね、ユースケ。顔や雰囲気がいい人系なだけに、彼の表現する『毒』はリアルで痛い。……でもいつも彼は、いい人俳優。ただのいい人しか、仕事が来ない」
「ユースケの冷酷無情な悪役が見たいよーっ。いやべつに、顔はぜんぜん好みじゃないんだけどーっ」
「今回もまた、いい人系だしな」
「『アルジャーノン』はちがうではしょ? ほら、アタマよくなったあととか……」
「天使モノだよ。知的障害ゆえに、現在天使。彼が知性を得ることによって、汚れた現実を知り、傷つく。だけど愛することを忘れない……天使が汚れ傷つき、でもけなげに立ち上がる話。そして失われていく物語」
「天使……ユースケで天使……。ああでも、他にいい俳優とか、とくに思いつかないし……窪塚くんは……ちょっとちがうかなぁ?」
「窪塚!! あ、それいい。窪塚ならわたし、萌える。知的障害で周りにいじめられながらも、それに気づかずに笑っている窪塚……徐々に知性を持ちはじめる窪塚……天才になり、知らず凡人どもを見下す窪塚……も、萌えーっ」
「主人公は最低限、美形で見たいよねえ、『アルジャーノン』は。現実にはそうでないとしても、ドラマだからねえ。こーゆーいじめられ系のは、美形でない人だと、見ていてつらいからなあ」
「主人公のハルが窪塚だったら、きっとあのパン屋の従業員たちに、夜もいぢめられてるねー。おもちゃにされてるねー。そんな彼が知性を持ちはじめ、彼をおもちゃにしていた従業員たちにも動揺が……」
「ああなるほど、いいねえ……ってアンタ、さりげなく鬼畜な萌えの話してないかっ?!」
「ユースケじゃそれはないだろーからなー」
「ないない、ユースケじゃ誰も夜のいぢめはしないヤらないっ」
「ああ、窪塚ハル萌えー」

 てな、バカ話。
 ……電話の大半は、深刻な話なんだけどね。
 深刻な話とバカ話が平気でミックスしているあたり……。

 
 風邪のせいでだるいっす。
 でもまあ、日記は書いておくか……。貴重な文章書きの場。

 わたしはドラマオタクである。
 TVドラマは大抵1話は必ず見るようにしている。
 が、11話だとか12話だとか、最後まで見るものは少ない。どんどんふるいに掛けて見なくなっていく。
 もっと元気があったころは、どんなにつまらなくても、1話を見てしまったものは最後まで全部見ていたりもしたんだが。もう若くないので、つまらないものは見られなくなった。

 前期はほんと、不作だった。
 おもしろいものはなんだったろう、と振り返っても、なにも思い出せない。
 おもしろくないか、あるいはどーでもいいものばかりだったよーな。
 いちばんマシだったのが『新・愛の嵐』だなんて、自分でもなさけないよ……。

 期待していただけに『濱マイク』には失望したしな。
 なんなんですか、アレ。
 見事なまでに日本映画。悪い意味で。
 自己満足の世界へ飛び込んで、大衆は置き去り。
 TVなんだからさ、エンターテイメントであってほしいわけよ。一部の「スバラシイ」人たちだけがわかるものを創らないでさ。
 わたし、凡人だからそんな「スバラシイ」ものを創られてもただたんに「わけわかんねー。つまんねー」としか思えないよ。
 ……でもま、アリなのか? あーゆーのも。視聴率最悪でも、一部の「ちがいのわかる人」だけが「にやり」とする番組。
 夜中に放映すればよかったね。それならなおさら、レア感をつのってディープな人にありがたがられただろうに。

 惜しいと思ったのは、『愛なんていらねえよ、夏』。
 最初の方は好みだった。
 「愛なんて信じない」男が、金のために兄を騙って盲目の少女に近づく。獲物である少女は、男に言う、「愛なんて信じない」。少女は、もうひとりの男自身の姿でもあった。
 騙して殺すつもりの男に、少女は言う、「わたしを殺して」。男の心を、少女は映す。
 愛を信じない孤独な男と少女の、戦いの物語であると、わたしは期待した。
 信じない、存在しない、だからこそ欲しいと、見てみたいと渇望しているモノをはさんで、男と少女が向き合う物語だと思った。
 傷つけあいながらも愛し合う、激しい物語だと思ったんだよ。
 ところが。
 わたしの期待した路線だったのは、最初の数話だけ。
 あっという間にヒロインは「心を閉ざした少女」から、「おにいちゃん大好き(はぁと)」の萌え萌え天使に変身。
 えーと。
 これって、男性視点で創られた物語?
 「愛なんて信じない」と心を閉ざし、棘で自分を守るかわりに孤独にしていた少女は、どこへいったの?
 あっちゅー間に、純真無垢な可憐な天使になって「おにいちゃん(はぁと)」の大安売り。
 ヒロインに感情移入できない……。
 男はこーゆーの好きだよなー。不幸で盲目で天使のよーな美少女だよ。しかも「おにいちゃん(はぁと)」だよ。ギャルゲー並みのお約束満載で、どーしよーかと思った……。
 男もあっちゅー間に心変わり。少女を殺すためにやってきたってのに「お前はオレが守る(きっぱり)」とか言ってるし。おいおい。天使様には敗北ですか、そーですか。
 最終的にふたりが愛し合うのはいいのよ。それを期待して見ていますがな。しかし、早すぎるよ、両想い。
 惹かれている気持ちに気づきながらも、えんえん戦いつづけてほしかった。相手を傷つけながら、自分も傷ついていってほしかった。それこそが、わたしにとっては萌えだったよ。
 ただの「天使美少女」と「騎士」の物語にしないでほしかった。そんなの、一山いくらで転がってるんじゃんよ。
 男が少女に惹かれていく過程もたのしみたかったのにな。少女が天使に変身したら、男も次の瞬間落ちてたよ。早っ。
 だから後半の楽しみは、男に惚れている弟分の少年と、男を追い詰めている中年ヤクザだけになってしまった。
 男視点の「妹萌えドラマ」であるうえに、この物語にはもうひとつ、「男が男に惚れるドラマ」という側面もあったんだよね。中年ヤクザの男への入れ込みっぷりは、「男のロマン」で、男視点の物語にありがちな愉快な世界だが。
 もうひとつの、弟分少年の、男への愛情過多ぶりは……なんなんだろな。しかも、カメラさんこの少年を力いっぱい「美少年」として撮ってます。しどけなくベッドに横になっているところを、足先からなめるよーに映していったりな。あ、服は着てるよ? 着てるだけに、女の子を映してるんだと思った。男の子をこんなふうに撮る意味がわからなかったから。
 男には「弟のような美少年から愛されたい」という萌えもあるのか? ギャルゲーにはひとりくらい美少年キャラがいるらしいけど。
 それともこれは、女性向けのサービスキャラなのか??
 わたしはあからさまな女性向けサービスには引くタチなので(ex『太陽の季節』)、男のロマンなのか腐女子向けなのかわからんあたりは、けっこー好きだけどさー。
 ま、わたしがいちばん萌えたのは、言うまでもなくこの美少年くんではなくて、中年ヤクザの方ですが。ああ、森本レオ様……素敵すぎます……。

 『サトラレ』と『サトリ』……じゃなかった『ぼくが地球を救う』はたのしく見ました。ただそれだけだが。
 愛華みれはごつかった……。
 『ツーハンマン』は、キャスティングのヘボさにどーしても慣れなかった。主役とヒロイン、あれってミスキャストだよね? 主役はジミーのときはいいけど、ツーハンマンに変身後がいかん。カリスマ性のカケラもなかったんだな、あの「いい人俳優」。犬系、とわたしとWHITEちゃんは呼んでるよ。血統書付きじゃない、雑種のなつこいけどまぬけな感じの犬ね。ヒロインは感情なさげなアンドロイドで、しかも老けてるし……。設定が「若い女」なのに。
 草刈正雄と真矢みき夫婦のはじけっぷりだけを救いに見てました。あーゆーうそっぽい世界だと、舞台役者の方がハマるよねえ。

 一期に一本くらいは、おもしろいドラマが見たいです。
 大阪はアニメ不毛地帯だから、アニメはあきらめてるし。

 さて、今期はなにか、たのしいものがあるかなあ。あるといいなー。

 微熱のせいで、タイプミス続出。
 文章もまとまんねーし、はよ寝ろってか……。

 
 ようやく『エースをねらえ!』を最後まで見た。
 WOWOWで放送していたやつを、録画だけしていて、まだ見ていなかったんだ。

 「3部作一挙放送!」というウリだったが、なんでTVシリーズは全部放映してくんねーんだ?
 TVアニメ『エースをねらえ!』のあとには『新・エースをねらえ!』があったはずだよね? 「♪泣きたいときはコートで泣けと あの人はあの人は教えてくれた♪」の主題歌で、ひろみたちはアメリカかどっかに行ってなかった? アニメの登場人物が英語で喋り、字幕が出ていたのが、子ども心にショッキングだったよ。

 わたしがリアルタイムで見た『エースをねらえ!』はこの『新・エースをねらえ!』だ。『エースをねらえ!』の方は見てなかった。のちにTVで映画版を見たから、それで得心していた。

 それが何年か前に再放送されたんだよね、『エースをねらえ!』。
 火曜日の深夜枠『アニメ大好き!』で。
 そのときはじめて、まともに『エースをねらえ!』を見た。
 いやー、おもしろかった。
 ビデオを録らなかったことを後悔したよ。
 たしかにね、笑える。時代のギャップに。お蝶夫人と藤堂さんに関しては、ギャグにしか思えません。身悶え系の恥ずかしさとおかしさ。

 だけど、おもしろかったんだ。

 時代のギャップに笑いの発作は起きるけど、それでもなお、おもしろかった。
 ひろみの成長と努力に、感動したさ。

 エンタメって、こうあるべきだねえ。
 気持ちいいよ、盛り上がりが。

 悪役は顔をゆがめて目がきらーん、あっ、靴に画鋲が! 口の下までもみあげ(カール付き)のある王子様はチャリンコで「乗りたまえ、送ってあげよう」、あこがれのお姉様はロングドレスで広大な西洋館に住み、とーぜん土足。
 いいなあ。なにもかもが「パーツ」として独立した強さがあるよ。
 ひとつひとつのモノが出来事が「そうでなくっちゃ!」というお約束で最高です。

 今回またその『エースをねらえ!』を1から見て。
 やっぱり藤堂さんのカール付きもみあげや、お蝶夫人の堂々たる「花の16歳、高校2年生♪」ぶりに目眩はしましたが、それでもたのしかった。感動した。
 前半の絵の汚さはすごかったが……。後半は原作の絵をなんとかモノにしたな、って感じでほっとする画面になっていたし。

 
 そして、『エースをねらえ!2』。
 わたしこれ、アニメで見るのははじめてかな。たぶん。前に放送していたのは知ってるけど、見損なっていた。
 原作では読んでいた。だから桂大吾コーチのことは知っている。

 Be-Puちゃんが「WOWOWのCMでちらりと見たんだけど……あれってホモの話?」と大真面目に聞いていたとーり、正気ぢゃねえ男の友情の物語。

 いやふつーさ……親友が不治の病だと知った途端、出家するかね。アンタ変だよ。
 なにかっちゃー、親友の幻と会話するなよ。それもドリーム入ってるよ。そのうち、桂さんの脳内の宗方さんの背中には、ピンクの羽が生えてくるんじゃないか?
「俺の天使、宗方。今日もきれいだよ」とか、話しかけそうでこわいな。

 桂コーチに関しては、まなあたたかい笑いを禁じ得ません。

 ま、それはともかく。
 起伏に富んだ物語を大変たのしく堪能しました。
 それは完結編の『エースをねらえ!ファイナルステージ』も同じ。

 独立した物語として、おもしろかった。
 でも。

 でもさ。

 あれって、『エースをねらえ!』なの?

 
 わたし原作、最後まで読んでないのね。『ファイナルステージ』の話はまったく知らない。アニメで今回はじめて見た。
 だから原作がどうだから、という話はわからない。
 原作まんまなのかそうでないのか知らないし、実はそんなことはどーでもいい。

 ただ、『2』と『ファイナルステージ』は、わたしにとっての『エースをねらえ!』ではないなと思った。

 だって、トンデモ度が下がり過ぎちゃってるもん。

 お蝶夫人も藤堂さんも、ふつーの人じゃん。
 『エースをねらえ!無印』のときの、トンデモない人たちじゃないじゃん。
 地に足の着いた、ふつーの人たちじゃんよー。

 こんな高校生いるか!(ビシッ!)
 こんな日本人いるか!(ビシッ!)
 こんな人間いるか!(ビシッ!)

 と、いちいちつっこみ入れずにはいれないよーな、バカバカしいけどものすごく濃い、魅力と破壊力を持った人たちだったのに。

 お蝶夫人は池田昌子の声でなきゃいやだ〜〜。あの気品あふれる声で「あたくし」って言ってくれなきゃいやだ〜〜(じたばた)。
 いつでもどこででもドリーム入って、勝手に自己完結する、こまったちゃんのお蝶夫人でなきゃいやだ〜〜。
 そしてそして、傲慢な女王様でなきゃいやだ〜〜!!
 弱くてヘタレなお蝶夫人なんか、わたしのお蝶夫人じゃない〜〜!!

 藤堂さんも森功至の濃い〜キザ声でなきゃいやだ〜〜。語尾は「たまえ」でなきゃいやだ〜〜。
 いつも場違いに明るくさわやかで「はっはっはっ」と笑ってくれなくちゃいやだ〜〜!!
 そしてそして、こいつ実は情緒が欠けてるだろ、てなくらい王子様してなくちゃいやだ〜〜!!
 弱くてヘタレな藤堂さんなんか、わたしの藤堂さんじゃない〜〜!!
 

 わたしはどうやら、『エースをねらえ!』の、あのトンデモな世界観を愛していたようです。
 異世界ファンタジーを見るハートで。
 剣と魔法の世界で戦争にあけくれ、身も心もぼろぼろになりながらも明日をめざす主人公に感情移入して感動するように、パラレルワールド日本を舞台にしたファンタジー『エースをねらえ!』を、愛していたのです。

 
 『2』と『ファイナルステージ』は、別ハートでたのしみました。
 でないとちょっと苦しい。
 声優も絵も世界観もちがうんだもん。

 ねえねえ、あの出崎統・杉野昭夫コンビって、どうよ?
 わたし実は、マンガ原作のアニメーション化において、この人たちの仕事はあまり、好きじゃないんだ。
 だってさ、マンガのアニメ化っていったら、原作を大切にして欲しいじゃん。マンガってのは、物語だけでなく、「絵」で語る部分も大きいんだから。
 それが、出崎・杉野コンビの手にかかると、原作無視して「彼らの」作品に作り替えられちゃう。
 同人作家が自分の絵で既存作品をパロディ化するみたいにね。
 その昔、『キャプテン翼』っちゅーマンガのパロディが一世を風靡していたころ、少女マンガのような可憐な日向小次郎や若林源三が当たり前にマンガになっていたよ。
 たしかに髪型や服装は同じ、言動も同じかもしれん。だが、顔の半分が目で星がきらきらして睫毛ぱっちり鼻筋通ってますのお前らが、日向や若林のわけがないだろおっ?! てなノリっすよ。
 たしかにひろみにしろお蝶夫人にしろ、パーツは合ってるよ。でもそれは本物のひろみたちじゃない。出崎・杉野コンビの、ひろみたちだ。
 絵も演出も、出崎・杉野コンビのオリジナルだ。
 出崎・杉野コンビのファンならいいだろうよ。でも原作のファンだったりしたら、つらいよ。

 先日アニメの『ブラックジャック』が放映されているのを見たんだがね。
 …………あれ、『ブラックジャック』じゃないっす。
 だって絵が。絵が、カケラも手塚治虫じゃないっす。ゲストキャラの美女なんて、『コブラ』に出ててもきっと不思議に思わず見てるよ……。
 つまり、『エースをねらえ!2』に出てても違和感ない手塚治虫キャラって、どうよ? てことさ。
 山本鈴美香と手塚治虫って、絵のタッチまったくちがうじゃん。
 なのに、出崎・杉野コンビの手にかかっちゃ、みんな同じさ〜〜。

 もちろん、マンガをそのままアニメにすればいいってもんじゃない。絵も演出も変わって当然だ。
 ただ、出崎・杉野コンビほど原作無視して「自分たちの」作品に変換してしまうことに、疑問を感じているんだ。
 『エースをねらえ!』だって『無印』のころは、がんばって原作の絵に似せようとしていたじゃん。それが、『2』以降は完全オリジナルだよ……。

 うまいんだけどね。出崎・杉野コンビ。
 これだけ実力があるのに、いや実力があるからか?、自己顕示力が強すぎて、残念だ。

 
 んでもって、実はみょーにおもしろかった『ファイナルステージ』。

 ひとりアメリカで黄昏れる藤堂さんのこと、心配にならなかった?
 わたしは心配でしょーがなかったよ。
 藤堂さんあなた、そんな受オーラ全開で「ボクは今傷ついてます。誰でも押し倒してください」てな風情でニューヨークなんかにいちゃダメよっ。シャワーあびたまんまの裸で、無防備にドアを開けちゃダメでしょおっ?! その男、アナタのこと狙ってるのかもよっ?!
 はらはらどきどき(笑)。
 子どものころには思いもしなかった心配だわ(笑)。

 んでもって、お蝶夫人とお蘭。
 どっちが受ですか?
 この人たち、すばらしすぎです。いつこのままカサブランカ群れ咲く世界へダイビングするのかと、はらはらしました。
 つーかお蘭、かっこいいなあ。惚れるよー。

  
 『エースをねらえ!』は変わってしまい、もう昔の『エースをねらえ!』じゃない。
 そして。
 わたしももう、昔のわたしではないのだ。
 ……汚れた大人になったもんだぜ。ふっ。


 ちょっと愕然。

 今さっき、新ドラマの『天体観測』を見たわけだ。伊藤英明・坂口憲二・オダギリジョーと、旬な美男勢揃いで、大好きな松重豊も出てるし、たのしみなドラマのひとつだったさ。
 内容は、見る前から簡単に想像できる。学生時代の仲間たちが数年後に再会、あのころのような無邪気な子どものままではいられない、夢と現実、友情と恋に悩むわけだな。
 アホアホ系ではなく、センシティヴ系。青春ものですわ。
 本来なら、好きなジャンルだ。

 なのになー。

 どーにもこーにも、薄っぺらくて、つまらなかったんだわ。
 7人もキャラがいて、全員ロープレのパーティ並にジョブが分けられていて、たぶんジョブチェンジは不可能なんだろーな。
 ひとつのパーティには、勇者と魔法使いとアーチャーと、てなふーに、決まってるのよねえ。ゴレンジャー系の戦隊モノに例えたっていいわ。赤は熱血ヒーロー、青はクール、黄はぶさいくで力持ち、てなふーに。
 なまじ『愛という名のもとに』っちゅードラマの記憶が強いだけに、「あら、あの子が保奈美ちゃんね、職業まで同じっすか? そんでもってこいつが江口でこいつが唐沢。うわー、チョロまでいるわ、まんまだわ」と、いちいちオーバーラップしてしまう。

 つまんなかったのよ。
 彼らのキャラも、抱えている悩みも、直面している現実も、なにもかもが陳腐で。

 かけらも共感できない。

 で、ちょっと驚愕、なのさ。
 日本語として変だけどな、「ちょっと」で「驚愕」てのは。

 わたし、前期のセンシティヴ・ドラマ『夢のカリフォルニア』が、まーーーーったく、ダメだったの。
 共感だとか感情移入とか、その入口にも立てない。

 「こいつら、バカ?」としか、思えなかったのよ。すべてにおいて。

 彼らの悩み苦しみ、そしてよろこびすらも、理解不能。
 なんでそんなことで、思い悩むかな。そんなことの、なにがたのしいの?
 わわわ、わかんないです。宇宙人みたいです。

 いや、やろうとしていることは、わかったの。
 センシティヴっすからね。とにかく、なにがなんでも傷つきやすく、悩まなきゃならないのよね。
 その「やらせ臭さ」がどーにも鼻について、ダメだったのよ。
 「傷つかなければならない」「悩まなければならない」という、お題目がこう、目の前に掲げてあって、それに向けてすべてのレールを敷いたような、不自然な作品だった。

 出来事があって、それにつまずき、結果として傷ついた、ならわかるのよ。
 でも、『カリフォルニア』には感じたのは、逆。
 傷つく、というゴールがあって、そのためにわざわざ出来事をねつ造している感じ。

 しらけました。
 つーか、気持ち悪かった。

 谷せんせじゃないんだからさあ。
 「人が死にました、さあ泣きなさい」と言われてもこまるよ。
 人はあんまり死ななかったけど、方法論は同じだからねえ。

 だがそれは、わたしの感性の問題なのかもしれない。
 わたしには、あんなどーでもいい、とってつけたよーなことで思い悩む若者の気持ちがわからないし、またその出来事もそれに対する周りの反応もあまりにも荒唐無稽、リアリティがまったく見えなかった。
 しかしそれは、わたしがもう若くないからなのかも、しれない。

 だから、プチ驚愕。
 『カリフォルニア』と『天体観測』、2本つづけて「傷だらけの青春」モノが理解不能なのか、わたし?!
 こんなに感性ってのは急激に衰えるモノなのか?! トシをとるものなのか?!

 まあ、せっかくトシをとるわけなんだからさ、今にしか味わえない感性を大切にしたいとは思うよ。
 若いころなら理解できなかっただろーものも、理解できるようになっているもの。
 ケツの青い小娘どもを鼻で笑って、大人の女を気取りたいものさ。

 しかし。
 少女のココロを忘れたいわけではないのだ。

 くそー。

 
 さて、今日から新ドラマ・ラッシュがはじまった。
 わたしはドラマ・オタクでもある。以前は相方とふたりで、ドラマに対してあーだこーだ言う同人誌を作ったりもしていた。

 前期はたのしいドラマが豊作で、ビデオ録りが大変だったよ、まったく。

 いちばん萌えたのは『ビッグマネー!』で、素直に手に汗握り、「がんばれトモヤ! タイゾーなんかやっつけろ!」とココロから思いましたさ。
 あとわたしは、じじばばものに弱いのね。子どもネタには不快感を持つことが多いが、じじばばネタには落涙してしまうのだよ。
 だから植木等と八千草薫の、静かで美しい愛の姿に涙したさ。
 あと個人的に松重豊が好きでねー。この人にはぜひ『ガイドル』のビッグ・ジュールをやってほしいもんさ。ケロとイメージがダブる感じの、いい男。
 いい男ぞろいのこのドラマ中、いちばん「かっこええ〜〜っ」と思ったのは、なんといっても小日向さん。「口は閉じて眼を開け」ですか、あれはもー、すばらしかったです。

 『眠れぬ夜を抱いて』にも萌えました。ああ、オジー。オジーってばオジーなのに、なんてすてきなの。
 古田新太氏は、名作『木更津キャッツアイ』以降、「わたしたちのオジー」なのです。なにをやっても「オジー」と呼ばせてもらいます。オジーのときは見るのがつらいほどぶさ*くっちゅーかデブキモおやじだったのに(オジー好きです)、『眠れぬ夜…』での男前ぶりはどうよ?! 男は顔じゃないわ、オジー!
 トオルくんは相変わらず受くささ爆発、「日本でもっとも背の高い総受」の名に恥じぬ受男っぷり。葛井には絶対喰われてるよね。ってな妄想がたのしいったら。
 そして最終回、「絶対そうだよな」と思っていた通りだ、筧さん! 康平が愛していたのは類子じゃなくて要士だよねえ。要士を取られたくなくて、類子を殺したんだよね。

 『天国への階段』は、男の夢爆発。いいなあ、男が描く男のロマンってやつは、女から見れば抱腹絶倒で。男って所詮少年ジャンプな感性持って生きるナマモノだから、かわいくておかしいね。大好きです、こーゆーの。
 佐藤浩市は、トシをとっていい具合に枯れてくれた。このドラマでは総受のお姫様。可憐です。『プラハの春』のトウコちゃんくらい可憐で総受です。
 登場人物全員が彼を愛し、彼を欲する。ここまであからさまに「争奪戦」をやられちゃうと、見てるこっちが照れちゃいます。

 他にも見ている分にはたのしいドラマもいろいろあったし、北川悦吏子の撃沈ぶりも華々しいほどだし、岡田恵和はアレどーなん、わたしゃまったくダメっちゅーかさぶいぼものだったよ、とか、思うところもそれぞれあった。

 たのしかったよ。

 つーことで今期は、どんなもんだろね。
 前人気NO.1と言えばまちがいなく『濱マイク』だよねー。いろんなところで耳にするぞ。
 映画は見てないんだが、ずっと気になる存在だった濱マイク。
 今日が第1話だったわけだが、なるほど、映画的な作り。以後期待。

 
 なんかモーレツに『シャンゼリオン』が見たくなった。
 『仮面ライダー龍騎』で、悪のライダーをやっている萩野崇くんを見ていて。
 わたしと彼の出会い作品である『シャンゼリオン』が、見たくて見たくてしょーがなくなった。

 実はわたし、持ってるのよね、『シャンゼリオン』のビデオ。全話。
 友人のオレンジさんが、市販ビデオ全巻買ったんで、それをダビングさせてもらった。市販ビデオ全巻って、たぶん10万くらいしたはず。太っ腹だわ、オレンジさん。

 でもそれも昔のこと。
 どこにしまってあったかしら、と、捜索の旅に。

 よーやく見つけたビデオは、途中まで見てたまんまなんだろーな、巻き戻されていず、とても半端なところで止まっていた。
 まあいいや、とそのまま再生。

 24話「人生最悪のナンパ」からだった。

 ぐはぁっ!!(吐血)

 ……って感じ(笑)。

 いやあ、すごい番組だ。
 バカバカしいっちゅーかなんちゅーか……。

 わかってはいたよ。
 あまりにもショボイ作品だって。
 お金をかけられていないのが丸わかりの、着ぐるみ、人形、大昔の特撮テイスト。背後にピアノ線があるんじゃないかって目をこらしてしまう。
 放映は1996年。
 でもそれ以上に古い感じ。

 制作費がほとんどなくて、音声はすべて後録りだと聞いた。
 つまり、映像だけ撮って、あとから声を録音する。俳優たちは、まるでアニメや洋画の吹き替えのように、自分の演じている役の声を自分で吹き替えをしたわけだ。
 最初に見たとき、「これ、どこの制作? 香港?」と首を傾げたのは、どーみても日本が舞台なのに、香港映画を見ているような違和感があったからだ。
 吹き替えだったからなんだ。わかってびっくり。登場人物、口の動きと台詞が微妙にズレてんだもん。そりゃ変だわ。

 そして、映画の吹き替えを旬のタレントやアイドルにさせたとき、「声優って商売が別にあるのは、こういうわけなんだ」と納得するよね?
 ふつーにテレビで演技を見てる分には平気なのに、「声」だけだと、なんでみんなあんなにヘタかな!
 「声」だけで演技するのって、また別の技術なんだよね。
 だから、映画の安直なタレント吹き替えは、ヘタすぎて見ていられない。

 それと同じさ。
 見てられなかったよ、『シャンゼリオン』。
 演技、ヘタすぎ。吹き替え最悪。

 画面がショボイ上に、演技もだめだとなると……。
 さ、さむい。
 さむいよー。

 でも。

 わたしはやっぱり好きだ。

 「人生最悪のナンパ」、おもしろかったよ。ネタの隅々までおぼえてるのに、それでもまた笑ってしまった。
 ロケで使われた東京のモンスーンカフェに、ごはん食べに行ったよ……遠い目。

 特撮に興味のないわたしが、それでも見てしまったのがこの『シャンゼリオン』だ。
 昔見た特撮を逆手に取ったような、確信犯的内容。
 子どものころに『仮面ライダー』や『ゴレンジャー』を見ていた人なら、爆笑確実。

 子ども心に思ってたもの。
 なんでショッカーは幼稚園バスを狙うんだろう。なんで総理大臣になって日本を征服しないんだろう。アメリカの大統領になって核戦争を起こさないんだろう。
 小学生でも、疑問を持つよなあ。

 そしてこの『シャンゼリオン』。
 悪役の暗黒騎士ガウザー様は、東京都知事になった。ちゃーんと立候補して、選挙で勝って(笑)。
 なんて正しい悪の組織の怪人なんだっ。

 とことんギャグで、声をあげて笑わせてくれるのに。
 ……あの、最終回。
 あれはもう、反則でしょ。
 不覚にも泣いちゃったよ。
 オレンジさんは、あの最終回を見た途端「ビデオ買おう」と思ったそーだ。10万かかったって、ビデオを揃えよう、と。
 今までの、バカ丸出しのおちゃらけストーリーが、すべて、最終回で意味を持つ。そうか、あんなにバカバカしかったのは、しあわせで愉快だったのは、こんなに哀しい現実があったからなんだ……。
 油断して見ていただけに、テレビの前でガーガー泣いた……。
 とことん、裏切ってくれる番組だ。予測不能。

 そーいや当時、友人のミジンコくんが、大真面目な顔で聞いてきたな。

「新聞の番組欄に『シャンゼリオン』っていうのがあったんだけど、どんな話?」

 特撮だよ。変身ヒーローもの。

「でもね、あたしが見たときのタイトル名、“サバじゃねえ!”だったんだけど。変身ヒーローもので、“サバじゃねえ!”の巻、って、いったいどんな番組??」

 爆笑。ウケました。
 そ、そーだね、ミジンコくん。ふつーなにかと思うよな、いかにも特撮な番組名の下に「サバじゃねえ!」と書かれてたら。

 いや、そーゆー番組だったんだよ。
 特撮ヒーローものなのに、「サバじゃねえ!」(笑)。

 そして当時。
 暁と速水、どっちが受かで悩んだなー。(あ、暗黒騎士ガウザー様こと、黒岩都知事は受。これは迷いナシ)
 
 

 

蛇の人。 

2002年6月14日 テレビ
 メル友と、『仮面ライダー』の話をしている。
 今放映されている、『仮面ライダー龍騎』の話だ。
 彼とその友人たちも、見ているらしい。

 わたしは最初の方に少し見て、そのうち見なくなってしまっていた。
 それが最近になって、再び見はじめた。それどころか、ビデオまで録っている。

 理由。萩野崇。

 ええ、その昔、『シャンゼリオン』でのーてんきヒーローをやっていた彼が、『仮面ライダー』に出る?!
 つーんで、あたふたと視聴再開。

 …………ストーリー自体、よくわかってないんで、メル友に聞いた。
 説明してもらったけど、やっぱりよくわからない。つーか、きちんと見ている友人も、「わかんないことだらけ」らしい。

 ま、いいか。

 萩野崇が見られれば、それでいいのだ。
 しかも。

 ……萩野崇って、ナルセに似てない?
 鼻とか顔の輪郭っていうか、雰囲気。
 シャンゼリオンのときは思わなかったけど、今の鬼畜極悪蛇ライダーだと、なんかこう、ナルセを彷彿とさせられる。あ、萩野くんの方がハンサムだけど(ごめんね、ナルちゃん。わたしあなたのファンだけど、あなたを美形だとは思ってないのよ……つーか、ファニーフェイスだよね、かなり)。

 つまり、わたしは二重の意味でたのしいのだ(笑)。

 ただ、このテの特撮は、狙いきったホモなので、そっちの萌えはありません。
 オタク女たるもの、据え膳に興味はないのです。

 でも、弁護士ライダーとその助手の「吾郎ちゃん」って、

>やっぱアレな関係なのかなぁ、、、、

と、メル友。
 やおいのDNAを持つ女じゃない、ふつーの男の人が見ても、そうとしか思えないわけですか。
 それって、なんなんですか。

 まあ、たのしーからいいんだけどね。
 『こんな恋のはなし』(再放送)が無事最終回を迎えた。

 このドラマが放映された97年当時、真田広之はプライベートでモメて、世の女性たちのひんしゅくをかいまくっているところだった。
 おかげで『こんな恋のはなし』おもしろいよ、と言っても、「でも真田広之でしょ?(怒)」と返され、見てもらえないことが何度かあった。
 役者なんだから、本人がどうであれ、いい仕事さえしてくれりゃ、わたしはそれでいいけどな。

 共演の松嶋菜々子は、ブレイク前。他の出演者も地味。
 ……だからか?
 評価は高かったはずなのに視聴率はふるわず、ビデオは出なかった。

 オーソドックスなテーマとストーリーを、裏切ることなく忠実に、キャラを大切に描いた佳作。

 リッチマン(真田広之)とプアマン(玉置浩二)、プアガール(松嶋菜々子)、リッチガール(戸田奈穂)の立ち位置と、関与関係がすてき。

 なかでも秀逸なのは、リッチガールの描き方だろう。

 いちばん簡単なのは、リッチガールを「厭な女」にすることだから。
 悪徳政治家の娘で、主人公の政略結婚の相手。心の美しいプアガールの恋敵。
 ふつーなら、彼女は悪役だろう。
 彼女を心の壊れたサイコ女にでもすれば、いくらでも話は盛り上がり、視聴率も取れただろう。

 でも、あえてそうせずに、リッチガールを「もうひとりのヒロイン」として描いた。彼女の「成長」をも、描いてみせた。
 だからこそ、この作品は「せつない恋物語」として機能した。

 実際わたしは、彼女に感情移入しまくりだった。盛大に泣かせてもらった。

 しかし。

 わたしがこの作品を気に入っているのは、それだけが理由ではない。

 だって……。

 この物語の真のヒロインって、主人公のリッチマン、原島でしょ?(笑)

 幼少時の体験から、「愛も恋も信じない」と心を閉ざし、冷酷に事業家としてだけ生きてきた孤独な男、原島。
 彼は医者から「あと半年の生命」と宣告される。
 立ち止まってみれば、彼は「金」以外のなにも持っていなかった。
 周りはすべて敵。
 当然だ、そういう生き方をしてきたのだから。

 その、余命の宣告を受けた日。
 原島は運命の出会いをする。

 「金」はかけらも持たないけれど、あふれんばかりの「愛」を持った男、孝之助。
 孝之助は、原島が自分たちの工場を潰しアパートを取り壊そうとしている原島グループの会長とは知らず、無償の愛を与えてくる。
 孝之助はいわば、「敵」のひとりだ。だが原島は、彼に自分の正体を告げることができない。
 彼に微笑みかけてもらえる「今」を失いたくない……。

 いや、原島はもうひとり、孝之助の妹分の香織にも出会ってて、番組的には、原島の恋の相手は香織ってことになってるけど。

 孝之助だろ?

 原島の生き方を変えたのは、孝之助。
 香織はただ、「女だった」という以外に、孝之助に勝てるものはなにも持っていない。

 原島と孝之助のラブストーリーとして見ても、いい出来なのだ(笑)。
 抱擁シーンもデートシーンもあるしなっ。
 あの別荘で、原島、なんであんたシャツの胸元開けてんの?! と、わたしと友人はつっこみましたものよ、本放送時。

 当時大事に録画したテープはあるけれど、やっぱデジタル化したいから、がんばって録画しました、今回。
 再放送ゆえカットされているスポンサー紹介や次回予告、CDプレゼントのお知らせ等も、昔のビデオからダビング、編集加工して、完璧なデータを作りました。
 がんばったぞ、わたし!(笑)

 ただホモなだけでは、萌えない。
 物語として完成度が高くなくては。
 魅力がなくては。

 そのうえでホモなら、二度オイシイのだ(笑)。

 この『こんな恋のはなし』で映りが良かったから、「真田広之と松嶋菜々子で映画? それなら見に行きましょう」ということになって、わたしはあの『リング』を見に行ってしまったのだ……。
 これもまた運命。

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