Joyful Joyful ……よろこびのうた。@『1万人の第九』リハーサル
2002年11月30日 その他「これ、アタリだから」
と、CANちゃんがわたしにささやいた。
雪組の一般発売、三番街プレイガイドの列、抽選箱まであと2人、てところで。
先に抽選を済ませたCANちゃんが、わたしのところに走り寄ってきて、小声で言ったんだ。手にした封筒を指さして。
なにを言っているのか、わからなかった。
反射的に「わかった」と答えはしたけれど、ほんとのとこは「???」。
アタリ? なに?
そしてすぐに、わたしがくじを引く番になった。
チケット用の封筒がたくさん入った箱に手を伸ばす。その封筒の中に、購入整理券が入っているわけだ。いい番号を引かなければ、のぞみのチケットは買えない。
たくさんの封筒を指ですべらして選んでいるうちに。
わかった。
CANちゃんの言ったこと。
アタリとハズレの見分け方を、教えてくれたんだ。
わたしはCANちゃんに教えてもらった通りの封筒を1枚選んだ。
すでに抽選を終えた仲間たちのもとへ行く。
封筒を開ける。
大当たり。
17番だった。
どよめきが起きたね。
誰かに背中をどやしつけられた。痛い。
「おねがい、僕の分も1枚買って!」
ボスという通り名で親しまれている方にすがりつかれた。
「わ、わかりました。ボスの分も買います」
「ほんとにいいのっ?!」
「いいです、いつもお世話になってますから」
1枚の整理券で、3枚のチケットを買うことができる。
トド様出演日の1月3日と、新人公演さえ買えれば、それでいいんだもの、残りの1枚はボスに進呈するわ。
ボスはコム姫ファン。初日のチケットを欲して、総勢9人のアルバイトを雇ってこの並びに参加していた。……なのに、ハズレばっかだったんだって。
1枚くらい回しますとも、今まで何度となくさよならショー付き大楽を回してもらってたんですから!
今回の抽選の「アタリの見分け方」に気づいたのは、わたしの5人前に並んでいたCANちゃん。
「あたしの前に並んでいた人が話しているのを、聞いたの。半信半疑で試してみたらほんとにアタリだったから、あわてて緑野に知らせたの」
ありがとうありがとう。
おかげでのぞみのチケットを買えました。
ま、今回限りだよ、この「アタリの見分け方」は。次はもうない。
それにしても、ラッキーだった。
今回から三番街プレイガイドは、チケットの発売枚数が減った。
1列目と2列目がなくなり、前方席は3列目だけとなった。
だから、わたしたちの戦いは熾烈を極める。
今までは、「1列目と2列目の1番から4番まで」がアタリ席。つまり、1日に8つはアタリ席があったわけ。
なのにこれからは、「3列目の1番から4番まで」しかアタリ席がない。
1日につき4席だけだと??
わたしたちが狙うのは、そのたった4席だけだ。あとはハズレ。いらない。
「たった4席だよ。初日は制限がないから、1人で3席買う人がいるかも。そしたらもう、おしまいだ」
と、ボスはモーニングセットを食べながら嘆く。
新公と千秋楽だけは、1人1席までと決められているんだけど、それ以外の日はフリーだからねえ。
17番の整理券を手に入れたとはいえ、たしかに心許ない話だ。
そしていざ発売、というときになって。
ボスったら、わたしの整理番号より前に知人を見つけたらしい。
「こっちの人に買ってもらうことにしたから、緑野さんは3枚とも自分の好きな席を買っていいよ!」
ええっ?!
そんなこと突然言われても。
そう、「悪い席ならいらない」のだ、ボスもその仲間たちも。3列目を買えないならもう、いらないのだ。
整理番号17番なら、どんな日にちでも買えるけど……初日の3列目以外はいらないから、買う権利が1席分、いきなり余ってしまった。
こまったなー。
……てことで、わたし、つい買ってしまった。
千秋楽。
買うつもりなかったのに、せっかくある買う権利
を捨ててしまうのが惜しくて。
トド様出演日の3列目、新人公演、そして、千秋楽……。
なんか、イベント日のチケットばっか買っちゃったよ。
わたしの次にいい整理券を手に入れていたCANちゃんは、春日野八千代大先生ファンのママと、そのつきそいの自分の分として1月3日のチケットと、本日体調不良だか寝坊だかでまた欠席しているWHITEちゃんの分の新公チケットをGET。
みなさん、実り多い発売日でございました。
てゆーか。
「なんで今日に限って、おもらいさんがいないの?」
いい整理券を手に入れて並んでいると、「整理券余ってたらください」ともらってまわるおばさんが何人かいるんだけど。
今日に限って、見あたらない。
わたしたち……整理券、めちゃ余らせてるんですけど。しかも、けっこーいい番号なんですけど。
知り合いも見あたらない、欲しがる人もいない。仕方ないから破棄しました。(うおー。もったいねー)
☆
そして本日は、『一万人の第九』リハーサル日。
前代未聞、リハーサルなのにチケット売って、一般客を入れております。さすがは平井堅! てことか。
リハとはいえ、歌うもんね、堅ちゃん。
初の生・平井堅!!
わたしはちゃっかりオペラグラス所持。
はじめて彼を見た感想は……「濃ゆっ!!」(笑)。
プログラムを買っていないわたしたちは(3000円もするんだもんよ)、彼がなにを歌うのか知りませんでした。
聞こえるのは、第九のメロディ。
しかし、歌詞は……チガウ。
これって、英語だ。
英語で第九歌ってる。
そして歌声は、そのまま聞き覚えのある歌につながる。
『リング』。
堅ちゃんの今の曲だ。
わたしは、『リング』という歌は、好きでも嫌いでもない。どーでもいいレベルの歌だった。
発見のない歌、というか。
生きるつらさやかなしさを歌うのは、よくあることだから。それでも前を向いて生きよう、なんてのは、ほんとによくある歌だから。
平井堅が歌うから説得力になってるけど、歌だけを見れば、べつにどーってことない陳腐な歌だよなー、と。
しかし。
しかし、だ。
生で聴くと、すごかった。
歌自体はそりゃ、よくある歌だよ。今まで5万回と歌われてきた歌詞だしテーマだし、フレーズだよ。
しかし。
それを平井堅が歌うと、……いや、今までもテレビで聴いてたけど、生で聴くと、こうなのか。
生きる痛みの歌が、朗々と響く。
響き渡る。
そしてその痛みの歌は、第九のメロディにつづく。
よろこびの歌に。
生きる痛みが、闇が、慟哭が、生きる力に、光に、よろこびに結びつく。
アカペラ。
英語の第九。
ここにあるのは、ひとりの人間の声。
それだけ。
祈りのような、歌声。
そして。
メロディは変わり、おなじみの『大きな古時計』になる。
……いやあ。
いいもん聴かせてもらったよー。
癒しの歌声だったよ。
わたしたち出演者は、リハとゲネプロと本番とで、3回も堅ちゃんの歌を聴けるのさ。ふふふ、ラッキー。
そっかあ、「ふろいで」は英語だと「じょいふる」なんだなあ。
「ふろいで しぇーねる」が「じょいふる じょいふる」だったよ。
第九のゴスペルアレンジ。
「堅ちゃんの第九のあとさぁ、司会者が『一万人のみなさんも3番の歌詞は一緒に歌ってください』って言ったとき、ぎょっとしたよ。英語なんてわかんないぞっ?! って」
と、リハが終わったあと合流したキティちゃん。
音大出の彼女は特別ルートがあるらしく、練習には一切参加せず、リハと本番の2日だけこの『一万人の第九』に参加しているのだ。
だもんで、わたしたちとは座席がちがい、終わってからでないと会えないの。
うん、ぎょっとした。
そりゃ第九は歌えるけど、英語の歌詞はわからないよ。
「『古時計』の3番だったんだねー。いやあ、あせったよー(笑)」
てなわけで、わたしたちは、堅ちゃんと『大きな古時計』を一緒に歌いました。
と、CANちゃんがわたしにささやいた。
雪組の一般発売、三番街プレイガイドの列、抽選箱まであと2人、てところで。
先に抽選を済ませたCANちゃんが、わたしのところに走り寄ってきて、小声で言ったんだ。手にした封筒を指さして。
なにを言っているのか、わからなかった。
反射的に「わかった」と答えはしたけれど、ほんとのとこは「???」。
アタリ? なに?
そしてすぐに、わたしがくじを引く番になった。
チケット用の封筒がたくさん入った箱に手を伸ばす。その封筒の中に、購入整理券が入っているわけだ。いい番号を引かなければ、のぞみのチケットは買えない。
たくさんの封筒を指ですべらして選んでいるうちに。
わかった。
CANちゃんの言ったこと。
アタリとハズレの見分け方を、教えてくれたんだ。
わたしはCANちゃんに教えてもらった通りの封筒を1枚選んだ。
すでに抽選を終えた仲間たちのもとへ行く。
封筒を開ける。
大当たり。
17番だった。
どよめきが起きたね。
誰かに背中をどやしつけられた。痛い。
「おねがい、僕の分も1枚買って!」
ボスという通り名で親しまれている方にすがりつかれた。
「わ、わかりました。ボスの分も買います」
「ほんとにいいのっ?!」
「いいです、いつもお世話になってますから」
1枚の整理券で、3枚のチケットを買うことができる。
トド様出演日の1月3日と、新人公演さえ買えれば、それでいいんだもの、残りの1枚はボスに進呈するわ。
ボスはコム姫ファン。初日のチケットを欲して、総勢9人のアルバイトを雇ってこの並びに参加していた。……なのに、ハズレばっかだったんだって。
1枚くらい回しますとも、今まで何度となくさよならショー付き大楽を回してもらってたんですから!
今回の抽選の「アタリの見分け方」に気づいたのは、わたしの5人前に並んでいたCANちゃん。
「あたしの前に並んでいた人が話しているのを、聞いたの。半信半疑で試してみたらほんとにアタリだったから、あわてて緑野に知らせたの」
ありがとうありがとう。
おかげでのぞみのチケットを買えました。
ま、今回限りだよ、この「アタリの見分け方」は。次はもうない。
それにしても、ラッキーだった。
今回から三番街プレイガイドは、チケットの発売枚数が減った。
1列目と2列目がなくなり、前方席は3列目だけとなった。
だから、わたしたちの戦いは熾烈を極める。
今までは、「1列目と2列目の1番から4番まで」がアタリ席。つまり、1日に8つはアタリ席があったわけ。
なのにこれからは、「3列目の1番から4番まで」しかアタリ席がない。
1日につき4席だけだと??
わたしたちが狙うのは、そのたった4席だけだ。あとはハズレ。いらない。
「たった4席だよ。初日は制限がないから、1人で3席買う人がいるかも。そしたらもう、おしまいだ」
と、ボスはモーニングセットを食べながら嘆く。
新公と千秋楽だけは、1人1席までと決められているんだけど、それ以外の日はフリーだからねえ。
17番の整理券を手に入れたとはいえ、たしかに心許ない話だ。
そしていざ発売、というときになって。
ボスったら、わたしの整理番号より前に知人を見つけたらしい。
「こっちの人に買ってもらうことにしたから、緑野さんは3枚とも自分の好きな席を買っていいよ!」
ええっ?!
そんなこと突然言われても。
そう、「悪い席ならいらない」のだ、ボスもその仲間たちも。3列目を買えないならもう、いらないのだ。
整理番号17番なら、どんな日にちでも買えるけど……初日の3列目以外はいらないから、買う権利が1席分、いきなり余ってしまった。
こまったなー。
……てことで、わたし、つい買ってしまった。
千秋楽。
買うつもりなかったのに、せっかくある買う権利
を捨ててしまうのが惜しくて。
トド様出演日の3列目、新人公演、そして、千秋楽……。
なんか、イベント日のチケットばっか買っちゃったよ。
わたしの次にいい整理券を手に入れていたCANちゃんは、春日野八千代大先生ファンのママと、そのつきそいの自分の分として1月3日のチケットと、本日体調不良だか寝坊だかでまた欠席しているWHITEちゃんの分の新公チケットをGET。
みなさん、実り多い発売日でございました。
てゆーか。
「なんで今日に限って、おもらいさんがいないの?」
いい整理券を手に入れて並んでいると、「整理券余ってたらください」ともらってまわるおばさんが何人かいるんだけど。
今日に限って、見あたらない。
わたしたち……整理券、めちゃ余らせてるんですけど。しかも、けっこーいい番号なんですけど。
知り合いも見あたらない、欲しがる人もいない。仕方ないから破棄しました。(うおー。もったいねー)
☆
そして本日は、『一万人の第九』リハーサル日。
前代未聞、リハーサルなのにチケット売って、一般客を入れております。さすがは平井堅! てことか。
リハとはいえ、歌うもんね、堅ちゃん。
初の生・平井堅!!
わたしはちゃっかりオペラグラス所持。
はじめて彼を見た感想は……「濃ゆっ!!」(笑)。
プログラムを買っていないわたしたちは(3000円もするんだもんよ)、彼がなにを歌うのか知りませんでした。
聞こえるのは、第九のメロディ。
しかし、歌詞は……チガウ。
これって、英語だ。
英語で第九歌ってる。
そして歌声は、そのまま聞き覚えのある歌につながる。
『リング』。
堅ちゃんの今の曲だ。
わたしは、『リング』という歌は、好きでも嫌いでもない。どーでもいいレベルの歌だった。
発見のない歌、というか。
生きるつらさやかなしさを歌うのは、よくあることだから。それでも前を向いて生きよう、なんてのは、ほんとによくある歌だから。
平井堅が歌うから説得力になってるけど、歌だけを見れば、べつにどーってことない陳腐な歌だよなー、と。
しかし。
しかし、だ。
生で聴くと、すごかった。
歌自体はそりゃ、よくある歌だよ。今まで5万回と歌われてきた歌詞だしテーマだし、フレーズだよ。
しかし。
それを平井堅が歌うと、……いや、今までもテレビで聴いてたけど、生で聴くと、こうなのか。
生きる痛みの歌が、朗々と響く。
響き渡る。
そしてその痛みの歌は、第九のメロディにつづく。
よろこびの歌に。
生きる痛みが、闇が、慟哭が、生きる力に、光に、よろこびに結びつく。
アカペラ。
英語の第九。
ここにあるのは、ひとりの人間の声。
それだけ。
祈りのような、歌声。
そして。
メロディは変わり、おなじみの『大きな古時計』になる。
……いやあ。
いいもん聴かせてもらったよー。
癒しの歌声だったよ。
わたしたち出演者は、リハとゲネプロと本番とで、3回も堅ちゃんの歌を聴けるのさ。ふふふ、ラッキー。
そっかあ、「ふろいで」は英語だと「じょいふる」なんだなあ。
「ふろいで しぇーねる」が「じょいふる じょいふる」だったよ。
第九のゴスペルアレンジ。
「堅ちゃんの第九のあとさぁ、司会者が『一万人のみなさんも3番の歌詞は一緒に歌ってください』って言ったとき、ぎょっとしたよ。英語なんてわかんないぞっ?! って」
と、リハが終わったあと合流したキティちゃん。
音大出の彼女は特別ルートがあるらしく、練習には一切参加せず、リハと本番の2日だけこの『一万人の第九』に参加しているのだ。
だもんで、わたしたちとは座席がちがい、終わってからでないと会えないの。
うん、ぎょっとした。
そりゃ第九は歌えるけど、英語の歌詞はわからないよ。
「『古時計』の3番だったんだねー。いやあ、あせったよー(笑)」
てなわけで、わたしたちは、堅ちゃんと『大きな古時計』を一緒に歌いました。
コメント