まだ語るか『睡れる月』の話。最後に、腐女子話。
 そーなのよ、これほど何度も語っておきながら、まだ腐女子話してなかったわ。式部卿宮@かしげに単体で萌えてただけで。

 もちろん、中納言×式部卿宮で!

 通常のわたしの嗜好からすれば、「より人間ができていない方が攻」「より愛している方が攻」なんですけどね。
 式部卿宮はヘタレの度が過ぎているので、総受よろしく!!
 いくらヘタレ攻好きのわたしでも、式部卿宮を攻にはできません。ヘタレ攻好きつっても、限度がある。ここまでバカで人畜有害な奴は、総受するがよろし。攻なんて能動的な性質を持ったら、そのへんで愚行を繰り返してろくなことにならんて。
 な? 黙ってヤられてろ?(やさしく諭す口調)

 
 わたしは、トップ・コム姫、2番手・かしげという現雪組の布陣に納得のいかない人でした。
 見た目の相性悪すぎるじゃん。コム姫は相手の色を映す「白」、かしげは完全健康な「白」。ふたり並ぶと真っ白。
 トップと2番手は、持ち味を対比させるべきだ。

 白いトップスターの横には、黒い2番手。
 黒いトップスターの横には、白い2番手。

 そーやって互いに相手にない部分を補い合い、また引き立て合うのですわ。ジェンヌは競ってこそ華。相乗効果ってヤツ。

 人気の出る組っちゅーのは、トップと2番手のキャラ相性がいいことがかなり重要。
 ヤンミキしかり、マミリカしかり、オサアサしかり。

 なのに雪組ってのは、いつもトップと2番手のキャラがかぶる組でした。

 なんでいっちゃんの横がタカネくんなのよ?
 キャラかぶってんじゃん。おかげで3番手のトドに美味しいとこ持ってかれるじゃん。トップとがっぷり組むのは2番手であるべきなのに。
 タカネくんは黒い役もできる人だけど、演出家は彼に「白い貴公子」をやらせたがった。甘い二枚目だったからな。いっちゃんは「白い役しかできない人」だし。
 トップと2番手で、お互いの魅力を相殺していた。

 なんでトドの横がタータンなのよ?
 キャラかぶってんじゃん。重くて堅い芸風。しかも救いのないことに、3番手がコウちゃん。同じキャラしかいないの、この組? 劇団は雪組を売る気まったくないのね。同期トリオとかやる前に、トップから3番手までを解体しろよー。
 トップと2番手と3番手で、それぞれの魅力皆殺し状態だった。

 そして。
 なんでコムちゃんの横がかしげなのよ?
 キャラかぶってんじゃん。どっちも白くてきれいな美形様。近くで見ればきれいだけど、2500人クラスの劇場で眺めると真っ白でなにも見えない、見分けがつかない。コム姫はアクの強いキャラと絡めるとものすげー光を発するけど、漂白剤かしげの横じゃ、輝けない。
 トップと2番手で、白いお花畑。カラーも売りも見失い中。

 トドの横にブンちゃんが来たとき、どれだけ美しい並びだったか。男臭い美形の横に、たおやかな美青年だよ。剛の横に柔だよ。
 ワタルくんの横にコムちゃんがいたとき、どれだけ美しい並びだったか。オトコマエな野郎の横に、魔性の美少年だよ。動の横に静だよ。

 コンビってのは、そうあるべきじゃん?
 テレビや映画を見たって、男ふたりのコンビはコントラストはっきりつけてるよねえ? そーしないとキャラが立たないもん。

 コム姫とかっしー。並ぶと魅力相殺中。
 ふたりのためにも雪組のためにも、なんとかならんのか……そう思っていた。

 だって雪組ってきれーで薄くて白い人たちばっかしで、唯一濃いのが、ハマコなんだもん。
 ハマコの濃さは、カウントしちゃいけない濃さだから! 路線の美形様のセクスィーな濃さとは別モンだから!
 なのに、ハマコだけだなんて……うう。
 

 そんなわたしだが。
 今回はじめてこのふたりをイイと思ったね。

 そうか、コム×かしならいいんだ!

 いやー、今まで漠然と、「かし×コム? そんな幼年向けふろくつき少女マンガみたいな絵ヅラには萌えねーんだよ」と思ってたんだが。

 そっか。コム×かしなら問題ないわけだ。

 かしげに濃くなれ黒くなれなんて無理なことは自明の理、それならコム姫が色を放てばいいんだ。

 コムちゃんはどんどん真ん中としての度量を身につけ、かっしーは相変わらず薄いヘタレ男。コムちゃんが主導権握ってる限りは、この並びもアリだわ。

 つーことで、はじめて現在の雪組布陣に狂喜乱舞。きゃーきゃー。

 
 宮様は中納言に爆裂片想い。賢い中納言はすべてをわかったうえで、あえて距離を取っている。傷ついた小鳥のよーな宮様(カラダはデカイがな)を抱いてやるのは簡単だが、それで彼の心を救えないことを知っているので、あえてカラダにも触れないのだ。
 もちろん中納言が愛しているのは大君。宮様への愛はまた別物。
 宮様にはよりシンプルな愛しか見えない。だから、その「別物」の愛が理解できず、いつも中納言の愛を渇望している。

 ああ……なんて絶望的な関係……うっとり。

 式部卿宮はバカだから愛に気づかず、男前な中納言は宮様のそのバカさすら愛しているのよー。
 彼の欠点も過ちも全部全部赦して、受け入れてしまうの。
 たとえ、最愛の大君を殺されても。聖地吉野を踏みにじられても。自分自身が殺されても。
 それでも、中納言の愛は揺るがない。ただひたすらに、式部卿宮を愛し続ける。

 
 ところで。
 小次郎@まちか × 式部卿宮@かしげ でもあるよね、この話。

 まちかとかしげぢゃ、萌えないけど。

 だって美しさと色気に欠けるんだもん……っ。
 まちかには色気があるよ。ただ、美しさがないだけで。
 かしげには美しさがある。ただ、色気がないだけで。
 ……なんて不自由な奴らなんだっ!!

 式部卿宮をいちばん愛していたのは、小次郎だろう。彼のそばで、彼の痛みや傷、過ちも慟哭も全部見てきた。だからこそ、彼のために手を汚すことを厭わなかった。
 式部卿宮とともに、堕ちる覚悟で吉野を攻めた。

 しかし。
 まちかとかしげじゃなー……ううう。

 まちか氏はいい仕事をしている、相変わらず。くそぅ、やっぱうまいぜ。彼へのインタビュー番組『舞台に懸ける#22』は大事に録画してあるよ(あたしってやっぱりまちかファンっ?!)。
 まちかは悪くない。悪いとしたらかしげの方だ。
 宮様があまりにバカなので、ラストシーンで小次郎が宮様を見捨ててしまうよーに見えるのだわ……。
 あそこでは、式部卿宮はひとつ階段を上がり、もう小次郎は役目を終えたからこそ、黙って身を引く場面なのに。かっしー宮様じゃちっとも成長したよーに見えんから、まちか小次郎が頑是ない子どもを置いていくよーに見えちゃうんじゃん。

 あうう。式部卿宮と小次郎、キャストがどちらかでもちがっていたら、わたしがいちばん萌えていたのはこのカップリングですわ。主従モノ好きなんよ……。
 しかし、いくらわたしでも、まちかとかしげでは……苦苦苦。

 
 いいや。
 中納言×宮様で萌えておこう……。


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