どうしてこの子を好きだったか、思い出した……。

 爆笑コメディ『さすらいの果てに』を観ながら、思ったんだ。

 純矢ちとせくん。

 顔の好みでいうなら、谷みずせの方が絶対好みだ。群衆の中で「あっ、あの子好み」と見つけるのは、谷みずせ系の顔。わたしと同じ好みをしているデイジーちゃんと「やっぱあの顔だよね〜〜」と盛り上がれる、好みの顔。

 はじめて観に行った数年前の音楽学校文化祭で、わたしが注目したのは凪七瑠海、望海風斗、夢咲ねね、そして暁郷(笑)。すみれ売りで写真を撮らせてもらった美弥るりか、明日海りおはどこにいるのかわかんなかった……(素顔しか知らなかったんだもん)。
 そして、いちばん興味を持ったのが、純矢ちとせ。

 わたしの顔の好みは「切れ長の細い目と長い顔、受け口と尖ったアゴ」とゆーデイジーちゃんとかぶっているパターンと、もうひとつ「カエル顔」とゆーのがある。
 でかい目が離れていると、好み。でかい口が横に広がると、好み。
 ケロちゃんは、わたしのこのふたつの好みがほどよくミックスされていたと思う。
 ゆみこちゃんとかそのかとかあすかちゃんとかは、わたしの「カエル顔スキー」ハートにぐぐっとくるのよ。

 ちとせくんは、「カエル顔」系だった。
 だからたしかに好みの顔だ。

 でも、初舞台からこっち、首を傾げていた。
 たしかに好きな顔だけどさー。わたしのいちばんの好みとはチガウんだよなー。なんでわたし、この子を好きだと思ったんだろ?
 男役とゆーより、まるまるした「女の子」に見えるちとせくんを眺めながら、そう思っていた。

 その謎が、今回よーやく解けた。

 
 通し役ももらっていない、脇の下級生のひとりにすぎない純矢ちとせ。
 しかし。

 ものすげー、アツい。

 そうか……。
 文化祭でいちばんわたしの目を引いたのは、なによりも芝居でだったんだ。
 かわいい女の子女の子した顔じゃなくて。男役にしてはえっと、てな小柄さだとか、スタイルの微妙さじゃなくて!!

 クドい、「男役」な表情。
 それが、好みだったんだ。

 思わず、過去の日記を確認しに行っちゃったよ。
 2003年2月23日の日記で、やっぱそう書いてるよ。
 日舞のときのカエル顔がとても好みだったこと、そして芝居の表情が好みであること。
 (ちなみに、最後あたりに、「男役としてソレは財産だが、年頃の娘さんとしてはどうよ?!」と余計な心配をしている生徒さんは、言わずとしれた暁郷のことだがなっ・笑)

 『お笑いの果てに』で、本筋とは関係ない、いてもいなくてもかまわないよーな借金取りの役をやるちとせくんを見て、わたしゃ抱腹絶倒だったよ。
 声殺すのに必死。

 やりすぎだから、借金取り!! そこまでしなくてもいいから!!

 てなレベルまで、ひとりでがんばってるの。濃いの。

 かわいい童顔にヒゲまでつけて。てゆーかアゴまで書きますか、ヒゲよ!

 そうか……そうだったんだ……。
 群舞のひとりだとか、通行人だとかしかやっていない本公演では、すっかりわかんなくなっていたよ。
 どうして君を見つけたのか。
 ショーではまだかわいさばかり、小柄なことが災いしてか、かわいこちゃんとしてしか使ってもらえていないことだしね。

 こんなに、濃い子だったんだ。
 熱い子だったんだ。

 ハマコやさららん、そして暁郷を好きなのと同じハートで好きなんだわ。
 手加減ナシで熱く突っ走る人が好き。格好つけずに好きなことを「好きなんどぅわぁあっ」と全身で叫ぶ人が好き。

 ヒゲ中年男を、そりゃーもーたのしそーに演じるちとせくんを見て、自分の好みを再確認したよ。

 そりゃ、デイジーちゃんがちとせくんを好きになれないわけだ……(笑)。
 デイジーちゃんとわたしは、「男の顔の好み」が笑えるほど一致しているが、わたしのもうひとつの好みのタイプは、彼女にとっては鬼門系なんだよねえ。アツ過ぎる人、苦手らしいのよ、ハマコとかハマコとかハマコとか。

 モブ兵士のひとりとして出てきても、無駄にアツく戦って死んでいくし。
 いいなあ、その体当たり感。
 フィナーレもいちばん端っこでやたら濃くアピールしながら踊っているし。

 すばらしいよ、ちとせくん。
 どうかこのまま、濃いクドい男役として育っておくれ。
 そのアツさを忘れないでおくれ。

 わたしは、その温度の高さが好き。

 でもお願い、ハマコにはならないで。ハマコはひとりで十分です(笑)。


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