タニちゃんの歌がOKな理由と同じ(笑)。@星組エンカレッジコンサート
2006年4月24日 タカラヅカ 星組『エンカレッジコンサート』のことなんだが。
個々の歌唱力云々は問わない。
正直首を傾げることもあったが、そーゆーのは別にどーでもいいんだ、わたし的に。
わたしは、「歌が下手だから、素人の発表会みたいだわ」とは、思わない。
「技術がなんだ、ワタシはスタァよ、だからここでスポットライトあびてるのよ、文句ある?! さあ、たのしんでいってよね!」とゆー、心意気があれば、それは「発表会」ではなく「コンサート」だと認識する。
たのしかった。
月組のエンカレを観て、技術ではない部分に疑問を大きく感じていたので、そこを満足させてくれた今回の星エンカレには、意外なほどたのしめた。
出演者の名前見て、気持ちはあまり盛り上がってなかったんだけどねえ。いやその、わたし的に。この面子でなにを表現するんだろう、と懐疑的だったよ。
「歌えるスター」が不在だと、公演自体に「ストーリー」が描けないのだということを、月エンカレの欄で書いた。起承転結、クライマックス、箇条書きじゃダメだ、プロのステージである以上盛り上げてくれなければ。
星のメンバーを眺めてみれば、「歌が得意」なスター、しゅんくんがいる。んじゃあきっと、月でいうところのもりえちゃんポジはしゅんくんでくるだろう、もりえちゃんは歌声に説得力がなかったが、しゅんくんなら大丈夫だな。きっとうまい歌を聴かせ、盛り上げてくれるだろう。
と、思いはしたけど。
わたしはあまり、しゅんくんに思い入れがなく、かわいこちゃんなだけの「男装した女の子」がどれほど歌がうまくても、あまりときめかないというか響かないというか、「たのしみだわ!」というわくわく感にはまったくつながらなかったのだわ。
かわいい女の子を眺めて、みきちぐとももさりのキャラをたのしみに行こう。……それくらいのハートだった。
ごめん。
しゅんくんに、謝ります。
めっさオトコマエだった。「男装した女の子」なんかではありえない、しっかりした「タカラヅカの男役」だった。
星組の他のみんなもごめんねー。なんかわたし、ナメてかかってたよー。
幕が上がるなり、なんか戦闘意欲全開!の男がふたりいて、びびりました(笑)。
わたし、前方ドセンターにいたんですが。
ななななんか、目線がすごいですよ、中央の男ふたり!
ひとりはすっきりした二枚目さん。もうひとりは、ゴツくてクドくて、二枚目ではないけどなんかものすげー存在感のある男。
二枚目の方は、マジで誰かわからなかった。
こんな子、星組にいたっけ?
……麻尋しゅんだと気づいたときは、おどろいた。
クドい方の男は、仲間内で人気(笑)の水輝涼か。ちゃんと見るのはじめてだー。
やたらエンジン全開のふたりに攻撃されて、最初からあたしゃ目が泳いじゃったわ。
とくに、水輝涼。
あーた、わたしをオトそうとしている?
わ、わわわ、わたしに気があるの?!
と、うろたえてしまうほどの目線が来るんですけど。
こわいよーこわいよー。いやその、トキメキより恐怖が……いやそのえっと。動揺。
カンチガイだということはわかっておりますが、それでもすごかったのよ、目線の絨毯爆撃。
水輝涼は目に見えてすごかったし、しゅんくんも負けてなかった。まるで藤堂さん@エースをねらえ!のよーな、一見さわやかだがありえない美形様オーラで目線光線出してるんだもの。
なんかやたら濃い男ふたりのために、必要以上に濃かったオープニングのあとは、わりとテンションが落ち着く。
そう、ひとりずつが出てきて淡々と歌う、という、「箇条書き」な構成がスタートしたんだ。
あら、うまいわこの子、とよろこんだり、えーっとコレは……とアタマを抱えたくなったりしつつも。
わたし的ポイントは、彼らの「自己表現法」なの。
そりゃ、他のすべてをなぎ倒すほど圧倒的な歌唱力があれば、それ以外なにも持たなくてもかまわないけど。そこまで行かない、「うまいよね」レベルならポイントは「どう見せてくれるか」だよ。
たとえ巧くなくても、あきらかに経験不足であっても、「伝えたい、表現したい」というアグレッシヴなものがあればたのしめる。
素人の「発表会」とプロの「コンサート」の差は、そこにあるんじゃないかな。
自分が勉強してきたことを、ひとりで反芻するのではなく、第三者に向けて発信する。自分がどうこうではなく、まず他人がどう思うかを考える。
ほら、同人誌と商業誌のちがい? 同人誌は自分だけが気持ちよければそれでいいけど、商業誌だとまず読者よね。自分だけが傑作だと思っても、読者がたのしめなかったら駄作だよね。
技術だけなら同人誌や、素人の発表会で競っていてもいい。そーじゃなくて、ここはプロのステージだから、「他人の目」を意識した「芸」が観たい。
そーゆー意味では星組、たのしい。たのしめる。
箇条書きに過ぎない部分もそれなりにたのしいんだが、途中からそこに「ストーリー」が加わるんだよね。
1幕の後半、コロちゃんの「アイーダの信念」から加速スタート。
水輝涼のドラマティック歌唱「アイーダ強き光よ」で発熱、盛り上がったところにみきちぐ登場、ムード歌謡全開の「アマール・アマール」で雰囲気を作り、さらに「歌えるスター」麻尋しゅんで「Sinner man」だ!
箇条書きだったはずの文章が、つながりをもって「物語」として作用しているのよ。
場がどんどん盛り上がっていき、発散型の曲、「Sinner man」でこれでもか!と爆発して、幕。
「歌える人」と「スターとして場を盛り上げる人」を、正しく配置した結果だろう。
トリを飾ったしゅんくんが、「歌えるスター」であったことも大きい。
ただ「スター」だというだけで、歌唱力のない人がこの構成でこの曲を歌ったら、よほどのスター性がないとスベって悲惨なことになっただろうから。
新公学年でこの構成のトリをつとめて勝利した、麻尋しゅんに心からの賞賛を送る。
おかげで、実に気持ちのいい「ストーリー」を見せてもらえた。
さらに2幕。
全員で歌うアカペラがね、みょーにたのしいの。
あー、「音で遊んでるな」と思えた。
この人たち、音をたのしんでいる。その「たのしさ」を、客席に向けているんだな、と。
だから「箇条書き」を超えて、「ストーリー」を感じさせてくれるんだなと思った。
さて、今回のコンサートを牽引する麻尋しゅんと水輝涼。
2幕では順番が入れ替わり、しゅんのあとに水輝涼、コンサートすべての大トリを飾るのが水輝涼でした。
ここの構成が月星ともに同じだったので、そーゆーコンセプトなのかしら、と思ってみたり。
「路線スター」が1幕のトリを飾り、「実力派歌手」がコンサート全体のトリである2幕最後のソロを締める。
星組は「路線スター」ポジがしゅんくんで、歌手としての仕事も十分に出来る子であり、「実力派歌手」ポジの水輝涼が、そのへんの若手路線スターよりも度胸と芝居心があって我先にと自己表現する子だったのが幸い。
いやー、盛り上がるのなんのって。
「盛り上がる」演出をしているところで、出演者が正しく任を果たし、ほんとーに盛り上げてくれるんだもの。クライマックスが、正しくクライマックスなの。気持ちいい!
あー、所詮わたしはショーよりコンサートより、「芝居」が、「物語」が好きなのね。
ダンスや歌といった技術系のことより、構成や演出が気になるし、「ストーリー」を味わいたいと思っている。
星組エンカレは、意外にも「ストーリー」があり、それがわたしをたのしませてくれた。
純粋に、「たのしかったっ」と思えたの。
しゅんくんの二枚目ぶりも感動だったし、水輝涼の濃さとやたら直撃する目線には瞠目したし(笑)。
なんだよエンカレ、ふつーにストーリーを構築することもできんじゃん〜。
幾人かの歌の技術と選曲には、疑問いろいろだったけどさ(笑)。
個々の歌唱力云々は問わない。
正直首を傾げることもあったが、そーゆーのは別にどーでもいいんだ、わたし的に。
わたしは、「歌が下手だから、素人の発表会みたいだわ」とは、思わない。
「技術がなんだ、ワタシはスタァよ、だからここでスポットライトあびてるのよ、文句ある?! さあ、たのしんでいってよね!」とゆー、心意気があれば、それは「発表会」ではなく「コンサート」だと認識する。
たのしかった。
月組のエンカレを観て、技術ではない部分に疑問を大きく感じていたので、そこを満足させてくれた今回の星エンカレには、意外なほどたのしめた。
出演者の名前見て、気持ちはあまり盛り上がってなかったんだけどねえ。いやその、わたし的に。この面子でなにを表現するんだろう、と懐疑的だったよ。
「歌えるスター」が不在だと、公演自体に「ストーリー」が描けないのだということを、月エンカレの欄で書いた。起承転結、クライマックス、箇条書きじゃダメだ、プロのステージである以上盛り上げてくれなければ。
星のメンバーを眺めてみれば、「歌が得意」なスター、しゅんくんがいる。んじゃあきっと、月でいうところのもりえちゃんポジはしゅんくんでくるだろう、もりえちゃんは歌声に説得力がなかったが、しゅんくんなら大丈夫だな。きっとうまい歌を聴かせ、盛り上げてくれるだろう。
と、思いはしたけど。
わたしはあまり、しゅんくんに思い入れがなく、かわいこちゃんなだけの「男装した女の子」がどれほど歌がうまくても、あまりときめかないというか響かないというか、「たのしみだわ!」というわくわく感にはまったくつながらなかったのだわ。
かわいい女の子を眺めて、みきちぐとももさりのキャラをたのしみに行こう。……それくらいのハートだった。
ごめん。
しゅんくんに、謝ります。
めっさオトコマエだった。「男装した女の子」なんかではありえない、しっかりした「タカラヅカの男役」だった。
星組の他のみんなもごめんねー。なんかわたし、ナメてかかってたよー。
幕が上がるなり、なんか戦闘意欲全開!の男がふたりいて、びびりました(笑)。
わたし、前方ドセンターにいたんですが。
ななななんか、目線がすごいですよ、中央の男ふたり!
ひとりはすっきりした二枚目さん。もうひとりは、ゴツくてクドくて、二枚目ではないけどなんかものすげー存在感のある男。
二枚目の方は、マジで誰かわからなかった。
こんな子、星組にいたっけ?
……麻尋しゅんだと気づいたときは、おどろいた。
クドい方の男は、仲間内で人気(笑)の水輝涼か。ちゃんと見るのはじめてだー。
やたらエンジン全開のふたりに攻撃されて、最初からあたしゃ目が泳いじゃったわ。
とくに、水輝涼。
あーた、わたしをオトそうとしている?
わ、わわわ、わたしに気があるの?!
と、うろたえてしまうほどの目線が来るんですけど。
こわいよーこわいよー。いやその、トキメキより恐怖が……いやそのえっと。動揺。
カンチガイだということはわかっておりますが、それでもすごかったのよ、目線の絨毯爆撃。
水輝涼は目に見えてすごかったし、しゅんくんも負けてなかった。まるで藤堂さん@エースをねらえ!のよーな、一見さわやかだがありえない美形様オーラで目線光線出してるんだもの。
なんかやたら濃い男ふたりのために、必要以上に濃かったオープニングのあとは、わりとテンションが落ち着く。
そう、ひとりずつが出てきて淡々と歌う、という、「箇条書き」な構成がスタートしたんだ。
あら、うまいわこの子、とよろこんだり、えーっとコレは……とアタマを抱えたくなったりしつつも。
わたし的ポイントは、彼らの「自己表現法」なの。
そりゃ、他のすべてをなぎ倒すほど圧倒的な歌唱力があれば、それ以外なにも持たなくてもかまわないけど。そこまで行かない、「うまいよね」レベルならポイントは「どう見せてくれるか」だよ。
たとえ巧くなくても、あきらかに経験不足であっても、「伝えたい、表現したい」というアグレッシヴなものがあればたのしめる。
素人の「発表会」とプロの「コンサート」の差は、そこにあるんじゃないかな。
自分が勉強してきたことを、ひとりで反芻するのではなく、第三者に向けて発信する。自分がどうこうではなく、まず他人がどう思うかを考える。
ほら、同人誌と商業誌のちがい? 同人誌は自分だけが気持ちよければそれでいいけど、商業誌だとまず読者よね。自分だけが傑作だと思っても、読者がたのしめなかったら駄作だよね。
技術だけなら同人誌や、素人の発表会で競っていてもいい。そーじゃなくて、ここはプロのステージだから、「他人の目」を意識した「芸」が観たい。
そーゆー意味では星組、たのしい。たのしめる。
箇条書きに過ぎない部分もそれなりにたのしいんだが、途中からそこに「ストーリー」が加わるんだよね。
1幕の後半、コロちゃんの「アイーダの信念」から加速スタート。
水輝涼のドラマティック歌唱「アイーダ強き光よ」で発熱、盛り上がったところにみきちぐ登場、ムード歌謡全開の「アマール・アマール」で雰囲気を作り、さらに「歌えるスター」麻尋しゅんで「Sinner man」だ!
箇条書きだったはずの文章が、つながりをもって「物語」として作用しているのよ。
場がどんどん盛り上がっていき、発散型の曲、「Sinner man」でこれでもか!と爆発して、幕。
「歌える人」と「スターとして場を盛り上げる人」を、正しく配置した結果だろう。
トリを飾ったしゅんくんが、「歌えるスター」であったことも大きい。
ただ「スター」だというだけで、歌唱力のない人がこの構成でこの曲を歌ったら、よほどのスター性がないとスベって悲惨なことになっただろうから。
新公学年でこの構成のトリをつとめて勝利した、麻尋しゅんに心からの賞賛を送る。
おかげで、実に気持ちのいい「ストーリー」を見せてもらえた。
さらに2幕。
全員で歌うアカペラがね、みょーにたのしいの。
あー、「音で遊んでるな」と思えた。
この人たち、音をたのしんでいる。その「たのしさ」を、客席に向けているんだな、と。
だから「箇条書き」を超えて、「ストーリー」を感じさせてくれるんだなと思った。
さて、今回のコンサートを牽引する麻尋しゅんと水輝涼。
2幕では順番が入れ替わり、しゅんのあとに水輝涼、コンサートすべての大トリを飾るのが水輝涼でした。
ここの構成が月星ともに同じだったので、そーゆーコンセプトなのかしら、と思ってみたり。
「路線スター」が1幕のトリを飾り、「実力派歌手」がコンサート全体のトリである2幕最後のソロを締める。
星組は「路線スター」ポジがしゅんくんで、歌手としての仕事も十分に出来る子であり、「実力派歌手」ポジの水輝涼が、そのへんの若手路線スターよりも度胸と芝居心があって我先にと自己表現する子だったのが幸い。
いやー、盛り上がるのなんのって。
「盛り上がる」演出をしているところで、出演者が正しく任を果たし、ほんとーに盛り上げてくれるんだもの。クライマックスが、正しくクライマックスなの。気持ちいい!
あー、所詮わたしはショーよりコンサートより、「芝居」が、「物語」が好きなのね。
ダンスや歌といった技術系のことより、構成や演出が気になるし、「ストーリー」を味わいたいと思っている。
星組エンカレは、意外にも「ストーリー」があり、それがわたしをたのしませてくれた。
純粋に、「たのしかったっ」と思えたの。
しゅんくんの二枚目ぶりも感動だったし、水輝涼の濃さとやたら直撃する目線には瞠目したし(笑)。
なんだよエンカレ、ふつーにストーリーを構築することもできんじゃん〜。
幾人かの歌の技術と選曲には、疑問いろいろだったけどさ(笑)。
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