まず、真ん中ありき。@Appartement Cinema
2006年4月25日 タカラヅカ そういえばわたし、『Appartement Cinema』の感想、途中ぢゃなかった?
DC楽を観る気満々だったんで、そのときにまとめて書こうと思っていたのに、観られなかったから……わーん、思い出してもくやしいよ〜〜、オサ様〜〜。
あとできちんと書くつもりだったから、初日の流し書き感想しか、書いてない。
そしてそのあと『スカウト』祭りなんかやってたから、もうなにを書くつもりだったか、ろくにおぼえていない……わーん。
『スカウト』と『アパシネ』なら、『アパシネ』の方が好きです。
『アパシネ』は毎回大泣きしたけど、『スカウト』は一度も泣けなかった。出そうになった涙も、ラストのオチで引っ込んだし。
……それでも、まっつに『アパシネ』に出て欲しかったとは、カケラも思わないけどな……どんな壊れていても誠意がなくても、『スカウト』がいい……アズ@まっつが好き……(処置ナシ)。
『アパシネ』は、初見よりも2回目以降の観劇の方が、たのしめます。
てゆーか絶対、複数回観るべき作品。
2回目の観劇のとき、わたしはnanakoさんと一緒だったんだけど。
幕間、ふたりしてもー、大騒ぎ。
「たのしいたのしいたのしいっ」
「オサ様素敵っ!!」
「ここまでオサ→ゆみってアリ?!」
このときが初見の友人キティちゃんがぽかんとしている横で、ふたりだけで盛り上がりまくり。
オチをわかったうえで観ると、1幕でオサ様とゆみこちゃんがすげー細かい芝居をしているのがわかるのよ。
ウルフ@オサが、レオナード@ゆみこを見る目がね。目がっ。郷愁と愛情に満ちた、せつないやさしい目をしているのですよっ。
レオナードもまた嘘をついているわけだから、相手の出方と自分の距離を測る、複雑な演技をじつに細かくしているわけで。
ふたりのかけひきっぷりが、もう。たまりませんよ。
オサ様とゆみこちゃんって、ほんっとに演技の相性がいいと思う。
相乗効果ってあると思うのね。このふたりを組ませると、単体でいるときよりさらに魅力的になる。
作品的には、粗がありまくりで、手直ししたくて仕方がない(笑)。
せっかくのヒロイン・アンナ@彩音とウルフはいい感じに描けているのに、書き込み不足。2幕のアンナの出番の少なさはナニ? 結婚式やってる場合ぢゃないって(笑)。
そしてなによりも、レオナード。作品の壊れた部分の代表格。この男の書き込みの少なさと出番の多さと役割の重要さ、なんとかならんのか。これほど重要キャラにするならもっときちんと書き込むべきだし、あの程度にしか書き込めないなら役を軽くするべきだ。
ゆみこちゃんがその堅実な演技力で、なんとか踏みとどまってみせてくれているけど、キャラ自体の破綻っぷりはひどい。
作者の稲葉氏は、女性との恋愛よりも男同士の友情を描く方が得意な人(好きな人)なのかもしれないな。
恋愛パートのいい加減さ(笑)と、作品バランスを壊すほどの男の友情パートの長さを見ていてそう思う。
描けるのは「男の友情」だが、タカラヅカだから恋愛しなきゃいけない。だもんで無理矢理「恋愛」を描いて、いろんな意味で失敗する。
素直にウルフとレオナードの話にしておいて、そこにアンナを絡める、程度にしておけばよかったんだと思う。アンナ役がトップ娘役お披露目になるとは、プロット段階ではわかっていなかったんじゃないのかな?
変にアンナの比重を上げなくても、象徴的に出すだけでもヒロインとしての責は果たせた思う。そーゆーキャラだろ、アンナって。
現在のなにもかもに疲れたウルフが偶然目にした、映画のヒロイン。スクリーンの中の彼女に恋をし、彼女を想う心だけを救いとする……聖母ポジションの女性。
たとえ現実の彼女が聖母でもなんでもない、落ちぶれた高慢女だったとしても、ウルフにとっての彼女の神聖さは薄れない。彼女を心配し、見守り、ちょっかいをかけ……やがて現実の彼女と恋に落ちるとしても。アンナはウルフの救いであり、聖母なんだ。
出番自体は少なくても、象徴的に使うだけでアンナはカタチになる。高慢ヒス女が、恋を知り愛を知り、成長する。男の嘘をも愛し、赦す、真の意味での聖母となる。
「女」と「恋愛」をうまく描く自信がないのならますます、アンナの比重を下げて、神秘的に使うべきだったなと。出番が少なければ粗も出ないし、観客の想像に任せられるじゃん。
そのうえで、レオナードとゴーチェ@はっちさん関連を書き込む。
アンナに費やしていた時間を、男たちの物語をきちんと描く方に回すんだ。
レオナードの復讐は? レオナード殺しの依頼人とは? 物語のきっかけ、核となる部分なのに書き込んでないって、ありえない失敗だよ。
殺し屋ウルフを取り巻く設定部分を、まずきちんと描いてくれ。
ホテル・コンチネンタルのあれこれを描くのは、その合間。群衆芝居は大好きだけど、脇キャラを動かすのが楽しくて真ん中をおざなりにするのは同人誌的だから。プロならきちんと真ん中を描いて、その余力で脇を魅力的に遊ばせてくれ。
まず、レオナードの復讐ありきだよね?
レオナードことスタンが親の復讐のためにいろいろ嗅ぎ回っていた。それをよく思わない者(=復讐相手?)が、ゴーチェにスタン殺害を依頼した。
ゴーチェの命令でスタンを殺そうとしたウルフは、スタンが幼なじみの友人であったことに気づき、殺すことが出来ずに組織を離脱。
スタンはそのまま行方をくらまし、記憶喪失のレオナードと名乗って、ホテル・コンチネンタルに現れる。
コンチネンタルで偶然再会したウルフとレオナード。病気で余命幾ばくもないウルフはレオナードの「記憶喪失」を信じ、残り少ない時間を彼と過ごせることをよろこぶ。
レオナードは、ウルフが自分を殺そうとした男だと知った上で、情報を得るためにわざと近づいた。
ウルフの居場所を知ったゴーチェは、再度レオナードを殺せと命令する。
ウルフとレオナードは話し合い、互いの真実を打ち明け合う。
ウルフはひとりホテル・コンチネンタルを去り、レオナードも本名のスタンに戻って自宅へ帰った。
……で?
このあと、どーなったんですかい?
ウルフがスタンを殺さなくても、スタンサイドの話はなんの決着もついていない。
nanaタンは反対するけど、やはりレオナードと家出主婦サラ@きらりとの意味のない恋愛もどきをまるっと削って、スタンの復讐話をきちんと書き込むのがいちばん正しい方法だろうな。
サラとの話がなければ、奥さんとの関係も問題がなくなるし。レオナードがサラに手を出すから、ただでさえ書き込み不足のレオナードというキャラクタが、ただの書き込み不足から破綻にまでレベルアップしちゃうんだよなー。
サラといいアンナといい、無理に女を絡め、無理に恋愛色を出そうとして失敗している。
もともとこの物語に、女も恋愛も大して必要ではなかったせいだろう。
それがもったいない。
「恋愛」の描き方のスノッブさも含めて、作者自身の若さが出ているのかな。
改編を望む。
コレを下敷きにして、軌道修正し、破れたところを繕ってくれ。
男たちの物語と、彼らの殺伐とした人生の光となる女たちの物語として。そして、彼らの人生が交差するホテルの物語として。
DC楽を観る気満々だったんで、そのときにまとめて書こうと思っていたのに、観られなかったから……わーん、思い出してもくやしいよ〜〜、オサ様〜〜。
あとできちんと書くつもりだったから、初日の流し書き感想しか、書いてない。
そしてそのあと『スカウト』祭りなんかやってたから、もうなにを書くつもりだったか、ろくにおぼえていない……わーん。
『スカウト』と『アパシネ』なら、『アパシネ』の方が好きです。
『アパシネ』は毎回大泣きしたけど、『スカウト』は一度も泣けなかった。出そうになった涙も、ラストのオチで引っ込んだし。
……それでも、まっつに『アパシネ』に出て欲しかったとは、カケラも思わないけどな……どんな壊れていても誠意がなくても、『スカウト』がいい……アズ@まっつが好き……(処置ナシ)。
『アパシネ』は、初見よりも2回目以降の観劇の方が、たのしめます。
てゆーか絶対、複数回観るべき作品。
2回目の観劇のとき、わたしはnanakoさんと一緒だったんだけど。
幕間、ふたりしてもー、大騒ぎ。
「たのしいたのしいたのしいっ」
「オサ様素敵っ!!」
「ここまでオサ→ゆみってアリ?!」
このときが初見の友人キティちゃんがぽかんとしている横で、ふたりだけで盛り上がりまくり。
オチをわかったうえで観ると、1幕でオサ様とゆみこちゃんがすげー細かい芝居をしているのがわかるのよ。
ウルフ@オサが、レオナード@ゆみこを見る目がね。目がっ。郷愁と愛情に満ちた、せつないやさしい目をしているのですよっ。
レオナードもまた嘘をついているわけだから、相手の出方と自分の距離を測る、複雑な演技をじつに細かくしているわけで。
ふたりのかけひきっぷりが、もう。たまりませんよ。
オサ様とゆみこちゃんって、ほんっとに演技の相性がいいと思う。
相乗効果ってあると思うのね。このふたりを組ませると、単体でいるときよりさらに魅力的になる。
作品的には、粗がありまくりで、手直ししたくて仕方がない(笑)。
せっかくのヒロイン・アンナ@彩音とウルフはいい感じに描けているのに、書き込み不足。2幕のアンナの出番の少なさはナニ? 結婚式やってる場合ぢゃないって(笑)。
そしてなによりも、レオナード。作品の壊れた部分の代表格。この男の書き込みの少なさと出番の多さと役割の重要さ、なんとかならんのか。これほど重要キャラにするならもっときちんと書き込むべきだし、あの程度にしか書き込めないなら役を軽くするべきだ。
ゆみこちゃんがその堅実な演技力で、なんとか踏みとどまってみせてくれているけど、キャラ自体の破綻っぷりはひどい。
作者の稲葉氏は、女性との恋愛よりも男同士の友情を描く方が得意な人(好きな人)なのかもしれないな。
恋愛パートのいい加減さ(笑)と、作品バランスを壊すほどの男の友情パートの長さを見ていてそう思う。
描けるのは「男の友情」だが、タカラヅカだから恋愛しなきゃいけない。だもんで無理矢理「恋愛」を描いて、いろんな意味で失敗する。
素直にウルフとレオナードの話にしておいて、そこにアンナを絡める、程度にしておけばよかったんだと思う。アンナ役がトップ娘役お披露目になるとは、プロット段階ではわかっていなかったんじゃないのかな?
変にアンナの比重を上げなくても、象徴的に出すだけでもヒロインとしての責は果たせた思う。そーゆーキャラだろ、アンナって。
現在のなにもかもに疲れたウルフが偶然目にした、映画のヒロイン。スクリーンの中の彼女に恋をし、彼女を想う心だけを救いとする……聖母ポジションの女性。
たとえ現実の彼女が聖母でもなんでもない、落ちぶれた高慢女だったとしても、ウルフにとっての彼女の神聖さは薄れない。彼女を心配し、見守り、ちょっかいをかけ……やがて現実の彼女と恋に落ちるとしても。アンナはウルフの救いであり、聖母なんだ。
出番自体は少なくても、象徴的に使うだけでアンナはカタチになる。高慢ヒス女が、恋を知り愛を知り、成長する。男の嘘をも愛し、赦す、真の意味での聖母となる。
「女」と「恋愛」をうまく描く自信がないのならますます、アンナの比重を下げて、神秘的に使うべきだったなと。出番が少なければ粗も出ないし、観客の想像に任せられるじゃん。
そのうえで、レオナードとゴーチェ@はっちさん関連を書き込む。
アンナに費やしていた時間を、男たちの物語をきちんと描く方に回すんだ。
レオナードの復讐は? レオナード殺しの依頼人とは? 物語のきっかけ、核となる部分なのに書き込んでないって、ありえない失敗だよ。
殺し屋ウルフを取り巻く設定部分を、まずきちんと描いてくれ。
ホテル・コンチネンタルのあれこれを描くのは、その合間。群衆芝居は大好きだけど、脇キャラを動かすのが楽しくて真ん中をおざなりにするのは同人誌的だから。プロならきちんと真ん中を描いて、その余力で脇を魅力的に遊ばせてくれ。
まず、レオナードの復讐ありきだよね?
レオナードことスタンが親の復讐のためにいろいろ嗅ぎ回っていた。それをよく思わない者(=復讐相手?)が、ゴーチェにスタン殺害を依頼した。
ゴーチェの命令でスタンを殺そうとしたウルフは、スタンが幼なじみの友人であったことに気づき、殺すことが出来ずに組織を離脱。
スタンはそのまま行方をくらまし、記憶喪失のレオナードと名乗って、ホテル・コンチネンタルに現れる。
コンチネンタルで偶然再会したウルフとレオナード。病気で余命幾ばくもないウルフはレオナードの「記憶喪失」を信じ、残り少ない時間を彼と過ごせることをよろこぶ。
レオナードは、ウルフが自分を殺そうとした男だと知った上で、情報を得るためにわざと近づいた。
ウルフの居場所を知ったゴーチェは、再度レオナードを殺せと命令する。
ウルフとレオナードは話し合い、互いの真実を打ち明け合う。
ウルフはひとりホテル・コンチネンタルを去り、レオナードも本名のスタンに戻って自宅へ帰った。
……で?
このあと、どーなったんですかい?
ウルフがスタンを殺さなくても、スタンサイドの話はなんの決着もついていない。
nanaタンは反対するけど、やはりレオナードと家出主婦サラ@きらりとの意味のない恋愛もどきをまるっと削って、スタンの復讐話をきちんと書き込むのがいちばん正しい方法だろうな。
サラとの話がなければ、奥さんとの関係も問題がなくなるし。レオナードがサラに手を出すから、ただでさえ書き込み不足のレオナードというキャラクタが、ただの書き込み不足から破綻にまでレベルアップしちゃうんだよなー。
サラといいアンナといい、無理に女を絡め、無理に恋愛色を出そうとして失敗している。
もともとこの物語に、女も恋愛も大して必要ではなかったせいだろう。
それがもったいない。
「恋愛」の描き方のスノッブさも含めて、作者自身の若さが出ているのかな。
改編を望む。
コレを下敷きにして、軌道修正し、破れたところを繕ってくれ。
男たちの物語と、彼らの殺伐とした人生の光となる女たちの物語として。そして、彼らの人生が交差するホテルの物語として。
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