狭き門より入れ。@アルバトロス、南へ
2006年7月15日 タカラヅカ 何故、バウホールなのか。
不満だった。
不思議だった。
トップスター主演のオギー新作、というだけで、客が入ることがわかりきった公演。
そこに、そのトップスターが退団発表。
……バウホールなんかじゃ、足りるはずがない。
何故、「観たくても観られない」状態をつくる? ダフ屋を儲けさせるためか?
商業演劇である以上、需要に釣り合った供給をするべきだろう。『花供養』を日生で1ヶ月も公演した経営観念ゼロ集団に言っても無意味なのか?
朝海ひかるバウ・スペシャル『アルバトロス、南へ』。
仲間たちのがんばりのおかげで、わたしにもチケットが回ってきた。ありがたく青年館に駆けつける。
何故、バウホールなのかがわかった。
これは、バウでやることがテーマのひとつなんだ。
あの小さな、濃密な空間で演じること。
それが、必要不可欠なんだ。
ええ。
オギー全開。
ごめんわたし、なめてた。
最近のオギーはもう、痛いものを作らないのかと思っていた。やさしいもの、わかりやすいもの、世間に迎合した大人なものしか作らないのかと思っていた。
それは成長だと思う。思うから、さみしいけれど許容していた。
チガウ。
オギーは、オギーだ。
ハコに合わせ、客に合わせて濃度を変えているだけだ。
ここはバウホール。
小さな、濃密な空間。
チケットなんか、ふつーの人には取れない。
そう。
ふつーの人なんか、観に来なくてイイ。
超チケ難を乗り越えて、人脈でも金でもいい、手段を選ばずあの小さな劇場にやってくる情熱を持った人だけをターゲットにした、そーゆー作品。
ディープなコムファン、もしくはオギーファン、観ていいのは彼らだけ。
一見さんだとか一般人だとかをふるい落とすために、バウホールなんだ。
だって、ふつーの人のこと、まったく考えてないよ?
「ついて来られる者だけ、ついて来い」てな作品だよ?
や、それでもオギーだから、仕掛けをいっぱいして、ふつーの人でもたのしめるように誤魔化しているけど。
ほんとーのターゲットは、「バウホールに集まるコアなファン」だけでしょ?
青年館だって、ほんとーは必要なかった。
コアでディープなファン以外が入り込む余地がある。彼らを置き去りにしてしまう。また、ハコの大きさと環境の悪さが作品の足を引っ張っていたことも事実。なんなんだ、あの音響の悪さ!
バウホールで、舞台も客席も巻き込んで別次元までトリップすることが、この公演の意図なのだと思う。
1幕は、言い訳のようにふつー。
そして2幕で、牙を剥く。
4人のヒロイン、ひとりめ、ふたりめ、さんにんめ、過去のコム出演作品をめぐる物語。
そして真髄、よにんめのヒロインが現れる物語で、オギー芝居は最高潮を迎える。
わたしは、コムファンでなくて良かった。
コムちゃんは大好きだけど、いちばんのご贔屓ではない。
よかった。
よにんめのヒロイン、いづるんとの物語でわたしはもう、叫び出しそうだった。
しゃくりあげる声を抑えるのに必死だった。
こんなおそろしいものをみせられて、正気でなんていられない。
コムファンでなくて良かった。
いちばんのご贔屓じゃないのに、観終わったあとに立てなくなった。泣きすぎて貧血起こすのはわたし的にめずらしいことじゃないけど(迷惑な)、過呼吸起こして手が痙攣起こしたのははじめてだ。
ファンじゃないのに、ここまでクるのよ?
あたしがマジなコムファンだったら、死んでるよ!!
コムが「オギー役者」だということはわかっていた。
オギーのもっともオギーらしい部分を表現しうる役者だということは、わかっていた。
オギーがオギー役者のために、オギー作品を書いたら、どうなるのか、ずっと観たいと思っていた。
こうなるのか。
あの芝居、タカラヅカでやっていいの?
やばいだろ。
オギー、ほんと今まで、手加減して書いてたんだねえ。『マラケシュ』とか他のショー作品とか、ほんとに大衆を意識して、薄めて作ってたんだねえ。
2幕の毒は明確な刃となって「朝海ひかる」を表現する。
そして、長すぎるフィナーレで言い訳をする。
物語の毒がきつすぎたことを、フォローする。
まったくのフォローにはなってないんだけどね。
ここで『パッサージュ』やっちゃってるからさあ(笑)。痛さは健在。でも、見た目の美しさで毒を「共鳴する人にだけ」限定して流しているので、健康な人たちには大丈夫だろう。
青年館は、散漫すぎる。
この作品の真骨頂は、バウホールでのみ味わえる。
この作品は、人を選ぶ。
だから、無理をして観る必要はない。
この作品を「必要」だと思う人だけが、どんな手段でもとって、バウホールへ行くべきだ。
この作品をわからない、つまらない、不要だと思ったって、そんなのぜんぜんかまわない。
最初から、ターゲットを明確にしているだけのこと。人間の数だけ感性と価値観はあるのだから、観る側が「選ぶ」べきだ。
わたしは、バウホールへ行きたい。
不満だった。
不思議だった。
トップスター主演のオギー新作、というだけで、客が入ることがわかりきった公演。
そこに、そのトップスターが退団発表。
……バウホールなんかじゃ、足りるはずがない。
何故、「観たくても観られない」状態をつくる? ダフ屋を儲けさせるためか?
商業演劇である以上、需要に釣り合った供給をするべきだろう。『花供養』を日生で1ヶ月も公演した経営観念ゼロ集団に言っても無意味なのか?
朝海ひかるバウ・スペシャル『アルバトロス、南へ』。
仲間たちのがんばりのおかげで、わたしにもチケットが回ってきた。ありがたく青年館に駆けつける。
何故、バウホールなのかがわかった。
これは、バウでやることがテーマのひとつなんだ。
あの小さな、濃密な空間で演じること。
それが、必要不可欠なんだ。
ええ。
オギー全開。
ごめんわたし、なめてた。
最近のオギーはもう、痛いものを作らないのかと思っていた。やさしいもの、わかりやすいもの、世間に迎合した大人なものしか作らないのかと思っていた。
それは成長だと思う。思うから、さみしいけれど許容していた。
チガウ。
オギーは、オギーだ。
ハコに合わせ、客に合わせて濃度を変えているだけだ。
ここはバウホール。
小さな、濃密な空間。
チケットなんか、ふつーの人には取れない。
そう。
ふつーの人なんか、観に来なくてイイ。
超チケ難を乗り越えて、人脈でも金でもいい、手段を選ばずあの小さな劇場にやってくる情熱を持った人だけをターゲットにした、そーゆー作品。
ディープなコムファン、もしくはオギーファン、観ていいのは彼らだけ。
一見さんだとか一般人だとかをふるい落とすために、バウホールなんだ。
だって、ふつーの人のこと、まったく考えてないよ?
「ついて来られる者だけ、ついて来い」てな作品だよ?
や、それでもオギーだから、仕掛けをいっぱいして、ふつーの人でもたのしめるように誤魔化しているけど。
ほんとーのターゲットは、「バウホールに集まるコアなファン」だけでしょ?
青年館だって、ほんとーは必要なかった。
コアでディープなファン以外が入り込む余地がある。彼らを置き去りにしてしまう。また、ハコの大きさと環境の悪さが作品の足を引っ張っていたことも事実。なんなんだ、あの音響の悪さ!
バウホールで、舞台も客席も巻き込んで別次元までトリップすることが、この公演の意図なのだと思う。
1幕は、言い訳のようにふつー。
そして2幕で、牙を剥く。
4人のヒロイン、ひとりめ、ふたりめ、さんにんめ、過去のコム出演作品をめぐる物語。
そして真髄、よにんめのヒロインが現れる物語で、オギー芝居は最高潮を迎える。
わたしは、コムファンでなくて良かった。
コムちゃんは大好きだけど、いちばんのご贔屓ではない。
よかった。
よにんめのヒロイン、いづるんとの物語でわたしはもう、叫び出しそうだった。
しゃくりあげる声を抑えるのに必死だった。
こんなおそろしいものをみせられて、正気でなんていられない。
コムファンでなくて良かった。
いちばんのご贔屓じゃないのに、観終わったあとに立てなくなった。泣きすぎて貧血起こすのはわたし的にめずらしいことじゃないけど(迷惑な)、過呼吸起こして手が痙攣起こしたのははじめてだ。
ファンじゃないのに、ここまでクるのよ?
あたしがマジなコムファンだったら、死んでるよ!!
コムが「オギー役者」だということはわかっていた。
オギーのもっともオギーらしい部分を表現しうる役者だということは、わかっていた。
オギーがオギー役者のために、オギー作品を書いたら、どうなるのか、ずっと観たいと思っていた。
こうなるのか。
あの芝居、タカラヅカでやっていいの?
やばいだろ。
オギー、ほんと今まで、手加減して書いてたんだねえ。『マラケシュ』とか他のショー作品とか、ほんとに大衆を意識して、薄めて作ってたんだねえ。
2幕の毒は明確な刃となって「朝海ひかる」を表現する。
そして、長すぎるフィナーレで言い訳をする。
物語の毒がきつすぎたことを、フォローする。
まったくのフォローにはなってないんだけどね。
ここで『パッサージュ』やっちゃってるからさあ(笑)。痛さは健在。でも、見た目の美しさで毒を「共鳴する人にだけ」限定して流しているので、健康な人たちには大丈夫だろう。
青年館は、散漫すぎる。
この作品の真骨頂は、バウホールでのみ味わえる。
この作品は、人を選ぶ。
だから、無理をして観る必要はない。
この作品を「必要」だと思う人だけが、どんな手段でもとって、バウホールへ行くべきだ。
この作品をわからない、つまらない、不要だと思ったって、そんなのぜんぜんかまわない。
最初から、ターゲットを明確にしているだけのこと。人間の数だけ感性と価値観はあるのだから、観る側が「選ぶ」べきだ。
わたしは、バウホールへ行きたい。
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