緒月遠麻が、カッコイ〜〜!!

 全国ツアー『ベルサイユのばら−オスカル編−』週末は3週連続東京(で、平日はムラ)というスケジュールにヘコんでいるわたしに、友人たちは口を揃えて言った。

「なら、さいたま行くのやめたら? 所詮『ベルばら』でしょ?」

 たかはな見送りと、コム姫アルバトロスのための東下りは仕方あるまい。しかし、間の『ベルばら』って? そこまでする演目か? 現にツレだったはずのドリーさんは海外旅行を取ったぞ?
 さいたまくんだりまで行っても、ひとりぼっちだぞ? 行くの、やめたら?

 うおおお(苦悩)。

 …………行く。
 でも、行く。

 水くんと壮くんと、ヲヅキを見るの!!

 バカみたいなスケジュール組んでまで強行した、理由はソレ。
 ええ。

 理由のひとつに、緒月遠麻が入っております。

 全ツ公演グッズで、唯一購入したのは、ヲヅキのアラン@バスティーユ写真。
 PCの横に、ゆーひカシウス様と並んで飾ってあります。(ええっ、まっつは?! ……その下。今は見えない……まっつ……)

 あああ。
 かっこいー……かっこいーよヲヅキ……。

 新公であまりのかっこよさにクラクラになったアランが再び。しかもミズカルを相手に見られるなんて、もぉ、行くっきゃないでしょう!

 ミズカル相手でも、ちゃんとヲヅキアランは漢でした。
 なんなのあの肉厚さ。
 横に立てばあのオカ……いやその、微妙なオスカル様がちゃんと「男装の女性」に見えるぢゃないか!

 ヲヅキのすばらしさのひとつは、あの体格。
 痩せてないのがいいのー。
 リアルな肉感。もともと巨乳さんだから、あのでかいチチをつぶすと、あの分厚い胸板になるのねー。でも筋肉ぢゃなくて脂肪(なんせ元がチチ)だから、抱きしめられたら弾力があって気持ちいいんだろなー(笑)。
 顔はこれからトシと共にぷくぷく具合が落ち着いていくんだろーけど、カラダはあの厚みを保ってほしいわん。スマートだとか華奢だとかばかりじゃつまんないわよ、いろんな色男がいてくれないと。

 でかくて、ごつくて。
 野性的な色男を演じると、映える映える。

 そして、ヲヅキの魅力のひとつである、誠実な演技。

 荒くれているときでも、静かなときでも、妹にめろめろになっているときでも。
 そのキャラクタの人格が見えるたしかな演技に釘付け。

 ミズカルとの相性もいいよね。
 水くんのナチュラルさに、ヲヅキの濃さがよくマッチしている。

 アンドレがあまりに空気読めてないカンチガイ男ぶっちぎりなので、あたしゃひたすら、アラン×オスカルで夢を見たわ……。お似合いじゃん、あんたら……そのまま出来上がっちゃえよー。

 もっともこの公演は、あちこち見るのが忙しかったので、新公のときほどヲヅキだけガン見していたわけじゃない。
 水くんのことも見ていたし、壮くんが出てくるとツボに入って大変だったし、そのうえ何故か無意識に、まちかをさがしてしまうし……。
 圭子女史のたのしそーな2役ぶりとか、悠なお輝のうさんくささとか、ラギくんのかわいらしさとか、キングのやたらやる気にあふれた姿だとか、リサちゃんのかわいらしさだとか。
 あー、リサちゃんには、フィナーレでウインクされてびっくりした。娘役でもウインクするんだ……わたしだけでなく、別会場で見たkineさんも言ってたから、ほんとにガンガンやってんだなー。いやあ、ときめいちゃったよ、美少女にアピられて! リサちゃんがんばれー!

 フィナーレの薔薇タンは、いろいろ違和感が。

 その、まず、視覚的にね。

 薔薇タンの真ん中といえば、ちっこくて、そのくせめちゃくちゃ濃いぃい巻き舌男でしょう?!

 壮くんがトウコちゃんと同じ衣装着て、「オレってかっこいー!」全開に、サワヤカにきらめいているのが、違和感ありまくり。
 おお、でかいぞー。そして、くどくないぞー。濃くないぞー。
 ウインクもとばしていたそーですが、わたしは横のヲヅキを見ていたので、よく知りません。

 ヲヅキ氏はなんか、怒ってました。

 いや、怒ってるんぢゃなくて、真面目な顔で踊ってたんですけどね。メイクと顔がアレだから、怒ってるよーに見える(笑)。
 アピールは弱いよね。客席見てないし。
 ヲヅキがノリノリでキザってアピって、客席タラシこむよーになれば、無敵だよなあ。や、そんなヲヅキ、ヲヅキぢゃない気もするが(笑)。
 どんくさい誠実さのまま、いてほしい気もするぞ。

 
 作品的には、ペガちゃんがなくなった分の時間で、アンドレがロザリーに余計なお世話を焼くシーンと、衛兵隊のシーンが増え、ムラ版よりずっとまともな作りになっている。アンドレのお節介がいいシーンかどうかは置くとして、ムラ版ではあまりに出番なさ過ぎだったからな。
 オスカルと衛兵隊がわかりあうところで1幕が終わったりして、やっぱり、オスカルのダーリンってアラン? と、わたしをよろこばせてくれたし(笑)。
 ラストはガラスの馬車がないかわりに、幼稚園のお遊戯会のような天国の書き割りが言い訳のように使われていて、最後にガツンと失笑させてくれるし。や、ここのソウドレもまたすごいんだ!(笑)

 ムラ版ほど徹底的に破壊されているわけでもないんだが、それでもムラ版を最初に観たときくらい、大爆笑させてもらった。
 まあ、そのほとんどは壮くんがひとりで持っていった感じだけど。
 すげえや、壮一帆。

 『ベルばら』も、1回観る分にはたのしくていいんだ。腹がよじれるくらい笑えることなんて、日常でも映画を見てもマンガを読んでも、ほとんど経験できないことだからな。
 雪ムラ『ベルばら』だって、最初の1回は涙が出るほど笑い、ひとに話したくてうずうずして、コミュニケーションツールとして上等なものだと思ったよ。
 ただ、繰り返し観ると、どうしても破壊された倫理観や歪みきった世界観に対する嫌悪の方が強く出てしまい、笑えなくなる。

 全ツ『ベルばら』も、1回だからよかったんだ。
 おかしくて、しあわせで、ひとに話したくてたまらなくて、一緒に笑いたくてたまらなくて、ひとが生きていくうえでの大切なことを全部一度にくれたよ。

 無理して、あんなひどいスケジュールで、それでも行って良かった、さいたま。

 ミズカルに会えた。
 ソウドレに会えた。
 そして好みの男、ヲヅキアランに会えた。

 それだけでも、価値があった。

 すばらしきかな、タカラヅカ。

 

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