美貌では、5組中いちばんだと思っているよ。@Young Bloods!!
2006年7月13日 タカラヅカ さいとーくんはほんと、引き出しの少ない人だなあ。
『Young Bloods!! −魔夏の吹雪−』第2部のショー「肝心KANAMEショー!!」を観て、つくづく思った。
どこかで観た、過去の齋藤作品のつぎはぎかよ?!
いやまあ、わたしはさいとーくんテイスト好きだから、焼き直して使い回してくれても、べつにいいっちゃーいいんだけどね。
ナゼかBGMにエンキ氏が協力していて、琵琶が景気良く鳴りっぱなし。作品の雰囲気作りに役立つ……というより、エンキ氏の演奏に、頼り切った状態。
コレ、エンキ氏の音楽がなかったら、もっとサムいことになってたんだろうなあ。
過去作品の焼き直しだから、これといった失敗もなく、ふつーに「ショー」になっていたんではないかと。
ただ。
ショーってのはほんと、真ん中の仕事が大きいんだなと。
真ん中の人が出すエネルギーがハンパぢゃないもんなのね。真ん中が「ふつー」程度の熱量を放出しても、ソレは「負けている」状態になるもんなんだ。
バウホールでショーをする価値が、わかるよ。
「真ん中」の力が如実にわかる。
星『ヤンブラ』は、真ん中がれおんだった。彼はエリート中のエリート、過保護なまでに、「絶対転ばない道」だけを歩まされてきた御曹司だ。
重ねてきた経験は無駄にはならず、きちんと「真ん中」の仕事をしてみせた。
花『ヤンブラ』のそのかは、ええっと、「真ん中」教育をカケラも受けていないし、これからも真ん中に立つかどうかアヤしい立場の人。熱量はあったけれど、「ショー作品」の真ん中を締める人ではなかったと思う。経験値をあげたことで、さらにいい男になり、これからさらに活躍してくれることを期待しているけど。こののち「大劇場」の「真ん中」に立つべき人かというと……ええっと。
月『ヤンブラ』まさきは、そのかと同じく「真ん中」教育をほとんど受けていなかったにもかかわらず、本人の強い強い意志で「ここが真ん中!」を示していた。技術もあるにはあるが、それ以上に力技で輝くことを知っていた。
3組続けて観てきて、今回で4組目。
雪『ヤンブラ』かなめくんは、「真ん中」教育を受けてきた人だと認識している。正確には、受けている途中、かな。学年的なこともあるが、現時点でまさきよりはぜんぜん路線ど真ん中のエリートくん。このまま行けば、何年後かにはトップスターになるんだろうな、という線路を順調に走る男の子。
しかし……。
薄い。
芝居の方でも、彼が主役に見えなかった。もちろん、美しさにおいて彼にかなう者はひとりもいないのだけど。
芝居はせしるが力技で持っていったからなあ。役がオイシイとかいう以前の問題で。
「真ん中」としての仕事はしている。言われただけのことはちゃんとやっている。
でも、「それだけ」なんだよなあ。
空気が動かない。
彼が自力で空気を動かしていない。場面が変わるから雰囲気が変わるだけで、彼自身のオーラでなにかをしている節はない。
たとえばトップスターは自分で空気を動かす。発散するエネルギーで、目に見えないレベルの「なにか」を変化させる。
ソレを、大劇場クラスのハコでやってのけるから、トップスターってのはほんとに尋常じゃないと思うよ。あの広大な空間で、団体客とか一見さんとか、そもそも「舞台を観る意識」のない人までもが一定数混ざっている場所で、空気を掌握するのって、常人に出来ることじゃないって。
そんなトップスターの仕事とはチガウにしろ。
バウホールという小さなハコで、観客のほとんどが高密度の意識で舞台に集中している「若手ワークショップ」という恵まれた状況で、「真ん中」が空気を動かさなくて、どうする。
「言われたこと」だけやってるんじゃなく、「それ以上」のことをなりふりかまわず貪欲にやらないと、「空気を動かす」ことはできないんだよなあ。
タカラジェンヌはみんな真面目だから、「言われたこと」「やらなきゃならないこと」はほんとに一生懸命やるけど、「それ以上」はやっぱ難しいのかな。
「それ以上」を出せる人と出せない人に分かれるのかも。
ふつーの「常識的な人」とか「いい人」には、難しいんだろうなあ。ひととはちがった、あるいはなにかしら「いびつな」ものを持った人が、「それ以上」を出すのかもしれない。
そのかといい、かなめくんといい、ふつーっぽいもんなあ、感性が。
超エリート人生、「ワタシ、生まれたときから非凡ですから!」という体制で育てられたれおんや、「ワタシ、性格悪いですけど、それがナニか?」みたいなまさきとはチガウんだろうなあ。
や、ただの勝手な感想ですよ、いい人悪い人なんて。わたし、誰のことも個人的に知りませんから。
かなめくんから感じるのは、「ふつーの人」ということ。
卓越したスタイルや、美貌は充分非凡なんだけど。人間的に、「ふつーの人」の範囲なんだろーなと。
かなめくんの男役姿はきれーでかっこよくはあるけれど、そこに「きれいでいよう」「かっこよくあろう」という意識は見えるけれど、「このオレの美しさで、ファンを虜にして人生誤らせてやろう」なんて意識はカケラもなさそーだったってこと。
ファンを「美しさで、よろこばせたい」とは思っていても、「美しさで、泣かせてやりたい」とは思っていなさそーだってこと。
えーと。
ファンなんて、破滅させてナンボだよねえ?
自分の舞台を観るために給料全部注ぎ込んで毎日通い、高価な貢ぎ物して当然、いやむしろそーゆーファンをあたりまえにたくさん抱え込まなきゃダメだよねえ?
ファンの人生なんか、狂わせまくって、自分のためだけに生きさせなきゃ、ダメだよねえ?
なにひとつ犠牲にせずにヅカなんて金のかかる趣味、やってらんないよねえ。ファンはなにかしらスターに「捧げて」いるんだよねえ?
……そういう結果になることを上等だと思って、「真ん中」に立たなきゃダメだよねえ? きれいごといったって、つまりはそーゆーことなんだし。
そして、それに見合うだけのモノを舞台の上から「返す」のがスターの仕事だよねえ。
これからかなめくんがどう育つのかはわからないが、現時点で「真ん中の意識」が薄いように思えた。
そしてそれが、彼の芸風の薄さになっているのだなと。
かなめくんがあのスタイルと美貌で、「真ん中」として空気を動かす力を得てくれたら、どれほどすばらしいことになるだろうと思う。
その未来を、見てみたいと思うよ。心から。
ただ現時点では、あの小さなハコの空気すら動かせない、そもそも動かそうと思っていないように見えることに、落胆する。
『Young Bloods!! −魔夏の吹雪−』第2部のショー「肝心KANAMEショー!!」を観て、つくづく思った。
どこかで観た、過去の齋藤作品のつぎはぎかよ?!
いやまあ、わたしはさいとーくんテイスト好きだから、焼き直して使い回してくれても、べつにいいっちゃーいいんだけどね。
ナゼかBGMにエンキ氏が協力していて、琵琶が景気良く鳴りっぱなし。作品の雰囲気作りに役立つ……というより、エンキ氏の演奏に、頼り切った状態。
コレ、エンキ氏の音楽がなかったら、もっとサムいことになってたんだろうなあ。
過去作品の焼き直しだから、これといった失敗もなく、ふつーに「ショー」になっていたんではないかと。
ただ。
ショーってのはほんと、真ん中の仕事が大きいんだなと。
真ん中の人が出すエネルギーがハンパぢゃないもんなのね。真ん中が「ふつー」程度の熱量を放出しても、ソレは「負けている」状態になるもんなんだ。
バウホールでショーをする価値が、わかるよ。
「真ん中」の力が如実にわかる。
星『ヤンブラ』は、真ん中がれおんだった。彼はエリート中のエリート、過保護なまでに、「絶対転ばない道」だけを歩まされてきた御曹司だ。
重ねてきた経験は無駄にはならず、きちんと「真ん中」の仕事をしてみせた。
花『ヤンブラ』のそのかは、ええっと、「真ん中」教育をカケラも受けていないし、これからも真ん中に立つかどうかアヤしい立場の人。熱量はあったけれど、「ショー作品」の真ん中を締める人ではなかったと思う。経験値をあげたことで、さらにいい男になり、これからさらに活躍してくれることを期待しているけど。こののち「大劇場」の「真ん中」に立つべき人かというと……ええっと。
月『ヤンブラ』まさきは、そのかと同じく「真ん中」教育をほとんど受けていなかったにもかかわらず、本人の強い強い意志で「ここが真ん中!」を示していた。技術もあるにはあるが、それ以上に力技で輝くことを知っていた。
3組続けて観てきて、今回で4組目。
雪『ヤンブラ』かなめくんは、「真ん中」教育を受けてきた人だと認識している。正確には、受けている途中、かな。学年的なこともあるが、現時点でまさきよりはぜんぜん路線ど真ん中のエリートくん。このまま行けば、何年後かにはトップスターになるんだろうな、という線路を順調に走る男の子。
しかし……。
薄い。
芝居の方でも、彼が主役に見えなかった。もちろん、美しさにおいて彼にかなう者はひとりもいないのだけど。
芝居はせしるが力技で持っていったからなあ。役がオイシイとかいう以前の問題で。
「真ん中」としての仕事はしている。言われただけのことはちゃんとやっている。
でも、「それだけ」なんだよなあ。
空気が動かない。
彼が自力で空気を動かしていない。場面が変わるから雰囲気が変わるだけで、彼自身のオーラでなにかをしている節はない。
たとえばトップスターは自分で空気を動かす。発散するエネルギーで、目に見えないレベルの「なにか」を変化させる。
ソレを、大劇場クラスのハコでやってのけるから、トップスターってのはほんとに尋常じゃないと思うよ。あの広大な空間で、団体客とか一見さんとか、そもそも「舞台を観る意識」のない人までもが一定数混ざっている場所で、空気を掌握するのって、常人に出来ることじゃないって。
そんなトップスターの仕事とはチガウにしろ。
バウホールという小さなハコで、観客のほとんどが高密度の意識で舞台に集中している「若手ワークショップ」という恵まれた状況で、「真ん中」が空気を動かさなくて、どうする。
「言われたこと」だけやってるんじゃなく、「それ以上」のことをなりふりかまわず貪欲にやらないと、「空気を動かす」ことはできないんだよなあ。
タカラジェンヌはみんな真面目だから、「言われたこと」「やらなきゃならないこと」はほんとに一生懸命やるけど、「それ以上」はやっぱ難しいのかな。
「それ以上」を出せる人と出せない人に分かれるのかも。
ふつーの「常識的な人」とか「いい人」には、難しいんだろうなあ。ひととはちがった、あるいはなにかしら「いびつな」ものを持った人が、「それ以上」を出すのかもしれない。
そのかといい、かなめくんといい、ふつーっぽいもんなあ、感性が。
超エリート人生、「ワタシ、生まれたときから非凡ですから!」という体制で育てられたれおんや、「ワタシ、性格悪いですけど、それがナニか?」みたいなまさきとはチガウんだろうなあ。
や、ただの勝手な感想ですよ、いい人悪い人なんて。わたし、誰のことも個人的に知りませんから。
かなめくんから感じるのは、「ふつーの人」ということ。
卓越したスタイルや、美貌は充分非凡なんだけど。人間的に、「ふつーの人」の範囲なんだろーなと。
かなめくんの男役姿はきれーでかっこよくはあるけれど、そこに「きれいでいよう」「かっこよくあろう」という意識は見えるけれど、「このオレの美しさで、ファンを虜にして人生誤らせてやろう」なんて意識はカケラもなさそーだったってこと。
ファンを「美しさで、よろこばせたい」とは思っていても、「美しさで、泣かせてやりたい」とは思っていなさそーだってこと。
えーと。
ファンなんて、破滅させてナンボだよねえ?
自分の舞台を観るために給料全部注ぎ込んで毎日通い、高価な貢ぎ物して当然、いやむしろそーゆーファンをあたりまえにたくさん抱え込まなきゃダメだよねえ?
ファンの人生なんか、狂わせまくって、自分のためだけに生きさせなきゃ、ダメだよねえ?
なにひとつ犠牲にせずにヅカなんて金のかかる趣味、やってらんないよねえ。ファンはなにかしらスターに「捧げて」いるんだよねえ?
……そういう結果になることを上等だと思って、「真ん中」に立たなきゃダメだよねえ? きれいごといったって、つまりはそーゆーことなんだし。
そして、それに見合うだけのモノを舞台の上から「返す」のがスターの仕事だよねえ。
これからかなめくんがどう育つのかはわからないが、現時点で「真ん中の意識」が薄いように思えた。
そしてそれが、彼の芸風の薄さになっているのだなと。
かなめくんがあのスタイルと美貌で、「真ん中」として空気を動かす力を得てくれたら、どれほどすばらしいことになるだろうと思う。
その未来を、見てみたいと思うよ。心から。
ただ現時点では、あの小さなハコの空気すら動かせない、そもそも動かそうと思っていないように見えることに、落胆する。
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