几帳面に、あらすじを。@新人公演『ファントム』
2006年7月18日 タカラヅカ なんつーか、疲れる作品だった、新人公演『ファントム』。
出演者以前、物語の構成っちゅーか短縮具合が。
2時間半の公演を、1時間半強にまとめるのは、そりゃー大変だろうと思う。小柳せんせーとか、いつも見事に失敗しているし。
ストーリーラインを追うのをあきらめて、ただのハイライト集にするか、それとも初見の人にもストーリーがわかるようにダイジェストにするか。アプローチは複数あるし、実際にどう料理するかはさらに可能性が広がっている。
はじめて名前を聞く新人演出家・生田大和氏は、「ダイジェスト」を選んだようだ。
そしてその、「ダイジェスト」の作り具合がね……なんつーかねー……。
「43字×17行で1Pで、250Pにまとめてくださいね」と言われて書いていた文章が、「すみません、なんか延びちゃって、今数えたら300Pあるんですよー、どうしましょー」なんてことになったとして。それで「仕方ないですねー、じゃあそれでいいです」と言ってもらえりゃいいが、「困ります、50P削ってください」と言われるときもあるわけで。
その、削るとき、どうするか。
そりゃーみみっちく、1文字1文字削るのですよ。1行と1〜3文字くらいで終わっている文章があったら、句読点を減らしてみたりひらがなに開いてあった文字を漢字にしてみたりして、44字目が 。 で終わるようにしたりな。句読点は文章末に無理矢理挿入されるから、これで1行稼げたぞ、しめしめ。みたいな。
場面転換のとき2行開けていたのを1行にするとか、ちょうどページが変わるときに章が変わるように、17行目でその章のラスト、次のページの1行目からは新章の見出し、とか、とにかく余白を作らないように行数操作しまくる。
それで規定枚数に収まればいいし。
もし収まらなかったら今度は、文字や行数の話ではなく、文章の内容にもメスを入れる。
会話のやりとりになっているところを、ひとりで相手の疑問点までも全部一気に説明することにしてみたり。会話やエピソードに開いて進めていた説明を、地の文で概要だけ説明して終わらせたり、サービス会話やシーン程度ならさくっと削ってみたり。
とにかく、「本筋」に関係ないところを、できるだけ本編のカラーを変えないように削ぎ落としまくる。
表紙先入稿してある同人誌とかね、勝手にページ数増やせないときとか、自分で段組変えたりポイント数変えたり、とにかくちまちま削るよ。
……ソレを、思い出した……。
『ファントム』の「あらすじ」を書いたら、こうなりました。……って感じなのよ。
そこにあるのは「本筋」だけ。大本に関わること以外は全部削ぎ落としました。残ったのは「あらすじ」だけです。てか。
それも、ものすごーく細かい、神経質な削り方。
場をまるまる削るよりも、1場で台詞を7個削って2場で4個削って、3場で6個削って……というふうに、全体的にちまちまと削ってある。
物語を進めるための、キャラクタを解説するための、最低限の台詞だけ残して、あとは削る。話の途中であっても以下略、てなふーに削る。
本公演の脚本を広げ、赤ペンとストップウォッチを持って、「この台詞、削れるな。よし! 5秒短縮に成功。こっちの台詞も削れるな。おお、7秒短縮に成功!」とやっている姿が目に浮かぶよーな……。
そーやって「本筋」以外残らなかった『ファントム』は、派手なシーンやお遊びシーンがなくなり、それだけならまだきれいな衣装がなくなっただけだからいいけど、さらに余白だとか情緒だとかいうカタチにならないファジィなものまで全部、つまり顔やカラダの肉まで削ぎ落とした、骨だけになった。
まちがってないよ。
本筋は残ってるから。骨格標本みたいな姿になっはいるけど、まちがってない。骨はどこも欠けていないし、ゆがめられたわけでもない。
ただ……。
疲れた。
本筋しか、ほんとーに必要な台詞やシーンしか存在しない芝居を1時間半強も見せられて。
最初から「無駄なモノは一切ない」という作りのものではなく、仕方なく「削ぎ落とした結果」だからさー。「本筋」以外の部分がないと、バランス悪いんだわー。計算されてないんだもん、ぜんぜん。
リズム悪い、ノリが悪い、つまらな……ゲフンゲフン。
「まちがってない」から、いいんだけど。
でもわたし、この略し方、好きぢゃないなぁ……。自分が文章削るときに、「こんなふーにはならないようにしよう」と、反面教師にしたくなるですよ、はい。
生田氏は真面目な官僚気質で冒険はしないタイプかな。創意工夫より定型重視というか。加点を狙うより、減点をおそれるというか。
ソレはソレでアリだと思います、はい。
出演者の話は、また欄を改めて。
出演者以前、物語の構成っちゅーか短縮具合が。
2時間半の公演を、1時間半強にまとめるのは、そりゃー大変だろうと思う。小柳せんせーとか、いつも見事に失敗しているし。
ストーリーラインを追うのをあきらめて、ただのハイライト集にするか、それとも初見の人にもストーリーがわかるようにダイジェストにするか。アプローチは複数あるし、実際にどう料理するかはさらに可能性が広がっている。
はじめて名前を聞く新人演出家・生田大和氏は、「ダイジェスト」を選んだようだ。
そしてその、「ダイジェスト」の作り具合がね……なんつーかねー……。
「43字×17行で1Pで、250Pにまとめてくださいね」と言われて書いていた文章が、「すみません、なんか延びちゃって、今数えたら300Pあるんですよー、どうしましょー」なんてことになったとして。それで「仕方ないですねー、じゃあそれでいいです」と言ってもらえりゃいいが、「困ります、50P削ってください」と言われるときもあるわけで。
その、削るとき、どうするか。
そりゃーみみっちく、1文字1文字削るのですよ。1行と1〜3文字くらいで終わっている文章があったら、句読点を減らしてみたりひらがなに開いてあった文字を漢字にしてみたりして、44字目が 。 で終わるようにしたりな。句読点は文章末に無理矢理挿入されるから、これで1行稼げたぞ、しめしめ。みたいな。
場面転換のとき2行開けていたのを1行にするとか、ちょうどページが変わるときに章が変わるように、17行目でその章のラスト、次のページの1行目からは新章の見出し、とか、とにかく余白を作らないように行数操作しまくる。
それで規定枚数に収まればいいし。
もし収まらなかったら今度は、文字や行数の話ではなく、文章の内容にもメスを入れる。
会話のやりとりになっているところを、ひとりで相手の疑問点までも全部一気に説明することにしてみたり。会話やエピソードに開いて進めていた説明を、地の文で概要だけ説明して終わらせたり、サービス会話やシーン程度ならさくっと削ってみたり。
とにかく、「本筋」に関係ないところを、できるだけ本編のカラーを変えないように削ぎ落としまくる。
表紙先入稿してある同人誌とかね、勝手にページ数増やせないときとか、自分で段組変えたりポイント数変えたり、とにかくちまちま削るよ。
……ソレを、思い出した……。
『ファントム』の「あらすじ」を書いたら、こうなりました。……って感じなのよ。
そこにあるのは「本筋」だけ。大本に関わること以外は全部削ぎ落としました。残ったのは「あらすじ」だけです。てか。
それも、ものすごーく細かい、神経質な削り方。
場をまるまる削るよりも、1場で台詞を7個削って2場で4個削って、3場で6個削って……というふうに、全体的にちまちまと削ってある。
物語を進めるための、キャラクタを解説するための、最低限の台詞だけ残して、あとは削る。話の途中であっても以下略、てなふーに削る。
本公演の脚本を広げ、赤ペンとストップウォッチを持って、「この台詞、削れるな。よし! 5秒短縮に成功。こっちの台詞も削れるな。おお、7秒短縮に成功!」とやっている姿が目に浮かぶよーな……。
そーやって「本筋」以外残らなかった『ファントム』は、派手なシーンやお遊びシーンがなくなり、それだけならまだきれいな衣装がなくなっただけだからいいけど、さらに余白だとか情緒だとかいうカタチにならないファジィなものまで全部、つまり顔やカラダの肉まで削ぎ落とした、骨だけになった。
まちがってないよ。
本筋は残ってるから。骨格標本みたいな姿になっはいるけど、まちがってない。骨はどこも欠けていないし、ゆがめられたわけでもない。
ただ……。
疲れた。
本筋しか、ほんとーに必要な台詞やシーンしか存在しない芝居を1時間半強も見せられて。
最初から「無駄なモノは一切ない」という作りのものではなく、仕方なく「削ぎ落とした結果」だからさー。「本筋」以外の部分がないと、バランス悪いんだわー。計算されてないんだもん、ぜんぜん。
リズム悪い、ノリが悪い、つまらな……ゲフンゲフン。
「まちがってない」から、いいんだけど。
でもわたし、この略し方、好きぢゃないなぁ……。自分が文章削るときに、「こんなふーにはならないようにしよう」と、反面教師にしたくなるですよ、はい。
生田氏は真面目な官僚気質で冒険はしないタイプかな。創意工夫より定型重視というか。加点を狙うより、減点をおそれるというか。
ソレはソレでアリだと思います、はい。
出演者の話は、また欄を改めて。
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