すみません、コーネリアス@ちぎが好みでした……(笑)。

 『UNDERSTUDY』において、スターとしての存在感、実力、華などたっちんがずば抜けていて、その光の影にかすむように可憐に(笑)七帆がとりあえず立っていて、でかい七帆の後ろ、さらに影になったところにちぎがいる。
 影の影かよ。影薄っ。存在感弱っ。
 着ぐるみカチャの方が勝ってないか?
 ……とゆー状態なのに。
 そのダメっぷりも含め、ちぎが好みでした(笑)。

 ヘタレ男、好物ですから!

 あのイケてない立ち姿とか、衣装の着こなしなってねぇ、とか、ストーリーがぜんぜんなくて自己完結している、にしてももう少し演じようがあるだろう、という突き放し感とかも、かえって好みですわ。
 「UNDERSTUDY」でも主役ばっか演じるリーダー格で実際成功して、そのうえその成功すらしれっと捨ててしまうアレック@七帆とちがい、佇まいが二枚目風、というだけで、あとはまったくいいとこナシなコーネリアスが、たまらなく素敵です(笑)。
 コーネリアスにいいところがあるとしたら、ジュリア@たっちんという恋人がいるってことのみだもんなー。
 主役に見えるジュリアの相手役つーことで、コーネリアスも底上げされた感じ。

 1幕終わったときあたしゃ、
「ねーねー、この芝居の主役ってたっちん? でもってちぎが相手役? それってすごくね?」
 と、nanaタンに言い、
「大丈夫、2幕はちぎの出番ナイから」
 と、にっこり返されたなー。

 わたしもまさか、ジュリアの話とかが放置されたまま勝手に終了するとは思ってないから、1幕でネタ振りがあったことはすべて、2幕で膨らませて解決するんだと思い込んでいたもんよー。まさか、ネタを振ったこと全部するっと無視して終わるとは思ってなかったもんよー。ははは、さすが、『JAZZYな妖精たち』の作者だ。
 悩むジュリアの恋人として出てきて、おまけにアレックに役を取られたりして、いちおー、ストーリーがありそうな感じではじまったのに、なにもはじまらずに終わった。それまでのエピソードを回収してもらえず、ご都合主義な改心だけでエンドマーク、よーするにコーネリアスってのは、いてもいなくても同じ、ただの背景キャラですか、そーですか。
 ええそして、そーゆーかわいそーな役ってのが、萌えどころなのだわ、わたし的に。
 言うならば、鼓よりも軽い命@『天の鼓』のまっつ的な萌えです(笑)。

 主要人物風に登場して、瞬間風速「主役の相手役」みたいで、成功への脚かがりを掴んだと思ったらぬか喜びで、瞬間風速「主役のライバル?!」だけど、結局なんでもなくて。
 持ち上げたあとは必ずオトされ、総じてどーでもいい扱い。優男でさえあればヨシ、みたいな存在意義の軽さ。
 めっさ好み(笑)。

 作者に構成力がないために破壊された物語とキャラクタ。その歪みを背負わされるご都合主義キャラ。主役マンセーしてたら時間なくなっちゃったあ、脇だからこいつなんかどーでもいいや、てきとーてきとー♪ ……みたいな描き方されたキャラ。
 いいですなあ、そーゆーひどい扱いのキャラを、薄幸に演じてくれたりしたら、すげー萌えですってばよ。

 ちぎくんは今回、いろんなことに振り回されていたのか、精彩を欠いていた。
 そのできなさ加減が「薄幸さ」につながり、いい味を出していたのな(笑)。

 ちぎくんは真ん中コースを歩む人だろうし、こんな軽いままぢゃやばいと思うんで、ひたすらエールを送りますわ。
 役の浅さや軽さを覆すほどの熱と力を身につけてくれー。とりあえず美形なんだからさー。

 
 『UNDERSTUDY』は青春群像劇なのに、人と人のつながりが弱いのがイタ過ぎる欠点かと。
 脇の子たちの背景っぷりがもったいない。変な劇中劇をやっているヒマがあったら、たった十数人の出演者全員の人間関係を描くエピソードを入れてやってくれよ。ひとり台詞3つずつとかでもいいから、彼らが誰でナニを目指していて誰と仲が良くてとか、そーゆーことを描いてくれ。

 仲間だなんだというわりに、人間関係が見えたのがジュリアとコーネリアスだけだったんだもんなあ。
 アレックは誰とも心を通じ合わせているよーには見えないし、ハーミア@アリスに至ってはなんのためにいるのかもわからないし……。
 人形劇の女の子と着ぐるみ青年レベルのエピソードでいいから、他の子たちも使ってやってくれよ。や、このふたりももう少しちゃんと描いてほしかったけど。アレックがあの濃度ぢゃ無理か……。
 アレックとコーネリアスだって、もう少しなんとかならなかったのか? アレぢゃ友人以下、ただのクラスメイト程度の関係濃度だよ。

 そんななか、ぶっちぎりで愛し合っているのが、オヤジふたり。

 キャラ設定がきちんとされていて、エピソードの補完があり、起承転結があるのが、サー・ブライアン@立さんとケビン@汝鳥さん。
 いやあの、うまい人たちにそんなことやらせてないで、お勉強しなきゃならないひよっこたちに、「人と人とのつながり」がわかるシーンの演技をさせてやってください、演出家の先生様。

 まあなあ、ワークショップではない通常公演だというなら、せめて彼らの芝居でも見せてもらわなきゃ、看板に偽りアリってことになっちゃうのかなあ。
 『Young Bloods!! 』とのちがいは、専科さんがいるかいないかだよな、ほんとに。

 あ、あとはもちろん、ミスター・グッドリッチ@まりえった。
 まりえったは、この作品きっての「癒しキャラ」だった。
 彼の演じる妖精パック(ヒゲ付き)はすばらしいですよ……。

 脚本が悪いのがいちばんの原因だけど、個人個人がとても薄かったのが残念。
 真ん中を際立たせるために脇は脇に徹するのが宙組クオリティなのかもしれないが、群像劇風だったのだからもう少し……ああ、でもこの脚本ぢゃ無理か……。
 『Le Petit Jardin』で戦闘意欲満々だったちぎですら、あれだけ薄くなっていたんだから、仕方ないのかもなあ。個人技より、「みんなでシェークスピア」「みんなで、青春ってすばらしい、夢を追うってすばらしい!」を歌い上げることにのみ集中してたもんなあ。

 誰が良くて誰が悪かったというより、「出演者全員」の汗と涙の結晶、って感じの舞台に泣けた。
 一途に夢を追う姿に感情移入し、せつなくてしあわせで、見終わった瞬間はとても満足できた。

 でも振り返ってみると……ええっと。

 好きだよ、『UNDERSTUDY』。
 そのスピリッツごと、愛しい。
 でも、粗もボロボロ見えて、手放しでは褒められないし、人にも勧められない(笑)。
 七帆の美貌と、たっちんの歌を堪能しろ。てだけかな、売りは。
 谷め……(笑)。

 とりあえず、とゆーか結局のところ萌えは。

「立さん攻の汝鳥さん受、でいいか」

 役名で言いましょう、サー・ブライアンとケビンですってば。
 終演後、開口一番そう言ったところ。

「緑野さんなら、そう言うと思った」

 nanakoさんにはすっかりお見通しのようです。てゆーか、nanaタンもそう思っていたってことだよね?(笑)


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