以前、ワタさんファンのモリナカ姉が、ムラ『ドルチェ・ヴィータ!』の銀橋で、紳士@ワタさんが航海士@ケロをお持ち帰りすることで、きゃーきゃー喜んでいた。
モリナカ姉は腐女子ではないのに、男役であるワタさんが相手役を無視して他の男役とラヴラヴ去っていく行くことをなんであんなよろこぶんだろー? と、わたしが首を傾げていると。
ワタさんファンのkineさんが、解説をしてくれた。
男に対しても包容力を発揮するということは、ワタさんの男ぶりを上げることになる。だから、ファンはときめくのではないだろうか、と。
なるほど。
ふつーの男役なら、娘役を相手にするだけで精一杯だ。だけどワタさんなら、男らしい男役ですら、腕の中で可憐にしてしまえる。これほど大きな男が他にいるだろうか。
だから、漢・湖月わたるが、男と絡もうと女と絡もうと問題ナシ。ファン的には、ワタさんのかっこよさが損なわれることも、幻想が壊されることもない。
そうさ、男でも女でも……オカマでも。
いやあ、びっくりしました。
『TCAスペシャル2006 ワンダフル・ドリーマーズ〜人は夢見る〜』最大の売りは、幻の公演『月夜歌聲』の1シーンを再現するっちゅーことでした。
退団が決まったワタさんコム姫、このふたりが、カップルとして出演していた幻の……駄作。ごめん、映像化されていないことで美化され事実がねじ曲がっているよーだけど、『月夜歌聲』は駄作ですよ。ひどい話だった。……でも、ワタさんは漢らしかったし、コム姫はごっつーきれいだった。最後の姫抱っこで客席中のオペラグラスが上がるという、ツボを突いた作品だったさ。
まあその、いわく付きの『月夜歌聲』再現。
ファンからのリクエスト名場面をトップスターによって再現、という企画。ただ扮装して1曲歌うか踊るだけという「名場面? 再現? 場面でも再現でもないやん、1曲デュエットするだけなら、ディナーショーでもエンカレでもできるやん!」という、看板に偽り有りなお安い構成であったとしても。
とりあえず、再現。
ワタさんはチャイナ服で上手花道に登場し、対するコム姫は下手花道に登場した。
「……オカマ」
コム姫ガン見状態のわたしは、思わずつぶやいていた。そして、
「ダメですよ、そんなこと言っちゃ!」
オトナなサトリちゃんに、肘で突かれた。
いや、だってその。
そこにいるイキモノは、なんとも摩訶不思議なイキモノだった。
美しい。
美しい……のだけど、なんだ? 男なのか? 女なのか?
顔も雰囲気もすべて男なんだけど、わざとらしいまでに、胸が盛りあがっている。
や、オトナなサトリちゃんは、「これだけ? ふたりしか出ないのっ?」と、オトナげないことを続けて口走ってましたが(笑)。いや、しいちゃんは出ないと思うよ……この構成ぢゃあ。
昔のTCAみたく、ちゃんとした芝居の1場面を再現してくれたら、2番手役で出演していたしいちゃんの出番もあったかもしんないけど。
他のトップコンビたちも、ふたりしか出ないもんよ。
もちろん、ウェンフー@ワタさんとアンシア@コム姫のみの登場。
さて、下手から登場した謎のイキモノは、いつも通り漢らしいワタさんとデュエットをして、銀橋の真ん中で抱擁していた。
えーと。
コレ、再現してよかったのかなあ?
『月夜歌聲』は美しい思い出にしておいた方がよかったんじゃあ……?
再現というより、まったくの別物に見えた。
ワタさんは芸風自体は変わらない人だったが(深みを増したし、もちろん成長していたわけだけど)、コム姫は3兄弟時代とトップになってからは別人だからなあ。
『アルバトロス、南へ』でオギーがコムに「昔の役」をやらせなかったわけだ。同じ衣装を着て同じ歌を歌ったって、同じにはならない。大人になったとかの「時間」の問題ではなく、「ジャンル」の問題だ。猫は年を取っても猫だが、コム姫は子猫から豹へ変わってしまった人だから。や、姿は似てるけどソレ、別モノだから。今さら子猫の耳つけて現れても、猫に見えない、豹だよソレ、という。
わたしは子猫ちゃん時代のコム姫を好きになった人間だが、ソレはソレとして、獰猛かつしなやかな大型獣である現在のコム姫もダイスキだ。彼が進化していく過程を眺めているのは、じつにたのしかった。
その進化の結果、たどりついたひとつの「答え」がこのアンシア@『月夜歌聲』なんだ。
昔は男役より娘役姿の方が魅力的だと言われていた。転向の噂がずっとあった。
男役として人気が出ても、中性だとか女装だとか少年だとか、イロモノ扱いをされていた。
そのあたりだよな、『月夜歌聲』があったの。
それがトップスターになってからは、どんどん男らしくなっていって。姿と芸風のギャップ。華麗かつ可憐、でありながら、柔ではなく剛であるという気質。
おもしろいなあ、コム姫。かっこいいなあ、コム姫。
雪組で3兄弟やっていたころは、ジルベール@コム、セルジュ@トウコ、パスカルもしくはカール@なるせ、オーギュスト@トドで某作品(……)を観てみたいと思っていたんだが。
まさかあのバリバリ御曹司ですげー鼻息だったトウコが星で総受姫になり、美少年道ど真ん中を歩いていたコム姫が、こんなに男くさいトップスターになるとはねええ。
もうコムのジルベールなんて嘘臭いし、トウコのセルジュは総受前提でしか語れないし、なるぴょんいないし。……トドだけは、昔も今変わらずオーギュOKだわ……おそろしい奴。
時は流れ、人は変わり、コムちゃんは男役としての完成形にたどりつこうとしている。
それをわっかりやすく表してくれたのがこの、オカマ姿だ。
もう、あの無性の美少年はいないんだ。
アンシアは過渡期のみの美しい幻で、成長すると消えてしまうものだったんだ。
去年の『ゴールデンステップス』では、見事に女になってみせたのにねえ。挑発的かつクールに男たちを翻弄する美女と、男として生きるしかなかったふつーの女が、愛する男と心を通じ合わせて歌う、というのでは、カテゴリがちがいすぎるもんなー。強い魔性の女なら、今のコム姫でも難なく演じるかも。
ただ、アンシアは、チガウんだろーな。
さて。
『月夜歌聲』再現は、よかったのかね? わたしにはよくわからない。
そこにあるのは、「アンシアはもういない」という現実だったから。
ファンがよろこんでいるなら、それでいいと思うよ。うん。
ワタさんファン的には、相手が女でも男でもオカマでも、変わらぬ包容力を発揮するワタさんを見る分にはかまわないようだしさ。
アンシアじゃなくても、アンシアを演じようとするコム姫と、いつも寛くてかっこいーワタさんの抱擁と、ワタさんラヴシーンの定番、娘役(男・オカマ含む)の踵が浮く様、そのあとふたりで手をつないではけていく姿を見られただけで、うれしかったさ。
モリナカ姉は腐女子ではないのに、男役であるワタさんが相手役を無視して他の男役とラヴラヴ去っていく行くことをなんであんなよろこぶんだろー? と、わたしが首を傾げていると。
ワタさんファンのkineさんが、解説をしてくれた。
男に対しても包容力を発揮するということは、ワタさんの男ぶりを上げることになる。だから、ファンはときめくのではないだろうか、と。
なるほど。
ふつーの男役なら、娘役を相手にするだけで精一杯だ。だけどワタさんなら、男らしい男役ですら、腕の中で可憐にしてしまえる。これほど大きな男が他にいるだろうか。
だから、漢・湖月わたるが、男と絡もうと女と絡もうと問題ナシ。ファン的には、ワタさんのかっこよさが損なわれることも、幻想が壊されることもない。
そうさ、男でも女でも……オカマでも。
いやあ、びっくりしました。
『TCAスペシャル2006 ワンダフル・ドリーマーズ〜人は夢見る〜』最大の売りは、幻の公演『月夜歌聲』の1シーンを再現するっちゅーことでした。
退団が決まったワタさんコム姫、このふたりが、カップルとして出演していた幻の……駄作。ごめん、映像化されていないことで美化され事実がねじ曲がっているよーだけど、『月夜歌聲』は駄作ですよ。ひどい話だった。……でも、ワタさんは漢らしかったし、コム姫はごっつーきれいだった。最後の姫抱っこで客席中のオペラグラスが上がるという、ツボを突いた作品だったさ。
まあその、いわく付きの『月夜歌聲』再現。
ファンからのリクエスト名場面をトップスターによって再現、という企画。ただ扮装して1曲歌うか踊るだけという「名場面? 再現? 場面でも再現でもないやん、1曲デュエットするだけなら、ディナーショーでもエンカレでもできるやん!」という、看板に偽り有りなお安い構成であったとしても。
とりあえず、再現。
ワタさんはチャイナ服で上手花道に登場し、対するコム姫は下手花道に登場した。
「……オカマ」
コム姫ガン見状態のわたしは、思わずつぶやいていた。そして、
「ダメですよ、そんなこと言っちゃ!」
オトナなサトリちゃんに、肘で突かれた。
いや、だってその。
そこにいるイキモノは、なんとも摩訶不思議なイキモノだった。
美しい。
美しい……のだけど、なんだ? 男なのか? 女なのか?
顔も雰囲気もすべて男なんだけど、わざとらしいまでに、胸が盛りあがっている。
や、オトナなサトリちゃんは、「これだけ? ふたりしか出ないのっ?」と、オトナげないことを続けて口走ってましたが(笑)。いや、しいちゃんは出ないと思うよ……この構成ぢゃあ。
昔のTCAみたく、ちゃんとした芝居の1場面を再現してくれたら、2番手役で出演していたしいちゃんの出番もあったかもしんないけど。
他のトップコンビたちも、ふたりしか出ないもんよ。
もちろん、ウェンフー@ワタさんとアンシア@コム姫のみの登場。
さて、下手から登場した謎のイキモノは、いつも通り漢らしいワタさんとデュエットをして、銀橋の真ん中で抱擁していた。
えーと。
コレ、再現してよかったのかなあ?
『月夜歌聲』は美しい思い出にしておいた方がよかったんじゃあ……?
再現というより、まったくの別物に見えた。
ワタさんは芸風自体は変わらない人だったが(深みを増したし、もちろん成長していたわけだけど)、コム姫は3兄弟時代とトップになってからは別人だからなあ。
『アルバトロス、南へ』でオギーがコムに「昔の役」をやらせなかったわけだ。同じ衣装を着て同じ歌を歌ったって、同じにはならない。大人になったとかの「時間」の問題ではなく、「ジャンル」の問題だ。猫は年を取っても猫だが、コム姫は子猫から豹へ変わってしまった人だから。や、姿は似てるけどソレ、別モノだから。今さら子猫の耳つけて現れても、猫に見えない、豹だよソレ、という。
わたしは子猫ちゃん時代のコム姫を好きになった人間だが、ソレはソレとして、獰猛かつしなやかな大型獣である現在のコム姫もダイスキだ。彼が進化していく過程を眺めているのは、じつにたのしかった。
その進化の結果、たどりついたひとつの「答え」がこのアンシア@『月夜歌聲』なんだ。
昔は男役より娘役姿の方が魅力的だと言われていた。転向の噂がずっとあった。
男役として人気が出ても、中性だとか女装だとか少年だとか、イロモノ扱いをされていた。
そのあたりだよな、『月夜歌聲』があったの。
それがトップスターになってからは、どんどん男らしくなっていって。姿と芸風のギャップ。華麗かつ可憐、でありながら、柔ではなく剛であるという気質。
おもしろいなあ、コム姫。かっこいいなあ、コム姫。
雪組で3兄弟やっていたころは、ジルベール@コム、セルジュ@トウコ、パスカルもしくはカール@なるせ、オーギュスト@トドで某作品(……)を観てみたいと思っていたんだが。
まさかあのバリバリ御曹司ですげー鼻息だったトウコが星で総受姫になり、美少年道ど真ん中を歩いていたコム姫が、こんなに男くさいトップスターになるとはねええ。
もうコムのジルベールなんて嘘臭いし、トウコのセルジュは総受前提でしか語れないし、なるぴょんいないし。……トドだけは、昔も今変わらずオーギュOKだわ……おそろしい奴。
時は流れ、人は変わり、コムちゃんは男役としての完成形にたどりつこうとしている。
それをわっかりやすく表してくれたのがこの、オカマ姿だ。
もう、あの無性の美少年はいないんだ。
アンシアは過渡期のみの美しい幻で、成長すると消えてしまうものだったんだ。
去年の『ゴールデンステップス』では、見事に女になってみせたのにねえ。挑発的かつクールに男たちを翻弄する美女と、男として生きるしかなかったふつーの女が、愛する男と心を通じ合わせて歌う、というのでは、カテゴリがちがいすぎるもんなー。強い魔性の女なら、今のコム姫でも難なく演じるかも。
ただ、アンシアは、チガウんだろーな。
さて。
『月夜歌聲』再現は、よかったのかね? わたしにはよくわからない。
そこにあるのは、「アンシアはもういない」という現実だったから。
ファンがよろこんでいるなら、それでいいと思うよ。うん。
ワタさんファン的には、相手が女でも男でもオカマでも、変わらぬ包容力を発揮するワタさんを見る分にはかまわないようだしさ。
アンシアじゃなくても、アンシアを演じようとするコム姫と、いつも寛くてかっこいーワタさんの抱擁と、ワタさんラヴシーンの定番、娘役(男・オカマ含む)の踵が浮く様、そのあとふたりで手をつないではけていく姿を見られただけで、うれしかったさ。
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