型を守り、型に守られる美しさ。伝統芸能だな。@I have a dream
2006年9月14日 タカラヅカ「ドリアン・グレイがほっくんでなくてよかったよ(笑)」
たしかにわたしは、心からそう思っていますとも。
北翔海莉くん。
スタイルも体格も実力も、すべてを備えたスーパー若手スターの彼に、痛切に足りないモノは、美貌だと。
リカちゃんやさえちゃんという、タカラヅカきってのオシャレマスターだとか美貌の人の役を、新人公演で演じていたほっくん。
「あれが、リカちゃんと同じ衣装?!」
「あれが、さえちゃんと同じ役?!」
と、ビジュアル面で驚愕させてくれた、イケてなさ。ぶっちゃけいもっぽさ。
なんでだ……何故なんだ北翔海莉。舞台姿なんかメイクでどうとでもなるだろう、素顔がどうあれ舞台で美形になってくれればソレでいいんだ、たのむよ北翔海莉、きれいになってくれ。みんなのために。
と、思い続けて早何年。
『エリザベート』以降、「演技していればかっこいい」というところまでこぎつけてはいたが、「ショーになると、いつものみっちゃん」になっていもっぽくなるという、愉快な人になっていた我らがほっくん。
そのほっくんが、育った月組を離れ、宙組にやってきました。
や、実際見るまでわかってなかった。
貴城けいコンサート『I have a dream』初日を観てはじめて、「あ、ほっくん宙組なんだ」と知った。実感した。
えーと。
ほくしょーさんの見事なまでの浮きっぷりは、いいんですか?
宙組に出演している、北翔海莉。
…………もー、ひとりだけめちゃくちゃ浮いてるんですけどっ?!!
かっしーにしろ、らんとむにしろ、ここまで「浮いている」とは感じなかった。
組にはカラーがあるから、組替え当初はみんな浮く。微妙に。
だけど誰もが懸命に組に合わせようとするし、溶け込もうとする。
ほっくん、野放し?
アータ、合わせる気まったくないね?
ウケました。
北翔海莉、おもしれー。
ええ。
彼がただ「浮いている」だけなら、おもしろがるより別の感情があったかもしれない。
気づいてしまったんだ。
北翔海莉が、美しいことに。
カオぢゃないよ(笑)。
カオの話ではなく、「姿」が。
「男役」としての北翔海莉は、美しかった。
派手なコスプレ衣装の着こなし、立ち姿や所作、そして押し出しの良さ。燕尾服の端正さ。
月組にいるときは、気づかなかった。
こんなに美しい、「タカラヅカ的」な技術をあたりまえに持った子だったんだ。
そう、そしてソレは、宙組の「男役」の技術力の低さを、思い知らされたってことだ。
今までも、「宙組は男役芸ができていない」とはあちこちで耳にしていた。体格の良さだけが売りで、恵まれた資質がいまひとつ活かされていないと。
つっても、全組観るわたしはそーゆーものも「組の個性」と受け止めていた。宙組が薄いのもタカラヅカ力が低いのだとしても、「ソレもアリ」だと思って、とくに気にしたことはなかった。
組単位で観れば、気にならない。
宙組の男の子たちが美しく黒燕尾を着こなせなくても、全員がそうなら、それが「ふつー」になる。
タカラヅカ的に作り込んだ所作や立ち姿ができなくても、全員がそうなら、「そーゆー世界観」ということで納得する。
実際、いかにも作り込んだ「タカラヅカ的」なものが、初心者には「気持ち悪い」と映るかもしれない。だから1組くらいは、そういった「タカラヅカ的」な臭みのない、さらっとしたテレビアイドル的な組があってもいいと思う。
ただ、前トップスターのたかちゃんは、「タカラヅカ的」なものを極めた上で過分なモノを削ぎ落とし、「ナチュラル」と呼ばれる芸風を確立、くどさのない美しい世界を見せてくれた。
最初から「ナチュラル」だったわけじゃない。雪組時代の彼は、黒い役ばっかやってたってば。
ナチュラルなたかこを見て、男役芸を極めたわけでもないのに「ナチュラルでいいや」とタカラヅカ芸を磨かなかった男の子たちのツケが、今ココでこーゆーことになっているんだ。
耳から入っていた情報と、自分の目がひとつの現実を結び、愕然とした。
そっか……宙組、こんなことになってたんだなー……。
ほっくんは、手加減ナシだ。
自分の美しい男役芸を、これでもかと披露する。
カオだけなら七帆やちぎの方が美しいのに、姿全体ならほっくんの方がずっと美しい。
学年の問題じゃないよ。ほっくんの方が七帆よりひとつ上だけど、他の下級生たちよりもちろん上だけど、そーゆー次元の話じゃない。
新入りだからって、周囲のレベルに合わせないんだ。そりゃ、自分の方が優れてるんだから、隠すことはないよなー。でも、すげーあからさまだなー。
美しさにもいろいろあるから、ほっくんが持ち込んだ「クドいまでのタカラヅカ芸」も美しさのひとつであり、たかこが作り上げた「ナチュラル」も美しさのひとつだ。
どちらが優れているとか正しいとかいうわけじゃない。
芸風的に不協和音はあったとしても、技術に裏打ちされた「表現の差」であれば、ほっくんひとりがここまで浮き上がることはなかった。
芸風がちがってもいい、ほっくんの「タカラヅカ的」男役に、並び立てるだけの実力のある「宙組カラー」を持った男役がいなかった。
それが、痛い。
オペラグラスでひとりだけのカオのアップを眺めているならともかく、肉眼で舞台全体を眺めていたら、その「タカラヅカ技術力」の差は歴然だろう。
さて。
これからどーなるんだ宙組。
かしちゃんはニュートラルな人で、タカラヅカ的な技術力と薄さを併せ持っていたのに。
宙組カラー−かしちゃん−みっちゃん、と、グラデーションがきれいにキマリ、そのうちそれぞれの色が混ざり合って新しい模様が見えてくるよーになっただろうに。
かしちゃんがいなくなったあと、みっちゃんがみっちゃん全開のまま「THE男役・北翔海莉」をやっていたら、どーなるんだ? 浮くぞ?
宙組カラーしか知らないファンにとって、ほくしょーさんの持ち込むモノは「不要なモノ」として、拒絶反応が出るかもしれないじゃん。
それは、組ファンにもほっくんファンにも不幸な摩擦だよ。
や、わたしは、今回あまりに若者たちの男役スキルが低いことがわかったので、宙組らしさを守りつつも基本力UPして欲しいと、心底思いましたが。
ナチュラルやるなら、やっぱ一度はクサさの果てを極めてからにしてほしーよなー。
と。
男役・北翔海莉の美しさを絶賛しておきながらも、重ねて言います。
「ドリアン・グレイがほっくんでなくてよかったよ(笑)」
人間、できることとできないこと、やっていいことといけないことがあるから!!
ほっくんに耽美は無理。やめて(笑)。
たしかにわたしは、心からそう思っていますとも。
北翔海莉くん。
スタイルも体格も実力も、すべてを備えたスーパー若手スターの彼に、痛切に足りないモノは、美貌だと。
リカちゃんやさえちゃんという、タカラヅカきってのオシャレマスターだとか美貌の人の役を、新人公演で演じていたほっくん。
「あれが、リカちゃんと同じ衣装?!」
「あれが、さえちゃんと同じ役?!」
と、ビジュアル面で驚愕させてくれた、イケてなさ。ぶっちゃけいもっぽさ。
なんでだ……何故なんだ北翔海莉。舞台姿なんかメイクでどうとでもなるだろう、素顔がどうあれ舞台で美形になってくれればソレでいいんだ、たのむよ北翔海莉、きれいになってくれ。みんなのために。
と、思い続けて早何年。
『エリザベート』以降、「演技していればかっこいい」というところまでこぎつけてはいたが、「ショーになると、いつものみっちゃん」になっていもっぽくなるという、愉快な人になっていた我らがほっくん。
そのほっくんが、育った月組を離れ、宙組にやってきました。
や、実際見るまでわかってなかった。
貴城けいコンサート『I have a dream』初日を観てはじめて、「あ、ほっくん宙組なんだ」と知った。実感した。
えーと。
ほくしょーさんの見事なまでの浮きっぷりは、いいんですか?
宙組に出演している、北翔海莉。
…………もー、ひとりだけめちゃくちゃ浮いてるんですけどっ?!!
かっしーにしろ、らんとむにしろ、ここまで「浮いている」とは感じなかった。
組にはカラーがあるから、組替え当初はみんな浮く。微妙に。
だけど誰もが懸命に組に合わせようとするし、溶け込もうとする。
ほっくん、野放し?
アータ、合わせる気まったくないね?
ウケました。
北翔海莉、おもしれー。
ええ。
彼がただ「浮いている」だけなら、おもしろがるより別の感情があったかもしれない。
気づいてしまったんだ。
北翔海莉が、美しいことに。
カオぢゃないよ(笑)。
カオの話ではなく、「姿」が。
「男役」としての北翔海莉は、美しかった。
派手なコスプレ衣装の着こなし、立ち姿や所作、そして押し出しの良さ。燕尾服の端正さ。
月組にいるときは、気づかなかった。
こんなに美しい、「タカラヅカ的」な技術をあたりまえに持った子だったんだ。
そう、そしてソレは、宙組の「男役」の技術力の低さを、思い知らされたってことだ。
今までも、「宙組は男役芸ができていない」とはあちこちで耳にしていた。体格の良さだけが売りで、恵まれた資質がいまひとつ活かされていないと。
つっても、全組観るわたしはそーゆーものも「組の個性」と受け止めていた。宙組が薄いのもタカラヅカ力が低いのだとしても、「ソレもアリ」だと思って、とくに気にしたことはなかった。
組単位で観れば、気にならない。
宙組の男の子たちが美しく黒燕尾を着こなせなくても、全員がそうなら、それが「ふつー」になる。
タカラヅカ的に作り込んだ所作や立ち姿ができなくても、全員がそうなら、「そーゆー世界観」ということで納得する。
実際、いかにも作り込んだ「タカラヅカ的」なものが、初心者には「気持ち悪い」と映るかもしれない。だから1組くらいは、そういった「タカラヅカ的」な臭みのない、さらっとしたテレビアイドル的な組があってもいいと思う。
ただ、前トップスターのたかちゃんは、「タカラヅカ的」なものを極めた上で過分なモノを削ぎ落とし、「ナチュラル」と呼ばれる芸風を確立、くどさのない美しい世界を見せてくれた。
最初から「ナチュラル」だったわけじゃない。雪組時代の彼は、黒い役ばっかやってたってば。
ナチュラルなたかこを見て、男役芸を極めたわけでもないのに「ナチュラルでいいや」とタカラヅカ芸を磨かなかった男の子たちのツケが、今ココでこーゆーことになっているんだ。
耳から入っていた情報と、自分の目がひとつの現実を結び、愕然とした。
そっか……宙組、こんなことになってたんだなー……。
ほっくんは、手加減ナシだ。
自分の美しい男役芸を、これでもかと披露する。
カオだけなら七帆やちぎの方が美しいのに、姿全体ならほっくんの方がずっと美しい。
学年の問題じゃないよ。ほっくんの方が七帆よりひとつ上だけど、他の下級生たちよりもちろん上だけど、そーゆー次元の話じゃない。
新入りだからって、周囲のレベルに合わせないんだ。そりゃ、自分の方が優れてるんだから、隠すことはないよなー。でも、すげーあからさまだなー。
美しさにもいろいろあるから、ほっくんが持ち込んだ「クドいまでのタカラヅカ芸」も美しさのひとつであり、たかこが作り上げた「ナチュラル」も美しさのひとつだ。
どちらが優れているとか正しいとかいうわけじゃない。
芸風的に不協和音はあったとしても、技術に裏打ちされた「表現の差」であれば、ほっくんひとりがここまで浮き上がることはなかった。
芸風がちがってもいい、ほっくんの「タカラヅカ的」男役に、並び立てるだけの実力のある「宙組カラー」を持った男役がいなかった。
それが、痛い。
オペラグラスでひとりだけのカオのアップを眺めているならともかく、肉眼で舞台全体を眺めていたら、その「タカラヅカ技術力」の差は歴然だろう。
さて。
これからどーなるんだ宙組。
かしちゃんはニュートラルな人で、タカラヅカ的な技術力と薄さを併せ持っていたのに。
宙組カラー−かしちゃん−みっちゃん、と、グラデーションがきれいにキマリ、そのうちそれぞれの色が混ざり合って新しい模様が見えてくるよーになっただろうに。
かしちゃんがいなくなったあと、みっちゃんがみっちゃん全開のまま「THE男役・北翔海莉」をやっていたら、どーなるんだ? 浮くぞ?
宙組カラーしか知らないファンにとって、ほくしょーさんの持ち込むモノは「不要なモノ」として、拒絶反応が出るかもしれないじゃん。
それは、組ファンにもほっくんファンにも不幸な摩擦だよ。
や、わたしは、今回あまりに若者たちの男役スキルが低いことがわかったので、宙組らしさを守りつつも基本力UPして欲しいと、心底思いましたが。
ナチュラルやるなら、やっぱ一度はクサさの果てを極めてからにしてほしーよなー。
と。
男役・北翔海莉の美しさを絶賛しておきながらも、重ねて言います。
「ドリアン・グレイがほっくんでなくてよかったよ(笑)」
人間、できることとできないこと、やっていいことといけないことがあるから!!
ほっくんに耽美は無理。やめて(笑)。
コメント