あれは、10月1日のことだった。

 ケロに、のしかかられた。

 寝てたんですよ、わたしは。
 そしたら、顔の上にこう、ガバッとケロちゃんが。黒燕尾着用のオトコマエな姿で。

 や、アヴない妄想ぢゃなく、現実です。

 枕元に貼ってあったポスターが、顔の上に落ちてきたの。

 びっくりしたわー。
 汐美真帆ディナーショーのポスター。ランチを食べに行って手に入れた、超オトコマエなケロちゃんのポスター。
 いつでも眺められるように、枕元に貼って早2年弱。
 落ちるなんて。
 それも10月1日。2年前のケロの最後のムラ公演初日と同じ日。このタイミングで落ちてくるなんて。

「オレのことはもう忘れて、新しい恋に生きろよ、こあら」

 って意味かしら?
 いつまでもポスターを貼ってるんじゃない、前を見て生きろと?

 てなことをドリーさんに言ってみたところ。

「逆なんじゃない?」

 と、言われました。

 あ、やっぱ逆ですか。
 つまり。

「オレとゆーものがありながら、浮気してんぢゃねーぞ」

 って意味?

 9月29日の日記に、さんざん「昔の男」って書いたことへの抗議?
 やーん、ダーリンたら嫉妬深いのね!(キモい書き方はやめなさい)

 大丈夫よケロちゃん。忘れることなんかないから。
 ずっと好きだよ。

 ひとりずつ顔がチガウように、ひとりずつ「好き」もチガウ。ケロを好きだったように誰かを好きだということはない。ケロにはケロの「好き」で、それはケロちゃんがこの世にひとりしかないのと同じで、他には変えようがないのだ。

 貼りっぱなしの『巖流』のポスターを眺めては、じんとせつなくなる。
 武蔵が好きだった。
 わたしの好きな人はこんなにこんなにかっこいいのだと、全世界に叫びたかった。
 誇らしかった。
 それは今も変わらない。

 落ちてきたケロポスターを、四隅を修繕してまた大切に、枕元に貼る。
 長い指を眺めては、せつなくなる。この手が好きだった。
 この人が創り出すモノが好きだった。

 何度はがれたって、しつこく修繕してまた貼るからね。
 ケロちゃんは、ずっとそこにいてね。

 や、ときどきのしかかってきてくれても、いいけど(笑)。(キモい書き方はやめなさい)

 
 10月20日、HAPPY BIRTHDAY ケロちゃん。
 遅れちゃったけど、この日に書こうと決めていた。

 タカラヅカは今、コムちゃんの退団公演の最中だよ。オギーがとてつもなく美しく、そして毒のある世界を展開しているよ。
 東宝では、ワタさんの退団公演の最中だよ。時は流れているよ。確実に。

 それでも。
 世界は美しく、タカラヅカは美しく、人生は愛にあふれている。
 あの日と同じように。


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