男のロマンを体現する者。@維新回天・竜馬伝!
2006年11月8日 タカラヅカ まだ現実逃避は続いていますが、とりあえず宙組公演の話いきます。
つってもなにしろ現実逃避しているので、かしちゃんのことは置いておいて、らんとむさん行きます。
花組育ちの昭和スタァ、我らの蘭寿とむ。
青天かぶらしゃタカラヅカ1! の、らんとむさんですよ。
このままいずれは花組トップに……と誰もが思っていた若君の組替え。行き先での初公演では無意味に子役。何故子役?! バウホール主演でハートフルな色男演じて、チケ難で大騒ぎ、「らんとむにバウは狭すぎたな」てな期待のスターが組替えまでして、何故短パン穿いて幼児喋り?!
演出家の無能ぶり、センス皆無ぶりに閉口した8月。
次こそはまともな役だよね……と本公演に期待をかけていたら、青天に軍服。
美しい出演者たちにまざって、まさかのお笑いテイスト。
劇団はらんとむを潰したいのか?
彼を色男として売るつもりはないのか? 今が彼を売り込む絶好の機会なのに、脂がのったそのときに何故わざわざ魅力を殺ぐような真似ばかりする?
と、絶望した9月。
時は流れ、11月3日宙組公演は初日を迎えた。
『維新回天・竜馬伝!』にてらんとむが演じるのは徳川慶喜。ポスターの青天+軍服も史実だから仕方がない、とあきらめての観劇。
てかわたし、慶喜という人物にあまりいい印象なくてなー。大坂城から自分だけ逃げ帰った男、つーイメージ強すぎて。子供の頃(たしか中学生)のときに受けた印象ってのは、根強いなぁ。
慶喜をバカ男として描くことも、ぜんぜんできるわけで。作品によって、見方によって、歴史上の人物なんかいくらでも色を付けられる。
慶喜がバカ殿だったらどうしよう。日和見臆病とんちんかんなコメディキャラだったらどうしよう。や、彼をそーゆー風に描いてある作品って、いくらでもあるんですよ。もちろん、切れ者として描いてある作品もいくらでもあるけれど。
前作『硬派・坂本竜馬』に存在しない役だからこそ、どちらとして描かれるか戦々恐々。
結果は。
らんとむ、かっこええ!!
いや、びっくりしました。
ドシリアスな切れ者設定でした。
最初はかぶり物してるんで、髪型はわからず。阿呆な公家どもを相手にする、忍耐の人。
佇まいや発声の端正さと存在感。
ヅカにおいて日本物といえば「雪組」だけれど、らんとむとゆみこだけは別。花組のこのふたりだけは「日本物のらんとむ」「日本物のゆみこ」と言われる最強コンビ。
ゆみこは雪へ組替えだし、らんとむは得意の日本物で宙組本公演デビューだちくしょー。
日本物経験値限りなくゼロに近い宙組生たちのなかで、異彩を放つ貫禄(笑)。
次に登場したときがお約束の「青天+軍服」だったけれど。
客席はぴくりとも笑わず。
シリアスなシーンだし、その珍妙な格好の男が、さきほどお気楽貴族相手に苦悩していた有能な軍人だということがわかるから。
物語の内容やキャラクタの人格をちゃんと理解してみていれば、見た目がどうで笑うはずもなし。
てゆーか、かっこいいんですけど。
青天で軍服なのに。
低い、落ち着いた話し方、苦渋の立場。骨太な英雄タイプの男。むしろ髪型のかっこよさを度外視しているぶん、本人の男らしさが全面に出ているというか。
どーしたんだらんとむ。
いったいいつの間にこんなことに? なんでこんなに成長しちゃってるの?
花にいたときも、こんなにいい男だったっけ?
びびりつつも、次の見せ場へ。
この「エピソード切り張り」でしかない作品において、クライマックスは「薩長同盟」と「大政奉還」だと思う。
どちらも竜馬が少々水っぽくてウザいほどに演説カマすんだが。
わたしは「大政奉還」こそがいちばんのクライマックスだと感じた。
竜馬という自由人が、一国の元首と対峙し、「国」の歴史を大きく動かす瞬間。
それも利だとか政治だとか以上に、「男のロマン」を味付けにして。
日本国のためにあえて負けてみせるという慶喜は、男が大好きな、「男のロマン」そのものだろう。
身を引くこと、潔く散ること。男は大好きだよな、そーゆーの。
実際、漢らんとむは、その任に応えている!!
彼の堂々たる「徳川慶喜」像がこの場面を「クライマックス」として機能させている。
かしちゃんの柔の竜馬に対しての、剛の慶喜。
竜馬にあこがれつつ嫉妬しつつ己れを知りつつ、英断を下す様の格好よさ。
竜馬と慶喜、ともに一角の人物であるからこそ、相乗効果で互いの男ぶりが上がるというか。
ヲイヲイ、らんとむが舞台締めちゃったよ!! クライマックス締めちゃったよ!! いいのかこれで。慶喜って2番手役だっけ?! てからんとむ、花組いたとき番手どこだっけ?!
と、いろいろ混乱してしまうほどに。
だがしかし。
この直後に。
慶喜@らんとむ、ひとり銀橋渡りキターー!!
現状把握が追いつかずあたふたしているうちに、慶喜さん銀橋です。ヲトコの美学!てな歌を歌わされてます。
らんとむがひとり銀橋?! 歌?!!
あああありえねーっ、花組時代はありえねーって!!
水くんだって『霧のローマ』で銀橋は渡らせてもらえず、微妙なところで終わってたぢゃないか。
芝居でひとり銀橋渡りきって歌うなんて、超スター様しかさせてもらえませんよ? 直前の雪組『堕天使の涙』ではコム姫と水くんのみ、星組『愛短』ではトップコンビのみだったよなあ??
はい。
花組で4番手だった人に、与えられるよーな立場ではございません。
3番手だって、与えてもらえるかどーかの破格の扱い。必ず銀橋渡らせてもらえるのはW2番手までだよなあ。
宙組に組替えになり、たしかにポジション的には3番手とはいえ、ついこの間まで花組4番手、本公演では芝居でのソロすらろくにもらったことない男が、いきなりのポジションアップ。
らんとむさん、歌はボロボロでした。
芝居では、あんなにあんなにかっこよかったのに。
余裕で演じていたのに。
初の銀橋ソロは、コレか。
手に汗握りました。
が、がんばれらんとむ。声が震えてるぞヲイ。
らんとむって研いくつだっけ、ああ研21、そうよね。てな芝居達者ぶり、安定した男役芸を見せつけておきながら、最後の最後にこのダメダメっぷり。
ハートを撃ち抜かれました。
ラブリーだらんとむ。
そっか、らんとむも人の子だったんだなあ(失礼な)。
とまあ、らんとむ氏の宙組デビューはなかなか鮮烈でございました。
いやはや、かっこいい。
ショー『ザ・クラシック』でも幕開きと同時に銀橋から登場したりな。どこのトップスターだよ、かしちゃんだと思ったららんとむでおどろいたっつの。
草野的にはらんとむ×かしげで、タニちゃんとかっしーで絡める気はまったくないようだし。
なるほど、ノーブルで美しいかっしーには、らんとむのよーな男っぽいタイプを絡める方がいいと判断しましたか。
大活躍だ、らんとむ。
らんとむ中心に見れば、今回の公演はかなり美味しいかと。
つってもなにしろ現実逃避しているので、かしちゃんのことは置いておいて、らんとむさん行きます。
花組育ちの昭和スタァ、我らの蘭寿とむ。
青天かぶらしゃタカラヅカ1! の、らんとむさんですよ。
このままいずれは花組トップに……と誰もが思っていた若君の組替え。行き先での初公演では無意味に子役。何故子役?! バウホール主演でハートフルな色男演じて、チケ難で大騒ぎ、「らんとむにバウは狭すぎたな」てな期待のスターが組替えまでして、何故短パン穿いて幼児喋り?!
演出家の無能ぶり、センス皆無ぶりに閉口した8月。
次こそはまともな役だよね……と本公演に期待をかけていたら、青天に軍服。
美しい出演者たちにまざって、まさかのお笑いテイスト。
劇団はらんとむを潰したいのか?
彼を色男として売るつもりはないのか? 今が彼を売り込む絶好の機会なのに、脂がのったそのときに何故わざわざ魅力を殺ぐような真似ばかりする?
と、絶望した9月。
時は流れ、11月3日宙組公演は初日を迎えた。
『維新回天・竜馬伝!』にてらんとむが演じるのは徳川慶喜。ポスターの青天+軍服も史実だから仕方がない、とあきらめての観劇。
てかわたし、慶喜という人物にあまりいい印象なくてなー。大坂城から自分だけ逃げ帰った男、つーイメージ強すぎて。子供の頃(たしか中学生)のときに受けた印象ってのは、根強いなぁ。
慶喜をバカ男として描くことも、ぜんぜんできるわけで。作品によって、見方によって、歴史上の人物なんかいくらでも色を付けられる。
慶喜がバカ殿だったらどうしよう。日和見臆病とんちんかんなコメディキャラだったらどうしよう。や、彼をそーゆー風に描いてある作品って、いくらでもあるんですよ。もちろん、切れ者として描いてある作品もいくらでもあるけれど。
前作『硬派・坂本竜馬』に存在しない役だからこそ、どちらとして描かれるか戦々恐々。
結果は。
らんとむ、かっこええ!!
いや、びっくりしました。
ドシリアスな切れ者設定でした。
最初はかぶり物してるんで、髪型はわからず。阿呆な公家どもを相手にする、忍耐の人。
佇まいや発声の端正さと存在感。
ヅカにおいて日本物といえば「雪組」だけれど、らんとむとゆみこだけは別。花組のこのふたりだけは「日本物のらんとむ」「日本物のゆみこ」と言われる最強コンビ。
ゆみこは雪へ組替えだし、らんとむは得意の日本物で宙組本公演デビューだちくしょー。
日本物経験値限りなくゼロに近い宙組生たちのなかで、異彩を放つ貫禄(笑)。
次に登場したときがお約束の「青天+軍服」だったけれど。
客席はぴくりとも笑わず。
シリアスなシーンだし、その珍妙な格好の男が、さきほどお気楽貴族相手に苦悩していた有能な軍人だということがわかるから。
物語の内容やキャラクタの人格をちゃんと理解してみていれば、見た目がどうで笑うはずもなし。
てゆーか、かっこいいんですけど。
青天で軍服なのに。
低い、落ち着いた話し方、苦渋の立場。骨太な英雄タイプの男。むしろ髪型のかっこよさを度外視しているぶん、本人の男らしさが全面に出ているというか。
どーしたんだらんとむ。
いったいいつの間にこんなことに? なんでこんなに成長しちゃってるの?
花にいたときも、こんなにいい男だったっけ?
びびりつつも、次の見せ場へ。
この「エピソード切り張り」でしかない作品において、クライマックスは「薩長同盟」と「大政奉還」だと思う。
どちらも竜馬が少々水っぽくてウザいほどに演説カマすんだが。
わたしは「大政奉還」こそがいちばんのクライマックスだと感じた。
竜馬という自由人が、一国の元首と対峙し、「国」の歴史を大きく動かす瞬間。
それも利だとか政治だとか以上に、「男のロマン」を味付けにして。
日本国のためにあえて負けてみせるという慶喜は、男が大好きな、「男のロマン」そのものだろう。
身を引くこと、潔く散ること。男は大好きだよな、そーゆーの。
実際、漢らんとむは、その任に応えている!!
彼の堂々たる「徳川慶喜」像がこの場面を「クライマックス」として機能させている。
かしちゃんの柔の竜馬に対しての、剛の慶喜。
竜馬にあこがれつつ嫉妬しつつ己れを知りつつ、英断を下す様の格好よさ。
竜馬と慶喜、ともに一角の人物であるからこそ、相乗効果で互いの男ぶりが上がるというか。
ヲイヲイ、らんとむが舞台締めちゃったよ!! クライマックス締めちゃったよ!! いいのかこれで。慶喜って2番手役だっけ?! てからんとむ、花組いたとき番手どこだっけ?!
と、いろいろ混乱してしまうほどに。
だがしかし。
この直後に。
慶喜@らんとむ、ひとり銀橋渡りキターー!!
現状把握が追いつかずあたふたしているうちに、慶喜さん銀橋です。ヲトコの美学!てな歌を歌わされてます。
らんとむがひとり銀橋?! 歌?!!
あああありえねーっ、花組時代はありえねーって!!
水くんだって『霧のローマ』で銀橋は渡らせてもらえず、微妙なところで終わってたぢゃないか。
芝居でひとり銀橋渡りきって歌うなんて、超スター様しかさせてもらえませんよ? 直前の雪組『堕天使の涙』ではコム姫と水くんのみ、星組『愛短』ではトップコンビのみだったよなあ??
はい。
花組で4番手だった人に、与えられるよーな立場ではございません。
3番手だって、与えてもらえるかどーかの破格の扱い。必ず銀橋渡らせてもらえるのはW2番手までだよなあ。
宙組に組替えになり、たしかにポジション的には3番手とはいえ、ついこの間まで花組4番手、本公演では芝居でのソロすらろくにもらったことない男が、いきなりのポジションアップ。
らんとむさん、歌はボロボロでした。
芝居では、あんなにあんなにかっこよかったのに。
余裕で演じていたのに。
初の銀橋ソロは、コレか。
手に汗握りました。
が、がんばれらんとむ。声が震えてるぞヲイ。
らんとむって研いくつだっけ、ああ研21、そうよね。てな芝居達者ぶり、安定した男役芸を見せつけておきながら、最後の最後にこのダメダメっぷり。
ハートを撃ち抜かれました。
ラブリーだらんとむ。
そっか、らんとむも人の子だったんだなあ(失礼な)。
とまあ、らんとむ氏の宙組デビューはなかなか鮮烈でございました。
いやはや、かっこいい。
ショー『ザ・クラシック』でも幕開きと同時に銀橋から登場したりな。どこのトップスターだよ、かしちゃんだと思ったららんとむでおどろいたっつの。
草野的にはらんとむ×かしげで、タニちゃんとかっしーで絡める気はまったくないようだし。
なるほど、ノーブルで美しいかっしーには、らんとむのよーな男っぽいタイプを絡める方がいいと判断しましたか。
大活躍だ、らんとむ。
らんとむ中心に見れば、今回の公演はかなり美味しいかと。
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