母性だけが女の魅力ではないのだから。@MIND TRAVELLER
2006年11月26日 タカラヅカ こんな医者いねぇよ。
とは、誰のことでしょう?
a.白衣がステキな女医パメラ
b.白衣がステキなリチャード教授
「海馬の帝王」リチャード@まっつはそりゃーわかりやすく「こんな医者いねぇよ!」キャラだけど。
ヒロイン・パメラ@きほだって、十分過ぎるほど「こんな医者いねぇよ!」だわ。
はい、『MIND TRAVELLER』、いい加減ヒロインの話行きましょう。
前に書いた通り、パメラは仕事をしていない。大学病院の研究室にいながら、彼女がやっていることは中学生が老人ホームでやるボランティア程度のことだけだ。本人は医者のつもりらしいが、ほんとのところは助手以下の立場だろう。
いや、むしろ、教授他がなんの研究をしているかも知らず、興味も持たず、医者のつもりでふるまっているところを見ていると、ほんとうはパメラも被験者なのではないか? と思えてくる。だってふつーならありえないもの。周囲の空気を読めるなら、いたたまれないだろそんな。
だからパメラは、リチャードがアタマいじった子ぢゃないの? それで自分を医師だと思いこんでいるし、彼女がそうやってふるまっていても、周囲もなにも言わない。どんな後遺症が出るかわからないから、研究室に置いて術後を見守っている、と。
リチャード先生、手術のときに自分に恋するよう刷り込んでおかなきゃダメだよー。「落としたハンカチを拾ってあげる記憶」だとか、「暴漢から助けてあげる記憶」だとか「雨の中、捨て猫に餌をやっているところをのぞき見た記憶」だとかをちゃっかり書き加えておかなきゃだわ!(笑)
ベッタベタ過ぎて「プッ」てなエピソードだが、リチャード先生のセンスなんて、そんなもんだろ。(断言)
そんなことをしなくても、「あのコのハートは俺のモノ」と思い込んでいたんだろーがな。あさはかだわ。
いやまあ、リチャード先生のことはともかく。
パメラは、こまったキャラだなー、と。
設定がアホなだけで、彼女自身の感情の流れは別におかしくない。
医者より占い師になれば? てなうさんくささだが、この役をけなげに演じることは可能なはずだ。
なにゆえにパメラにはこう、感情移入できないのだろう?
きれいだし、美しい声で生きる意味の歌なんか歌っちゃうし。
しかしソレが何故にこうも説得力に欠けるのだろう?
「無垢な命」とかゆー、パメラの必殺ソングがある。
これって『ファントム』でいうところの「顔を見せて」の歌だよなー。心を閉ざした男に向かって「さあ」と手をさしのべ、その心を解き放つ。究極の癒しの歌だよな。
と、アタマではわかっている。でもな。『ファントム』でいうところの、と考えている段階ですでに感情移入から遠ざかっている。冷静にそんなことを考えているわけだから。
この歌を歌うのが彩音ちゃんだったら、歌は超へたっぴでも、感情移入してダダ泣きしてたのかなー、とか。
おかしい。
歌はこんなにきれいなのに。
きれいな音が通り過ぎるだけで、心に届かない。
きほちゃんはどうしてこう、温度が上がらないのだろう。
ちゃんと演じているのになあ。平均点は全部あるのに、それらが総合して良さを打ち消し合っているような。
サーシャ@『スカウト』もクリスティーヌ@『ファントム』新公も、そして今回のパメラも、全部同じに見えるんだが。
サーシャは心の壊れた人形だったから、まだ良かったんだけど。泣く、笑う、の技術だけで十分持って行けたし、相手役が愛情ダダ漏れのらんとむだったから、彼の高温に照らされてきほちゃんの低温ぶりもさほど気にならなかった。
クリスティーヌは……相手役もアレだったので大変なことになっていたし。
パメラ役は、マックス@まとぶんがどんどんよくなってきたから、それに引っ張られている分はたしかにあるんだけど、やっぱりまだ足りていない。
あすかちゃんがいたころは、あすかちゃんの劣化コピーになっていたから、彼女が組替えしたあとはオリジナルなきほちゃんが見られると思っていた。
ところがどっこい、お手本がいなくなると人形化してしまうのか。スタイル抜群のアンドロイドのよーだ。
きほちゃんにサーシャ@人形役をやらせた正塚はすげえな。なんて容赦ないアテ書き。
なんというか、きほちゃんはものすごーくじれったい。
真ん中の力を持ちながら、それを発揮し切れていないところが。
女医もどきなんかじゃダメなのかなあ。彼女の殻を破り去る役は。
パメラの温度の低さゆえ、マックスが彼女を選ぶ理由がわからない。いやまあ、脚本上そうなっていることは理解できるんだが、感情がついて行かなくて。
ただの、吊り橋恋愛に見える。
吊り橋が揺れてドキドキするのを、そのとき一緒にいた人に対してドキドキしているのだとカンチガイしてしまうという、アレ。
吊り橋(非常状態)を降り、日常に戻ったら恋も冷めるという、アレ。
記憶喪失だとか殺人犯だとか、とんでもない精神状態だからこそ、たまたまそばにいてやさしくしてくれた異性に、恋をしているとカンチガイした……そういうことだよな、マックス?
他の人が横にいて、その人がふつーにやさしい人でやさしくしてくれてたら、やっぱころりと惚れてるよな、マックス?
その程度に見える。
マックスの心が動くのはわかるんだけど……パメラ側に説得力がなくて。
彼女の「ナンチャッテ女医」設定があまりにバカバカしくて興ざめるってのも、たしかにあるよ。悪いのは脚本だよ。でもなあ。
きほちゃんに「母性」があれば、超えられると思う程度の粗だよ、脚本的には。
うーむ。彼女ほど包容力だとか母性だとか慈愛だとか、女性的なモノに欠ける娘役もめずらしい。
だからこそ、彼女のそういうところを生かしたキャラクタを演じれば、魅力爆発すると思うけどなあ。
それこそクールな女殺し屋だとか、アンドロイドだとか、超人的なヒールキャラ。悪の組織の大幹部系ですよ。アニメ的萌えキャラを追求しちゃえばいいのに。
クールを極め、「カッコイイ女」として女の子ファンをつけたあと、ヒロインキャラに必要なものを模索していくとかさ。
敵のクールな美女キャラって美味しいのになー。
なんだって、きほちゃんがいちばんできない役で、ヒロインやらせるかなぁ。そりゃ「女医」も「白衣」も知的クールなアイテムだから一見きほちゃんに合うけど。
実際女医じゃなかったわけだしさ。たたの「ボランティアのアタマのゆるい女の子」でしかなかったわけだし。
「包容力」だとか「慈愛」だとか「癒し」だとか、今のきほちゃんが手も足も出ない役を、わざわざさせなくてもいいだろうに、小池よ。もっと彼女が、ちゃんと発光できるよーになってから、やらせればよかったのに。
わずかな光が照らすには、ドラマシティは広すぎるよ。
きほちゃんが変われば、この『MIND TRAVELLER』の色も変わるんだろうな。
(某地味な教授が殻を破ってくれても、いろいろ変わるだろうけれど)
とは、誰のことでしょう?
a.白衣がステキな女医パメラ
b.白衣がステキなリチャード教授
「海馬の帝王」リチャード@まっつはそりゃーわかりやすく「こんな医者いねぇよ!」キャラだけど。
ヒロイン・パメラ@きほだって、十分過ぎるほど「こんな医者いねぇよ!」だわ。
はい、『MIND TRAVELLER』、いい加減ヒロインの話行きましょう。
前に書いた通り、パメラは仕事をしていない。大学病院の研究室にいながら、彼女がやっていることは中学生が老人ホームでやるボランティア程度のことだけだ。本人は医者のつもりらしいが、ほんとのところは助手以下の立場だろう。
いや、むしろ、教授他がなんの研究をしているかも知らず、興味も持たず、医者のつもりでふるまっているところを見ていると、ほんとうはパメラも被験者なのではないか? と思えてくる。だってふつーならありえないもの。周囲の空気を読めるなら、いたたまれないだろそんな。
だからパメラは、リチャードがアタマいじった子ぢゃないの? それで自分を医師だと思いこんでいるし、彼女がそうやってふるまっていても、周囲もなにも言わない。どんな後遺症が出るかわからないから、研究室に置いて術後を見守っている、と。
リチャード先生、手術のときに自分に恋するよう刷り込んでおかなきゃダメだよー。「落としたハンカチを拾ってあげる記憶」だとか、「暴漢から助けてあげる記憶」だとか「雨の中、捨て猫に餌をやっているところをのぞき見た記憶」だとかをちゃっかり書き加えておかなきゃだわ!(笑)
ベッタベタ過ぎて「プッ」てなエピソードだが、リチャード先生のセンスなんて、そんなもんだろ。(断言)
そんなことをしなくても、「あのコのハートは俺のモノ」と思い込んでいたんだろーがな。あさはかだわ。
いやまあ、リチャード先生のことはともかく。
パメラは、こまったキャラだなー、と。
設定がアホなだけで、彼女自身の感情の流れは別におかしくない。
医者より占い師になれば? てなうさんくささだが、この役をけなげに演じることは可能なはずだ。
なにゆえにパメラにはこう、感情移入できないのだろう?
きれいだし、美しい声で生きる意味の歌なんか歌っちゃうし。
しかしソレが何故にこうも説得力に欠けるのだろう?
「無垢な命」とかゆー、パメラの必殺ソングがある。
これって『ファントム』でいうところの「顔を見せて」の歌だよなー。心を閉ざした男に向かって「さあ」と手をさしのべ、その心を解き放つ。究極の癒しの歌だよな。
と、アタマではわかっている。でもな。『ファントム』でいうところの、と考えている段階ですでに感情移入から遠ざかっている。冷静にそんなことを考えているわけだから。
この歌を歌うのが彩音ちゃんだったら、歌は超へたっぴでも、感情移入してダダ泣きしてたのかなー、とか。
おかしい。
歌はこんなにきれいなのに。
きれいな音が通り過ぎるだけで、心に届かない。
きほちゃんはどうしてこう、温度が上がらないのだろう。
ちゃんと演じているのになあ。平均点は全部あるのに、それらが総合して良さを打ち消し合っているような。
サーシャ@『スカウト』もクリスティーヌ@『ファントム』新公も、そして今回のパメラも、全部同じに見えるんだが。
サーシャは心の壊れた人形だったから、まだ良かったんだけど。泣く、笑う、の技術だけで十分持って行けたし、相手役が愛情ダダ漏れのらんとむだったから、彼の高温に照らされてきほちゃんの低温ぶりもさほど気にならなかった。
クリスティーヌは……相手役もアレだったので大変なことになっていたし。
パメラ役は、マックス@まとぶんがどんどんよくなってきたから、それに引っ張られている分はたしかにあるんだけど、やっぱりまだ足りていない。
あすかちゃんがいたころは、あすかちゃんの劣化コピーになっていたから、彼女が組替えしたあとはオリジナルなきほちゃんが見られると思っていた。
ところがどっこい、お手本がいなくなると人形化してしまうのか。スタイル抜群のアンドロイドのよーだ。
きほちゃんにサーシャ@人形役をやらせた正塚はすげえな。なんて容赦ないアテ書き。
なんというか、きほちゃんはものすごーくじれったい。
真ん中の力を持ちながら、それを発揮し切れていないところが。
女医もどきなんかじゃダメなのかなあ。彼女の殻を破り去る役は。
パメラの温度の低さゆえ、マックスが彼女を選ぶ理由がわからない。いやまあ、脚本上そうなっていることは理解できるんだが、感情がついて行かなくて。
ただの、吊り橋恋愛に見える。
吊り橋が揺れてドキドキするのを、そのとき一緒にいた人に対してドキドキしているのだとカンチガイしてしまうという、アレ。
吊り橋(非常状態)を降り、日常に戻ったら恋も冷めるという、アレ。
記憶喪失だとか殺人犯だとか、とんでもない精神状態だからこそ、たまたまそばにいてやさしくしてくれた異性に、恋をしているとカンチガイした……そういうことだよな、マックス?
他の人が横にいて、その人がふつーにやさしい人でやさしくしてくれてたら、やっぱころりと惚れてるよな、マックス?
その程度に見える。
マックスの心が動くのはわかるんだけど……パメラ側に説得力がなくて。
彼女の「ナンチャッテ女医」設定があまりにバカバカしくて興ざめるってのも、たしかにあるよ。悪いのは脚本だよ。でもなあ。
きほちゃんに「母性」があれば、超えられると思う程度の粗だよ、脚本的には。
うーむ。彼女ほど包容力だとか母性だとか慈愛だとか、女性的なモノに欠ける娘役もめずらしい。
だからこそ、彼女のそういうところを生かしたキャラクタを演じれば、魅力爆発すると思うけどなあ。
それこそクールな女殺し屋だとか、アンドロイドだとか、超人的なヒールキャラ。悪の組織の大幹部系ですよ。アニメ的萌えキャラを追求しちゃえばいいのに。
クールを極め、「カッコイイ女」として女の子ファンをつけたあと、ヒロインキャラに必要なものを模索していくとかさ。
敵のクールな美女キャラって美味しいのになー。
なんだって、きほちゃんがいちばんできない役で、ヒロインやらせるかなぁ。そりゃ「女医」も「白衣」も知的クールなアイテムだから一見きほちゃんに合うけど。
実際女医じゃなかったわけだしさ。たたの「ボランティアのアタマのゆるい女の子」でしかなかったわけだし。
「包容力」だとか「慈愛」だとか「癒し」だとか、今のきほちゃんが手も足も出ない役を、わざわざさせなくてもいいだろうに、小池よ。もっと彼女が、ちゃんと発光できるよーになってから、やらせればよかったのに。
わずかな光が照らすには、ドラマシティは広すぎるよ。
きほちゃんが変われば、この『MIND TRAVELLER』の色も変わるんだろうな。
(某地味な教授が殻を破ってくれても、いろいろ変わるだろうけれど)
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