声を大にして言おう。

 あかしのくせに!

 あああ、あかしのくせに! あかしのくせにぃぃぃっ!!

 あかし、かっこいいぃぃ!!

 
 バウ・ワークショップ星組『ハロー!ダンシング』に行ってきました。

 出演者も知りません。あかしが出ていることぐらいしか。
 去年のWS、芝居+ショーで計2時間、4500円は「高い」と思ったのに、今年は75分で4500円っすよ。劇団はナニ考えてんだろう。
 定価以下で市場に出るからいいってことですか? ……なんだかなぁ。

 内容は、小劇場で真面目にダンス中心、だけどやっぱり、ものすごーく草野らしい作品でした。

 アフリカは絶対やらなきゃならんのか?!

 草野といえば、アフリカ。
 なにがなんでも、アフリカ。
 なにがテーマでも、絶対アフリカ。

 『ザ・クラシック−I LOVE CHOPIN−』でもアフリカがあるんぢゃないかと危惧したよ。

 そして、ナビゲータ。台詞での解説。
 草野ショーでは必須ですな。

 『ハロー!ダンシング』では「真ん中」ナシの興行ってことになっているけれど、やはり「真ん中」はあった。
 武富士のCMじゃあるまいし、名もなきダンサーが同じ振りで踊っているだけでは「物語」のある舞台はつとまらない。タカラヅカはバックダンサー養成所ではなく、「スター」を輩出するところだからだ。

 主演は、あかしだった。

 ここまであかしを「真ん中」に据えた興行ならば、「主演」にして欲しかったよ。
 開演アナウンスや、最後の挨拶を聞きたかった。

 もちろん、立場上「真ん中」に据えても、任をこなさなければ「真ん中」には見えない。ただの群舞で終わってしまう。

 あかしは、「真ん中」の仕事をこなしていた。

 「真ん中」である意味。扇の要である意味。
 主演として公演を背負っていないのに、それでも「真ん中」で舞台をまとめていたよ。主演として、スターとして「仕事」をしていたよ。

 あかしのくせに。
 利助のくせに。

 かっこいい。
 色っぽい。
 素敵。

 あかしのくせに。

 おろおろおろおろ。
 彼の堂々たるスターぶりに、うろたえます。
 なんだよあかし、誰だよあかし、どーしたんだよあかし!

 こんなに素敵な男になるなんて、利助だったくせになんてことなの。

 あかしの顔を見ているだけで75分終わってしまった。
 マジ、エロくてこまる。あかしだとわかっているからよけいに混乱し、エロさにときめく。

 
 さて。
 あかし讃美はともかく。

 見応えはあった。
 去年のWSを観て、「ショーだけならもう一度観たい」と思ったことを、思い出した。芝居のレベルが低すぎて、複数回観たいとは思えなかったんだよ、『Young Bloods!! 』。
 ショーだけ3000円くらいで見せてくれないかな。そう思った。

 そうか、『Young Bloods!! 』でショーだけ見せろという声が高かったから、今年はショーだけになったんだな!
 でもなんで値段は芝居があったときと同じなんだろう? 生オケでもないのに。

 いい公演だったが、やはりWSであることはたしか。未熟さも愛でるところ。

 あかしセンター、2番手がドイちゃん?
 元気さとエロさ(笑)を2大テーマに構成されたこの作品において、いちばん夢ゆめしい場面を、あかしではなくドイちゃんが担っていたことがツボる。
 フリフリ衣装でドレスの娘とロマンチックに踊るのは、あかしではなくドイちゃんかー。そーだよなー(笑)。

 もっとともみん重視で来るかと思ったけれどそーでもなく、ドイちゃんと僅差で3番手、あとは天緒圭花(何故か彼はいつもフルネーム)としーらんで4番手ってとこか。
 しーらんがナニ気にオイシイ。なにができるわけでもないが、彼はやる気にあふれていて微笑ましいぞっと。
 娘役はセンター決めず適材適所?
 コロちゃんはソロがあったりと扱いはいいんだが、どうも別格っぽいよーな。

 予備知識はいらん人間なので、座席配布されていたプログラムも出演者名に目を通した程度。ざーっと眺めた感じでは、半分くらい顔がわかるから、あとはなんとでもなるだろーと。
 お約束として作品中に自己紹介があるだろーし、それを見ればいいや、と思っていたんだが。
 自己紹介、なにを言ってるのか、さっぱりわかんねー。最初から名前を知っている子しか、わたしには聞き取れなかった……ダメじゃん……。
 この子かわいいなー、と思っていた子の自己紹介だけは、かろうじて聞き取った。まりやちゃんか、なるほど。……と思っていたら、そのあとドイちゃんとまるまる1場面、ピンでデュエットダンスしていて、おどろいた。あんなに必死になって自己紹介聞き取らなくても、デュエットダンスがあるなら、あとからでも名前わかったよ……。

 黒スーツと帽子で踊るいかにもショースタイルな場面、男はブラウス、娘はドレスで情熱的にあるいはしっとりと踊るクラシカルな場面、タンゴありーのタップありーの、ストーリー仕立ての場面ありーのでこれでもかと盛りだくさん。

 技術が優れているとは、正直思わない。ダンス力だけのことではなく、姿勢や着こなし、舞台での在り方、どれもみんな初心者マークがあちこちに貼られている。
 ただ。

 もしも、わたしが今中学生で、このステージを観ていたら。
 タカラヅカに入りたい、このステージに立ちたい。と、思ったかもしれない。

 子供のころからヅカは観ていたけれど、入りたいとかあの舞台に立ちたいとか、んなこたぁ夢にも思わなかった。テレビの向こうと同じで、タカラヅカの舞台は「自分とは関係のない、一方的に眺めるもの」でしかなかったんだ。
 入りたいなんて、思ったことは一度もない。今もない。
 だけど、今、中学生だったら。そして、この『ハロー!ダンシング』を観ていたら。
 『ハロー!ダンシング』の技術が大劇場公演ほどではないからとか、舞台が近いからとか狭いからとかではなく。

 若いから、未熟だからこそ発散されるエネルギーやきらめき。貪欲でありながらストイックな叫び。

 それらが、「自分とは関係ない」とは思えない、足りない自分を奮い立たせるsomethingに満ちているんだ。

 いかんなぁ、ばばあだからそーゆーモノには、弱いんだ。泣けてきちゃうよ。
 や、たとえわたしが今中学生だったとしても、かろうじてあるのは身長だけで、容姿も才能も金もないので絶対ジェンヌを目指すことなんてありえませんが。

 たのしかったです、『ハロー!ダンシング』。
 他の組もたのしみだ。

 
 ……プログラム、上に猫が乗ったからぐちゃぐちゃになっちまったい……ちぇっ。


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