新生雪組お披露目公演。芝居はかなりアレなんで、くわしく語るのはあとにして。
 公演全体を通した、キャストの話。

 主演の水くんはとにかくいっぱいいっぱいで、心もカラダも握り拳がぷるぷる震えているよーな印象。
 それでも仕事はしているし、たとえアタマが真っ白になってもカラダが動くところまで技術を叩き込んでありそーな体育会系マンだから、彼が真ん中だということはわかる。
 まだ本来のパワーは解放されていない。内側に向かっている。
 彼が客席に向かって働きかけだしたとき、ほんとうの幕が上がるのだと思う。

 
 ヒロインとなみ。
 ……となみがもお、すばらしい「娘役トップスター」っぷり。
 あの華やかさ。あでやかさ。
 そして、貫禄。
 伊達にトップ経験してないね。キョドりもせずに、いっぱいいっぱいな水くんを受け止め、支えている。そりゃ、ダンスの技術はアレだけど。
 芝居もそうだけど、ショーでの美しさと存在感には脱帽。

 うれしい。
 となみがいてくれて、うれしくてうれしくて泣きそーだ。

 もともととなみちゃん単体でダイスキだけど、雪組時代から、新公ステージトークであの「やーん、となみも見たい〜〜」と甘え声でイヤイヤをするぶっ壊れた姿を見て以来のファンだけど。

 星組娘役トップスターとしても、その存在を心から賞賛していたけれど。

 今、わたしの大好きな水くんの相手役になってくれたことが、うれしい。

 大好きな女の子が、大好きな人とコンビを組み、美しく華やかななステージを繰り広げてくれる。

 なんてしあわせなんだろう。

 水くんを好きで良かった。となみを好きで良かった。
 美しいふたりを見ることが、うれしくてうれしくてならない。

 
 2番手ゆみこ。
 まず、雪組に違和感がない。
 ずーっと雪組にいたと言っても、変じゃない。
 
 いきなり和モノだったのが味方したよね。着こなし・所作、それらがちゃんと出来ていて、かっこいい。声の良さもオトコマエ度を上げている。

 しかし。
 ショーでの地味さには、びっくりした。

 え、えーと。
 あんなに地味でいいのか?
 と言ったら、「花組でも地味でしたよ」「ゆみこは地味ですから」とあちこちから声が返り、そうか、あれがニュートラルなんだ、と納得する。

 わたし、思うんだけどさあ。
 今ゆみこちゃん、すっごいチャンスのときだよねえ?
 高校デビューとか転校デビューとか、わたしが若いころにあった言葉なんだが、「新しい環境でなら、イメージチェンジしやすい」ので、高校入学や転校を機に、それまでやりたかったキャラクタに自分をプロデュースするってヤツ。
 組替えデビューしてみたらどうだ?
 花組でも地味だったから、雪組でも地味でイイ、つーんぢゃなくてだ、思い切ったイメチェンをして、別キャラを目指してみる、とゆーのは?
 わかりやすい例でいうと、タニちゃん。彼は完璧な組替えデビュー組。月組時代は「かわいいボクちゃんキャラ」で、宙組に移動になってわざと「キザな大人の男」にキャラを変更した。
 タニちゃんみたいにやってみたらどーだ? や、タニちゃんのキャラ変更は失敗だったと思うけど。
 失敗例を見て怖じ気づかずに、チャレンジしてみようよ。
 雪組ファンの中には、ゆみこちゃん見るのも聞くのもはじめてって人、けっこういると思うのよ。そんな人たちに、今までとはチガウ「彩吹真央」を刻みつけようよ。

 とりあえず、髪型をなんとかしようよ。

 切実。
 少しも早く、改善を。

 ショーでのゆみこちゃんは、なにかっちゅーと一糸乱れぬオールバックorリーゼントをしている。

 ……似合わないから、ソレ。

 てゆーかゆみこは、サイドの髪をなでつけてしまうと、上に広い台形をしたアタマのカタチが強調されちゃうのよ〜〜。

 素のゆみこはあんなにかわいい少年なのに。
 どーして舞台ではあんなにファニー……個性が勝ちすぎた容姿になるんだ。

 素のかわいらしさを舞台に活かそうよ。
 タカラヅカは、まずビジュアルなんだから。

 男役の正装はリーゼントやオールバックだとわかっているよ、だからこそゆみこも、スーツや燕尾など「かっこいい」「アダルト」な場面になると気合い入れて髪をなでつけているのだと思う。
 でもソレが似合わないでここまで来ちゃったんだから、「まずビジュアル」のタカラヅカをまっとうするために信念を曲げようよ。

 リーゼントをやめて、素に近いふわふわヘアをなびかせる。
 襟足とか長めの方がいいな。
 黒タキだろうと燕尾だろうと、バリエーションつけるだけで基本は素の髪。
 髪を揺らして踊るの。
 要所要所で、髪をかき上げて。

 小僧っこがリーゼントも作らずに男役やってたら叩かれるけど、男役としての型を作ったあとなんだから大丈夫でしょ。
 リーゼントは必要最低限、しかも揺れる程度の前髪アリで作ること。

 なんで10年以上男役やってきて、自分に似合う髪型がわからないんだろう……。
 セルフプロデュースしよーよー。

 せっかくの組替えだから。
 「彩吹真央って人は、髪揺らして踊る人なのね」「いつも髪かき上げてて、ちょっとナルシーっぽい? 花出身だもんね」って思ってもらえばいいじゃん。

 歌えるし踊れるし芝居できるし、スタイル抜群だし、あとは華と美貌だけなんだから。

 もったいなくてじれったくて、むずむずする。

 
 と、ゆーのも。

 芝居ではちゃんとゆみこが2番手に見えたのに。

 ショーでは、ハマコが2番手に見えてしまったのですよ。

 ゆみこのウリである歌も、ハマコの方がうまい。
 なによりハマコの方が華(……っていうのか?)があり、押し出しがイイ。

 ダンスにしろ存在感にしろ、ハマコはとにかく実力の裏打ちの上で、うるさい芸風だから。
 目立つのよあの人! なにやっても!!

 ハマコに打ち勝つには、華と美貌を磨くしかないの。雪組でスターとして生きるには、まずハマコを倒さなければならないの!
 トップは真ん中として扱われるからともかくとして、2番手は下手をするとハマコに食われるのよー!!

 コム姫お披露目の『春麗がどーたら』を思い出して。
 トップスター朝海ひかる、2番手スター未来優希だったでしょう?
 みんなハマコの銀橋の「憎む憎むソング」はおぼえていても、かしげがなにしてたかはおぼえてないでしょう?
 何人の人に、「かしげの役はね……」と説明したか。みんなマジでおぼえてないんだもん。

 ハマコ、大活躍。

 よそから来た新米2番手なんか、吹っ飛ばす勢い。
 芝居ももちろんめーっちゃ安定して巧くて、学芸会になりそーな下級生芝居を引き締める。
 芝居は役目があるから自重しているけれど、ショーになると全開。
 あの歌声!!
 ゴスペルのラスト、コーラスが終わったあとハマコの短い短いソロで暗転するんだけど。

 鳥肌立ったわ。

 なんなのあのソウルフルな歌声。
 劇場に響く声。
 「声」という楽器の力。劇場の空気を変える、シンプルかつ最大の武器。

 てゆーかその前に、ハマコ先生中心の場面があるんですけど。
 ハマコ先生、娘役はべらして歌い踊るんですけど。

 そのうえ、エトワールまでやっちゃいますけど。

 ハマコ先生、ナチュラルにスターです。

 新生雪組って、W2番手なの?!(白目)

 トップと同期で別格寄りのW2番手扱い……ってそんな、どっかの組と同じ布陣?
 や、どっかの組の場合とはちがい、ハマコは実力有り余ってるからなー。かわりにスタイルはアレだけど。

 ああもお、ハマコ、ダイスキだ。

 ダイスキだけど、ハマコ2番手はいろいろまずいと思うので、ゆみこにはぜひ、がんばってほしい。
 1作目で敗北していたかしちゃんだって、美貌でハマコを打ち倒し、晴れて2番手になったんだからさ。

 がんばれ。


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