探し続ける舞台の上に。@パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス
2007年2月7日 タカラヅカ 携帯、戻りました。無事に。……やれやれ。
忘れそうだから、先に書いておく。
月組公演『パリの空よりも高く』『ファンシー・ダンス』千秋楽行って来ました。
フジコちゃん見送りに。
彼女の退団メッセージで「思い出に残る大好きな公演」として、リカコン『Lica−Rika/L.R.』をあげているのを聞き、なんか納得しました。
ジェンヌ人生でいちばん大切、てなほどの公演だったならそりゃ、スタンディングしない客を睨み付けるぐらい、するよなあ。
わたしがフジコちゃんを注目した最初が、その『Lica−Rika/L.R.』で、貧血起こして客席でへたばっていたときにキャストの客席降りがあり、通路を駆けてきたフジコちゃんに睨まれた、こわかったよーっ!!という出来事だったもの。
あんまりこわかったので(笑)顔と名前をおぼえ、以来どこにいても注目するよーになった。
そしてそのオトコマエな芸風と立派なアゴに惚れ込んだ。
可憐な娘役タイプではないので(すまん)、彼女の魅力が正しく開花し、役割を担うことになるのはこれからだと思っていただけに、退団が惜しまれる。てゆーかフジコ、よりによって植爺作品なんかで辞めなくても……。
さて、ひさしぶりに観る『パリの空よりも高く』。
この作品を「魅力的に見せられるキャスト」って、誰だろうなあ、なんてことをぼーっと考える。
冒頭の説明台詞上級生シーンは「なかったこと」としてアルマンド@あさこ登場からを「物語」とする。
このどーしよーもない駄作を、それでもなんとか「笑える」話にできる人って……?
あさこちゃんをはじめ、キャストはみんながんばってました。
だが見事にただの一度も、笑えなかった。
やりとりや動作は派手になっているし、子犬のよーにじゃれ合うあさゆひは微笑ましいんだけど。
なんつーか、ホームビデオ見ている気分。
自分の子どもが映っているからおもしろいけど、そうでなかったら爆睡必至。自分の子どもは「ただ歩いているだけ」「ただ振り向いただけ」でも、かわいくてうれしくて大喜びしちゃうけど、他人が見たら「なにがそんなにおもしろいの?」と冷たい目が返りそうな。
キャストを好きだから、彼らが「なにかやってる」だけを愛でる。
ほっぺた引っ張ったり、されまいとブロックしたり、突き飛ばしたり、声を裏返らせたり。
べつにおもしろいわけではぜんぜんないけれど、その仕草や「がんばっている」風情を愛でる。
愉快だったのは、ラストの『ベルばら』ごっこのみ。
今までのキャラの人格もなにもかも破壊して、突然意味なく脈絡なくキレて銃を振り回すアルマンド、という最悪な場面にて、撃たれたジョルジュ@ゆーひが片目を押さえてふらふらし、それを見たアルマンドが「見えていないのか!」と叫ぶ。
あの有名な、『ベルばら』の1場面。アンドレの最期。
当たり前のよーにやってるけどこのふたり、去年の『ベルばら』祭りでは逆配役だったのよね。アンドレ@あさこ、オスカル@ゆーひなのに、ここで説明もなくアンドレ@ゆーひ、オスカル@あさこ。
逆なのがおもしろいよね。
その後も「行くぞ、アンドレ」と、アルマンドがジョルジュに命令していて、「アンドレを尻に引くオスカル」というある意味正しい姿が素敵。
愉快だったのは、お遊びのパロディのみ(元ネタ知らなきゃ笑えない)、って、コメディの意味あるのか。
あさこ、かなみ、きりやん、ゆーひって、布陣だけ見るとものすごーく豪華なのに、プラスアルファを作り出せていないなぁ、と思う。
もちろん、いちばん悪いのは脚本と演出だがな。
誰が演じるにしたって、この作品じゃあどーしよーもないとは思う。てゆーか、もう誰ででも見たくない。少しも早く封印してくれ。や、再演なんてないと思うけど。……思いたい。でも植爺だから、なにをしでかすかわかんないもん……。来年の全ツとかどこか別のハコで再演しないとは言えないからこわい。
それにしても、なんつーかこー、キャストが違えばもう少し「ナニか」あるんじゃないかと思ってしまう。
ひとりずつが悪いわけではないから、バランスかなぁ。
あさこが主役に見えないのがつらいっす。『暁のローマ』で主役に見えないのは役者の力不足だと思ったけれど、今回は作品と周囲とのバランスのせいだと思うよ。
なので、ショーになるとほっとする。
あさちゃんが、主役に見える(笑)。
トップスターはやっぱ、主役じゃなきゃ!!
あさこちゃんとかなみちゃんが、カップルとして正しく絡んでくれるとうれしい。
あー、タカラヅカだわー。
後半場面のかなみちゃんが、すごく好き。
彼女の持つ神聖さと邪悪さが感じられて。
ナイーヴな王子様風のあさこが次々と美女を殺していき、最後に黒幕のように美女@かなみんが登場する。
かなみんは慈愛に満ちた笑顔で、閉じこもっている中学生のよーなあさこ王子を癒す。
いやあ、最初に観たときは「かなみちゃんがあさこを殺しに来た」と思ったね!!(笑)
彼女は「運命」であり、「因果」であると思った。
王子の枯渇した心を真に癒すための、神の応え。
ははは、演出家三木章雄だっつーの。そんなことにはしやしないって。
とっても簡単にハッピーエンドだったんで、初見では「ヲイヲイ」と突っ込んでしまった。
かなみちゃんが「神々しい美しさ・やさしさ」に満ちていたから、かえってブラックに見えたんだよな。
かなみちゃんはきっと、オギー的なものも表現可能な女優だよな。でも今の月組でオギーショーは合わないよなあ……タカラヅカはトップスターありきだと思うから、あさこちゃんに合ったショーが正しいショーだもの。
ゆーひとそのかの並びにも、免疫が付いた。
てゆーかわたし、いったい何人「ケロに似ている」人を探していることやら。
好みのカオだから、目に付くのですよ。きっときっと、いつになっても探し続けるんだと思う。
Be-Puちゃんは、そのかがケロに似ているなんて言わない。彼女は「オトコちゃんに似ている」と言って譲らない。
たしかに、ケロよりはオトコに似ているかな。だけど、オトコに大して思い入れのなかったわたしは、オトコを思い出すことがまずない。
オトコファンだったBe-Puちゃんは、「オトコにしか見えない」と言い、わたしは「ときどきケロに見えて心臓に悪い」と言う。
そーゆーもんなんだ。
みんなみんな、「好き」を探し続ける。
フジコちゃんも、ケロに似てたんだよなあ、わたし的に。
卒業は寂しいけれど、しあわせを祈るよ。
忘れそうだから、先に書いておく。
月組公演『パリの空よりも高く』『ファンシー・ダンス』千秋楽行って来ました。
フジコちゃん見送りに。
彼女の退団メッセージで「思い出に残る大好きな公演」として、リカコン『Lica−Rika/L.R.』をあげているのを聞き、なんか納得しました。
ジェンヌ人生でいちばん大切、てなほどの公演だったならそりゃ、スタンディングしない客を睨み付けるぐらい、するよなあ。
わたしがフジコちゃんを注目した最初が、その『Lica−Rika/L.R.』で、貧血起こして客席でへたばっていたときにキャストの客席降りがあり、通路を駆けてきたフジコちゃんに睨まれた、こわかったよーっ!!という出来事だったもの。
あんまりこわかったので(笑)顔と名前をおぼえ、以来どこにいても注目するよーになった。
そしてそのオトコマエな芸風と立派なアゴに惚れ込んだ。
可憐な娘役タイプではないので(すまん)、彼女の魅力が正しく開花し、役割を担うことになるのはこれからだと思っていただけに、退団が惜しまれる。てゆーかフジコ、よりによって植爺作品なんかで辞めなくても……。
さて、ひさしぶりに観る『パリの空よりも高く』。
この作品を「魅力的に見せられるキャスト」って、誰だろうなあ、なんてことをぼーっと考える。
冒頭の説明台詞上級生シーンは「なかったこと」としてアルマンド@あさこ登場からを「物語」とする。
このどーしよーもない駄作を、それでもなんとか「笑える」話にできる人って……?
あさこちゃんをはじめ、キャストはみんながんばってました。
だが見事にただの一度も、笑えなかった。
やりとりや動作は派手になっているし、子犬のよーにじゃれ合うあさゆひは微笑ましいんだけど。
なんつーか、ホームビデオ見ている気分。
自分の子どもが映っているからおもしろいけど、そうでなかったら爆睡必至。自分の子どもは「ただ歩いているだけ」「ただ振り向いただけ」でも、かわいくてうれしくて大喜びしちゃうけど、他人が見たら「なにがそんなにおもしろいの?」と冷たい目が返りそうな。
キャストを好きだから、彼らが「なにかやってる」だけを愛でる。
ほっぺた引っ張ったり、されまいとブロックしたり、突き飛ばしたり、声を裏返らせたり。
べつにおもしろいわけではぜんぜんないけれど、その仕草や「がんばっている」風情を愛でる。
愉快だったのは、ラストの『ベルばら』ごっこのみ。
今までのキャラの人格もなにもかも破壊して、突然意味なく脈絡なくキレて銃を振り回すアルマンド、という最悪な場面にて、撃たれたジョルジュ@ゆーひが片目を押さえてふらふらし、それを見たアルマンドが「見えていないのか!」と叫ぶ。
あの有名な、『ベルばら』の1場面。アンドレの最期。
当たり前のよーにやってるけどこのふたり、去年の『ベルばら』祭りでは逆配役だったのよね。アンドレ@あさこ、オスカル@ゆーひなのに、ここで説明もなくアンドレ@ゆーひ、オスカル@あさこ。
逆なのがおもしろいよね。
その後も「行くぞ、アンドレ」と、アルマンドがジョルジュに命令していて、「アンドレを尻に引くオスカル」というある意味正しい姿が素敵。
愉快だったのは、お遊びのパロディのみ(元ネタ知らなきゃ笑えない)、って、コメディの意味あるのか。
あさこ、かなみ、きりやん、ゆーひって、布陣だけ見るとものすごーく豪華なのに、プラスアルファを作り出せていないなぁ、と思う。
もちろん、いちばん悪いのは脚本と演出だがな。
誰が演じるにしたって、この作品じゃあどーしよーもないとは思う。てゆーか、もう誰ででも見たくない。少しも早く封印してくれ。や、再演なんてないと思うけど。……思いたい。でも植爺だから、なにをしでかすかわかんないもん……。来年の全ツとかどこか別のハコで再演しないとは言えないからこわい。
それにしても、なんつーかこー、キャストが違えばもう少し「ナニか」あるんじゃないかと思ってしまう。
ひとりずつが悪いわけではないから、バランスかなぁ。
あさこが主役に見えないのがつらいっす。『暁のローマ』で主役に見えないのは役者の力不足だと思ったけれど、今回は作品と周囲とのバランスのせいだと思うよ。
なので、ショーになるとほっとする。
あさちゃんが、主役に見える(笑)。
トップスターはやっぱ、主役じゃなきゃ!!
あさこちゃんとかなみちゃんが、カップルとして正しく絡んでくれるとうれしい。
あー、タカラヅカだわー。
後半場面のかなみちゃんが、すごく好き。
彼女の持つ神聖さと邪悪さが感じられて。
ナイーヴな王子様風のあさこが次々と美女を殺していき、最後に黒幕のように美女@かなみんが登場する。
かなみんは慈愛に満ちた笑顔で、閉じこもっている中学生のよーなあさこ王子を癒す。
いやあ、最初に観たときは「かなみちゃんがあさこを殺しに来た」と思ったね!!(笑)
彼女は「運命」であり、「因果」であると思った。
王子の枯渇した心を真に癒すための、神の応え。
ははは、演出家三木章雄だっつーの。そんなことにはしやしないって。
とっても簡単にハッピーエンドだったんで、初見では「ヲイヲイ」と突っ込んでしまった。
かなみちゃんが「神々しい美しさ・やさしさ」に満ちていたから、かえってブラックに見えたんだよな。
かなみちゃんはきっと、オギー的なものも表現可能な女優だよな。でも今の月組でオギーショーは合わないよなあ……タカラヅカはトップスターありきだと思うから、あさこちゃんに合ったショーが正しいショーだもの。
ゆーひとそのかの並びにも、免疫が付いた。
てゆーかわたし、いったい何人「ケロに似ている」人を探していることやら。
好みのカオだから、目に付くのですよ。きっときっと、いつになっても探し続けるんだと思う。
Be-Puちゃんは、そのかがケロに似ているなんて言わない。彼女は「オトコちゃんに似ている」と言って譲らない。
たしかに、ケロよりはオトコに似ているかな。だけど、オトコに大して思い入れのなかったわたしは、オトコを思い出すことがまずない。
オトコファンだったBe-Puちゃんは、「オトコにしか見えない」と言い、わたしは「ときどきケロに見えて心臓に悪い」と言う。
そーゆーもんなんだ。
みんなみんな、「好き」を探し続ける。
フジコちゃんも、ケロに似てたんだよなあ、わたし的に。
卒業は寂しいけれど、しあわせを祈るよ。
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