音月桂を、好きですか?
……この問いに、どう答えるか。
それによって、印象も価値観も変わる。
バウ・ライブ・パフォーマンス『ノン ノン シュガー!!』初日観劇。
「一緒に初日から行こうね!」と指切りしていたチェリさんに見捨てられた(笑)わたしは、ひとりぼっちでバウ観劇。
「観ようよ観ようよ!」と誘いまくって、ドリーさんと一緒。(東京在住のドリーさんが何故毎週ムラにいるのかは、ご想像にお任せします)
1幕が終わり、わたしとドリーさんは、「バウ・ライブ・パフォーマンス」というあおりの意味を噛みしめていた。
「この公演、芝居ぢゃなかったんだね」
ふつーにミュージカルだと思っていたから、びっくりした。
音月桂主演雪組若手コンサートだったんだー。
「『熱帯夜話』と同じかー」
「知らなかったから、首ひねっちゃったよ」
ストーリーは、「ナイ」と考えてください。……「ミュージカル」としては、あるうちに入らん、その程度。
ショーとして考えて、その上で「ストーリー仕立て」とするのが正しい。
や、「物語」と考えるにはあまりにも、ストーリーなさすぎだから。
1幕のあらすじは、「歌手を夢見るジョニー@キムと、家出娘シェイラ@さゆが出会った。」……コレだけですから。
ただもーえんえんえんえん歌ばっか歌い続けて、話はまったく進まないから。
2幕のあらすじは、「ジョニーが夢をあきらめ、シェイラと別れた。」……コレだけですから。
ただもーえんえんえんえん歌ばっか歌い続けて、話はほとんどナイから。
キムのオンリーステージではなく、出演者全員、なにかしら見せ場をもらって歌い、踊り、演技し、「スター勉強中」。
男の子たちはぷくぷくに丸いし、声も出来ちゃいない。それでも必死にキザったりはじけたり。
女の子たちはかわいこぶりっこ、タカラヅカでしかありえないオンナノコ像と格闘中。
大丈夫か、このキャストで興行打って……と不安になりかけるところへ、要所要所で萬ケイ様や圭子おねーさまが登場、バァーーンッ!と締める。
「芝居じゃないし、ずーっと同じことを同じテンションでやっているわけだから、なんか、飽きそうな予感」
と、幕間で言っていたドリーさんは、案の定終演後、
「飽きた……」
と言っていた。
気持ちはわかる。
「これで金取っちゃイカンやろ」レベルの子が大半を占める公演で、ストーリーは言い訳程度、えんえんえんえん同じ時代の同じテイストの歌ばっかじゃ、そりゃ飽きるわ。
キモチはわかる。
わかるともさ。
でもわたしは、たのしかったっ!!
「この公演に贔屓が出演していたら、うれしいだろうね」
ドリーさんはそうも言う。
馴染みも思い入れもないキャストだから飽きてしまったけれど、贔屓や馴染みのある子たちがこの公演に出ていたら。
きっと、すごくたのしい。
本公演でも他劇場公演でも、ろくに出番も台詞もないよーな子たちが、ソロをもらって役になりきって歌っている。
わたしは雪組下級生に馴染みがないからわかんないんだけど、きっとコレが花組や星組だったら「あの子があんな役!」「あの子って歌えるんだ!」とか、すげーわくわく眺めたと思う。
つまり、そーゆー作品。
キャストに思い入れや興味があるかどうか。好意があるかどうか。
それによって、作品への感想がまったく変わってくる。
とくに、「音月桂コンサート」状態なだけに。
音月桂を、好きかどうか?
によって、作品の印象も価値観も変わる。
で、わたしの答え。
音月桂、ダイスキっす!!
やーもー、たのしいー。
キムくんが出ずっぱり〜、歌いっぱなし〜。
とにかく彼、一秒たりとも表情が止まらないの。ずっとずっと、動いているの。
なんなのアレ。
歌っている間、アピりまくりですよ。
今回わたし、すみっこの席で観ていたんだけど、「段上がりセンター席が欲しい」と心から思った。
ああ、そーだ、そうだった。
忘れていたよ、『さすらいの果てに』で段上がりセンターに坐っていたとき、芝居だっつーにキムは目線絨毯爆撃、客席を釣りまくっていたもの。目線飛んでくるわ、ウインクはとんでくるわ……すごかった。
今回も、キムはひとり盛り上げまくっている。
客席へのアピールすごい。
やーん、真ん中坐りたいー。
キムくんにウインクされたい〜〜、目線もらいたい〜〜。
キムを好きで、どれほど好きで、これほど彼だけを見つめているしあわせときたら。日本語変。
下級生たちは「勉強中」の札をでかでかと貼っている状態だし、キムの孤軍奮闘っぽい印象はぬぐえず、脚本も「ストーリーないよ状態」だし、初日だし、拍手のポイントも五里霧中、客席の空気も微妙、盛り上がりたいと一部のキモチだけ空回り。
だからこそ、めげないで笑い続けるキムに感動する。
客席に、引かせる隙を与えないの。
あー、盛り下がる……とか、あー、ダレてるなー……とかゆー空気を感じると、キムが引っ張るの。
彼が明確な意志でもって、場を操ろうとしていることがわかる。……わかる、だけで、完璧に操れているわけじゃないけど、少なくとも手を放していないから、引き留められている感じ。
ソレが、気持ちいい。
この子、自分の「仕事」を知っている。
自分がナニをするために、ナニを求められて「ここ」にいるかを、ちゃんと知り、真正面から「仕事」をしている。
「客席の熱気」とか「一体感」とか、キムくんは挨拶で言っていたと思うけれど、ごめん、そーゆーのは特に感じなかった。隅で観ていたせいかもしれないけど、けっこー周り引いている・冷めている感じもあった。手拍子もしないし。スタンディングもしないし。(一部の人しか、そーゆーことをしない客席だったのだわ)
その微妙な空気の中で、それでも彼は、「ナニが求められているか」を自覚し、戦っていた。
ソコが、好き。
音月桂の、そーゆートコが好き。
言い訳無しで「笑顔」で戦う男。悲壮感漂わせちゃダメ、舞台人だから、必死さとかぎりぎり感だとかは見せちゃダメ。笑っていなきゃ。余裕ぶらなきゃ。「こんなに努力してます」を言い訳にするのは、プロじゃない。
かっこいいなあ、音月桂。
や、タカラヅカだから、必死さとかぎりぎり感とかを愛でるのもアリだと思っているけれど。そーゆーアマチュアハートも好きなんだけど。
でも、「プロ意識」を持つ人も好き。
『ノン ノン シュガー!!』。べつに、佳作だとは思いません。作品的にはふつーだけど、出演者がワークショップ・テイストなんで、誰が観てもたのしめるとは思えない。
でも。
雪組に、下級生に、愛や興味がある人は観てみて。
たのしいから。
そしてなにより。
音月桂が好きな人は、観るべきだ。
ジーンズ姿が微妙でも、「ナオン」で「シュガノン」なギョーカイ喋りがドン引きでも(笑)、キャラクタ造形がスベりがちでも、音月桂を好きなら、たのしいってば。
……この問いに、どう答えるか。
それによって、印象も価値観も変わる。
バウ・ライブ・パフォーマンス『ノン ノン シュガー!!』初日観劇。
「一緒に初日から行こうね!」と指切りしていたチェリさんに見捨てられた(笑)わたしは、ひとりぼっちでバウ観劇。
「観ようよ観ようよ!」と誘いまくって、ドリーさんと一緒。(東京在住のドリーさんが何故毎週ムラにいるのかは、ご想像にお任せします)
1幕が終わり、わたしとドリーさんは、「バウ・ライブ・パフォーマンス」というあおりの意味を噛みしめていた。
「この公演、芝居ぢゃなかったんだね」
ふつーにミュージカルだと思っていたから、びっくりした。
音月桂主演雪組若手コンサートだったんだー。
「『熱帯夜話』と同じかー」
「知らなかったから、首ひねっちゃったよ」
ストーリーは、「ナイ」と考えてください。……「ミュージカル」としては、あるうちに入らん、その程度。
ショーとして考えて、その上で「ストーリー仕立て」とするのが正しい。
や、「物語」と考えるにはあまりにも、ストーリーなさすぎだから。
1幕のあらすじは、「歌手を夢見るジョニー@キムと、家出娘シェイラ@さゆが出会った。」……コレだけですから。
ただもーえんえんえんえん歌ばっか歌い続けて、話はまったく進まないから。
2幕のあらすじは、「ジョニーが夢をあきらめ、シェイラと別れた。」……コレだけですから。
ただもーえんえんえんえん歌ばっか歌い続けて、話はほとんどナイから。
キムのオンリーステージではなく、出演者全員、なにかしら見せ場をもらって歌い、踊り、演技し、「スター勉強中」。
男の子たちはぷくぷくに丸いし、声も出来ちゃいない。それでも必死にキザったりはじけたり。
女の子たちはかわいこぶりっこ、タカラヅカでしかありえないオンナノコ像と格闘中。
大丈夫か、このキャストで興行打って……と不安になりかけるところへ、要所要所で萬ケイ様や圭子おねーさまが登場、バァーーンッ!と締める。
「芝居じゃないし、ずーっと同じことを同じテンションでやっているわけだから、なんか、飽きそうな予感」
と、幕間で言っていたドリーさんは、案の定終演後、
「飽きた……」
と言っていた。
気持ちはわかる。
「これで金取っちゃイカンやろ」レベルの子が大半を占める公演で、ストーリーは言い訳程度、えんえんえんえん同じ時代の同じテイストの歌ばっかじゃ、そりゃ飽きるわ。
キモチはわかる。
わかるともさ。
でもわたしは、たのしかったっ!!
「この公演に贔屓が出演していたら、うれしいだろうね」
ドリーさんはそうも言う。
馴染みも思い入れもないキャストだから飽きてしまったけれど、贔屓や馴染みのある子たちがこの公演に出ていたら。
きっと、すごくたのしい。
本公演でも他劇場公演でも、ろくに出番も台詞もないよーな子たちが、ソロをもらって役になりきって歌っている。
わたしは雪組下級生に馴染みがないからわかんないんだけど、きっとコレが花組や星組だったら「あの子があんな役!」「あの子って歌えるんだ!」とか、すげーわくわく眺めたと思う。
つまり、そーゆー作品。
キャストに思い入れや興味があるかどうか。好意があるかどうか。
それによって、作品への感想がまったく変わってくる。
とくに、「音月桂コンサート」状態なだけに。
音月桂を、好きかどうか?
によって、作品の印象も価値観も変わる。
で、わたしの答え。
音月桂、ダイスキっす!!
やーもー、たのしいー。
キムくんが出ずっぱり〜、歌いっぱなし〜。
とにかく彼、一秒たりとも表情が止まらないの。ずっとずっと、動いているの。
なんなのアレ。
歌っている間、アピりまくりですよ。
今回わたし、すみっこの席で観ていたんだけど、「段上がりセンター席が欲しい」と心から思った。
ああ、そーだ、そうだった。
忘れていたよ、『さすらいの果てに』で段上がりセンターに坐っていたとき、芝居だっつーにキムは目線絨毯爆撃、客席を釣りまくっていたもの。目線飛んでくるわ、ウインクはとんでくるわ……すごかった。
今回も、キムはひとり盛り上げまくっている。
客席へのアピールすごい。
やーん、真ん中坐りたいー。
キムくんにウインクされたい〜〜、目線もらいたい〜〜。
キムを好きで、どれほど好きで、これほど彼だけを見つめているしあわせときたら。日本語変。
下級生たちは「勉強中」の札をでかでかと貼っている状態だし、キムの孤軍奮闘っぽい印象はぬぐえず、脚本も「ストーリーないよ状態」だし、初日だし、拍手のポイントも五里霧中、客席の空気も微妙、盛り上がりたいと一部のキモチだけ空回り。
だからこそ、めげないで笑い続けるキムに感動する。
客席に、引かせる隙を与えないの。
あー、盛り下がる……とか、あー、ダレてるなー……とかゆー空気を感じると、キムが引っ張るの。
彼が明確な意志でもって、場を操ろうとしていることがわかる。……わかる、だけで、完璧に操れているわけじゃないけど、少なくとも手を放していないから、引き留められている感じ。
ソレが、気持ちいい。
この子、自分の「仕事」を知っている。
自分がナニをするために、ナニを求められて「ここ」にいるかを、ちゃんと知り、真正面から「仕事」をしている。
「客席の熱気」とか「一体感」とか、キムくんは挨拶で言っていたと思うけれど、ごめん、そーゆーのは特に感じなかった。隅で観ていたせいかもしれないけど、けっこー周り引いている・冷めている感じもあった。手拍子もしないし。スタンディングもしないし。(一部の人しか、そーゆーことをしない客席だったのだわ)
その微妙な空気の中で、それでも彼は、「ナニが求められているか」を自覚し、戦っていた。
ソコが、好き。
音月桂の、そーゆートコが好き。
言い訳無しで「笑顔」で戦う男。悲壮感漂わせちゃダメ、舞台人だから、必死さとかぎりぎり感だとかは見せちゃダメ。笑っていなきゃ。余裕ぶらなきゃ。「こんなに努力してます」を言い訳にするのは、プロじゃない。
かっこいいなあ、音月桂。
や、タカラヅカだから、必死さとかぎりぎり感とかを愛でるのもアリだと思っているけれど。そーゆーアマチュアハートも好きなんだけど。
でも、「プロ意識」を持つ人も好き。
『ノン ノン シュガー!!』。べつに、佳作だとは思いません。作品的にはふつーだけど、出演者がワークショップ・テイストなんで、誰が観てもたのしめるとは思えない。
でも。
雪組に、下級生に、愛や興味がある人は観てみて。
たのしいから。
そしてなにより。
音月桂が好きな人は、観るべきだ。
ジーンズ姿が微妙でも、「ナオン」で「シュガノン」なギョーカイ喋りがドン引きでも(笑)、キャラクタ造形がスベりがちでも、音月桂を好きなら、たのしいってば。
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