OSK『春のおどり』話の続きっす。

 1部の日本物でのカルチャーショックはいろいろあれど、着流しの男役がみんなズボン着用なことは、心からおどろきましたね。
 着流しの裾からすねをちらちらさせるのはデフォルトではないのですか?
 男の色気ってもんでしょう?! チガウのですか?!
 ミニスカートの娘役のパンチラをたのしむのと同じハートではないのですか?
 びっくりだわー。残念だわー(笑)。
 

 2部は洋モノショー「桜ファンタジア」。

 燕尾、タキシード、猫ちゃんと盛りだくさん。

 ……猫ちゃん?
 ええ、娘役ちゃんたちがそろってしっぽフリフリ、キュートな猫ちゃんやってました!! あ、耳はついてないっす。たしか。サイトーぢゃあるまいし!
 センターが娘役トップスター(だよね?)の若木おねーさまで。
 おねーさま、な年齢なはずなのに、これまたかわいい!! キュート!!

 タカセ氏はわたし、ミツバチ・トミーでハマったせいか、端正な黒燕尾姿より、ストリート・キッズやってる方がクるみたいっす。
 それぞれえーらいこっちゃな「イマドキの10代@いやソレ、カンチガイ入ってるから!!」な格好をさせられたみなさんが、わいわい踊るストリート・ダンス。
 群舞センターのタカセ氏がかっこいーぞっ。若いぞっ。

 しかしそのうえ、トップスターの大貴さんまでもが、「キッズ」のひとりとして登場するとは思わなかった。
 客席からの登場で、赤いキャップ姿で、わたしのすぐ横を歩いていったのに、大貴さんだと気づかなかった。
 アタマ小さっ。肩細っ。ほんとに、少年みたい。
 びびびっくりだー。ほえー。

 でもって我らが鶴橋様は、キッズの中には、まざってないの。
 とーぜんだよな。桐生さんが短パン穿いて「少年」やってたら、そりゃなんの罰ゲームだよ?!なノリになるよな?(よな?)
 おっさん属性の緋波・貴城両名もがキッズをふつーにやっていても、桐生さんだけはチガウよな?(よな?)

 大貴・桜花・高世とそろって少年役をやっているのを横目に、桐生さんは、大人役。

 高級クラブのマネジャーとして登場!!

 きゃーっ、うさんくせーっ(笑)。

 クラブ・チェリーだっけ?
 1部の鶴橋様もそうだったけど、桐生さんってこーゆーポジなわけ?
 2部でひとりだけ、台詞がある。狂言回しというか、世界観を台詞で語りながらオシャレ(笑)に客席と舞台をつなぐ。

 鶴橋様(違)の案内によって、舞台はクラブ・チェリーへ。

 美しいショーガールたちが踊る、大人の社交場。
 訪れる客たちは、もちろん黒タキだ。

 この場面がすごい。

 次々と、これでもかと、ダンスダンスダンス!!

 画面前面にせり出してくる勢いで、黒タキの紳士たち、ドレスの淑女、ショーガールたちが踊り続ける。
 全員登場だよね。
 スター勢揃い。
 華やか。
 グループごとに「これぞ見せ場!」って感じに、次々登場してサイドにはける。はけたあとはそれぞれお酒飲んだりしてくつろいで、またダンスグループに混ざってガンガン踊り……と。

 ええ、鶴橋様含む従業員たちも、踊りますよ!!

 かっこい〜〜!!

 この場面、もっぺん観たいなー。とにかくテンポ良くてダンスがかっこよくて、わくわくしたわ。
 それぞれ画面のあちこちで小芝居してるみたいだし、ファンやリピーターもたのしいんたろうな。

 終業後の姿まで見せるのは、正直「なんで?」だったけど、鶴橋様の見せ場が多いのは歓迎(ヲイ)。
 若ぶっている貴城氏もかわいかったし。(貴城さんがほんとに若い場合は失礼極まりない認識だニャ)

 大貴さんのサヨナラ公演でもあるわけだから、またこっちがその先入観で観ているせいか、彼の見せ場はなにかしらセンチメンタルに映った。
 そーゆー持ち味の人なのかしら。

 クライマックス、大貴さんの絶唱で緞帳が下りる。

 えええ。
 緞帳だよ、カーテンじゃないよ。
 まるで、これで終演、というように、幕が下りてしまうの。

 そして、ひと呼吸置いたあとで幕が上がり、フィナーレがはじまる。

 ああ、そうか。
 ほんとうに、ひとつの歴史の区切りなんだ。
 ショーの途中で緞帳を下ろすほどに、大貴誠の存在は大きく、彼のラストステージは特別なものなんだ。
 スタッフもファンも、それに敬意を示しているんだ。

 あまりにドラマティックな演出だったので。

 もう、大貴さんは出てこないのかと思った。

 再び開いた幕、再開された舞台の上にいるのは、桜花さんだ。
 次のトップスターは彼だよね?
 現トップが満場の拍手とともに一旦幕を下ろして去り、次のトップが幕を開ける……そーゆー演出だと思った。

 もう大貴さんは出ないのかなぁ……フィナーレなのになぁ……。

 桜花さん中心の男役場面、若木さん北原さんの娘役場面、高世さんの場面……と続いて、スター全員の場面になっても、大貴さん、ぜんぜん出てこないし!! アレで終わり? 緞帳を下ろして区切り、って、ほんとにそりゃすげー斬新な演出だ〜〜!!

 や。
 最後の最後に出てきました。大きな羽背負って(笑)。
 そりゃそーだよなー、出ないわけないよなー。

 でも、「緞帳を下ろす→フィナーレは出ない」ての、すごいわー。
 それくらい、大貴誠は重い存在なんだと思う。ふつーではありえないような演出をするほど。

 で、ラストは傘回し。
 出演者全員が、ピンク(スパンコール付き)の傘を客席に向けて持って、OSK讃歌みたいのを歌いながら、回したり、閉じたり開いたりするの。
 そーいや去年も見たよーな気がする。
 
 恒例らしいが、客席から笑いが起こるのは、どうなんだろう。
 回している出演者たちも、恥ずかしそう……笑顔が微妙になっている。

 大昔なら「舞台と客席で、傘を回す」というのは一体感があってよかったのかもしれないが、現代ではキツいのでは? 「傘を歌に合わせて開いたり閉じたりする」って、どう考えてもダサい……。

 OSKは、タカラヅカがなくしたものを持ち続けているカンパニーだと思う。
 それが感じられて、今回の公演はすげーたのしかった。
 じんじんと胸が熱くなる、愛おしさを感じた。

 大衆演劇であること。
 それが愛しいのだが。
 ……傘回しはその大衆演劇の象徴としても、さすがに時代を超越しすぎていて、愉快な文化になっているなー。
 客席の微妙な笑いも、出演者の微妙な笑いも(笑)。
 客席が濃い〜〜いファンのみで構成されていたら、そーゆー空気も流れないんだろうけど、実際はそうじゃない。てゆーか、ファン以外の「はじめて観ました」「縁あって足を運びました」な人たちが大半を占めるからこそ、大衆演劇なんだもの。

 微妙な笑いが起こるなか、それでも観客たちはソレを受け入れ、「こーゆーもんなんだ」と手拍子をする。
 あの空気感が、いいよなー。
 傘回しも、やっぱなきゃダメなんだろうなー(笑)。

 ハイディさんがわたしの観た翌日に、『春のおどり』を観に行ったそーで。
 桐生さんに食いつくあたり、すばらしい(笑)。
 鶴橋様の話が出来る人がいてくれて、うれしいわん。

 えーと、23日月曜日までミナミの松竹座で上演中っす。
 オススメですわ〜〜。


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