王女暗殺計画は無事に阻止することが出来、ダゴベールとブリジットは結ばれることとなった。

 ハッピー・ウェディングに沸き立つ人々の中。
 わざとらしいまでに「女らしさ」をアピールする帽子をかぶった中年女性が、ダゴベールの前に進み出た。

「ダゴベール……」
 帽子の下のその顔は、まちがいなくダゴベールの……。

「父さん……!」

 ダゴベールは驚愕した。
「どうして……? 死んだはずじゃあ……それに、その姿は」
 ダゴベールの父は、女らしいワンピース姿だった。膝丈のスカートからは、細い足がのぞいている。微妙に、開いたままの立ち姿だが。
「これが父さんの、ほんとうの姿なの。世間体を考えて無理矢理結婚したけれど、自分を偽って生きることはつらかったわ。あのころは、それでお酒に逃げてばかりいたけど……ほんとうの姿で生きようと決意したの。でも、幼いお前にはとても真実を打ち明けることは出来ず……だから、母さんとも相談して、死んだことにしたの」
「どうして、もっと早く打ち明けてくれなかったんだ? あのとき、海へ行ったっきり……そのままずっと……」
「ごめんなさい。私……お前に会わせる顔がなくて」
「馬鹿だな。どこの世界に、親を思わない子どもがいる? 父さんは……オレの父さんだ」
「ダゴベール」
「お帰り、父さん」
 固く抱き合うふたり。

「でもダゴベール。私のことは、『母さん』と呼ぶのよ。いいわね?」

「…………」



             ☆

 とゆー、意味のないお笑いシーンは置くとして。
 ダゴベール父と母を同じ役者が演じなければならない理由もわからないし、ここでダゴベール母が出てくる意味もわからない。
 出なくていいよー。
 流れが止められて、いいことなにもないよー。

 
 他のキャストの話。

 あかしが二枚目だ。
 とゆーのは、なんかもー、わたし的にデフォルトになってきている気がするので、いちいち語るほどのこともないのかもしれない。

 でもほんと、ハンサムでびびるよー。
 街の人々として歌い踊っているときの「若さ」と「美しさ」もすごいの。
 あの美形ダレ? と思ってよく見たら、あかしだった。なんてコトが、いくらでもあるわけだから!!

 金髪と明暗くっきりメイクのせいかなあ、なんかビスクドールみたいな美貌に見えるんですが。
 わたしが盲目状態なだけですか?

 
 でも、あかしよりびびったのは、みきちぐが、美形だということなんですが。

 美形だよね?
 美しいよね?

 どーしちゃったんだ今回。
 みきちぐって、こんなにきれいな人だったの??

 謎の画家役のみきちぐ。
 みきちぐだということは、一目でわかる。だが、「わかる」ことと「視覚情報」が同期できずに混乱した。エラー出そうな勢いで、混乱したってばよ。

 てゆーか、「美形」を演じれば美形になれる人だったってことか。
 三枚目しか見たことなかったからなー。

 ふだん三枚目なところばかり見ていたから、うっかり恋に落ちそうなくらい、ときめいちゃったわ(笑)。←笑うのか。

 
 最近好み度が上がっているのは、れおん。
 セルジオ役はべつにどーってことないっちゅーか、「また同じ役かよ」って感じの、れおんがいちばん得意とする役なだけだが。

 ……でも、ちょっと引っかかるのは、彼から、大らかさや暖かさをあまり感じないせいだと思う。
 同じ役をワタさんが演じたら、それこそ太陽そのものになったと思うのね。大きさも温度も。ついでに、うさんくささも(笑)。

 でもれおんだと、温度のない「ラテン男」になる。

 どこか、いびつだ。

 そこが、引っかかる。
 そしてわたしの場合、ソコが魅力に感じられるわけだ。

 たぶん、もともとの姿には、温度も大らかさもあるんだと思う。カラー粘土を想像してくれ。暖色の粘土の丸い固まり。

 でも、役目的にもとのままではいられず、必要に応じてのばしてのばして、無理矢理にでも「器」に合わせなければならない。
 足りない分無理に広げるもんだから、粘土は薄っぺらくなり、色も薄くなってしまった。
 いちおー、器全部を埋めてはいるけれど……今にも穴が開きそうに薄くなっている。とても大らかさや暖かさを出せる余裕はない。

 どんなに薄くなってしまったとしても、求められた器を埋めるだけ「のびる」のだから、彼はそれだけの実力があるのだろう。
 このまま成長すればいずれ、色を変えないまま器を覆うことができるようになる、だろう。

 だけど「今」、いびつに器を覆っている姿が、けっこー好みだ。

 なーんか、やばいよなー、こいつ(笑)。
 「演じて」はいるけれど、ほんとに、ソレだけだ。リアリティはないし、感情移入も出来ない。
 それでも、ダゴベール@トウコと「仲間」らしい貫禄はあるときたもんだ。
 歪んでるわー、嘘くさいわー、ニセモノくさいわー。
 ソレはちょっと、いいかもしんない(笑)。

 れおんは、ワタさんとは似ていない。
 ワタさんに今いちばん似ている男は、らんとむだろう。漢っぽさはもちろんのこと、温度や芸風がもっとも似ている。
 れおんはワタさんの持ち味から、どんどん遠くなっていっている。
 ワタさんなら、セルジオはあんなに気味の悪い温度になってない。低温でラテン、って、ちょっとゾンビみたいだぞっと。
 でもソコがいいんだよなあ、セルジオ@れおん。

 「トップスターになるしかない」育てられ方をした、御曹司。
 医者以外の選択肢を与えられないまま育った医学生みたいだ。周囲のお膳立てゆえ「仕方ない」から医者になるのか、ほんとうに医者になりたいのか、「どんな」医者になりたいのか、わからないままとにかく「医者になること」だけを苦行僧のように黙々と目指す。
 そのいびつさが、どんな濁りとなって、この「大切に大切に、傷ひとつないよう守られて育てられた御曹司」を花開かせるのか。

 たのしみだ。


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