「初日には絶対いるよね(笑)」
 と、言われてしまいましたが。
 実際、初日好きでかなりの確率でムラ初日にはいるけれど。

 みんな、忘れてるでしょ。わたし、水ファンだってば。

 水くん中日お披露目初日には、鈍行に乗って吹雪の中片道4時間半だか(時間すでに忘れた)かけて名古屋まで行ったのよ?

 本拠地公演お披露目初日に、駆けつけないはずがないじゃない。 

 ……いやその。
 好きな人が多すぎて、あまりにいろいろ好き好き言ってるから、説得力無いだろーけど。まっつへの愛とは別物だけど。

 いちおーほらわたし、
 2006-01-30の日記(http://diarynote.jp/d/22804/20060130.html)でこんなこと言っているくらいには、マジに水ファンなんだってば。

 水くん、となみちゃん、トップお披露目公演初日おめでとう。

 新生雪組本格スタートおめでとう。

 その思いゆえに、初日にこだわって駆けつけたのよ。

 そして、「あたしって水ファンなんだ」と自覚したときから、水くん出演作品のチケット運皆無記録は更新中。

 えーと、いつからだ、水くん出演作品のチケット取れないの。
 たか花のDCあたりで水オチ自覚して、それ以来ずーーっと宙組はチケットが取れなくなった。唯一取れたのは、『白昼の稲妻』東宝楽1階Sセンター……って、水くん出てないやん! ランブルーズ@トウコやん!!
 自力で取れないもんだから、掲示板やらオークションやら手を尽くさなければならない……。
 いちばんチケ運があるのが雪組で、いつも大して苦労せずに楽だの前方席だのが友会その他で手に入っていたのに、水くんがやってくるなり雪組運皆無。入れ替わるよーに宙組が当たるよーになった。

 水夏希のチケットは、手に入らない。
 それがわたしの常識。

 ええ、トップお披露目初日、しかもよりによって『エリザベート』で祝日。ぜんぜん手に入りませんけど、どーしましょー? びんぼーゆえ定価にこだわるもんだから、ほんとに手に入らないっつの。

 結局開演3時間前か、チケットの手配が付いたの。
 席が1階花道近くだったので、いろいろたのしかったー。

 
 『エリザベート』は、特別な作品。
 劇団にとっても、出演者にとっても、ファンにとっても。

 たとえば『ベルサイユのばら』なら、たしかに大作ゆえ注目度がちがって大変ではあるだろうけれど、作品が愛されていない分まだマシなのよね。
 『ベルばら』がぶっ壊れたキ*ガイ作品だって、みんな知っていて、あきらめて観劇してるじゃん。タカラヅカの「必要悪」だと諦観して、イロモノと割り切った目線でなまあたたかく眺める。

 『エリザベート』はチガウ。
 「作品」自体が素晴らしく、多くの人に愛されている。
 それゆえの先入観、こだわりが大きい。

 この作品で「お披露目」をするのはほんっとーに大変なことだと思う。

 緊迫した空気。
 お披露目初日のお祝いムードより、固唾をのむサスペンス色が強い。

 作品の難しさももちろんあるが、そのうえ、歌詞のひとつひとつ台詞の語尾のひとつひとつまで暗記している観客、だもんなー。
 はじめから減点法でしか観てくれないとわかっている客席を相手に演じなければならない難しさ。

 減点法だからなー、最初から「満点は存在しない」という。100点からスタートして、良いところは0点、悪ければ減点、さて、幕が下りる頃には何点残っているかしら? そんな客席のムード。
 ……気の毒だよなー。

 
 それでも。
 開演アナウンスでの、拍手は熱い。
 サスペンスフルでも減点法でも、たしかに愛のある空間だから。固唾をのむのも目線が意固地になったりしているのも、愛があるから。キャストへの、あるいは作品への。

 おめでとう。
 はじまる。

 その気持ちは、たしかだから。

 
 初日1回観ただけなんだが、とりあえず感想を残しておく。
 舞台は生き物、どんどん変わっていくモノだから。リピートすることで、自分の感想が変わっていくことがたのしみだ。

 
 トート@水くん。
 好きだ。
 ……理屈ではない。もともと好きなんだから、ナニがあろーと好きだ。
 キモッ!と思ったが、どんなに気持ち悪くても好きだ。
 メイク変だと思うし、フィナーレはカツラどうなのよアレ、とか、安直な組カラー尽くしは勘弁とか、いろいろいろいろ思ったが、それでもいいんだ、好きだから!!

 わたしはキモくて、その気色悪さからあちこち笑えて仕方なかったんだが、幕間に会ったデイジーちゃんが「エロいトート」と言っていたので、そーゆーもんなのか、とおどろいた。
 アレって、キモいんぢゃなく、「エロい」っていうものだったのか!(目からウロコ)
 そっかぁ。そーなんだぁ。
 言われてみればまあ、そんな気もする。
 ファンが「エロい」と思ってよろこんでいるなら、それがいちばんさ。
 わたしは気持ち悪さがたのしくて仕方ないんだけど。

 歌? 歌ですか?

 水夏希の、歌の出来映えを聞いてどーするよ?

 歌はアレに決まっているだろう!!(笑)
 声量のなさがいちばん気になった。ここはばーんと聴かせなきゃ!な、ところで歌としてのハッタリがきかないとつらいなと。
 ここで盛り上がるぞ!と、期待しているところでガクンと肩すかしされること数知れず(笑)。
 寿美礼サマが恋しくなったことは、ナイショです。今のわたしの最良の歌声はオサ様のドラマティック・ヴォイス(大声量)なので。

 マイクボリュームが抑えられているのかな? トートに関しては、もう少し上げて欲しいな。

 肩すかしだったことはたしかだけれど、そもそも演出がチガウせいかとも思う。
 ここぞ!というところをドラマティックに歌い上げるのではなく、わざと抑えめに静かに歌うことが、この「作品」のトートなのかもしれない。
 過去公演による先入観があるためとまどいが大きいけれど、柔軟に『エリザベート』を愉しみたい。

 トートの気持ち悪さがツボ。
 あの異次元生物感は、『エリザベート』という作品の新しい可能性だと思う。

 
 エリザベート@となみ。
 シシィが女の子だ、って、いいなあ。ーーこんな基本がウレシイって、どうなの(笑)。
 タカラヅカに何故「男役」と「娘役」があるかを再確認。ジェンヌは「女」ではなく、「男役」と「娘役(女役)」なんだねえぇ。

 「私だけに」を歌う姿を見て、愛しい少女だと思った。
 なんと愛すべき少女だろう。
 少女期の瑞々しい美しさ、魂の野生が華奢な身体からほとばしっている姿に、惹かれてならない。

 この愛すべき少女が、そのあとから心を閉ざし陶器のようなしんと冷たい美貌を刻んで生きていくことを思うと、切ない。
 1幕最後の鏡の間の美しさ。
 それを頂点に、彼女の美貌や存在感は薄くなっていく。
 闇に浸食されるように。

 トートの設定がこれまでのどの『エリザベート』ともチガウようだから、エリザベートもまたちがってくるのだろう。
 どう深化していくのかたのしみだー。

 

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