わたしは『TUXEDO JAZZ』が好きだ。
 この作品と別れなければならないことを、心から惜しんでいる。
 だから千秋楽は『TUXEDO JAZZ』を心に刻みつけるために、オペラグラスで視界を切り取ったりせず、鷹揚に作品自体を味わおうと思っていた。
 東宝『TUXEDO JAZZ』でははじめての2階席だ。全体を俯瞰し、DVDには映しきれない動きや雰囲気を堪能する予定だった。
 実際、うまくいっていたんだ。
 オサ様を中心に、全体を愉しむ。
 そうしていたんだよ。
 でもつい、どーしても、まっつを見てしまうのよ!!

 カオスの場面で。
 あれほどまっつ以外を見ようと決めていたのに。
 うっかり、まっつを見てしまって。
 しかも。

 一花ちゃんと腰を合わせて、しかも揺らして……つーか、回しながらシャウトするまっつ。

 ……なんてものを目撃してしまい、アタマが真っ白になった。

 なななななにやってんですかあっ?!
 わ、わたしの見た角度が悪いの? たまたまそんなふーに見えただけ?
 でもわたし、今までそりゃーいろんな席で、まっつガン見してきたけれど、そんなふーに見える(疑いを持つ)ような姿で踊ってなかったわよ?! 20回ほど見てきて、はじめてだよ?!
 向かい合って、腰を合わせて、って。
 それで背中のけぞらせて、腰を回してるんですが。

 そんなことしたら、赤ちゃんデキちゃうでしょおっ?!

 そりゃ、まっつと一花ちゃんの子どもなら、ちっちゃくてかわいー子が産まれるだろうけどっ!(落ち着け)

 アタマが真っ白になって、ファイナル・カオスの興奮や感動が、「腰を回してシャウトするまっつ」という、およそ彼の芸風からかけ離れた姿を目撃したせいで、なにもわからなくなってしまった。

 アタマがまっつまっつだよ、どーしてくれんだよぅ。

 それ以降は、まっつガン見。
 どどどうしよう、まっつが、かっこいい。
 なんかすごいかっこいいですぅ。オトコマエです、男らしいです。や、そっからあとっつったら、銀橋で彩音ちゃんにフラレて落ち込んで去っていくだけなんだけど。あのヘタレなところが、かっこいいんですよ、きらきらして見えるんですよ、どうしよう!!
 で、大階段でベスト姿で踊っているところなんかもー、ただのデコレーションのくせに、すごいオトコマエなの!! 表情がチガウの! きりりっと濃いの!

 どーしよー。
 今になってまたさらに、ときめいてるよぅ。

 オサ様に感動しまくっているのとは、まったく別のハートで。
 オサ様が素敵なことにはなんの疑いもないが、まっつが素敵だとまず我が目を疑ってしまうから、無駄に消耗する……。はぁはぁ。
 まっつ、かっこいー。もー、どーしよー。おろおろおろ。
 

 フィナーレのあと、最後の挨拶時、退団する袴姿のわかなちゃんを見つめるまっつは、やはりカオが見事にこわばっていた。
 ムラ楽のときはわたし、1階10列くらい?(もうおほえていない。わたしの海馬って……)の席だったため、頬が濡れているのが見えたんだけど、今回は2階A席だもん、んなもんまで見えやしねえ。
 まっつまた、カオ硬直させたまま、ベソかいてたのかなあ。
 カーテンコールでも、笑顔できてなかったしなあ。

 あああ、まっつが遠い……。
 でも東宝花楽が友会で当たったの、生まれてはじめてだもん。(生まれてからのカウントかよ! なんて長大な時間)
 舞台が遠くてもいいんだ、今ここにいられるだけでしあわせ。……きっともう二度と当たらないんだろうなあ……。くじ運欲しい……。

 
 いやはや。
 なんにせよ、堪能です、はい。
 

 わたし普段、入り待ちも出待ちもしない人で。
 まっつオチしてからも、たぶん出待ちなんか一度もしたことないんだけど。

 劇場前でどりーずのみんなと喋っていたら、生徒さんたちの楽屋出がはじまってしまったということもあるけれど。

 まっつが現れた、とわかった瞬間。彼を追いかけて、会の後ろまで行ってしまった。友人たち置き去りにして、ひとりで。
 各会ガードの前を歩くまっつと同じ早さで、ギャラリーの後ろを歩いて。どこがまっつ会なのか知らなかったけれど、まっつが立ち止まったところで、立ち止まって。
 まっつがなにやら話しているのを、ギャラリーのいちばん後ろから眺めた。

 まっつって、美人だよね?

 すごい、きれいだよね? かわいいよね?

 わたしの目の錯覚じゃないよね? 誰から見ても魅力的だよねえ?? ……うわーん、誰か同意してよおぉお!! 誰か肯定してぇぇえ!!
 ぜえぜえ。

 息も絶え絶えだわ。
 なんて罪作りなまっつ。

 まっつまっつまっつ。


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