魔法の言葉。

2007年7月6日 ゲーム
魔法の言葉。
 あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを


 さて、しつこくプレイしつづけて、1年を超えましたよ、『おいでよ どうぶつの森』

 村の住人はプレイヤーキャラをのぞくと8人。彼らは随時入れ替わっていきます。他の村に引っ越してしまうの。
 でも、お気に入りのキャラとはお別れしたくない。つーことで、引っ越し準備に入ったときに、引き留める。
 そーやって、プレイ最初からいたカエルのフルメタルさん、白ネズミのとめさん、弟のまめさま村から大昔に引っ越してきたコアラのアデレード、任天堂のデータダウンロードサービス終了後はレアキャラとなったサルのさるお、この4人は我が「まっつ村」のレギュラーキャラ。
 他の人たちは入れ替わるけれど、この4人だけは変わらない。ずっといる。

 で。
 ずっとひとつの村にいると、彼らの部屋はひどいことになる。
 最初はそれぞれ個性的な部屋に住んでいるどうぶつたちだけど、長く村で暮らしていると、持っていた家具を捨てていくのね。
 かわりに虫やら魚やら化石やら服やらを部屋に飾る。
 なんにもない部屋にぽつんと水槽だけ置いてある、そんな変な部屋になったりするのだわ。

 それが嫌でねー。

 プレイ期間1年を過ぎ、イベントも全部やったし、借金なんかとーーーーっくの昔に払いきったし、化石も虫も魚もコンプしたし、みたいな状態になると、なにか別のことに燃え出すのね。

 今わたしがこつこつやっているのは、「どうぶつたちの部屋のコーディネイト」。

 自分の家のコーディネイトはもういい。
 どうぶつたちだ。

 どうぶつたちは、わたしが贈った家具を使ってくれる、ことがある。

 手紙にプレゼントを添付できるんだ。
 それで、ひとりずつにテーマを決めた家具を贈り続けている。

 上の写真は、アデレードさんち。
 青い家具で統一。壁紙も、絨毯も。

 いちいち注文するのではなく、ふつーにたぬきちの店やふうせんやお礼で手に入った場合のみ、贈ることにしている。注文したら、すぐにコンプできちゃうから、そうではなく、あくまでも偶然性をたのしんで。

 どうぶつたちに書く手紙、これがけっこー難しい。
 あいつら、なにをよろこび、なにで機嫌を損ねるかさっぱりわからん。
 プレイ当初わたしは、真面目にフルメタルさんと文通してケンカしていた(笑)。

 真面目に書いた手紙だって、受け入れてもらえなかったりはザラ。ひどい罵り文が返ってきたりする。

 だんだん考えるのがめんどーになってきて、しばらくは「アニメソング特集」をやっていた。
 『ムーミン』『キャンディ・キャンディ』『マジンガーZ』……年齢のわかるなつかしアニメ主題歌を手紙に書いて、送り続けていた。
 ガンダム名言集の頃もあったな。「ザクとはちがうのだよザクとは」とか、「エリートでいらっしゃったのね」とか、思いつくことを書いてたなー。
 どうぶつたちはもらった手紙を持ったまま、よその村に引っ越すので、弟から「『シュシュッシュ ダンダダン(ちゅうりゃく)おれは なみだをながさない ロボットだから マシンだから』とかゆー手紙をどうぶつから見せられたぞ」と言われたりした。(や、ソレは『グレートマジンガー』オープニング)

 んで、去年の末から今年のはじめにかけては、えんえん『タランテラ!』尽くしをやっていた。

「もしも ちいさなくもを
 みつけたときは どうか
 そっと てをふれないで
 にがしてあげて どうぞ」

 とか、

「こわれかけた なみが
 うみのなかで おどる
 あわが はじけるたび
 こころが くだけちる」

 とか、手紙に書いてどーぶつたちに送りつけていた。

 で、うちからの引っ越し者が自分の村に多い弟は、「そっちから来たどーぶつに、手紙を見せられた。なんかわけわかんないポエムが書いてあった」と嫌そーに言っていたりした(笑)。

 『タランテラ!』の歌詞を書き続けるのはたのしかったが、どうぶつたちには、不評だった。
 アニソンのときは5割くらいだったのに、ほぼ100%怒りの手紙が返ってきた。

 なんだよみんな、『タランテラ!』は嫌いか!!

 で、今年2月からは趣向を変えて、『TUXEDO JAZZ』になる。

 もちろん、オープニングの1曲目から送り続けていたんだけど。

「あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを」

 このフレーズだと、どうぶつたちの反応がいい。

 それに気づいたので、えんえん、同じ文面で送ってみる。

 何回送っても、みんな等しくよろこぶ。
 そして、プレゼントを返してくる。

 1年間、試行錯誤を重ねた「どうぶつが100%よろこぶ文面」!!

 ついに見つけたわ!

 さすがオサ様。
 どうぶつたちまで、癒してしまうのね!

 手紙に歌詞を書くとき、心の中にオサ様の声が響く。

「あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを」

 「あなたは しらない」の「い」で声が裏返るところも、そのままに。
 いつもいつも、繰り返し反芻する。

 何ヶ月もずっと、書き続ける。
 心の中で、噛みしめ続ける。

 あの人の、歌声を。

 そーやってどうぶつたちに、それぞれのテーマに沿った家具を送り、彼らの部屋を改造する。

 どうぶつたちがよろこぶ文章。
 どのどうぶつも等しくOK。
 何回でもOK。
 連続でもOK。

 魔法の言葉。

 書くたびに、やさしい歌声が胸にひろがる。


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