花組は、弱肉強食である。
 本公演でも、若者たちはスキあらば客席アピールに余念がない。
 花組『ハロー!ダンシング』もまた、出演者たちが実にイキイキと自己表現していた。

 幕が上がるなり、戦闘開始。

 予備知識ナシだったので、冒頭のニューヨーク公演再現ダンス場面、まずセンターの弱さにびっくりし、すぐにセンターを喰う勢いの周囲に拍手した。
 まあこの場面はどーしたって真ん中が要で、彼に求心力がないと散漫になってしまうんだけどね。
 ソレはもう仕方ない。月組だってこんなもんだったさ、とあきらめつつ。
 月組よりバラバラに見えるのは、センター以外がうるさいせいだろう(笑)。
 みほちゃんって、こんなに派手な人だったんだ。
 安定感のあるダンサーだと、漠然と思ってはいたけれど。弱いセンターを支える……というか、喰ってますなあ、華やかさで。
 しゅん様が堅実に踊り、ちゃーがたおやかに踊り、マメとだいもんがやたら濃く「演技」している。らいとネコがキザっているし、いやそのキミたち、いちいちキメ顔作るのってどうなの。
 アピール強いよみんな、うるさいよみんな(笑)。

 かりやんがこんなに「真ん中」ができない人だとマジ知らなかった。ダンサーとしての技術と、「センターに立つ」ことはまったく別なんだと、改めて痛感。
 他の場面ならまだ誤魔化しもきいたかもしれないが、この冒頭場面だけは無理だ。華のなさ、度量のなさがまんま剥き出しになり、本人的にも作品的にも気の毒なことになってしまった。
 舞台ってのはこわいところだなー。

 最初にがつんと空気を掌握するためのプログラムだ。そこがバラバラではじまってしまった花組『ハロー!ダンシング』。
 それでもテンションだけはやたら高い(笑)。

 最初の狂言回しコンビは、ののすみちゃんとしゅん様。
 ののすみキュート! しゅん様大変!!
 しゅん様は鈍くさい人なんですか? 手順に追われまくって、すっげーあたふたしているよーに見えたんだが……。バイオリンも音と合ってないし。てゆーか音が終わる頃によーやく弾きだしていたよーな。
 顔だけ落ち着いて、カラダは大騒ぎしている風なのがもお(笑)。

 黒尽くめで踊るパッショネイト・ダンス、センターはちゃー。
 彼も決して「強い」センターではないんだが、これくらいの空間を率いることはできる。かりやんも、センターの横にいてくれると、その美しさが栄える。
 てゆーかここ、ナニ気に女の子たちが強い気がする……。情熱的に発散するモノが、女の子の方が強く打ち出しているよーな。

 青の洞窟では、二枚目のマメを堪能。や、しゅん様とみほちゃんもいいんだけど、本気で耽美しているマメは見物でそ? 悩ましいですよ、彼!

 狂言回しその2、センターはだいもん。ひめかちゃんと初花美咲ちゃんを率いてます。
 だいもんが、すげー自然。
 センターで歌い、踊ることが「ふつー」っぽい。通る声、あでやかな表情。空気を動かす気力のみなぎるエンターティナー。

 初花サンは元気にアピール。大きな表情、かわいい笑顔。これで痩せてくれれば文句ないのになー。でも『TUXEDO JAZZ』のラインダンスのときより細く見えるから、アレは衣装も悪かったんだと思う。
 ひめかちゃんはおとなしめ。というか、表情弱い? でもスタイルよくてすげー美少女だー。

 『Young Bloods!! 』再現場面は、何故か月組から「スチーム・ヒート」。
 おどろきました。や、だからわたし、なにも予備知識なくて。ここで月組のコレが来るとは思ってなくて。

 てゆーか。

 らい、衣装似合わなさすぎ。

 男女関係なく同じ衣装、朱色のパンツと、ジャケットを象ったシャツ、どっちもぴちぴち系。加えて同色の帽子。全員が女の子なんだろう、曲線のあるカラダのラインもあらわに、コケティッシュに踊る。
 最初に登場するのが、らいで。

 オカマ、キターーッ!!

 いやその。
 すべての男役が、同じことをやっているのに、らいだけ何故あんなに特異に見えるんだ?
 永井豪の描く、タカラヅカ・スターみたいだ。

 あ、『デビルマン』等で有名な漫画家の永井豪氏の作品『バイオレンス・ジャック』に、いかにもなタカラヅカの男役がいます。マンガではモロな台詞はなかったけれど、ノベライズの方に「タカラヅカの出身か?」という台詞もあった。バイオレンス・ジャックがヅカを知っているという事実にウケたのでおぼえている。

 最初に出てくるのがらいでなければ、その他大勢でまぎれて出てきてくれればそこまで目を引きもしなかったかもしれないが……。
 最初なんだもん。
 3人で出てくる、最初のひとりなんだもん。一緒にいるのは、みほちゃんとかりやんか? らいに釘付けで、おぼえてない……。

 後ろ姿が凶悪。腰のところに、かわいらしいリボンがついてるのよー。らいがもー、似合わないのよー。

 たとえばマメは着こなしているの。
 あの微妙な衣装を。
 キュートなの。
 腰のリボンがかわいくて仕方ないの。
 しゅん様まで行くとゴツいもんで、別モノとして「アレはアレでアリ」だと思えるの。
 らいのあの微妙さはなんなんだろう。

 今回とくにらいを「ケロに似ている」とは思っていなかったのだけど。
 女装の微妙さ加減が、ケロに似ている。と、とっても肩を落としてしまいましたよ……。
 女装したケロに似てる。胸がもにょもにょする、この受け取る側の感想が似ているっ!!

 そんなとこ、似なくてもいいのに……。

 胸のラインがばっちりわかるこの衣装、ゆまちゃんが、すごいことになってました。

 すげー質量。
 メロンふたつ入ってるよありゃ。

 と、ゆまちゃんの胸を語ったところで、長くなったので別の日欄へ続く。


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