雪組再演『エリザベート』東宝千秋楽。
 泣いても笑っても、最後の『エリザベート』。このメンバーで演じる、最後の1回。

 トート閣下は、ゾフィーを迎えに来ませんでした。

 残念〜〜。期待してたのにー(笑)。

 ムラ楽にやったとき、思ったよりウケなかったからと、チカちゃん傷ついちゃったのかなぁ?
 あまりに一瞬で、みんな反応しきれていなかっただけだよ。東宝でもやってくれたら、拍手喝采だったと思うよ。

 水×ハマコ(逆?)なんて、すばらしい世界なのになあ。どっしり腰を落ち着けてやってほしいくらいだ。

 
 楽のお遊びは重臣ズが「女の子の宅配実績」を押しつけ合い、収拾がつかなくなる、というものだった。
 ムラでは司祭様が伯爵に押しつけておしまい、だったのが、重臣ズ全員に押しつけ回ししていた。

 なによりわたしは、「名前を早口で呼ぶのが大変そうだな」てことにハラハラしていた。
 だってさー、密告者たちとか名前あってもまず呼ばれることないじゃん? なのにわざわざ「ヒューブナーが」「ケンペンが」ってやるわけっしょ。
 なにより「シュヴァルツェンベルク」って、長すぎ。
 アドリブでさらっと言うには、大変すぎるやろ、この名前(笑)。

 名前噛まないで発音するんだ、誰がどの名前だって観客に対して示すのははじめてだろーし、みんながんばれー。
 と、まったく関係ないところでエールを送りつつ、眺めてました。

 
 2幕冒頭のルキーニ@キムは、ムラからずーっとアドリブを通してきたことになる。
 最後のアドリブは、「美女写真コレクションがた〜くさん」と、ジャケットの前を開くとそこにはキャストの写真がベッタベタ。
 と、そこまではいい。
 問題は……あのー、特徴あるシマシマシャツの男の写真も、入ってますが?
 アレは誰の写真ですか? 美女?
 新公ルキーニ@せしるだと、いいんだけど。
 まさかルキーニ、自分自身を美女カウントしてないでしょうね?(笑)

 何回目かのカーテンコールで、水しぇんがキムをねぎらってました。毎日アドリブすげぇよ、ごくろーさま、てな意味のことを。
 水しぇん、いい人だー。

 
 予想外に、ムラ初日、楽、東宝楽と観ることが出来たわけだけど。

 いちばん拍手の音が大きかったのは、ムラ初日だ。

 あの空気、あの音は、特別だった。
 ナガさんが挨拶で拍手のことに触れたほど、すごい熱気だった。

 みんなが、待っていたんだね。
 水くんのトップスターとしての第一歩を。
 トップお披露目初日ってのはほんと、他のナニにも代え難いものなんだなと、改めて思った。

 楽の拍手が少なかったというわけではないよ。十分熱い拍手に満ちていたさ。
 そうではなく、その場にいた感触として、ムラ初日は別次元だったな、と。

 大作『エリザベート』上演初日、つーのも、そりゃあったろうけど。

 
 よい門出だったのだと思う。
 上級生の少ない雪組が、一丸となって作り上げた舞台。
 らぎくんやら谷みずせやら、ついこの間のバウ公演でごくふつーに高校生役をやっていたような子たちが、ヒゲ付けておっさん役をやって。
 まるまるした下級生たちが、カフェで歌って。

 ずっとずっと、成長したのだと思う。
 この公演を通して。

 その成果をこれから見守れるのだと思うと、うれしい。

 新生雪組。
 過去を否定するのでなく、重ねた歴史の上に、築き上げた土台の上に、より大きく深くあざやかに美しく、花開いていってほしいと、心から願う。

 初演『エリザベート』が、ほんとに好きだったんだよ。
 大切だったんだよ。
 雪組はずーっと、わたしのホームポジションなんだもの。最初の組なんだもの。
 贔屓の変化と共に、担当する組も変わっていくけれど、雪組への愛着だけは変わらない。

 東宝楽、わたしの斜め前の席に、カリンチョさんがいた。
 わたしがヅカに、そして雪組にハマったときに、トップスターだった人だ。
 はじめてのトップスターさんだ。
 雪担として、見送った人だ。
 カリさんは記憶と差異のない、美しい姿でそこにいた。や、昔から年齢不詳だったしな(若い頃から芸風がオッサンだったっちゅーか……ゲフンゲフン)。
 カリさんを見送り、いっちゃんを見送り、ゆきちゃんを見送り、トド……は見送ってないけど(笑)、ブンちゃんを見送り、コム姫を見送り、ここまでやってきた。

 時の流れを感じた。
 あのころあこがれた、ダイスキだったラテンラヴァー・杜けあきが、客席にいる。この人はもうきれいな女の人であり、「男役」ではない。
 時代は変わり、決して戻ることはない。

 ムラ初日、割れんばかりの拍手の音を聴きながら、噛みしめた。

 わたしの大切な雪組に、またひとつ新しい時代がやってきた。
 どんな時代も、愛を込めて見守りたい。


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