それでも、しあわせをくれる。@シルバー・ローズ・クロニクル
2007年10月25日 タカラヅカ 某ゆみこファン(今さら伏せるか)の友人がそりゃーもー、すごい勢いで「ゆみたんカッコイイ、ゆみたんかわいい、観に来て」と繰り返していました。それを全部「ふーん」と流していたわたしですが、最後の最後についに動きました。
わたしを動かした言葉とは。
「ヲヅキがすごくカッコイイから、観に来て」
わかった。行く。
「何百回ゆみこがカッコイイって言っても来てくれなかったのに、ヲヅキなら一言なのっ?!」
一言です(笑)。
つーことで、DC初日の次に千秋楽に行って来ました、『シルバー・ローズ・クロニクル』。
や、たんにあたしゃ今、オサ様と花組で手一杯で……正直に言うと金がなくて……『銀薔薇』まで手が回らなかったのよ。農閑期なら、ふつーにもう1回は観ていたと思うよ。つか、バウ料金ならよかったのに。DC高すぎ。
作品に文句は山ほどあるし、好きな話ではまったくないが、それとは別に、出演者たちが生き生きしていてかわいくて、たのしいんだもの。宙組の『A/L』と同じハートだわ。
初日のヲヅキはラストシーンで爆笑されていたのよ。アナベル@さゆに噛まれたブライアン@ヲヅキは、急激に年を取り……最後の登場は、コントのようだった。白髪に顔を覆った白ヒゲ、ヨタヨタ杖ついて登場、場内爆笑。
ちょっと待て。笑わせてどうする。
ヴァンパイアの血のために若さを保っていたヴァン・ヘルシングが、理屈はわかんねーがヴァンパイアに噛まれて年齢相応の姿に変化した……というのは、いい。だが、「老化すること」=「ヒゲが伸びる」ことではないだろう、演出家よ。止まっていた時間が40年分経ったのだとして(老化ならわかるが時間が経つってのは変だと思うけど)、ヒゲだけ伸びるわけないでしょう。それなら髪も爪も全部40年分伸びなきゃおかしいよ。
ヒゲの老人、という、わかりやすい老人コスプレで登場、観客を笑わせて、なにもせずに出た途端ご臨終。なんのコントだよ?
まったく美しくない女の子に「美しい」とか言うし、老人コントで死ぬし、で、初日のヲヅキはかなりトホホだった。
それが公演が進むにつれ、さゆちゃんのお化粧や着こなしがマシになり、少しはかわいくなっているというし、ヲヅキもアホなヒゲはつけず、二枚目じじいとして登場しているという。
それなら、そのよくなっている姿を見なくてはならないなと。このままじゃわたしの中のヲヅキ像があんまりなままだし、なによりさゆちゃんの印象が悪すぎる。
記憶を上書きするために、もう一度観るべきだ。
キングをはじめとする。下級生たちの成長ぶりも堪能したいし。
つーことで千秋楽。
ヲヅキはますますかっこいいし、じじいコントもなく(でも出てきて即サヨナラはどうかと……)てよかったよかった。
さゆちゃんも進化していたし、聞くところによると青年館ではカツラが変わってさらにかわいくなっているという話だし、みんな良い方向へ進んでくれてよかったよかった。
でも楽を観て、わたしのなかでいちばん株を上げたのが、クリストファー@かなめだった。
カッコイイ凰稀かなめなんて、何年ぶりだヲイ。
ヘタレの一途を突き進み、ダメダメ男としてその名を残すつもりなのかと危惧していたかなめくんが、かっこいいっす。美しいっす。や、どんなにダメダメでも美しくはあった彼だが、容姿の美しさではなく、役として美しいのは何作ぶりだよ??
我らの壮一帆主演『お笑いの果てに』のヒロイン役以来じゃないのか、カッコイイかなめくんなんて。
わたしは「顔が同じ」ことからはじまるラブストーリーがツボな人間なんだが、これってクリストファーとエリオットにもあてはまるよねえ?
クリスがアランをどう思っていたか、さらに今、アランと同じ顔をした、でもアランとは似ても似つかないエリオットを見て、しかもエリオットのパワーに押されて、どう思うのか。……いくらでも妄想できる、ストーリーを作れる、感じがすばらしい。や、脚本が穴だらけだからこそ、勝手に埋めることも可能なわけで。
初日もソレは感じたけれど、狙いすぎのタンゴとか、腐女子を萎えさせるよーなことばっか小柳タンがするし(真の腐女子は据え膳なんぞには萌えぬのだ)、テルもダメ度高いわで、とくになにも思わなかったんだが。
楽に見たときはテルのオトコマエ度が跳ね上がっていたので、「コレならイケる!」と瞠目しました。なんだよ、二枚目できるんじゃん。外見の話ではなく、中身が二枚目ってことね。
『お笑いの果てに』でも思ったけれど、かなめくんは男っぽいキャラクタを意識した方がいいんだろうな。ルドルフみたいな受キャラをやると、まちがえる。受=よわよわ、とか見当違いのイメージでせっかくの美貌を無駄遣い。
心根に強いモノを持った男でないと、受ではなくただのヘタレになるんだってば。つーことで、エドウィン中尉は野郎っぽさを意識してくれたおかげでステキにヒロイン、美貌の受キャラとして輝いていたし(つっても、相手が壮くんだったから、どーしよーもなかったが)、クリストファーは美貌の攻姫として開花。いやあ、ツンデレはよいですな(笑)。
下級生たちの楽しんでますオーラが、すごく気持ちよかった。
上手いかどうかではなく、まず、「そこにいること」を楽しんでいる、ことが気持ちいい。全員が意義を持って、意志を持って、存在している。や、脚本がアレだから役の存在意義とかアレなことはいっぱいあるが、そーゆーことではなく、演じている彼ら自身が「生きる意味」を感じている。
この混沌とした世の中、「生きる意味」だとか、醍醐味、充実感、そんなものを得られている人間がどれくらいいるよ? 自分が何故ここにいるのかもわからず、なんとなく生きているのが現状でしょう。
そんななか、今この瞬間、舞台の上にいる彼らはたしかに、「ここにいる意味」を理解し、意志を持って発散している。
前へ、前へとなにかを叫んでいる。
持てる能力のすべてで、全力疾走して、そしてそのことを、愉しんでいる。
彼らの輝きがうれしい。たのしい。気持ちいい。
その筆頭はキングだよなあ。うまいわけではぜんぜんないんだが(笑)、たのしくてしょうがないのがよくわかる。なにかやりたくてしょーがないんだろうなあ。
「キングにはがんばってほしいよなあ。なんせトウコちゃんに似てるんだし」
と言うと、おどろかれたけど。
「え、どこが?」
「顔」
剣幸にも似ているが。これから大人になって、頬の丸みが取れればさらにトウコに似てくるだろう。
「背が高くてスタイルが良くて、歌その他いろいろへたっぴなトウコ」
「……ソレ、トウコちゃんぢゃないし」
はい。顔以外なにもかも正反対です。
ゆみこちゃんは任が大きくなるたびにひとつひとつ、確実に階段を上っていってる気がする。
毎回「自己ベストより少し上?」てなバーを与えられ、地味だけど確実に跳んでみせる印象。たまたま跳べたんではなく、跳ぶための練習をきちんとした上で、本番で結果を出してくるというか。
この人を中心に舞台がまとまる、その空気感がいい。華々しい人ではないけれど、「次もまた、この人の舞台を観たい」と思う。お金を出す価値のある舞台人だ。
ビジュアルに多少難があったとしても、「演じる」ことでいくらでも男前になる。役者ってそういうもん。……わたし的には、ゆみこ真ん中って、ぜんぜんOKなんだけどなぁ。世間的にはどうなんだろうなぁ。
終演後の挨拶で、圭子ねーさまがあのかわいいアニメ声で夢や勇気の大切さ、そして「ゆみここそが、私たちに夢や勇気を与えてくれる存在」てなことを言っていた。あまりの持ち上げよう(?)に、出演者一同、そして観客も、あたたかくもくすぐったい笑いがこぼれる。
みんな笑っているのに。
ただひとり、真顔で「うん、うん」と力強く何度も頷く凰稀かなめに、ウケました。
テル……ほんまにゆみこのこと大好きなんやな……。見てて恥ずかしくなったわ(笑)。
人が人を愛している、愛しく思う、無償の心の動きっていうのは、見ていてしあわせになる。
わたしがない金と時間を工面して、それでもDCに再度足を運んだのは、この雪組キャストのあたたかさに触れたかったこともあるし、また、「ゆみたんカコイイ」しか言わなくなっている友人の、ぶっこわれぶりが愛しいせいもある(笑)。
愛がある。……それは、こんなにもひとをしあわせにするんだ。
わたしを動かした言葉とは。
「ヲヅキがすごくカッコイイから、観に来て」
わかった。行く。
「何百回ゆみこがカッコイイって言っても来てくれなかったのに、ヲヅキなら一言なのっ?!」
一言です(笑)。
つーことで、DC初日の次に千秋楽に行って来ました、『シルバー・ローズ・クロニクル』。
や、たんにあたしゃ今、オサ様と花組で手一杯で……正直に言うと金がなくて……『銀薔薇』まで手が回らなかったのよ。農閑期なら、ふつーにもう1回は観ていたと思うよ。つか、バウ料金ならよかったのに。DC高すぎ。
作品に文句は山ほどあるし、好きな話ではまったくないが、それとは別に、出演者たちが生き生きしていてかわいくて、たのしいんだもの。宙組の『A/L』と同じハートだわ。
初日のヲヅキはラストシーンで爆笑されていたのよ。アナベル@さゆに噛まれたブライアン@ヲヅキは、急激に年を取り……最後の登場は、コントのようだった。白髪に顔を覆った白ヒゲ、ヨタヨタ杖ついて登場、場内爆笑。
ちょっと待て。笑わせてどうする。
ヴァンパイアの血のために若さを保っていたヴァン・ヘルシングが、理屈はわかんねーがヴァンパイアに噛まれて年齢相応の姿に変化した……というのは、いい。だが、「老化すること」=「ヒゲが伸びる」ことではないだろう、演出家よ。止まっていた時間が40年分経ったのだとして(老化ならわかるが時間が経つってのは変だと思うけど)、ヒゲだけ伸びるわけないでしょう。それなら髪も爪も全部40年分伸びなきゃおかしいよ。
ヒゲの老人、という、わかりやすい老人コスプレで登場、観客を笑わせて、なにもせずに出た途端ご臨終。なんのコントだよ?
まったく美しくない女の子に「美しい」とか言うし、老人コントで死ぬし、で、初日のヲヅキはかなりトホホだった。
それが公演が進むにつれ、さゆちゃんのお化粧や着こなしがマシになり、少しはかわいくなっているというし、ヲヅキもアホなヒゲはつけず、二枚目じじいとして登場しているという。
それなら、そのよくなっている姿を見なくてはならないなと。このままじゃわたしの中のヲヅキ像があんまりなままだし、なによりさゆちゃんの印象が悪すぎる。
記憶を上書きするために、もう一度観るべきだ。
キングをはじめとする。下級生たちの成長ぶりも堪能したいし。
つーことで千秋楽。
ヲヅキはますますかっこいいし、じじいコントもなく(でも出てきて即サヨナラはどうかと……)てよかったよかった。
さゆちゃんも進化していたし、聞くところによると青年館ではカツラが変わってさらにかわいくなっているという話だし、みんな良い方向へ進んでくれてよかったよかった。
でも楽を観て、わたしのなかでいちばん株を上げたのが、クリストファー@かなめだった。
カッコイイ凰稀かなめなんて、何年ぶりだヲイ。
ヘタレの一途を突き進み、ダメダメ男としてその名を残すつもりなのかと危惧していたかなめくんが、かっこいいっす。美しいっす。や、どんなにダメダメでも美しくはあった彼だが、容姿の美しさではなく、役として美しいのは何作ぶりだよ??
我らの壮一帆主演『お笑いの果てに』のヒロイン役以来じゃないのか、カッコイイかなめくんなんて。
わたしは「顔が同じ」ことからはじまるラブストーリーがツボな人間なんだが、これってクリストファーとエリオットにもあてはまるよねえ?
クリスがアランをどう思っていたか、さらに今、アランと同じ顔をした、でもアランとは似ても似つかないエリオットを見て、しかもエリオットのパワーに押されて、どう思うのか。……いくらでも妄想できる、ストーリーを作れる、感じがすばらしい。や、脚本が穴だらけだからこそ、勝手に埋めることも可能なわけで。
初日もソレは感じたけれど、狙いすぎのタンゴとか、腐女子を萎えさせるよーなことばっか小柳タンがするし(真の腐女子は据え膳なんぞには萌えぬのだ)、テルもダメ度高いわで、とくになにも思わなかったんだが。
楽に見たときはテルのオトコマエ度が跳ね上がっていたので、「コレならイケる!」と瞠目しました。なんだよ、二枚目できるんじゃん。外見の話ではなく、中身が二枚目ってことね。
『お笑いの果てに』でも思ったけれど、かなめくんは男っぽいキャラクタを意識した方がいいんだろうな。ルドルフみたいな受キャラをやると、まちがえる。受=よわよわ、とか見当違いのイメージでせっかくの美貌を無駄遣い。
心根に強いモノを持った男でないと、受ではなくただのヘタレになるんだってば。つーことで、エドウィン中尉は野郎っぽさを意識してくれたおかげでステキにヒロイン、美貌の受キャラとして輝いていたし(つっても、相手が壮くんだったから、どーしよーもなかったが)、クリストファーは美貌の攻姫として開花。いやあ、ツンデレはよいですな(笑)。
下級生たちの楽しんでますオーラが、すごく気持ちよかった。
上手いかどうかではなく、まず、「そこにいること」を楽しんでいる、ことが気持ちいい。全員が意義を持って、意志を持って、存在している。や、脚本がアレだから役の存在意義とかアレなことはいっぱいあるが、そーゆーことではなく、演じている彼ら自身が「生きる意味」を感じている。
この混沌とした世の中、「生きる意味」だとか、醍醐味、充実感、そんなものを得られている人間がどれくらいいるよ? 自分が何故ここにいるのかもわからず、なんとなく生きているのが現状でしょう。
そんななか、今この瞬間、舞台の上にいる彼らはたしかに、「ここにいる意味」を理解し、意志を持って発散している。
前へ、前へとなにかを叫んでいる。
持てる能力のすべてで、全力疾走して、そしてそのことを、愉しんでいる。
彼らの輝きがうれしい。たのしい。気持ちいい。
その筆頭はキングだよなあ。うまいわけではぜんぜんないんだが(笑)、たのしくてしょうがないのがよくわかる。なにかやりたくてしょーがないんだろうなあ。
「キングにはがんばってほしいよなあ。なんせトウコちゃんに似てるんだし」
と言うと、おどろかれたけど。
「え、どこが?」
「顔」
剣幸にも似ているが。これから大人になって、頬の丸みが取れればさらにトウコに似てくるだろう。
「背が高くてスタイルが良くて、歌その他いろいろへたっぴなトウコ」
「……ソレ、トウコちゃんぢゃないし」
はい。顔以外なにもかも正反対です。
ゆみこちゃんは任が大きくなるたびにひとつひとつ、確実に階段を上っていってる気がする。
毎回「自己ベストより少し上?」てなバーを与えられ、地味だけど確実に跳んでみせる印象。たまたま跳べたんではなく、跳ぶための練習をきちんとした上で、本番で結果を出してくるというか。
この人を中心に舞台がまとまる、その空気感がいい。華々しい人ではないけれど、「次もまた、この人の舞台を観たい」と思う。お金を出す価値のある舞台人だ。
ビジュアルに多少難があったとしても、「演じる」ことでいくらでも男前になる。役者ってそういうもん。……わたし的には、ゆみこ真ん中って、ぜんぜんOKなんだけどなぁ。世間的にはどうなんだろうなぁ。
終演後の挨拶で、圭子ねーさまがあのかわいいアニメ声で夢や勇気の大切さ、そして「ゆみここそが、私たちに夢や勇気を与えてくれる存在」てなことを言っていた。あまりの持ち上げよう(?)に、出演者一同、そして観客も、あたたかくもくすぐったい笑いがこぼれる。
みんな笑っているのに。
ただひとり、真顔で「うん、うん」と力強く何度も頷く凰稀かなめに、ウケました。
テル……ほんまにゆみこのこと大好きなんやな……。見てて恥ずかしくなったわ(笑)。
人が人を愛している、愛しく思う、無償の心の動きっていうのは、見ていてしあわせになる。
わたしがない金と時間を工面して、それでもDCに再度足を運んだのは、この雪組キャストのあたたかさに触れたかったこともあるし、また、「ゆみたんカコイイ」しか言わなくなっている友人の、ぶっこわれぶりが愛しいせいもある(笑)。
愛がある。……それは、こんなにもひとをしあわせにするんだ。
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