誠実だからこその痛み。@アデュー・マルセイユ
2007年10月27日 タカラヅカ 「ジェラールさん」は日替わり回替わり、いつも別人、同じことはない。
だからどのジェラールを基本とするのか、さっぱりわからないけど。
本日『アデュー・マルセイユ』でわたしが見た「ジェラールさん」は、今まででいちばん「誠実」な、ふつーの感覚を持った人でした。
マルセイユに戻ってきたばかりのころが穏やかでローテンションなのは、最近のジェラールさんの特徴だけど、今回はことさらヒネていたりシニカル過ぎない、ふつーの人でした。
落ち着いた、大人の男。社交辞令の微笑みを浮かべることもできるし、素直な笑顔も浮かべることができる人。
誠実で、素直。
シモンのことを、どうやら本当に好きらしい。
……シモンのことまったく好きでもなんでもない、興味のない日もあったので、「あ、今日のジョジョはシモンのこと好きだぞ」とわかると、どきどきする(笑)。
そう、あれはいつの回のことだったか。
ジェラールがシモンにまったく興味がない日があった。以下、そのときの帰り道、ミニパソに書き殴った日記のコピペ。
☆
ジェラール、人の話聞いてる?
てゆーか、シモンの話聞いてる?
今回のジェラールさんはなんかぼーーっとしていて。自分の内側へ内側へ入り込んでいるようで、人の話をあまり聞いていないように思えた。
口、半開きだし。
なかでも、シモン相手にはいちばんぼーっとしている。表情はほとんど動かないし。
シモンがひとりで多彩な表情で語りかけ空回り度アップ。
最初に再会したところも、銀橋では多少テンション上げているけれど、やっぱり抑え目。シモンが微笑んでも軽くいなす感じで返してやらない。
「オレの女」とシモンが意気揚々と紹介するスター・ジャンヌのステージにも拍手もしてやらない。おもしろくなさそーに、心ここにあらずって感じに眺めたあと、周りが拍手しているので仕方なく、手を動か……そうとしたら、そこで終わった。結局拍手ナシかい。
恩人云々の話もすげーうざそう。
営業停止になったとヘコむシモンの背中を介抱するように撫で、ついでにアタマも撫で撫でするけど……表情はあまりない。
シモンの絶交宣言にも、心は動かず。「信じてくれ」と口では言うけれど、本気ではない。べつにシモンにどう思われようと関係ないみたい。あきらめているというか、突き放しているというか。
いちばん「ひでぇ」と思ったのは、最後のマルセイユ駅前。「ここでいい」と見送りを断ったあと、即座に自分モード突入。隣にまだシモンいるのに。彼はちゃんとジェラールを見つめているのに。シモンのこと、完璧に忘れている。
見送るシモンのせつない瞳がかなしい……ジェラール君のこと、ぜんぜん好きじゃなかったよ、今回……。
☆
や、ブログにアップする予定のない文章も、最近はタグ込みで書いてるもんだから(笑)。文字の大きさ変えたりとかも、そのときに書いたままっすよ。
このときのジェラールさんがいちばんイキイキと対峙していたのはモーリスくんで、マリアンヌにちょっかい出すのすら、モーリスへの当てつけに見えて、それはソレで愉快だった。
まあ、過去のジェラールさんはともかく、今回のジェラールさんはちゃんとシモンを大好きでうれしかった。
マルセイユ到着初日から、シモンにもジャンヌにもやさしく微笑みかける。笑顔がやわらかい。ジャンヌに対して微笑むのは、彼女がシモンの女だから。シモンへの愛がないときは、ジャンヌにもカケラも興味なく、笑顔もなかったからなー。
ジオラモの部屋を出たあとの、酔っぱらいシモンをあやすときは、肩を抱き、脳天に手を置き。
シモンを騙していることへの独白も、痛々しかった。ふつうに、心を痛めていることがわかる。
そう、ふつうなの。友人を……しかもあんなに善良で、アホな男を騙すのは、ふつーの人なら心苦しいでしょう。感情の動きがとても自然だった。苦しむ姿を見て、あ、いい人だ。そう思った。
石鹸アーティスト、シモンとバカルテットたちのところへ現れるときも、微笑んでいた。なんつーか、彼らを「仲間」だと思っている? シモンに「話がある」と言われ、笑顔で「ん?」と返している。
だからこそ、シモンから疑われたときに、返す言葉に懇願の色がある。「今はナニも言えないが、俺を信じてくれ」……こんこんと、心が伝わるようにと真摯に語りかけている。……シモンには、伝わらないけれど。
今までで、いちばんやさしいジェラールだ。
あ、上記の文の主語は全部ジェラールさんね。
絶交のあとの銀橋ソロは、哀しい虚ろさのあるはじまりから、一気に悲鳴のようなテンションに。うわ、傷ついている。悲しんでる。
すべてが明かされたときのシモンの「俺を担ぎやがって」に対するジェラールの「すまない」が、傷みに満ちていて……さすがののーてんきシモンも、自分の罪に気づいたようだ。どれだけジェラールを傷つけたか。
このやさしい男が、傷ついていたか。
シモンとの別れは、登場からすでに微笑んでいる。最後まで、彼に優しい。微笑み、かける。笑顔を、やさしい心や愛情を、シモンに向けている。
シモンに対してだけ書いたけれど、マリアンヌやモーリスに対しても、ジェラールさんは毎回チガウ演技をするので、そのたびにチガウ物語ができあがる。
観劇後はメモを取るので大変だよ(笑)。
今回は「誠実」なジェラールさんでよかった。なんか、ほっとした。
人間として、とてもふつうな、ニュートラルな感性を持ったジェラールさんだったので安心した。
や、ふつうにいい人だったから、彼が傷つく様は見ていて切なかったけど。
前回だっけ、その前だっけ、ものすごく「黒い」ジェラールさんだったことがあった。
シモンに疑われ、「信じてくれ」と言うあたりの黒さとかっこよさときたら……や、そんな嫌な言われ方したら、シモンもそりゃキレるって! 絶交されても仕方ないって! てな、黒いジェラールさん。
この黒い人のときってば、色気ダダ漏れでねえ……あんたどこのエロールさん?!って感じで、見ていてハァハァしたわ。
今回もその黒いジェラールさんを期待したんだけど(笑)、誠実なふつうの感性の人で、ああこれもアリだな、オイシイな、と思った。
公演終了まで、あと3回。わたしが見たのは最後から4つめの公演。
もうあとがないんだから、あまり個性的なジェラールさんにはせず、ふつーにしてくれる方が罪がない、気がする。や、あと3回のジェラールさんが、どんなジェラールさんかはわかんないけれど。
ちなみにVISA貸切だったんだけど、オサ様のCM撮影風景DVD、欲しかったよ……。座席番号で列当選だから、何十人と当たっているはず。
だけど立ち見のわたしは、最初から抽選範囲外。指くわえて抽選現場を眺めていた。
うわぁぁああん、びんぼーがみんな悪いんや〜〜!
……いやその、たとえ座席券を前もって購入する財力があったとして、当選したとは思えないがな、わたしのくじ運ぢゃ。
あと、3回。
東宝に行く予定はまーったくついていないので、リアルにカウントダウン。
あと3回だけ、オサ様に会える。あと3回しか、会えない……?
だからどのジェラールを基本とするのか、さっぱりわからないけど。
本日『アデュー・マルセイユ』でわたしが見た「ジェラールさん」は、今まででいちばん「誠実」な、ふつーの感覚を持った人でした。
マルセイユに戻ってきたばかりのころが穏やかでローテンションなのは、最近のジェラールさんの特徴だけど、今回はことさらヒネていたりシニカル過ぎない、ふつーの人でした。
落ち着いた、大人の男。社交辞令の微笑みを浮かべることもできるし、素直な笑顔も浮かべることができる人。
誠実で、素直。
シモンのことを、どうやら本当に好きらしい。
……シモンのことまったく好きでもなんでもない、興味のない日もあったので、「あ、今日のジョジョはシモンのこと好きだぞ」とわかると、どきどきする(笑)。
そう、あれはいつの回のことだったか。
ジェラールがシモンにまったく興味がない日があった。以下、そのときの帰り道、ミニパソに書き殴った日記のコピペ。
☆
ジェラール、人の話聞いてる?
てゆーか、シモンの話聞いてる?
今回のジェラールさんはなんかぼーーっとしていて。自分の内側へ内側へ入り込んでいるようで、人の話をあまり聞いていないように思えた。
口、半開きだし。
なかでも、シモン相手にはいちばんぼーっとしている。表情はほとんど動かないし。
シモンがひとりで多彩な表情で語りかけ空回り度アップ。
最初に再会したところも、銀橋では多少テンション上げているけれど、やっぱり抑え目。シモンが微笑んでも軽くいなす感じで返してやらない。
「オレの女」とシモンが意気揚々と紹介するスター・ジャンヌのステージにも拍手もしてやらない。おもしろくなさそーに、心ここにあらずって感じに眺めたあと、周りが拍手しているので仕方なく、手を動か……そうとしたら、そこで終わった。結局拍手ナシかい。
恩人云々の話もすげーうざそう。
営業停止になったとヘコむシモンの背中を介抱するように撫で、ついでにアタマも撫で撫でするけど……表情はあまりない。
シモンの絶交宣言にも、心は動かず。「信じてくれ」と口では言うけれど、本気ではない。べつにシモンにどう思われようと関係ないみたい。あきらめているというか、突き放しているというか。
いちばん「ひでぇ」と思ったのは、最後のマルセイユ駅前。「ここでいい」と見送りを断ったあと、即座に自分モード突入。隣にまだシモンいるのに。彼はちゃんとジェラールを見つめているのに。シモンのこと、完璧に忘れている。
見送るシモンのせつない瞳がかなしい……ジェラール君のこと、ぜんぜん好きじゃなかったよ、今回……。
☆
や、ブログにアップする予定のない文章も、最近はタグ込みで書いてるもんだから(笑)。文字の大きさ変えたりとかも、そのときに書いたままっすよ。
このときのジェラールさんがいちばんイキイキと対峙していたのはモーリスくんで、マリアンヌにちょっかい出すのすら、モーリスへの当てつけに見えて、それはソレで愉快だった。
まあ、過去のジェラールさんはともかく、今回のジェラールさんはちゃんとシモンを大好きでうれしかった。
マルセイユ到着初日から、シモンにもジャンヌにもやさしく微笑みかける。笑顔がやわらかい。ジャンヌに対して微笑むのは、彼女がシモンの女だから。シモンへの愛がないときは、ジャンヌにもカケラも興味なく、笑顔もなかったからなー。
ジオラモの部屋を出たあとの、酔っぱらいシモンをあやすときは、肩を抱き、脳天に手を置き。
シモンを騙していることへの独白も、痛々しかった。ふつうに、心を痛めていることがわかる。
そう、ふつうなの。友人を……しかもあんなに善良で、アホな男を騙すのは、ふつーの人なら心苦しいでしょう。感情の動きがとても自然だった。苦しむ姿を見て、あ、いい人だ。そう思った。
石鹸アーティスト、シモンとバカルテットたちのところへ現れるときも、微笑んでいた。なんつーか、彼らを「仲間」だと思っている? シモンに「話がある」と言われ、笑顔で「ん?」と返している。
だからこそ、シモンから疑われたときに、返す言葉に懇願の色がある。「今はナニも言えないが、俺を信じてくれ」……こんこんと、心が伝わるようにと真摯に語りかけている。……シモンには、伝わらないけれど。
今までで、いちばんやさしいジェラールだ。
あ、上記の文の主語は全部ジェラールさんね。
絶交のあとの銀橋ソロは、哀しい虚ろさのあるはじまりから、一気に悲鳴のようなテンションに。うわ、傷ついている。悲しんでる。
すべてが明かされたときのシモンの「俺を担ぎやがって」に対するジェラールの「すまない」が、傷みに満ちていて……さすがののーてんきシモンも、自分の罪に気づいたようだ。どれだけジェラールを傷つけたか。
このやさしい男が、傷ついていたか。
シモンとの別れは、登場からすでに微笑んでいる。最後まで、彼に優しい。微笑み、かける。笑顔を、やさしい心や愛情を、シモンに向けている。
シモンに対してだけ書いたけれど、マリアンヌやモーリスに対しても、ジェラールさんは毎回チガウ演技をするので、そのたびにチガウ物語ができあがる。
観劇後はメモを取るので大変だよ(笑)。
今回は「誠実」なジェラールさんでよかった。なんか、ほっとした。
人間として、とてもふつうな、ニュートラルな感性を持ったジェラールさんだったので安心した。
や、ふつうにいい人だったから、彼が傷つく様は見ていて切なかったけど。
前回だっけ、その前だっけ、ものすごく「黒い」ジェラールさんだったことがあった。
シモンに疑われ、「信じてくれ」と言うあたりの黒さとかっこよさときたら……や、そんな嫌な言われ方したら、シモンもそりゃキレるって! 絶交されても仕方ないって! てな、黒いジェラールさん。
この黒い人のときってば、色気ダダ漏れでねえ……あんたどこのエロールさん?!って感じで、見ていてハァハァしたわ。
今回もその黒いジェラールさんを期待したんだけど(笑)、誠実なふつうの感性の人で、ああこれもアリだな、オイシイな、と思った。
公演終了まで、あと3回。わたしが見たのは最後から4つめの公演。
もうあとがないんだから、あまり個性的なジェラールさんにはせず、ふつーにしてくれる方が罪がない、気がする。や、あと3回のジェラールさんが、どんなジェラールさんかはわかんないけれど。
ちなみにVISA貸切だったんだけど、オサ様のCM撮影風景DVD、欲しかったよ……。座席番号で列当選だから、何十人と当たっているはず。
だけど立ち見のわたしは、最初から抽選範囲外。指くわえて抽選現場を眺めていた。
うわぁぁああん、びんぼーがみんな悪いんや〜〜!
……いやその、たとえ座席券を前もって購入する財力があったとして、当選したとは思えないがな、わたしのくじ運ぢゃ。
あと、3回。
東宝に行く予定はまーったくついていないので、リアルにカウントダウン。
あと3回だけ、オサ様に会える。あと3回しか、会えない……?
コメント