「永遠」を探して。@『A-“R”ex』千秋楽
2007年12月27日 タカラヅカ 劇場に足を踏み入れると、先に来ていた友人たちが「大丈夫?」「アタマ、煙出てない?」と声をかけてきた。
千秋楽耐久レース、最終日。月組ドラマシティ公演『A-“R”ex』千秋楽。
ははは。煙出てるかも。なんかもー、なにも考えられない。
東宝でオサ様見送って、翌日がバウホールでゆーひくんの『HOLLYWOOD LOVER』千秋楽だった。
まだ感想書いてないけど、作品とは別のところでけっこーキツい公演で。
オサ様失った翌日に、何故よりによってこの作品を観ているんだあたし? とは、自問した(笑)。
そしてその翌日が、オギー作品だ。
オギー作品は体調、気分によってキ方がまったく変わってくる。万全の体調で臨むべくモノなのに……。
ゆーひくん主演公演はやっぱり初日・楽にこだわりたいけれど、DCの方はそこまでじゃない。作品を楽しめる日程で観劇するべきだろう。
や、シビさん退団でなければ、千秋楽にこだわることはなかったんだよ、ほんと。オギーファンとしては、シビさんの最後は見届けたいじゃないか……青年館までは行けないから、せめて大阪で。
誰だよ、こんなスケジュール組んだの。
と、嘆息しつつ。
思い出すのは、2004年。
ケロを東宝で見送って、1日かけて大阪に戻ってきて、その翌日にはドラマシティで『天の鼓』観てたんだ。
なにしろ誰にでも太鼓判押せちゃうトンデモ公演、大笑い作品。抱腹絶倒のおもしろさ。
……ケロを見送ったあと、最初に観たのがオサ様だったんだなあ……。や、まっつでもあったわけだが。
舞台で、ジェンヌで、どん底にも叩き落とされる。
いいトシこいて信じられない泣き方して、仲間たちに捕獲されてなだめられて、なんとか人間に立ち戻って帰阪できた。
舞台を観ていなければ、ジェンヌを好きになっていなければ、知らずに済んだ混乱や痛み。
それでいて。
舞台で、ジェンヌで、救われる。
どんなに痛い目にあっても、大泣きしても、それでもわたしを救ってくれるのは舞台であり、ジェンヌである。
3年前も今も。
あのときは「チケット取ってあるから」と貧乏性で観劇した。ケロを見送ったばかりで心身共にボロボロだったが、それでも「オサ様観に行くべ」と劇場に向かった。
それで、良かったのだと思う。
タカラヅカを好きであること。
それを確認するために。
オサ様東宝楽、ゆーひバウ楽、あさこDC楽と、千秋楽3連発、耐久レース。誰だよこんなバカなスケジュール組んだの。
そううそぶきながらの強行軍。
走るのやめたら、倒れちゃうじゃん?
で、倒れたら、立ち上がるのって大変だから。倒れないでいることより、大変だったりするから。
とりあえず、走り続けよう。
オサ様いなくなっても、まだ、タカラヅカは続いている。
それを確認するために、劇場へ行く。
オサ様がいた、オサ様と出会った花園は、消えていない。
3年前、オサ様がソレを教えてくれたように。
オサ様を失ってから、最初に会ったのがゆーひくん。
美しい、美しすぎる人。
「タカラヅカ」というファンタジーを体現するひとり。
そして、思いがけず客席にいた、ナマまっつ。
癒されて。
なんかもー、泣けるほど癒されて。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
そして、翌日の『A-“R”ex』。
幕間に信じられない発表があり、混乱しながらの第2幕。
美しさが、まぶしくて。
あさこが、かなみんが、きりやんが。
美しくて、発光していて、透き通って輝いていて。
なんて美しいんだろう。
『A-“R”ex』自体は、いろいろイタい物語で。正視が辛い部分が多分にある。
オギー作品にしては画面としての情報量が少なく(台詞での説明は膨大だが)、テーマに集中しやすい作りになっていることも観客を追いつめる効果があると思う。テレビ画面向きの作りっちゅーか、小劇場向けっちゅーか。やっぱコレ、ヅカでやるべきぢゃないよなあ、と思いつつも。
やはり、タカラヅカであるからこそ。
そんなものすら内包してしまう、許されてしまう特殊な世界だからこそ。
たどり着くラストシーンの美しさに救われる。
ニケ改めロクサーヌ@かなみちゃんが登場したあたりからもー、泣けて泣けて仕方ない。
浄化される。
様々なモノが。
や、わたしは不純なまま、愚かでどーしよーもないままだが。
それでも、救われるんだ。
やさしい光が、包んでくれるから。
千秋楽の挨拶では、退団者ふたりの挨拶もあった。
狂気の花嫁クレオパトラを演じたりんかちゃん。
そして、屈指の歌姫、シビさん。
りんかちゃんは端的にきびきびと挨拶をし、シビさんは……爆笑トークを繰り広げた。
彼女が語るのは同期の立さんのことだ。
退団挨拶どーしよー、と立さんに相談したところ、彼は「そんなん、なんでもええねん」てな実に豪快な返事をした。それを信じてシビさんはナニも考えずにいたらしい。
が。
当の立さんは東京へ向かう新幹線の中からすでに「かっこいい」退団挨拶を考え、何度も練習をし、2日前に東宝で「かっこよく」キメて来たとのこと。
ナニそれ、ソレって「試験勉強どうする?」「そんなんせんでええ」「そやんな、せんでええよな」……と言って、隠れて猛勉強するノリ?(笑) で、成績発表で「がーん……」としているノリ?(笑)
「ちょっとみなさん、聞いてくださいよー、どう思いますー?」てな、世間話の爆裂トークする勢いで、シビさん語る語る。
で。
途中で気付いたんだけど。
立さん、客席にいるし。
てゆーか、わたしらと同じ列じゃん!!
おかげで、彼の表情や、爆笑しながら舞台のシビさんに向かってなにか言っている姿がよく見えた。
え、えーと。
立さん、わたし2日前、あなたのこと見送っていて。
あの毅然とした挨拶に胸を熱くし、端正な姿に感動したひとりなんですが。
……すべて、ギャグになっとりますがな、シビさんのオチに使われてますがなっ(笑)。
正直まだ、東宝楽のことは整理がつかないし、現実だとも思えていないのだけど。
それでも、とも&しびで漫才を繰り広げる「生きた」ふたりの姿に胸が躍った。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
フィナーレがないのは相変わらずだが、最後に「すみれの花咲く頃」の歌があった。
や、千秋楽にみんなで「すみれ…」を歌ってお別れ、はめずらしいことではないが。
この「すみれの花咲く頃」で、美しい歌声をりんかちゃんが披露してくれた。
コーラスではなく、ソロ。
みんなで歌ってお別れ、はめずらしいことでなくても、退団者がソロで歌うのはめずらしい……てか、はじめて見た。
正統派の、美しい「娘役」の歌声。培ってきたモノを最後に披露してくれたんだ。
りんかちゃんがワンコーラス歌いきると、伴奏ががらりと変わった。
同じ曲。「すみれの花咲く頃」だ。
なのに、これは。
ジャズ・アレンジだ!!
大人っぽい粋なアレンジで、今度はシビさんが独唱した。
すげえ。
このためだけに、音楽録音したんだ。
みんなで歌って、の「すみれの花咲く頃」ならいつもの録音テープで十分だけど、娘役ソロのあとにジャズ・バージョンってソレ、新録音じゃん、オリジナルじゃん。
さすがオギー。「お帰りなさい壮くん」を、初日1回限りの演出した人だ。
シビさんの歌声は、やがて全員でのコーラスにつながる。
「すみれの花咲く頃」。
ここは、美しいところ。
美しい、夢の花園。これからも続いていく、「永遠」に消えない場所。消してはならない場所。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
救われるために、しあわせになるために、これからも劇場へ行く。
「好き」だと思う気持ちが、力になる。
この花園を、愛し続ける。
千秋楽耐久レース、最終日。月組ドラマシティ公演『A-“R”ex』千秋楽。
ははは。煙出てるかも。なんかもー、なにも考えられない。
東宝でオサ様見送って、翌日がバウホールでゆーひくんの『HOLLYWOOD LOVER』千秋楽だった。
まだ感想書いてないけど、作品とは別のところでけっこーキツい公演で。
オサ様失った翌日に、何故よりによってこの作品を観ているんだあたし? とは、自問した(笑)。
そしてその翌日が、オギー作品だ。
オギー作品は体調、気分によってキ方がまったく変わってくる。万全の体調で臨むべくモノなのに……。
ゆーひくん主演公演はやっぱり初日・楽にこだわりたいけれど、DCの方はそこまでじゃない。作品を楽しめる日程で観劇するべきだろう。
や、シビさん退団でなければ、千秋楽にこだわることはなかったんだよ、ほんと。オギーファンとしては、シビさんの最後は見届けたいじゃないか……青年館までは行けないから、せめて大阪で。
誰だよ、こんなスケジュール組んだの。
と、嘆息しつつ。
思い出すのは、2004年。
ケロを東宝で見送って、1日かけて大阪に戻ってきて、その翌日にはドラマシティで『天の鼓』観てたんだ。
なにしろ誰にでも太鼓判押せちゃうトンデモ公演、大笑い作品。抱腹絶倒のおもしろさ。
……ケロを見送ったあと、最初に観たのがオサ様だったんだなあ……。や、まっつでもあったわけだが。
舞台で、ジェンヌで、どん底にも叩き落とされる。
いいトシこいて信じられない泣き方して、仲間たちに捕獲されてなだめられて、なんとか人間に立ち戻って帰阪できた。
舞台を観ていなければ、ジェンヌを好きになっていなければ、知らずに済んだ混乱や痛み。
それでいて。
舞台で、ジェンヌで、救われる。
どんなに痛い目にあっても、大泣きしても、それでもわたしを救ってくれるのは舞台であり、ジェンヌである。
3年前も今も。
あのときは「チケット取ってあるから」と貧乏性で観劇した。ケロを見送ったばかりで心身共にボロボロだったが、それでも「オサ様観に行くべ」と劇場に向かった。
それで、良かったのだと思う。
タカラヅカを好きであること。
それを確認するために。
オサ様東宝楽、ゆーひバウ楽、あさこDC楽と、千秋楽3連発、耐久レース。誰だよこんなバカなスケジュール組んだの。
そううそぶきながらの強行軍。
走るのやめたら、倒れちゃうじゃん?
で、倒れたら、立ち上がるのって大変だから。倒れないでいることより、大変だったりするから。
とりあえず、走り続けよう。
オサ様いなくなっても、まだ、タカラヅカは続いている。
それを確認するために、劇場へ行く。
オサ様がいた、オサ様と出会った花園は、消えていない。
3年前、オサ様がソレを教えてくれたように。
オサ様を失ってから、最初に会ったのがゆーひくん。
美しい、美しすぎる人。
「タカラヅカ」というファンタジーを体現するひとり。
そして、思いがけず客席にいた、ナマまっつ。
癒されて。
なんかもー、泣けるほど癒されて。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
そして、翌日の『A-“R”ex』。
幕間に信じられない発表があり、混乱しながらの第2幕。
美しさが、まぶしくて。
あさこが、かなみんが、きりやんが。
美しくて、発光していて、透き通って輝いていて。
なんて美しいんだろう。
『A-“R”ex』自体は、いろいろイタい物語で。正視が辛い部分が多分にある。
オギー作品にしては画面としての情報量が少なく(台詞での説明は膨大だが)、テーマに集中しやすい作りになっていることも観客を追いつめる効果があると思う。テレビ画面向きの作りっちゅーか、小劇場向けっちゅーか。やっぱコレ、ヅカでやるべきぢゃないよなあ、と思いつつも。
やはり、タカラヅカであるからこそ。
そんなものすら内包してしまう、許されてしまう特殊な世界だからこそ。
たどり着くラストシーンの美しさに救われる。
ニケ改めロクサーヌ@かなみちゃんが登場したあたりからもー、泣けて泣けて仕方ない。
浄化される。
様々なモノが。
や、わたしは不純なまま、愚かでどーしよーもないままだが。
それでも、救われるんだ。
やさしい光が、包んでくれるから。
千秋楽の挨拶では、退団者ふたりの挨拶もあった。
狂気の花嫁クレオパトラを演じたりんかちゃん。
そして、屈指の歌姫、シビさん。
りんかちゃんは端的にきびきびと挨拶をし、シビさんは……爆笑トークを繰り広げた。
彼女が語るのは同期の立さんのことだ。
退団挨拶どーしよー、と立さんに相談したところ、彼は「そんなん、なんでもええねん」てな実に豪快な返事をした。それを信じてシビさんはナニも考えずにいたらしい。
が。
当の立さんは東京へ向かう新幹線の中からすでに「かっこいい」退団挨拶を考え、何度も練習をし、2日前に東宝で「かっこよく」キメて来たとのこと。
ナニそれ、ソレって「試験勉強どうする?」「そんなんせんでええ」「そやんな、せんでええよな」……と言って、隠れて猛勉強するノリ?(笑) で、成績発表で「がーん……」としているノリ?(笑)
「ちょっとみなさん、聞いてくださいよー、どう思いますー?」てな、世間話の爆裂トークする勢いで、シビさん語る語る。
で。
途中で気付いたんだけど。
立さん、客席にいるし。
てゆーか、わたしらと同じ列じゃん!!
おかげで、彼の表情や、爆笑しながら舞台のシビさんに向かってなにか言っている姿がよく見えた。
え、えーと。
立さん、わたし2日前、あなたのこと見送っていて。
あの毅然とした挨拶に胸を熱くし、端正な姿に感動したひとりなんですが。
……すべて、ギャグになっとりますがな、シビさんのオチに使われてますがなっ(笑)。
正直まだ、東宝楽のことは整理がつかないし、現実だとも思えていないのだけど。
それでも、とも&しびで漫才を繰り広げる「生きた」ふたりの姿に胸が躍った。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
フィナーレがないのは相変わらずだが、最後に「すみれの花咲く頃」の歌があった。
や、千秋楽にみんなで「すみれ…」を歌ってお別れ、はめずらしいことではないが。
この「すみれの花咲く頃」で、美しい歌声をりんかちゃんが披露してくれた。
コーラスではなく、ソロ。
みんなで歌ってお別れ、はめずらしいことでなくても、退団者がソロで歌うのはめずらしい……てか、はじめて見た。
正統派の、美しい「娘役」の歌声。培ってきたモノを最後に披露してくれたんだ。
りんかちゃんがワンコーラス歌いきると、伴奏ががらりと変わった。
同じ曲。「すみれの花咲く頃」だ。
なのに、これは。
ジャズ・アレンジだ!!
大人っぽい粋なアレンジで、今度はシビさんが独唱した。
すげえ。
このためだけに、音楽録音したんだ。
みんなで歌って、の「すみれの花咲く頃」ならいつもの録音テープで十分だけど、娘役ソロのあとにジャズ・バージョンってソレ、新録音じゃん、オリジナルじゃん。
さすがオギー。「お帰りなさい壮くん」を、初日1回限りの演出した人だ。
シビさんの歌声は、やがて全員でのコーラスにつながる。
「すみれの花咲く頃」。
ここは、美しいところ。
美しい、夢の花園。これからも続いていく、「永遠」に消えない場所。消してはならない場所。
ありがとう。
意味もなく、心の中で何度もつぶやいて。
救われるために、しあわせになるために、これからも劇場へ行く。
「好き」だと思う気持ちが、力になる。
この花園を、愛し続ける。
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